2017年05月26日

シュパーゲルのワイン会2017の様子

5月20日に永田町ビッテにてシュパーゲル(白アスパラ)のワイン会を開催しました。その様子をざっと書いていきます。
このシュパーゲルの会はヴァインベルクをオープンさせた時から毎年開催している恒例になっている会です(昨年の様子はこちら)。


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ワインは7種類用意しました。
15人の方が集まっていたので、最初の乾杯のゼクトは1本で少しずつ、その他は一種類につき2本用意しました。
シュパーゲルの会は、ドイツでも一緒に飲むことの多いジルヴァーナー、そしてジルヴァーナーのワインが多いフランケン、を中心としてワインを選んでいます。

1 リースリング・ゼクト/ゾルター
2 ヴァイサーブルグンダー/ベルンハルト・アイフェル
3 ジルヴァーナー アンナ・レナ/ブレンフレック (日野屋輸入)
4 ジルヴァーナー ムッシェルカルク/ビッケル・シュトゥンプ
5 ジルヴァーナー ブントザントシュタイン/ビッケル・シュトゥンプ
6 ロート・ヒューゲル/ビッケル・シュトゥンプ7 リースリング アウスレーゼ/ベルンハルト・アイフェル 

さわやかで少し暑くなってきているこの季節にぴったりなリースリングのゼクトで乾杯しながらざっと今回の趣旨を説明していきました。
近年日本でも白アスパラを食べられる機会が増えてきていますが、ヨーロッパ産の太いシュパーゲルは別物であり、こういうものだからこその良さがあること、そして、ドイツでは季節のものとして日常の中でたくさん食べる食材なので、ドイツでもこうやって質の高いワインとシュパーゲルを食べる機会はそうはない、というような話をしました。
ドイツでも太いシュパーゲルは人気があり高級レストランにまわるのがほとんどで、輸入にまわる量がないため、近年は質が変わらないオランダ産が日本に輸入されている中心となっています。


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前菜はシュパーゲルの冷製、チキン、生ハム、野菜のテリーヌです。
2のモーゼルのヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)はシュパーゲルや春の料理に合わせやすいのがわかってきたので今回このワインを選びました。
3のジルヴァーナーはヴァインベルクの輸入ではありませんが毎年このワインは提供して今年も選びました。
味筋は似ていてもやわらかく包み込む2とコクで合わせるタイプの3と料理との合わせ方は少し異なるのがわかって飲み比べは興味深かったと思います。


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シュパーゲルを茹でた出汁によるクリームスープはアルコール度数は13.5%と高いけれどやさしい味わいの4のムッシェルカルク(貝殻石灰質)土壌のジルヴァーナーと同調して、やさしさが溢れていてほっとする気持ちになれました。


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当初はメインと一緒に提供の予定だったシュパーゲルのボイルは混ぜないほうがよいのではということで別々での提供となりました。
定番のオランデーズソースです。以前、5のブントザントシュタインと白アスパラを合わせたときは冷製だったからかあまりよい相性ではないと思ったのですが、温かいものだととても良い組み合わせだと感じました。
他の白ワインとも相性がよくそれぞれ少しずつ異なる合わせ方となっていて、各々参加者は楽しまれていました。
格付けは同じで土壌違いの4と5のジルヴァーナーの飲み比べはみなさん興味深かったようです。好みはどちらかに集中するのではなくばらけていました。どちらも良いワインなので、好みやシチュエーションで選んでいただければと思います。


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メインはスペイン産の仔豚のグリルです。別のものの予定だったのですが、仔豚が手に入るということでシェフのご好意ご厚意でこちらとなりました。
肉質がふつうの豚肉とは異なり、皮もおいしく、みなさんとても喜んでいました。部位によっての違いが楽しめるのもよかったと思います。
赤ワインはフランケンの4品種ブレンドの6のロート・ヒューゲルです。店主が思っているよりも好評でびっくりしました。ドイツに住んでいた方たちも今まで飲んだドイツ産の赤ワインの中で一番おいしい、と言っていました。
軽さもあるけれどほどよい濃さの果実味のバランスが素晴らしいワインです。ドイツの赤ではピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)が注目されていますが、その他の赤ワインも少しタイプが異なる良いワインがたくさんあるのでヴァインベルクではそういった赤ワインも紹介しています。


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オーナーシェフの日見さんです。カットする前の仔豚も写っています。
お忙しい中、今回も特別なコース料理を組んでいただき感謝しています。
シェフの料理はやさしい味わいだからヴァインベルクのワインと相性がよいのでは、という感想を言っている方もいました。たしかにそうだなあとあらためて思いました。
シュパーゲル料理は6月もやっているので興味のある方はお店にお越しください(いつまでやっているかはお店に問い合わせしてご確認ください)。ドイツらしいシュパーゲルと料理が食べられるお店は東京ではまだ少ないので、白アスパラが好きな方はぜひ訪れていただきたいです。

デザートは自家製のイチゴのシャーベットで、ワインのしめは7の甘口アウスレーゼです。2015年とまだ若いですが十分楽しめる甘口ワインで、こういった会の最後にはちょうどよい甘みと濃さです。

今回も皆さんに喜んでいただけた会となりました。
別室でやったこともありヴァインベルク店主が料理の提供などもしていたのであわただしかったと思うのですが、料理とワインで満足されていたのでなんとかなりホッとしています。
来年もぜひやりたいと思っています。


6月の会は武蔵小金井の老舗ソーセージ店での会です。ソーセージだけでなく色々なお肉とドイツワインを楽しんでいただけます。バーベキューに合うドイツワインというテーマでもワインを選びます。リースリングだけでなく、ゼクト、ロゼ、ソーヴィニヨンなどを提供予定です。
下記のfacebookページがありますが、facebookをやられていない方で参加希望の方はホームページの問い合わせフォームなどからお申込みください。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


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2017年05月07日

テュンガースハイムを訪れて ビッケル・シュトゥンプ醸造所訪問2017年3月

今回はフランケンの醸造所ビッケル・シュトゥンプBickel Stumpfです。
2015年の冬に訪れたのはショップとゲストルームのあるフリッケンハウゼンFrickenhausenだったのですが(その時の記事はこちら)、醸造設備はテュンガースハイムTuengersheimにあり、この2つの地は地質が違い(ムッシェルカルクとブントザントシュタイン)、そのことをウリにしている生産者なのでテュンガースハイムにも行ってみたいと思い実現しました。
テュンガースハイムを案内するのは特別な人だけということでしたが受け入れてくださり感謝しています。
当主の娘で営業担当のメラニーはフリッケンハウゼンに住んでいますがこのために来てくれて、テュンガースハイムに住んでいる当主の息子で栽培、醸造担当のマティアスもボトリングで忙しい中対応していただきました。
フリッケンハウゼンはヴュルツブルクの南、テュンガースハイムは北に村があり35キロ離れています。共にマイン川沿いの小さな村です。


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テュンガースハイムの駅でメラニーと合流し、醸造所へ向かう途中で旧市街を通りました。
これは旧市街の入り口の門です。


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フリッケンハウゼンのほうが観光地としては華やかさがありますが、より古い建物でこじんまりとしていて趣がありました。
どちらも小さい集落だったのですが、フリッケンハウゼンは川と丘の間の平地は少なくて住居にできる土地が狭いけれど、テュンガースハイムは土地があり、畑がどんどんなくなり旧市街のまわりにどんどん住居が増えているそうです。ヴュルブルクからも通勤が容易な距離で土地代も安いから人気な場所だそうです。


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醸造所でマティアスと合流して3人でベンツのトラックに乗り畑を案内してもらいました。
テュンガースハイムの中心の畑はヨハニスベルクJohannisbergで、急斜面の部分がたくさんあり、それらの最良な部分にはジルヴァーナーが植えられています。ビッケル・シュトゥンプのジルヴァーナーは樹齢30年から50年くらいのが多いそうです。
モーゼルやラインガウの良い畑にはリースリングが植えられているように、フランケンではジルヴァーナーが植えられています。
古くなり植えかえられている区画がいくつかあったのですが、どこもジルヴァーナーが植えられていると言っていました。
フランケンは品種の多様性も魅力だと思っているのですが、日本人が思っているよりもフランケンの人はジルヴァーナーに思い入れがあるような気がしました。
ビッケル・シュトゥンプは緩やかな丘や平地には赤ワイン用のぶどうも植えています。エアステ・ラーゲのシュペートブルグンダーや4種類の品種のブレンドのロート・ヒューゲルもテュンガースハイムの畑のぶどうから造られています。


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マティアスと。写真を撮る時にドイツの生産者には「リースリーング」と言われることが多いのですが、フランケンなのでジルヴァーナーとメラニーが言っていて笑っていたのです。
前日までモーゼルにいたので、急斜面がモーゼルっぽいだろと言われたのですが、モーゼルやラインガウよりもヴュルテンベルクに雰囲気が似ていると感じました。ヴュルテンベルクのクナウスが所有するヴァインシュタットも丘がいりくんでいて似ているのです。ヴュルテンベルクとフランケンは形成された地質年代は異なりますが三畳紀に分類されていて同じような地形の成り立ちだからかそう感じたのだと思います。


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テュンガースハイムの地質はブントザントシュタイン(雑色砂岩で)、地質の色で地面が赤く見えるところもあります。
しかし標高の高いところはこのように白くなっているところもあります。頂上のところにはムッシェルカルク(貝殻石灰質)の岩があり、その砕かれた石が転がっているのです。
ヴュルテンベルクでは同じ畑でも標高によってコイパーの中でも形成年代が異なり地質が異なるように、フランケンでも同じようなことがあり、このテュンガースハイムはムッシェルカルクとブントザントシュタインの境の場所なのです。
地面の下のほうはブントザントシュタインだけれど上の層はムッシェルカルクというところもあり、樹齢が若い樹は特にムッシェルカルクの影響が強いという区画もあると思います。
この畑は何の土壌、と一言で表しても、単一でない場合には区画や樹齢などによっては代表的ではない要素が含まれることもある、というのがよくわかる例となりました。
ビッケルシュトゥンプのジルヴァーナー・ブントザントシュタインのワインはブントザントシュタインの影響がわかりやすく出ているように感じました。


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醸造所に戻り樽試飲をしました。木樽は1000リットルの古樽です。
樽は外に出していて、シュポンターン(自然発酵)でまだ発酵しているものの活動を促すために冬を越すと少し気温の高い外に置いておくそうです。
2016年産からはテュンガースハイムのリースリングからもGGをリリースするそうです。ジルヴァーナーもフリッケンハウゼンだけでなくテュンガースハイムで上のクラスのもリリースしたいと言っていました。まだ若い樹のがもっと良い質になってきてからということだと思います。


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室内にはステンレスタンクがたくさんありました。この他にもまだあります。
左のタンクは、トゥウェンティ―シックスなどブレンドでリリースしているワインを、別々のタンクで発酵させていたものを一緒にする時に使用しています。そこに入っていた2016年産の26ロゼも試飲しました。2015年産はシュペートブルグンダーのみでしたが2016年産はブレンドだそうですが、味の違いはあまりわかりませんでした。2016年産のほうが少しだけ甘く感じたというくらいでした。
ジルヴァーナー・ブントザントシュタインのワインは2つのタンクのをブレンドしているとのことだったのですが、別の区画ということだったのですが、残糖感や果実味がかなり異なっていて驚きました。この違いで深みを出しているということでした。
この日の数日後にブレンドしてボトリングすると言っていました。


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2人のお父さん(当主)もいらしていて対応してくださいました。
こうやって歓迎していただけるのはとてもうれしいし、がんばってビッケルシュトゥンプを売らなくてはという気持ちになります。


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ボトリングなどの準備で大変な男性2人とは醸造所でお別れして、メラニーとヴュルツブルクに行き昼食を一緒に食べました。
私はこちらの地方の伝統的な野菜と共に食べるボイルしたソーセージを注文しました。ヴァイスブルストとふつうのソーセージの中間くらいという印象を受けました。
メラニーは生の牛肉をたくさんの香辛料を混ぜて食べるタルタルステーキを注文していました。たまに食べたくなるそうです。
メラニーとゆっくり会話するのは初めてだったので色々と話ができたいし彼女の性格もわかってよかったです。他の醸造所の女性とは全く異なるタイプということがわかりました。アイフェルのアレキサンドラ同様、彼女も数年前に出産し育児と仕事の両立をしています。
兄弟の対比も面白かったです。メラニーは愉快でちょっと抜けいているかんじがあり、マティアスはストイックでワイン造りが全ての中心、といったかんじで、この2人の組み合わせがいい方向に向かせている、ということを感じました。


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連れ来てもらったレストランは観光名所になっている橋のところにあります。立地だけでなく料理もワインも質が良いのでまた来てみたいと思いました。
ここでメラニーとお別れしました。彼女は南のフリッケンハウゼンに戻っていきました。
ビッケルシュトゥンプでどのくらい時間をとるかわからなかったので、この日はヴィースバーデンに戻る時間までは他に予定を入れていなったのですが、4時間くらい時間があったので、久しぶりに世界遺産のレジデンツの中を見学したり、ユリウスシュピタールの居酒屋でゼクトとスープを楽しんだり、ビールを飲んだり、といつもぎちぎちなスケジュールなので久しぶりにゆったりとした時間をドイツですごすことができました。予約していたICEの運行がキャンセルになっているというハプニングはありましたが、事前にネットで気がついたので大きな支障はなくヴィースバーデンに戻ることができました。
1日もいないフランケンでしたが、充実した時間をすごすことができました。


今回紹介したビッケルシュトゥンプからは4種類のワインが入荷してネットショップに掲載しています(newとなっているのが新入荷です)。
http://weinbergwine.com/24.html
どのワインもタイプが異なり魅力的なワインです。
ジルヴァーナーは2014年産はブントザントシュタインのみ輸入しましたが、今回の2015年産は同格のオルツヴァインのムッシェルカルクもブントザントシュタインと共に入荷しています。

5月13日の新宿リースリングで15時から17時まで開催するヴァインベルクの試飲会でもこれらの4種類はお飲みいただけます。
事前申し込みは不要ですのでお気軽にお越しください。詳細は下記をご覧ください。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com





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2017年05月04日

シュヴァイッヒャー・アンナベルクの畑を訪れて ベルンハルト・アイフェル醸造所訪問2017年3月

今回はモーゼル中域、ピースポートより上流(トリアー寄り)のトリッテンハイムTrittenheimに醸造所のあるベルンハルト・アイフェルBernhard Eifelです。

この醸造所も何度も訪れているのですが、トリッテンハイムからは離れている所有する畑シュヴァイッヒャー・アンナベルクSchweicher Annabergに寄りたいとリクエストしてこの畑を見るところからスタートしました。この畑には一度、現当主のアレキサンドラの旦那さんと訪れているのですが(その時の記事はこちら)、この畑のワインにはかなり思い入れがあるのでもう一度訪れたいと思いリクエストしたのです。アイフェルのワインは、トリッテンハイムのワインだけでなく、この畑のワインも素晴らしくて気に入っています。著名な生産者があまり所有していないのであまり知られていないのですが、アンナベルクはかなりポテンシャルの高い畑なのです。
畑から一番近い鉄道の駅であるシュヴァイッヒSchweichでアレキサンドラと合流し、モーゼル川沿いの畑に向かいました。


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モーゼルらしい、蛇行するが川と急斜面の畑が広がっています。ここにいるだけで喜びに満ちてきます。


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どれだけ急斜面かがこの写真でおわかりいただけるかと思います。

ベルンハルト・アイフェルではいくつかの区画を所有していて(全てリースリングです)、それぞれ樹齢が少し異なります。一番古いところ(最初の画像)は樹齢が100年を超えていて、他の区画もほとんどが60年から80年の樹齢で、大半はフィロキセラの害を逃れた自根です。収穫量が多く出来がとてもよいヴィンテージは、樹齢の一番古い区画のみで畑名のGGクラスのワインとしてリリースしていて、その他の自根のエリアのぶどうがヴルツェルエヒテWurzelechteのワインになります。それらのエリアでも早積みしたぶどうや樹がダメになり植え替えた樹からのぶどうはロートリンゲンデンRotliegendenのワインになります。ベルンハルト・アイフェルでは自然発酵なので発酵はコントロールしない醸造なのですが、彼女らのこの畑のワインはどれもトロッケンの規定よりも少しだけ残糖のあるワインとなります。しかし土壌由来で複雑みとボリューム感があるので甘いと感じるわけではなくとてもよいバランスのワインに仕上がっています。
また、それぞれの畑でアウスレーゼもリリースしているのですが、それは区画ではなく、ボトリティス菌がついて、クリーンな味わいにしたい辛口系には混ぜたくないということで、目視でのけて辛口系用のぶどうは収穫しその後にさらに熟したぶどうからアウスレーゼを造っているのです。今はアウスレーゼより上のクラスのワインはリリースしていなくて全てアウスレーゼの中に含まれるので、他の醸造所のベーレンアウスレーゼ、トロッケンベーレンアウスレーゼのクオリティ(貴腐ワイン)に近いです。価格もBA、TBAに比べればかなり安価です。

一番樹齢が古いエリアは栽培方法は棒仕立てなのですが、その他は異なる仕立て方をしていると聞きました。樹にとっての最適な仕立てという他に、急斜面の中でいかに労働しやすいかということを考慮しながら仕立て方を考えているとのことでした。ミュレンもですが、100年前後のは棒仕立てでないとだめなそうですが、もう少し若いと応用がきくようで、醸造所ごとにいろいろなやり方をしていることがわかりました。

前回投稿したミュレンのパラディースの畑とは異なり、この畑は地面は土で覆われていますが、30cm下からは同様のシーファー(粘板岩)です。上のほうは土がないところもあると言っていました。
こちらの畑では転んでしまいました。石よりも土のほうが滑りやすくて危険ということを身をもって感じたのでした。


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アンナベルクの隣の畑はロングイッヒャー・ヘレンベルクLonguicher Herrenbergです。画像ではわかりづらいですが、別々の丘になっていて、上流がアンナベルク、写真を撮っているところがヘレンベルクです。
こんなに近くても土壌が異なりワインの味わいにも差が出るのがドイツワインの面白いところです。アンナベルクは赤色シーファーRoten Schieferで、ヘレンベルクは青色に少し赤色もお混ざっているシーファー土壌です。アンナべルクは火山の噴火の影響で赤くなっていて、地質年代も異なるのです。


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ヘレンベルクもアンナベルクと同様に急斜面です。
この畑のワインからは黄色いラベルのAlex Eが造られていてこちらもトロッケンではなくファインヘルプになります。


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醸造所には、畑の土壌を縦にくり抜いたものものが展示されています。
左からヘレンベルク、アンナベルク、アポテーケ(トリッテンハイム)の土壌で、これを見ると石の色が異なるのがおわかりいただけるかと思います。
アンナベルクは他に比べて石が砕けず大きめなようですが、こういう状態でも樹齢100年の樹は10m下まで根を張っているそうです。その話は初めて聞いて、そこまでとは思っていなかったので驚きました。リースリングは生命力が強く、だから果実味と強さのあるワインができるようになるのだなあとあらためて思いました。その上繊細さもある味わいになるので、ドイツの急斜面に向いてるぶどうとなっているのは必然的なのだなあと。


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今回は都合が合わずゲストハウスには宿泊しなかったのですが、ご家族にお会いできてよかったです。
試飲の時にはお父さん(前当主)に地下のケラーに行って2016年産の樽に入っているワインをとってきてもらったりもしました。
一通り試飲しましたが、2016年産もよかったです。この造り手は、ヴィンテージで収量の差はあると思ういますが、それぞれのワインはヴィンテージにあまり左右されず安定しておいしいのも特徴です。2016年産でもう4年目のヴィンテージになりますが、そのことは確信したので毎年ほぼ同じワインを注文しています。その中で、試飲した中でそれら以外でもこの年はよかったというものをさらに1種類注文する、というスタンスにしています。
ただ、バイヤーは同じ傾向のワインが好きなようで、年々売り切れるタイミングが早くなってきているワインが増えているようで、早めに動ぎださないとということも気づかされました。オランダのバイヤーは試飲しに来て、気にいった一樽を購入していった、などという話も聞いたのです。

また、2015と2016、両方試飲できたものもあるのですが、ヴィンテージの差というだけでなく、アンナベルクの畑のワインは少し時間を置いたほうがよりよくなっているということを確信しました。その意見をアレキサンドラに伝えると、その通り、赤色粘板岩のこの畑のワインは少し時間が必要、と言っていました。時間といっても甘口のような長さではなく、ボトリングしてから1、2年してから、ということです。ドイツの辛口は、フレッシュなうちに早めに、というものが少なくないのですが、アンナベルクのワインは我慢して少し待っていたほうがよいのです。


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今回も試飲の後はアレキサンドラと一緒に食事を食べました。前回も訪れたイタリアンでランチです。今回はグラタン風のパスタにしましたがおいしかったです。ただ量が多すぎて途中から少し飽きてはきましたが。
今回も知らかった話など色々と聞けてよかったです。2児の母であり、醸造所のマネージメントと栽培に加えて、夫のクリストファーの家系もワインを造っていて(今のところは別の畑で醸造も別々です)、そちらのことも関わっていたりと、パワフルに活動していて尊敬します。そんな中毎回僕のために時間を作ってくれて感謝しています。


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トリアーに戻るバスまで時間があったので散歩すると言ったら、車でしか行かないであろう場所まで連れてきてもらい、そこから歩いてトリッテンハイムの村まで戻るということにしてアレキサンドラとそこでお別れしました。
アイフェルの所有していない畑なので今回はその写真は載せませんが、機会があればその写真も掲載します。上の画像はそこからトリッテンハイムの村に戻るところです。アーモンドも咲いていました。正面の斜面がアポテーケで。こちら側はアルテーヒェンです。けっこう広い畑で斜面の部分もあり、リースリング以外にヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)、グラウブルグンダー(ピノ・グリ)も栽培されています。


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アポテーケTrittenheimer Apothekeの畑は、いつも橋の周辺から通っているのでたまには別のところからのを掲載します。


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モーゼルの産地の写真だとよくこの場所からのが使われているのですが、この畑の上の部分を路線バスが通っていて、簡単にこういう写真をバスの中から撮ることができます。川の右がアポテーケ、左が斜面も含めてアルテーヒェンです。

トリッテンハイムは何度来ても飽きません。車がないと少し行きづらい場所ではありますが、モーゼルに来る際はぜひ訪れていただきたい土地です。



ベルンハルト・アイフェルのワインはこちらから

ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


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2017年04月30日

モーゼルの知られざる急斜面の畑 マルティン・ミュレン醸造所訪問2017年3月

今回はモーゼル中域トラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに醸造所のあるマルティン・ミュレンMartin Muellenです。
ヴァインベルクを始めてからドイツに来るたびに訪れているのでもう5回目の訪問となりました。
2015年の時にはヒューナーベルクの畑を訪れたのですが、今回はもうひとつの彼のフラッグシップの畑であるKroever Paradiesの畑を訪れたいリクエストを事前にメールで出していました。ということでトラーベン・トラーバッハの駅で待ち合わせをして当主のマルティンMartinと再会し車でパラディースの畑へ向かいました。
パラディースはトラーベンより上流にあり、少し離れたところにあります。村としてはヴォルフWolfよりさらに上流側です。ベルンカステル、ユルツィッヒ方面から車や船で何度か通っていてこの畑だというのはわかっていたのですが、メインの通りは反対岸なので畑に来るのは初めてでした。


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この小さい村の中を抜けて川沿いの小道を少し進むと畑にたどり着きます。この辺は花が咲いていて(おそらくアーモンド)、この時期に通るのが楽しみとマルティンも言っていました。


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パラディースと名の付く畑は反対岸にもあるのですが、急斜面でなかったりシーファーの土壌でなったりしていて、こちら岸の畑を所有しているのはマルティン・ミュレンのみです。南西向きの川沿いの急斜面のシーファー土壌のパラディース(楽園)の畑を所有しているのは彼のみなので、他の生産者のパラディースとは全く異なるワインなのです。同じ畑名でも生産者が持ってる区画でテロワール、質ともに全く異なる、という代表的な例です。
反対岸のパラディースはこの写真では写していません。手前の斜面はシーファー土壌のシュテッフェンベルクSteffenbergとレッターライLetterlayで、蛇行している部分はヴォルフの畑ですがミュレンは所有していません。


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反対岸から見るより高さはありました。上の岩からシーファー(スレート、粘板岩)土壌というのがおわかりいただけるかと思います。
この写真のエリアはほとんどが樹齢100年後のリースリングが植えられているとさらっと言っていました。一番古いのは110年だそうです。ヴルツェルエヒテWurzelechte(フィロキセラの害を逃れた接ぎ木していない樹)なの?と聞いたらそうだと返答が。そういうところも売りにできるのにアピールしていないのも彼らしいと思いました。

この中に数本だけジルヴァーナーが植わっていて(樹齢100年!)、収穫したら彼のお母さんがスープに入れるとか、ここに生えるハーブがおいしいとかいう話を聞きながら畑を見てまわりました。


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下流寄りに移動した部分です。あきらかに石(シーファー)の大きさが異なるのがおわかりいただけるかと思います。
こういう区画や赤色や青色、酸化した石が混ざっている区画があったりと部分ごとに条件が異なるのです。JippiやDeareとワイン名につけていますが、それは彼がつけている区画の名前なのです。話はpには聞いてみましたが、実際に違いの説明を聞いて味わいを思い浮かべるとなるほどとそれぞれの個性を納得することができました。
こういう微妙な違いで、水はけ、温度、保湿状況が異なり、ぶどうの実にも違いが表れます。それをわかって区画ごとに収穫して別々に醸造、発酵をしているのでそれぞれの個性が出るのです。
どれも自然発酵なのですが、同じ遅摘みでも、この区画の違いによりトロッケンまで発酵したり途中で発酵が止まり甘口になったりするのは興味深いことです。
と、パラディースの中でも細かい違いはあるのですが、パラディースの畑のほうが果実味が出る味わいになっていて、ヒューナベルクのほうが複雑みのある味わいになる傾向にあります。


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これは昨年撮ったものです。反対岸からのです。岩のある写真のが右側で、石が細かいのは左のブロックの左端です。この左側にももう少し畑はあります。



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わりとこの辺りは樹齢が若い(といっても30年から50年)区画なのですが、異なる栽培方法を試しています。
伝統を守りつつも、よりよくしようと新しいチャレンジを試みる彼の姿勢がこういうところからも伝わります。


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一通り見てから彼の住居兼ゲストルームへ。
知らない人の方のために書くと、この100年前の畑名と良し悪しのわかるモーゼル川周辺の地図の彼の所有する周辺の部分を彼のワインのラベルにしているのです。
途中で奥さんにも会いました。昨年、大きな病気をして入院していて、退院後も少しも家を出ることができなかったそうなのですが、今年になって散歩もできるようになったと聞いて安心しました。再びお会いできたのが嬉しかったし、奥さんの様子を嬉しそうに話す彼を見ても安心しました。


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いつものようにたくさんの種類を試飲しました。先に書いたようにパラディースの畑でもカビネット、シュペートレーゼ、辛口から甘口まで別々に造っていてたくさんの数があり、他の畑でも同じようにしているので年間膨大な種類をリリースしています。
そして全てをすぐに販売するのではなく、熟成させたほうがよいと思うものは少し置いてから販売を開始する、というのもマルティン・ミュレンの特色で、色々なヴィンテージのワインを試飲することができます。
今回は2015年を中心に選んでくれましたが、2000年代、1990年代のもいくつか試飲させてもらました?97年のトロッケンが素晴らしくて、買って持って帰りたいと言ったら、別のところに保管してあるから無理、また今度、と言われました。彼にとってもとってもおきでお宝なようでした。
通常の輸入は価格の面と数量が少ないのでできないのですが、ワイン会にということで93年のアウスレーゼを購入し持って帰ってワイン会で提供したのですが、甘みは強くないけど奥行きと落ち着きのある味わいで参加者にとても好評でした。
若いワインでもどれも素晴らしくて、それぞれに個性があり、次回のオーダーでどれを輸入することにするかとても悩んでいるところです。どれもおいしい、というのはそれそれで輸入者にとっては悩みの種です。価格や料理との相性を考えながら選びます。
このワインは、数日前にロバート・パーカーが来た時に開けたワインだ、とかテクニカルな話以外にもたくさんのことを話しました。

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彼は毎回、私と同じ量をグラスに注いで一緒に飲みます。それを3時間くらい続けているのでマルティンも私も後半はほろ酔いです。飲み仲間というかんじで会話をしています。写真は、彼も酔っているので車ではなく徒歩で駅に一緒に行ってくれるという時の写真です。販売用とは別に個人用に購入して持って帰るワインを持ってくれています。この表情が物語っているかと思います。僕といることをとても喜んでいるのがよくわかって、それがとてもうれしいです。少年のような純粋さがある彼自身が大好きだし、彼の造るピュアなワインももちろん大好きです。


マルティン・ミュレンのワインはこちらから

ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



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2017年04月28日

試飲会やります

4月に新しくワインが入荷しました。今回はフランケンのビッケルシュトゥンプとラインガウのゾルター、ビショッフリッヒェス・リューデスハイムのワイン。数が少ないものもありますが全部で10種類です。ネットショップへの掲載は5月のはじめを予定しています。
入荷にあわせて年2回ほど試飲会を開催していますが今回も新宿リースリングにて試飲会を行います。

5月13日(土)15時から17時
リースリング(最寄駅新宿)
参加費2,000円 (フィンガーフード付き)

スパークリングワイン2種類、白辛口3種類、ロゼ1種類、赤1種類、甘口1種類を予定しています。
時間の中でお好きな時間(16時30分までで)にお越しください。ただし終盤はなくなってしまうワインがある可能性があることはご了承ください。
基本は立ってのご試飲になりますが、座るスペースもあります。
事前申し込みは不要です。お気軽にご参加ください。

下記のワインを予定していますが、ゼクトは2005年リースリングから2001リースリングに変更となる可能性があります。

facebookのイベントページも作成しています。


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5月20日にはビッテにてシュパーゲルの会を開催します。
詳細は下記のfacebookのイベントページをご覧ください。
お申し込みはメールinfo@weinbergwine.comでも承ります。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



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