2015年09月27日

「寿司屋でドイツワイン」のレポートです

先日開催した寿司屋でのワイン会のレポートです。
以前からヴァインベルクのドイツワインと寿司のワイン会をやってほしいという要望が多かったので開催することにしました。
寿司でワイン会というとひとつひとつのネタでワインを合わせていくおいうのが主流ですが、そういった形だとあらためて試したいと思った時には現実的にはないので、こういったタイプの寿司にはこの系統のワインが合う、というような感覚をつかめるような内容にできれば、と考えました。料理はある程度カテゴリーに分けて、6種類のワインの中で2種類ずつその料理やカテゴリーの寿司に合うようなワインを提供していくと形にしました。グラスは小さめではありますが一人につき3個用意しました。
お店は新橋の喜八さんです。高級なお寿司屋さんになると寿司で完結していて、それに合わせるお酒というのはだいぶ限られていくので、喜八さんのような気軽に来られるお店だけど上質なネタ、というのがコンセプトに合うと思いこちらでやることにしました。

ワインは以下の6種類です。

① ロゼ ゼクト N.V ゾルター (ラインガウ) 泡・辛口 


② アルテーヒェン トロッケン 2013 ベルンハルト・アイフェル  (モーゼル) 辛口  


③ ヒューナーベルク トロッケン 2009 マルティン・ミュレン  (モーゼル) 辛口    


④ パラディース ファインヘルプ 2013 マルティン・ミュレン  (モーゼル) 中辛口


⑤ ゾンネンベルク ファインヘルプ 2013 ファルケンシュタイン  (ザール) やや甘口  


➅ トロリンガーS 2013 クナウス (ヴュルテンベルク) 赤・中辛口 12%



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先に書いたように料理に合わせて提供したので順番通りの提供にはしませんでした。②、⑤、⑥は倍の量を用意したので一度飲まれてから別の料理、カテゴリーでもう一度提供をするということもしました。
日本酒も一種類提供していただいたのですが、そのことについては後ほどふれます。

このブログではワインと料理の相性を中心に書いていきますが、12人の参加者による会はアットホームで和気藹々とした雰囲気でみなさんワインと料理を楽しまれていました。相性だけでなく、ワインだけでも美味しいと言われるのはやはりうれしいです。


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前菜の3品です。
貝にはフラット味わいの①のロゼのゼクトと合いました。比較的万能に食事に合わせられるゼクトなのですがm、ズワイガニのマリネとも合いました。
一度実験的にいくつかのワインを持ち込んでこちらのお店で試した時には、リースリングのゼクトを持っていったのですが、ほのかではありますが感じる甘みと酸味がによってあまりなじむ料理や寿司がありませんでした。炭酸だから合わせやすいということではないというのがわかったのですが、ピノ・ノワールの果実味によって今回のスパークリング(ゼクト)では合うのだと思いました。
さんまのオイルサーディンとは②のモーゼルのトロッケンがぴったりでした。このワインはぴぴした酸ではなくわりとまったりめな味わいということと、テロワールの特徴による風味により料理の苦味(油があることも要因ですが)にもぴったりとはまっていると思いました。


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まぐろのステーキです。以前伺った時にこの料理と⑥のトロリンガーの赤ワインとの組み合わせに感動したので今回も提供していただききました。
⑥はタンニンを全く感じないナチュラルで果実味のある味わいなのですが、このワインがまぐろとの相性が抜群なのです。生のものとも会うのですが、少し強めのこういった調理だとより合うと思いました。とはいえソース系の料理だと違うワインと合うとは思います。


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寿司は2回に分けて出してもらさいました。1回目は比較的濃い目、味が強めのネタにしてもらいました。


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2回目です。
お酒がなくてもおいしく食べられるネタばかりでした。こちらではわりとあっさりとしたタイプが主軸なようで、あまり目立ちはしないけれど技術とこだわりのあるお寿司屋さんとだと思います。


③のワインだけでも完成されていて素晴らしい辛口は赤貝、しらうお、まぐろの赤身と合っていました。こういった複雑みがあってワインだけでも完成しているものは和食(特に生もの系統)と合わせるのは難しいのですが、今回のネタでは上記のものとはうまくはまっていました。少し複雑み、別の言い方をすれば癖があるほうが合うようです。
あおさ入りの白みその味噌汁ともぴったりでした。

⑥の赤はまぐろとイクラに特に合いました。イクラは白ワインだと生臭く感じてしまうのですが、このワインだと嫌味を全く感じずぴったりでした。

④の甘みは強く感じないファインヘルプ(中辛口)はいかとかつおと合いました。他のネタでも悪くはなく今回の中で一番万能に合わせられると思ったのがこのワインでした。

⑤はもう少し甘みのあるファインヘルプですが、白身、ホタテと合いました。そして大トロと一番合うと思ったのがこのワインでした。
ワインの甘みと酸味とうまく調和したのだと思います。脂が酸ですっきりするというのもポイントです。


日本酒は一回目の寿司の途中で出してもらいました。喜八さんは日本酒に力を入れていて、めったに飲めないものも仕入れているようです。
ドイツワインに味わいの似ているすっきりしているけれどコクのあるものというリクエストをしたら、千葉の成田の特別純米の冷やおろしを提供していただいました。


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鯵は日本酒でないと合わないと思いました。④だと苦みを感じてしまいました。今回の会での結論としては青魚は日本酒ということになりました。調理方法やワインよっては合うものもあるとは思いますが。
日本酒を料理と合わせる時のポイントは米の余韻によるアルコール感で、これによって合う料理があるのだと思いました。癖や個性の強い料理はこの風味によってお互いが負けずにからむのです。
ただし、その余韻が逆に邪魔することもあって、ドイツワインのように酸と果実味のあるもののほうが合う和食も多いのです。
和食は日本酒と決めつけるのではなく、料理とお酒の特徴をつかむと、何を選ぶのかという選択肢が増えていくと思います。


ドイツワインの場合は寿司と合わせるのは少し甘みがあるほうが合うと思いました。④と➄だけでなく⑥の赤ワインもトロッケンではありますが果実味による甘みを感じるのでこのカテゴリーに入れることができます。
②のトロッケンでも悪くはないのですが、違和感を感じるものもあったのです。
わりと淡白なものは直線的な甘みはあまりないワイン、濃かったり脂のあるものはもう少し甘さがあるもののほうが合うと思いました。
とはいえ、ただ甘みがあればよいというのではなく、酸味もポイントです。特に寿司の場合は酢飯なのでより酸との相性は重要です。甘いだけだと酢飯に負けてしまうのです。

いくつかのネタを一種類のワインで楽しむ場合には少し残糖があるものや収穫糖度が高いものから造られた果実味豊かな辛口などの系統を選んだほうがよいと思います。
もちろん相性では味わいのどこにポイントを置くかでワインは変わっていくので、一概に全てがそうとはいえないのですが、傾向としては甘み(甘いではありません)がポイントかと思いました。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com

⑥のトロリンガーは完売しました。
他のワインも在庫が少なくなっています。


posted by ヴァインベルク at 14:10| ワイン会報告 | 更新情報をチェックする