2016年01月23日

ケーキ、シュトレンとドイツワインの会の様子

時間が経ってしまいましたが12月の「ケーキ、シュトレンとドイツワインの会」について書いていきます。

場所は青山一丁目のドイツ、オーストリア菓子とパンの店ノイエスです。1年前にこのような会をここでしていて2回目となります。その時の様子はこちらです。


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スイーツは4種類提供していただきました。
オーストリアの定番ザッハトルテ、チョコレートケーキにアプリコットジャムが薄く塗られていて、甘さ控えめの生クリームが添えられています。
アッフェルシュトゥーデル、りんごのパイです。
白いのはレアチーズです。
薄切りになっているのがドイツ、オーストリアの冬の定番の焼き菓子シュトレンです。ノイエスのは甘さはあまり強くなくアルコール感もあまりありません。

ワインも4種類です。
順番に出していき、それぞれのワインでそれぞれのスイーツと合わせてもらいました。

@ アポテーケ トロッケン 2014 ベルンハルト・アイフェル  辛口
Riesling  Trittenheimer Apotheke  trocken 12%  Bernhard Eifel
A シュペートブルグンダー トロッケン 2013 ファルケンシュタイン  赤
Spätburgnder  Niedermenninger Herrenberg  Spätlese trocken 12%  Hofgut Falkenstein
B ヘレンベルク ファインヘルプ 2014 ファルケンシュタイン  やや甘口
Riesling  Niedermenninger Herrenberg  Spätlese feinherb 8.5%  Hofgut Falkenstein
C オイヒャリウスベルク アウスレーゼ 2013 ファルケンシュタイン 甘口
Riesling  Krettnacher Euchariusberg  Auslese 7%  Hofgut Falkenstein

今回のワインは、これらのケーキとどれと合わせても全然合わないというものがありませんでした。ぴったりからみ合うということを求めなければどれでも大丈夫というかんじでした。
といってもポイントはあったので少し書きます。
1のリースリング辛口は、辛口といっても辛いわけではなく甘みとやわらかさがあるので、甘いものとも相性はよかったです。
2の赤も、想像していたよりどれとも合いました。その中でもシュトレンに合うのがこの赤だと思いました。酸があるものよりまったりしていてボリューム感のあるスイーツのほうが合うのかなという印象でした。
3はレアチーズあたりがいいかなと思いました。どれとも悪くはなく、無難にあわせたいのであれば、こういった甘口よりのファインヘルプが一番こういったケーキとの相性は良いと思います。ただ、このワインはワイン自体で完成されているので、少しスイーツをうけつけない部分もあったかなーと思いました。もう少しやわらかさのあるファインヘルプのほうがよいかもしれません。
4はアウスレーゼといってもそれほど甘みは強くなく酸を少し感じるタイプです。予想通りこの中ではりんごの酸味があるアッフェルシュトューデルと合いました。

ケーキからでいうと、ザッハトルテは生クリームをつけたほうが今回のワインとは合いやすくなり、レアチーズは甘みのある3、4の白が合いました。シュトレンは4番の甘口だとワインの酸味が強くなってしまいました。
どういった甘さのものと合わせるかによってワイン自体の印象(甘みや酸味)も変わるということも体感していただけました。

スイーツと合わせる時のポイントは今まで4回やっているスイーツの会の記事で書いていますので興味のある方はそちらも読んでいただければと思います。





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posted by ヴァインベルク at 10:29| ワイン会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月15日

ヴュルテンベルクのクナウス醸造所訪問2015年

モーゼルでもう一軒訪れているのですが先にヴュルテンベルクのことを書きます。

クナウスKnaussは2014年に訪れた時に気に入り、2015年から輸入を開始しました。
醸造所の紹介はネットショップに載せていますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。
前回の訪問は醸造所での試飲とケラーの見学でしたが、今回は試飲に加えて、ゲストハウスに泊めてさせてもらい、車で畑を案内してもらいました。

モーゼルから鉄道で、コブレンツでIC(特急)に乗り換えてシュトットガルトまで向かい、そこからSバーンでクナウスの醸造所のある最寄り駅まで向かいました。クナウスの当主であるアンディが迎えに来てくれて車で醸造所兼住居まで連れていってもらいました。
住居は醸造所と同じ建物なのですが、丘をまわっていった高いところに住居の入り口があります。その隣にも扉があってワンルームのゲストルーム(トイレ、シャワー付き)があってここに泊めさせていただきました。


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アンディと奥さんと双子のお子さんと一緒に夕食を食べました。
仔牛を焼いたものとマッシュポテトでした。ソースはクナウスのレンベルガーのワインを使ったそうです。
食事をとりながら6種類の赤ワインを試飲も兼ねながら飲みました。レンベルガー(ブラウフレンキッシュ)だけでなくシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)も相性抜群でした。
リラックスできるスペースであり時間もあったので色々と話すこともできました。日本のドイツワイン事情、飲み手がとういうものを求めているのか(一般的、ヴァインベルクの顧客、両方の観点から)、なども話すことができてよかったです。
ビオについての考え方などもお互いの意見を言ったりしました。クナウスは亜硫酸無添加のワインも作っているのですが、それはアメリカでは大人気とのことですが、僕とアンディの奥さんはあまり好みではない、と言ったら苦笑していました。


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翌朝は、車で畑をまわるということになっていましたが、まずは行きつけのパン屋さんでパンとコーヒーで朝食をとりました。
ドイツはあまり知られていませんが、パン屋さんがそこらじゅうにありパンのレベルも高いです。僕はドイツの菓子パンが大好きなのですが、ナッツのペーストが入っているパンとカプチーノ、シンプルだけど満たされる朝食でした。
そのパン屋さんのある街はシュトルンフェルバッハStruempfelbachで、ロマンティック街道と同じような木組みの建物が並んでいます。ヴュルテンベルクの地域にもこういった建物が残っている街がいくつかあって、日本人にはあまり知られていませんが観光地として訪れている人も多いとのことでした。


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当主のアンディです。お父さんも醸造所を持っていましたが、彼に引き継いでから高品質なスタイルのワインを目指すようになったそうです。オーストリアで数年学んだ以外は独学とのことですが、ドイツだけでなくアメリカなどでもクナウスのワインは評価されています。


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クナウスの所有する畑はこういった斜面がほとんどです。いくつかの場所を案内してもらいましたがどこもこういったかんじです。
くねくねと道路をまわりながらかなり標高の高いところまでブドウ畑は続いています。クナウスは3つの異なる村名の畑を持っていますが、一つ一つの畑名のエリアの面積はけっこう広いです。
そして車で通っているとよくわかるのですが、畑の斜度はまちまちだし、向きもまちまちです。ということは広範囲で同じぶどうを育てていても、それぞれの実の特性が変わってくるのです。
クナウスの所有する畑の場合、赤ワインだとトロリンガーは実がよく熟すように斜面に植えられていて、シュペートブルグンダーはうねっていて保湿性の高いエリアのゆるやかな斜面に植えられていたりしました。


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区画の特性の違いで重要な要素のひとつが土壌です。
サイクリングなどで観光客なども通ることもあってかこういう看板が用意されていて、これがとてもわかりやすいです。
この周辺は標高によって地質が異なるのです。
この地域はフランケンと同じ三畳紀の地層です。三畳紀は名前のとおり年代によって三層にわかれているのですが、ヴュルテンベルクはコイパーの地層です。
コイパーといってもその年代がとても長くいくつもの異なる要素によって層が構成されているのです。
コイパーの年代は他の2つよりも1000万年以上長い2400万年続いたそうです。
図のように異なる要素の地層が積み重なっています。なので標高によってその地層が異なるということを表しています。
ザントシュタインSandstein(砂岩)でも地層によってきめ細かさが異なったり、メルゲルMergel(マール、泥灰岩)には石灰質が含まれたいたりということで、水はけや保湿、実の構成要素が異なったりということありぶどうの味わいが変わってくるのです。
クナウスだけでなく、この地域では赤ワインは石灰質の土壌に植えられていることが多く、地質を意識してブドウが植えられていることがわかります。

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岩肌が見えているところがあったので撮りました。ここは標高が高くキーゼルザントシュタインKieselsandsteinのエリアです。
ぶどうが植えられているところも1メートル下にはこういった岩の地層が広がっています。


斜面の向きや斜度、上と下で地質が異なるなど、いつくもの要素により小さい区画ごとに特性が異なるのです。それらのことがあって、同じ畑名であっても区画ごとにテロワールにあったぶどう品種が植えられているのがレムスタールの地域の特徴だと思っています。


クナウスは3つの村の畑から30以上の区画を所有しているとのことでした。同じ品種でも先に書いたように区画によって特性が違うので別々に醸造をしています。それぞれをタンク、樽で発酵、熟成させた後に、瓶詰前にブレンドしています。それぞれを試飲しながら、グーツ(ハウス)ワインにブレンドするのか、ランクが上のワインにするのか、などを考えています。ブレンドもワインの個性を出すための重要な仕事でセンスが必要です。クナウスはグーツワインでもおいしのはこういったことも要因にあるのです。
また、他の地域でも複数のタンク、樽をブレンドして瓶詰めすることはありますが、レムシュタールの場合、畑ごとに分けるというのは、先に書いたように区画によってキャラクターが違うのでその分け方はナンセンスで、畑名は気にせずにそれぞれの個性を活かしたブレンドのほうが、この地域にはあっているのです。なのでクナウスは一番上のワイン以外は畑名の記載はなく、G、S、Rという独自のランクで価格に差をつけています。同じ村の畑や単一畑に固執するよりも良質なワインにすることができるからです。
クナウスがなぜ従来のドイツの表記をしていないのか、ということが畑をまわって理解することができたのです。


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畑をまわっているとエリアごとに樹の仕立て方が異なるのが面白かったです。それはすなわち所有者が異なるのでやり方が違うということです。
かなり多くの生産者が畑を所有していて、地産地消のもの、農協にぶどうを売るためのもの、醸造まで一括して管理して高品質なワインを目指す生産者、というのがこの畑の中に入り混じっている、というのがちょっと見るだけでもわかります。
クナウスはビオの造りをしていて極力農薬を使っていないのでこのエリアは雑草が生えています。地面を見るだけでも生産者ごとに異なるのです。

前日の夜にこのシーズン初めての雪が降ったので少し白くなっていて葉も実もない光景の見栄えをよくしてくれていました。


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醸造所に戻り、ケラーで少し話をしてから白ワインの試飲をしました。
ケラーでは、R(レゼルヴ)のワインには300リットルのバリックも使っていたけれど昨年からは500リットル以上の木樽のみを使うことにしていました。樽の風味を重要視しているところもある中での彼の決断は興味深いですし、テロワールを重視し果実味もあるワインを自分(ヴァインベルク店主)は好むのでこの傾向に賛同しています。
2014年産は2013年産と異なる部分も多く色々と感じるものがありました。輸入する量が限られてしまうので、たくさんの種類を選ぶことができないので選ぶのが大変でしたが、日本の方に紹介したいと思うワインを選びすでにオーダーしています。3月には販売を開始できると思うので楽しみにしてください。


アンディは日本に来たいと言っていて2016年のシーズンの冬にも実現するかもしれません。
最初、変わり者と言ってかれを紹介されたのですが、まったくそうは思わなくてすぐに意気投合しました。ワインだけでなく実直にワイン造りに向かい合っている彼の人柄も知っていただければと思っています。



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posted by ヴァインベルク at 16:01| 醸造所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月05日

ペーター・ラウアー醸造所にて

ファルケンシュタインの醸造所からヨハネスに車で送ってもらったのはアイルAylにあるペーター・ラウアーPeter Lauer醸造所です。
ペーター・ラウアーは、まだ趣味として醸造所を訪問をしてワインを買っていた2010年に初めて醸造所を訪れていました。ゴーミヨなどで評価が高く、私(ヴァインベルク店主)の好きな味わいであるファインヘルプ(中辛口、中甘口)も多く扱っているということでアポイントをとって訪ずれたのです。
ワインが良かっただけでなく、私と同い年である当主のフロリアンの人柄が好きで、ワインへのこだわり、哲学に共感し、一気に大好きな醸造所となりました。
この醸造所についての紹介はネットショップの造り手の紹介でも書いていますのでそちらもご覧いただけたらうれしいです。

その後もVDPの試飲会やトリアーのショップなどで何回もラウアーのワインを飲んでいますが、好きだということに変わりはありませんでした。ビジネスとして輸入、始めたを始めた際も取引することを考えたのですが、価格やラインナップのバランスなどで断念していました。ザールではファルケンシュタインを扱っているということにしたのもありますし。
しかし今回ドイツを訪れることになって、ファルケンシュタインとはかぶらない高価なタイプのワインだけでも空輸で少量だけスポットで輸入しようかと考え、フロリアンにメールで事前に打診したところ快く受け入れてもらえて、ファルケンシュタインにもその旨を伝え了承してもらい、1、2種類空輸で輸入するものを選ぶという意図のもと醸造所を訪れたのです。

ラウアーとファルケンシュタインは醸造所が近いこと、自然を尊重した造りで天然酵母での醸造なと共通点が多く思想も似ているので仲が良く、お互いの醸造所を訪れて試飲したり情報交換もよくおこなっているそうです。
この日も私を送ってくれたヨハネスとフロリアンは談笑していました。


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現当主のフロリアンFlorian Lauerです。彼が醸造に関わってからどんどん評価が上がってきて、VDPに加盟するということなどもあり知名度も上がっていき、今やドイツを代表する若手醸造家、今注目するべきワイナリーとまでなりました。
彼は南フランスの大学で醸造の勉強をしたということもあって、フランス語のヴォアラが口癖です。ドイツ語のビッテなど色々な意味合いで使っていました。


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11月に発売された最新のゴーミヨでは2014年産で最もコレクションするべき醸造所という「Kollektion des Jahres」に選ばれ、ワインごとの点数も軒並み高得点でした。
訪問のアポイントをとってからゴーミヨが発売されてこのことを知ったのでびっくりしました。


試飲は、以前のカビネット相当に該当するOrtsweinのトロッケンとファインヘルプから始まり、自然酵母のため辛口の残糖の数値までは下がらなくファインヘルプとしてリリースしている上級クラス、VDPの辛口の最上級クラスの呼称であるGG(グローセス・ゲヴェックス)、甘口と続いていきました。ぶどうの品種は全てリースリングです。

Ortsweinのクラスでも十分おいしいのですが、少量で輸入するということもあり日本の方々に紹介するのは、ラウアーの個性がわかる最上級のクラスにしようと考えました。


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ラウアーはテロワールの異なる区画ごとに収穫、醸造所をし、ぶどうの個性を引き出す作りをしているので上級のクラスでも何種類もリリースしています。
地質の違いだけでなく、斜面の向きや川から近いか(気温や保湿に影響)、斜面の上か下か(水はけに関係)などの要素による個性をふまえて区画をわけてそれぞれに適したワイン造りをしています。
アイラー・クップAyler Kuppの畑は広く斜面の向きも異なっていること、それらの畑の中で区画で分けているというのが上の画像のパンフレットでおわかりいただけるかと思います。


トロッケンに近いタイプのファインヘルプとGGだけで5種類試飲しました。ほとんどのワインは、すごさはわかるけれど今飲むには早すぎるというものが大半でした。だいたいは2、3年経ってから飲むのが良いのではと思い、中には10年後に飲みたいというものもありました。
今飲むはもったいないという意見を言っていたら、フロリアンももちろんその通りだと言い、2年前のものや2009年のも試飲させてくれた種類もありました。
テロワールの影響か、ものによっては2年くらい経っているだけではあまり味が変わらないものもありましたし、寝かせたことによる魅力がわかったものもあります。
辛口タイプのワインでは、今飲んでもおいしく飲めると思ったSaarfeilserを輸入することとしました。味わいの広がりが今の時点でもわかりやすく素晴らしいというのが理由のひとつでもあります。


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ワイングラスに入っているのは畑の土壌を形成している石や砂です。畑や区画によって画像のように異なる石や砂によって土壌で形成されています。
大半は一番左のようなシーファー(粘板岩)で形成されているのですが、川によって形成された砂岩や砂といった土壌もあるのです。
川に近い急斜面のSaarfeilserの畑は右の2つによって形成されています。
なので他のワインとはキャラクターが違い、シーファー土壌よりも早飲みにも向いているということがわかります(シーファーだから早く飲めないということではないのですが)。


もう一種類輸入することを決めたのがKernという名のアイラー・クップの一区画のワインです。辛口よりも甘口に近い味わいで、口の中でやさしく広がり、心地よい余韻もとても長いです。バランスが完璧で芸術品という言葉があてはまります。2014年産を評価してるゴーミヨでファインヘルプ(オフドライ)部門の最高得点の94点を獲得しているのも納得できました。
このワインは今飲んでもとてもおいしいのですが、熟成させるとどうなるのか、というのも興味があります。
2010年に訪れた時に飲んだ2009のKernも気に入ったのですが、少し甘みが強かったので寝かせた時にもっとすごくなるのではと思い最後の1本はまだセラーで寝かせています。


色々と試飲した中で選んだ、自信をもって勧めることができる2本を輸入して販売しています。
当分は2本セットのみでの販売となります。
ペーター・ラウアー2014年ザールファイルザーGG、ケルン・ファインヘルプ2本セット

2本で13,000円というのは高く感じるかもしれませんが、ゴーミヨなどに記載されているいわゆる醸造所価格を見ればこの価格でも高くないというのがお分かりいただけると思います。もちろんお飲みいただければ値段相応だということは理解していただけます。


試飲の最後には、まだ樽で熟成している段階の2015年産の甘口カビネットも試飲させてもらえました。
これは普通のカビネットではなくVDPの競売会に出展するための特別なものです。この時点でもおいしく、完璧な甘みと広がりのある味わいでした。

2010年に訪れた時の3時間の試飲(朝8時からの)よりは短かったですが、それでも今回も非常に有意義な時間となりました。


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鉄道の通っているザールブルクの街までフロリアンに車で送ってもらい、街の中で降ろしてもらいました。
お店に入ったりしようと思ったのですが、それほど時間がなかったし酔いもまわっていて、次の目的地にも行かなくてはいけなかったので、この写真を撮っただけで駅に向かいました。



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2016年01月03日

ファルケンシュタイン訪問2015冬その2醸造所編

息子のヨハネスと共に畑を散策した後に醸造所に向かいました。
荷物を置いたらすぐに地下のケラーへ。

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今までに訪れた2度は9月だったので赤ワイン以外は空でしたが、今回はほとんどの樽にワイン(ぶどう果汁)が入っています。
2015年の秋に収穫し2016年の春先以降に瓶詰めされてリリースされるワインです。
収穫から1か月ちょっと経った時期に訪れたのですが、木樽での自然発酵のため、まだ発酵している樽もいくつもありました。樽の中からポコポコと音が聞こえてきて、これが発酵している最中ということです。

もう発酵が止まっているものは残糖が多く残っている状態で、甘口ワイン(シュペートレーゼやアウスレーゼ)やファインヘルプとなり、発酵しているものは糖分をもっとアルコールに変えていくので残糖が減り辛口(トロッケン)となります。ステンレスタンクと違い温度などの調整もしていなくて自然酵母にまかせているので、残糖が少し残って状態で発酵が止まる場合もあり、それはファインヘルプ(中辛口、中甘口)となります。ファルケンシュタインはほとんどのぶどうは完熟した90から100エクスレで収穫しているので糖度が高いため自然酵母だと辛口になる前に発酵が止まり多くのワインがファインヘルプとなっています。
個人的にはザールらしい酸と残糖とミネラルが調和したファインヘルプのタイプのワインがファルケンシュタインの中では一番好きです。これらの食事はほどよい甘みなので食事にも合わせることができます。


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これらの瓶詰め前のリースリングのワインを樽から試飲させてもらいました。
色はまだ白く濁っています。これらがあと数か月経つと透明感のあるワインになります。味わいはフレッシュ感が強いのですが、それぞれの樽のワインの果汁の個性、特徴は感じることができました。
ファルケンシュタインでは個性のある区画ごとに収穫し圧搾して樽に詰めた果汁は、発酵、熟成後には同じ畑の果汁であっても複数の樽から合わせて瓶詰めすることはなく、それぞれの樽のワインから別のワインとしてリリースしています。


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この時点の試飲でもとてもいいと思ったものもありました。もちろん瓶詰めされてから印象が変わることがあるというのは理解しています。
樽試飲の場合、発酵が止まっているとしても甘口ワインのほうが特徴がわかりやすいということもいくつも試飲してわかったことです。
今回試飲した2015年産は今年(2016年)の夏以降に入荷すると思いますので楽しみにしていください。

2015年に収穫した発酵途中の赤(シュペートブルンダー)も試飲しましたが、これは2017年にリリースされるものですが、ジュースでもワインでも妙な味わいでおいしいとは言えず、良い経験となりました。今は微妙でも長い時間をかけておいしいワインとなるのです。

お気に入りで良質な果汁には良い樽を使っているなど、どの樽にどの畑のどんなワインを入れるかというのも重要な要素だということも話していました。


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ケラーを後にしてゲストルームで試飲です。12月に入荷した4種類のワインと輸入はしなかったオイヒャリウスベルクのアウスレーゼの5種類です。
この時点で新入荷のワインは日本に到着はしていたのですがまだ飲んでいなかったので、この時点でのワインの感想を造り手の前で述べることとなりました。彼の意見も聞きながら解説もしてもらえました。
ここで2013のヘレンベルクのシュペートブルンダーはボジョレーのガメイのスタイルを目指したというような話を聞いたりもしたのです。
また、日本に帰ってからこれらのワインを再び飲んだのですが、違いは感じなかったので輸送によるダメージがないということを確認できたのもよかったです。


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そして毎回恒例のそのままワインを飲みながらの昼食です。
も素朴ながらおいしいソーセージとチーズでした。りんごのジャムはヴェーバーの奥さんの手作りでこれもとてもおいしかったです。

今回もても濃厚な3時間弱の訪問でした。
ファルケンシュタインでは一番笑いながら話しているような気がして、仕事としてだけでなく豊かな時間を毎回すごしています。
アメリカやオートラリアには何度も行っているヨハネスは日本にも来たいと言っているので、そのうち2人の掛け合い漫才のようなやりとりもみなさんにご覧いただける機会があると思います。


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最後に。
昨年、この建物ファルケンシュタイナーホーフには火事が起こってしまいました。書庫として隣人に貸していた2階の部屋が原因だそうです。
焼けたのは一部にとどまり人の被害もなかったのですが、テレビのニュースでも取り上げられたそうで、今回訪れた異なる産地の醸造所に大丈夫かと聞かれて驚きました。
修復中の建物を見せてもらいましたが、火元の部屋だけでなく、消火のために水を使ったのでその他に数部屋も使えない状態となったそうで何もない状態になっていました。
屋根も遠くからでも一部にカバーがかけられていて色が違うのがわかります。
でももうすうすぐ修繕は終わるそうです。
ワインはケラーは別の建物の地下なので影響はありませんでした。
ヨハネスは、人生いい時も悪い時も波があるさ、と前を向いていました。



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ファルケンシュタインのワインはこちらから



posted by ヴァインベルク at 22:19| 醸造所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年01月02日

ファルケンシュタイン訪問2015冬その1畑散策編

ドイツに入って最初に訪れたのがザールのファルケンシュタインHofgut Falkensteinです。
http://weinbergwine.com/5.html
ファルケンシュタインに行くのは3度目ですが、いつものようにトリアーからコンツの駅まで鉄道で行きそこで息子のヨハネスと合流し車で畑で向かいます。

彼らが所有する畑はずっと連なっていて横に5つの畑名に区切られています。まず向かったのはオイヒャリウスベルクの畑です。

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ここには醸造所を立ち上げた当主のエリッヒErich Weberがいました。
来シーズンのための剪定をいました。もう2016年のシーズンは始まっているのです。
今回はエリッヒは試飲には立ち会わずここで立ち話をしただけで、その間彼はずっと働いていました。畑にいてこそいいワインができる、を体現していました。

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案内をしてもらい、営業や醸造もエリッヒから引き継いで中心として任されている息子のヨハネスです。顔のわかる写真は次回の投稿に出てきます。


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ファルケンシュタインの土壌はシーファー(粘板岩)だけかと思っていたのですが、クレットナッハKrettnachの村名の2つの畑オイヒャリウスベルクEuchariusbergとアルテンベルクAltenbergにはシーファー以外の石、岩も存在しているとのことでした。
2つの畑に共通しているのはディアバスDiabasです。溶岩が固まってできた岩で、これは近くにあるザールブルクのツィリケンの畑でしかドイツでは聞いたことがない土壌でした。
オイヒャリウスベルクの畑では、ラインガウのリューデスハイム周辺やナーエでも見られる珪岩Quarzitがあります。アルテンベルクには玄武岩Basaltもあるそうです。

エゴンミュラーが所有するシャルホーフベルクの畑の丘が前に見えるのですが、エゴンミュラーのシャルホーフベルクのシュペートレーゼとファルケンシュタインのオイヒャリウスベルクの甘口アウスレーゼを同時に飲む機会があったのですが、南向きで土壌の構成も似ていることもあって同じ要素を感じることができました。
数年前まではまだ本当に一部の人しか知らなかった無名だったこの畑のポテンシャルも業界の中でだいぶ知られてきたとのことでした。この畑の一番良い区画を所有しているのがファルケンシュタインなのです。

南向きの急斜面のオイヒャリウスベルクの畑は甘口に向いていてシュペートレーゼとアウスレーゼをリリースしていて、ヴァインベルクとしては2014年産はシュペートレーゼを入荷しました。どちらも強い甘みではなく、甘みと酸のバランスにより味わいが形成されるタイプで、個人としてはシュペートレーゼのバランスが大好きです。


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この画像はオイヒャリウスベルクの隣のヘレンベルクHerrenbergの畑ですが、このようなわりと小さめの石によって土壌が形成されています。
シーファーSchieferはグレイ、青色、赤色が混ざっています。酸化している石があるのも見せてもらいました。


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ヘレンベルクの一部の区画はフィロキセラの害を逃れた自根の樹です。これらの樹の樹齢は80年です。
実は小さく量もとれないのですが、これらの実によるワインは余韻が長く深みのあるワインとなります。この区画からのみ造られているワインが新しく入荷した2014年のヘレンベルクのファインヘルプのフーダー2です。
その他の彼らが所有する区画のリースリングのほとんども樹齢50年を超えています。他の産地ではアルトレーベンAlt Rebenとして特別なワインとしてリリースしている樹齢のところから低価格で高品質なワインをリリースしているのがファルケンシュタインです。

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手前がヘレンベルクNiedermeninger Hrrenbergの畑で、頂上が茂みのさらに斜面のところからがオイヒャリウスベルク、その奥の霧がかかっているところがアルテンベルクの畑です。
背にしているところがゾンネンベルクで、ずっと斜面は続いていてその先の中腹にファルケンシュタインの醸造所があり、その周辺がファルケンシュタイナー・ホーフベルクFalkensteiner Hofbergの畑名となっています。
雑草が生えているのでファルケンシュタインの畑は農薬を使っていないことがおわかりいただけると思います(どうしても必要なものだけは使っているそうです)。

最後にアルテンベルクの畑に向かいました。ファルケンシュタインはすべての果汁は、区画ごとに木樽に入れての自然発酵ですので、コントロールしないで発酵が止まり、甘口、ファインヘルプ、トロッケンとなるのですが、南西向きのこの斜面の畑のリースリングはトロッケン(辛口)となるそうです。酸が他の畑よりも少なめで、ミネラル感など他のバランスもありもありとても辛口に向いているとヨハネスは言っていて、入荷した2014年のトロッケンを飲んで自分もそう思っていました。
入荷したシュペートレーゼ・トロッケンとは別に斜面の下のほうのゆるやかな斜度の区画も入手したそうでここからはカビネット・トロッケンができる、とのことでした。
ヴェーバーが醸造所を始めた30年前に所有した最初の畑がアルテンベルクだそうで思い入れのある畑だそうです。


畑を見て周っただけでとても情報量が多く充実していました。
この後に2015年産の樽試飲、瓶詰めされてリリースされているものを飲みながらの昼食と続きます。


畑の説明の中で紹介したワインにはリンクを貼っています。ネットショップの商品紹介にとびますのでそこからご購入も可能です。

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posted by ヴァインベルク at 22:05| 醸造所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする