2016年02月13日

マルティン・ミュレン訪問2015年その2醸造所編

トラーバッハの村の奥にあるヒューナベルクの畑を当主のマルティンと一緒に車で見に行ってから醸造所へ戻ってきました。

お土産を渡し少し話をしてセラーを見てから近くのレストランに食事に行きました。
マルティンのお気に入りのレストランで、醸造所兼自宅から歩いて1,2分のところにあります。マルティン・ミュレンのワインもオンリストされています。


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二人とも頼んだのがこれです。この周辺の昔からの郷土料理だそうです。刻んだ豚肉と玉ねぎでミートローフみたいなものでした。
付け合わせのクネーデル(じゃがいもを団子状にしたもの)もドイツの伝統料理です。このレストランでは揚げていました。マルティンがドイツで一番おいしいと言っていたとおり、ふわふわで、ほどよい弾力でいい食感で、僕もヨーロッパで今まで食べたクネーデルの中で一番おいしいと思いました。
芽キャベツも美味しかったです。ドイツ人は嫌いな人が多いけど、僕は大好きと笑いながら言っていました。


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ずっとニコニコしていたマルティンと色々な話をしながら食事を楽しみました。
彼の食の好みや日本についてどれくらい知っているかなども聞きました。保守というか、貪欲にいろいろなことを求めない人だなあと思いました。ワイン造り以外にあまり興味がないというのも感じました。会話とは別で、職人な風貌の彼がレストランとミスマッチなのもいいなあと密かに思っていました。
会話の中では、ガイゼンハイムの醸造学校に通っているマルティンの息子さんの話になったのですが、色々な国や造り手のワインを飲むようになって、マルティン・ミュレンのワインの素晴らしさをあらためて知って、自分がミュレンのワインが一番好きということがわかったと話してくれたことを言っていたのが印象に残っています。息子さんにそう言われるのは本当にうれしいだろうと思います。そして次の代までマルティン・ミュレンの醸造所は安泰だとも思いました。

ワインはこの料理に合うものということでシュヴァルツリースリング(ピノ・ムニエ)の赤ワインを。トラーベン・トラーバッハの畑のもので造り手もこの村の人でミュレンの知り合いだそうです。ほど良い濃さで昼にちょうどよかったです。
この周辺はシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)は苦労して作らなくてはいけないわりにはあまり質と生産性がよくないということで赤ワインの品種ではドルンフェルンダーやシュヴァルツリースリングなどが植えられているとのことでした。

クネーデルはおかわりも持ってきてくれたのですがお腹いっぱいになりました。
ドイツの料理はソーセージや肉のかたまりしかないと思っている方も日本ではまだ多いようですが、このような料理もたくさんあるのです。特にワインに力を入れているところでこういった料理を食べることができます。


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ケラーでは、トロッケンになるワインはまだ発酵中でポコポコという音が樽の中から聞こえてきました。中にはあと半年くらい(訪問は11月後半)発酵しつづける樽もあるそうです。自然酵母だからこそのゆったりとした発酵です。
ポリタンクには2015年に収穫した貴腐のリースリングも入っていてゆっくりと発酵しているとのことでした。
ケラーはここの他にもトラーベンの村内にいくつかあって、ケラーの温度や空気中の酵母の種類が異なるので、今までの経験でそのケラーに適したワインをそれぞれのケラーに入れているということでした。特に赤ワインはそのケラーでないとダメという場所があるとのことでした。

食事中の会話の中で、ファインヘルプが好きという話をしたら、マルティンも、私も一番好きで全部途中で発酵が止まってフファインヘルプになればいいのにと言って二人で笑っていました。実際にそうなったら商売としては大変だし冗談ではありますが、彼のワインにファインヘルプが適しているのはわかります(もちろんトロッケンもおいしいです)。
温度管理をしないで天然酵母での木樽の中での発酵なので残糖がどの段階で止まるかはコントロールしていないので、トロッケンにならずファインヘルプになるワインもあるのです。そういった面でも毎年均等ではないという面白さもあります。


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食事の後はゲストルームでの試飲です。本数が多いように見えますがこれでも前回、前々回の半分くらいの種類です。この後シュトットガルトに行かねばならず電車の時間があったのであまりゆっくりと試飲ができなかったのです。新しいヴィンテージだけでなく、熟成させてから出したほうがいいというものは売り出さないで保管していて良いタイミングで販売を開始するワインもあるのでさまざまなヴィンテージのものがあり、畑もたくさんありそれぞれの畑で区画や糖度で細かく分けて収穫してそれぞれを木樽(1000リットルのフーダー樽)で発酵してリリースしているので常に膨大な種類を販売しています。その中で時間がないながらも、彼のおすすめや私が求めているか価格帯や味わいのものは一通り試飲することができました。
今回はパラディースとヒューナーベルクの畑のワインを中心に試飲し、トロッケン、ファインヘルプ、甘口、安価なものから高価格なもの、ヴィンテージも新しいものから古いもので、それぞれカテゴリーでいいものを見つけることができました。指定してストックしてもらっているので輸入する時を楽しみにしていてください。

最後は恒例の甘口ワインの時に乾杯をしてぎりぎりまで飲みながらもタイムアップで泣く泣く醸造所を後にしました。
次に訪れる時は前のように3時間以上飲みながら話をしたいです。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2016年02月11日

マルティン・ミュレン訪問2015年冬その1ぶどう畑散策編

少し間があいてしまいましたが、11月にドイツに行った時のことの続きです。
モーゼルでまだ書いていなかったのがマルティン・ミュレンMartin Muellen醸造所のことです。

バスでモーゼル川中域から下流に下っていきトラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに到着し、駅前のターミナルで当主のマルティンと合流しました。
私がヒューナーベルクTrarbacher Huenerbergの畑を見たいとリクエストしていて、車で連れて行ってもらい案内してもらうことになっていたのです。
前回訪れた時はKroevにあるパラディースParadiesの畑の場所を教えてもらい(ミュレンの所有する畑だけ反対岸にあります)、船で通って観察したのですが、パラディース同様マルティン・ミュレンにとって重要な畑であるヒューナーベルクにまだ訪れたことがなかったので訪れたかったのです。

トラーベン・トラーバッハは川を挟んでトラーベンとトラバッハとなっていて2つをくっつけてひとつにしています。
ミュレンの醸造所があるのがトラーベンで、ヒューナーベルクはトラーバッハ側にあります。
川沿いではなく、奥に続く道(このサイドにも斜面の畑があります)を車で5分くらい進んだところに畑はありました。


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区画を買い増していき今はヒューナベルクの畑はミュレンの単独所有だそうです。
植えられえているのは全てリースリングです。この画像からは見えない頂上の奥のなだらかなところにもう少し畑があるのですが、この区画は畑名が異なり、植えられているのもシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)です。

ミュレンのラベルにもなっている、税をとるために畑をランク付けしている100年前のモーゼルの地図ではこの畑も赤くなっています。しかしその後は知名度はなく忘れられていた畑となっていたのですが、ミュレンがこの畑のポテンシャルに気づき、この畑から素晴らしいワインを作り出しているのです。
マルティンはヒューナベルクの畑が一番大好きだと言っていました。自分の畑の中での辛口ワインではここが一番好きだそうです。気候も土壌もも斜面の向き(南向きです)も自分が理想とする条件に合っているそうです。
パラディースの畑は川に近い、シーファーが大きい、石の色が赤い、などというようなことで温度や保湿効果がヒューナベルクとはかなりこと異なります。こちらのほうが直線的で豊かな果実味があり、個人的にはパラディースの畑からは完熟したぶどうによる甘口のシュペートレーゼが好みです。


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このような灰色と青色のシーファー(粘板岩)の層ががぶどうの樹の下の1メートル以下に広がっています。
シーファーの質はやわらかくもらいそうで、左側の地面の上にあるように細かくなっているそうです。
急斜面ということも加えて水はけがよい地質ということになります。


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上まで歩いていき色々と説明してもらいましたが、近くに来ると本当に急斜面で登るのは一苦労でした。
朝に霜が降りて濡れていたので、石の階段がないところを歩く時は歩きづらくて大変でした。
このような場所で日々作業をしていると思うと頭が下がります。


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畑に向かって見て右側の部分から特に高品質なワインができるそうです。特に画像のアーチの前後から毎年星付きのシュペートレーゼ・トロッケンを作っているそうです(同じ畑でも質により区画やぶどうの状態によりそれぞれ別に醸造をしていて、同じシュートレーゼでも星をつけることによってランク分けをしています)。いつも決まった区画で分けているのではなく、その年ごとにぶどうの状況を判断して区画を分けているそうです。


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上で紹介したランクの高い高価なワインになるぶどうの区画には、樹齢80年から90年でフィロキセラの害を逃れた接ぎ木をしていない自根の樹もまだ多く残っています。

下の区画には樹齢がまだ10年から30年の若い樹も植えられているのですが、意図的に若い樹のぶどうと樹齢50年以上のぶどうを混ぜて醸造してリリースしているワインもあります。A&JというものでAlt古いとJung若いを意味しています。


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倒れていた樹を戻して添え木に結びつけていました。
ミュレンでは枝を横に延ばさずまっすぐ縦に伸ばしていました。


毎回思いますが畑に来てわかることがたくさんあります。
そして造り手の説明を受けると今まで飲んだこの畑のワインについても理解度が深まります。だからこういう味わいなんだ、などと納得することがあるのです。
そして、この畑にいること自体がうれしそうで常にニコニコしていて、そんな彼からいろいろと詳しく説明を受けているこの時間はとても貴重だし素晴らしくそして幸せな時間だと思えました。
私自身もヒューナーベルクの畑のワインへの思い入れが強くなった畑への訪問となりました。


今後もヒューナベルクの畑のワインは積極的に入れる予定です。
現在は数本だけ2009年のシュペートレーゼ・トロッケン*の在庫があります。このワインはミュレンのトロッケンの中で一番高い価格のワインになっています。ミュレンが理想とする最上の質に値するワインということです。VDP加盟醸造所のグローセス・ゲヴェックスにも引けをとらない素晴らしい質のワインです。
ヴァインベルクでは毎回このシリーズのワインを輸入していて、2012、2009として入荷して、次回の輸入では別のヴィンテージのものを仕入れる予定でいてすでに確保してもらっています。これ以外にももう少し安価なヒューナーベルクのワインも仕入れる予定でいます。


次回はミュレンの醸造所での試飲のことなどについて書いていきます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2016年02月03日

和食の会の様子と感想

1月の会は新橋の喜月で行いました。新年ということで和食をテーマにしました。
ドイツワインは和食に合う、でもリースリングは料理に合わないなどと言われることがありますが、今回のワインと料理ではどうだったかということを書いていきます。

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ワインはリストとしては6種類用意しました。

①ヘレンベルク リースリング ファインヘルプ 2014 ファルケンシュタイン  中甘口

②アルテンベルク リースリング トロッケン 2014 ファルケンシュタイン  辛口    

③グラウアーブルグンダー(ピノ・グリ) トロッケン 2010 ベルンハルト・アイフェル  辛口  

④シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール) トロッケン 2013 ファルケンシュタイン  赤    

⑤ロートリーゲンデン リースリング 2014 ベルンハルト・アイフェル  中辛口 

⑥アンナベルク リースリング アウスレーゼ 2013 ベルンハルト・アイフェル  甘口  


それ以外にこの2日前に抜栓したペーターラウアーのケルンも少しずつお飲みいただきました。少量だけ空輸したものです。

グラスを2種類用意し料理との合わせ方の違いを楽しんでいただきました。


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最初はおばんざい3種類です。
①のファインヘルプはどれとでも違和感がないです。その中でも特にポテトサラダと飲むのが個人的には好みでした。
マヨネーズやいもの甘さが、残糖と複雑みばっちりと合わさったのだと思います。
ファインヘルプはこういった料理と相性がよいので日本の食卓に向いているのです。飾らない食卓で気軽にワインと食事を楽しむのに向いていると考えています。ワインだけだと最初は少し甘みが気になる方も食事と合わせると気にならなくなります。日本酒の米のほのかな甘みと同じように考えていただければと思います。

南蛮漬けは②のリースリング・トロッケンと合いました。酢による酸がこのワインとぴったりでした。このワインが極端にすっぱいというわけでないのですが、リースリングの硬さ(残糖が少なめなので)とジューシーな味わいが料理とうまく溶け込んでいました。
赤にも合うかと考えていましたが前面に酸がある料理とはザールのシュペートブルグンダーでも難しいようでした。といっても全く合わない、というわけでなく、無理に合わせなくても、といったかんじです。
②は菜の花との組み合わせが良いという意見がありました。菜の花の苦みとの組み合わせがよいとのことでした。


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ゴマをまぶしたごまあじです。こちらは予想通り③のグラウアーブルグンダー(ピノ・グリ)と相性が良かったです。
胡麻の甘みと味わいの広がりがワインのふくよかさとマッチしていました。重ための味わい同士という合わせ方です。


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ごまあじと共にお店の名物の牛ハラミの肉じゃがです。お店の方は女性が中心なのですが、男らしい見た目でシンプルな肉じゃがです。
一度お店でこの肉じゃがと⑤の中辛口のリースリングを合わせたことがあったのですがその相性が素晴らしかったので参加者の方にも体験していただきたいと思っていました。そしてみなさんに喜んでいただけてよかったです。
ボリュームがあり少しだけ甘みのあるリースリングで、そういった面での力強さが牛肉に負けず味わいともがっちりとかみ合っていました。和の味付けだからということも大きく影響していると思います。
鍋料理(淡泊すぎないもの)とも合わせてみたいという意見もありました。


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当初は料理は肉じゃがまでの予定でしたが、もう一品提供していただきました。
こちらもお店の名物の手羽先大根です。
この料理と一番合ったのが④のシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)でした。鶏だけでなく甘みのある大根と出汁との相性も抜群でした。この赤は出汁やうまみに合うのです。言葉で説明するのは難しいので実際に試していただきたいです。


一番合う料理とワインの組み合わせを書いていきましたが、それぞれの料理とも他のワインでも悪くはありませんでした。
和食と合わせる時には出汁、うまみ、甘みというのがポイントで、そういう面でドイツワインと合わせやすいのです。その中でもヴァインベルクが輸入しているワインは、やわらかさややさしいタイプがあるので、リースリングでもワインが強すぎずにうまく合うのだと思っています。辛口のリースリングでは和食でも合わせるのが難しいものもありますので。
また、和食といっても、料理だけでなく、日本人の味付けという考え方をしていただければと思います。洋食のジャンルでもあっても家庭の料理では、今回の料理と同じようなことが当てはまるので参考にしていただければと思います。


⑥のアウスレーゼは、よく甘口ワインを飲んでいる方にも気に入ってもらえました。貴腐のニュアンスもある重ための甘さで、コストパフォーマンスに優れています。
ラウアーケルンも好評でした。僕はこのワインはやわらかい中甘口のワインでは最高峰だと思っています。


今回は参加人数が少なめだったということもありゆったりと会話をしながらの会でした。
料理との相性は大事で、その話をするのは大切ですが、その議論だけではなく、その話が会話を盛り上げるポイントになっているというのがうれしかったです。
ヴァインベルクの会はストイックに向き合うのではなくその場の雰囲気を楽しんでもらえたらと考えていて、アットホームな雰囲気の会を理想としています。
そのうち勉強会もできればとは考えていますが。


最後に次回の会のお知らせです。
今回はザールのワインのみで会をします。モーゼルの中のザール川周辺の区域ですが、モーゼル中域とは異なる特徴があります。
会場はドイツ仕込みの自家製ソーセージを提供している経堂のインゴビンゴです。

日時 2月21日(日) 18時開始
会場 インゴビンゴ (最寄り駅 小田急線経堂)
http://www.ingobingo.jp/
会費 7,000円

ワインは6,7種類を予定しています。リースリング5,6種類(甘口ワインを含みます)、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)1種類です。
ファルケンシュタインのワインが中心ですが、ペーター・ラウアーとファルケンシュタインと畑の近いエゴン・ミュラー(2010年シュペートレーゼを予定)も提供します
辛口、中甘口、甘口、赤ワインそれぞれのザールのワインの魅力を感じていただけます。
タイプの異なるソーセージを数種提供していただきます。
お出しするシュペートブルグンダーの赤ワインを混ぜたソーセージも特別に作っていただきます。
ソーセージの他にもサラダなども用意していただきます。

詳細はfacebookのイペントページもご覧ください。
ショップページの問い合わせページやメールでもお申込みが可能です。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 18:30| ワイン会報告 | 更新情報をチェックする