2016年07月23日

ドイツでの造り手との食事とそういった時間をすごして想ったこと

6月のドイツ出張では造り手と一緒に食事をすることが今までより多かったです。事前に流れがわかっていた時だけでなく流れで一緒に食事をとることになったこともありました。


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ヴュルテンベルクのクナウスでは、前回と同様にゲストハウスに泊めていただきお家で一緒に夕食を食べました。1時間以上畑を一緒に周り(そのことはあらためて)、スーパーマーケットで夕食の食材を買いに行き、キッチンで話をしながらアンディが夕食を作ってくれました。ふだんは奥さんが料理するのですがたまに料理をするそうです。
豚肉をバラ肉で巻いたものがメインで、軽くゆでてから炒めたシュパーゲルとサラダでした。シンプルですが手がこんでいておしかったです。
もちろん食事をしながら彼のワインも数種類飲みました。ストイックに試飲をすることも大事ですが、リラックスしてゆっくりと飲むことでわかることもあり、クナウスのワインの場合はそういうふうにして試飲するほうが向いていると思いました。


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モーゼルのマルティン・ミュレンでは朝から畑仕事だったということで試飲の途中で一緒に昼食をとることとなりました。
想像以上のドイツ飯でびっくりしましたがよい経験でした。長方形の茶色いものは白身魚のフライです。じゃがいもは20年前にはマルティンはこの量を一人で食べていたそうです。今でもかなりの量を食べていてじゃがいもだけは量が必要と言っていました。日本人にとっての白米のような存在だと思えばわかりやいと思います。
食事をとりながらそれまでに飲んだものをもう一度飲んだり、これが合うだろうと別のものを出してくれたりしていました。料理はありふれたものですが、ワインと組み合わせることによって特別でそして幸せになれる食事となりました。


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ザールのファルケンシュタインでは、醸造所で試飲した後に、ファルケンシュタインをアメリカに輸出している手伝いをしているラースがワインをセレクトしているアジア料理の店に3人で一緒に行きました。パクチーを多用しているベトナム系の料理ですが、酸味と果実味のあるリースリングがとても合いました。ファルケンシュタインではいつも醸造所で試飲と軽く昼食をとるだけだったので、異なるシチュエーションでワインを飲めて、彼の感想も聞けたことはよい経験でした。


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今回は造り手の方と外食となるとイタリアンを食べることが多かったです。ドイツ人はイタリアンが好きというのを実感しました。
画像はラインガウのリューデスハイムで食べたピザです。イタリアでも日本でも食べるものとは食感やトッピングが違いましたが、ドイツだから大味、ということはなくおいしかったです。
他にもパスタを何回か食べました。

というように今回は観光客が望むようなドイツ料理(といってもソーセージや豚肉料理だけではありません!)はほとんど食べていません。でもドイツ人日常の食生活を体験できて、それはとても良い経験だと思っています。
食事だけでなく、今回は招かれているという感覚のない、彼らの日常の中に私が混ざっているというような状況が多く、ふだんの生活にふれることができたのがとてもよかったです。観光で行ったり、大きい会社相手だとなかなかこういう体験はできないと思います。
日本人のところにも泊めてもらったのですが、そこではカレーライスや炊き込みご飯を食べていました。一緒にドイツワインは飲んでいましたが。

試飲の際にはテクニカルな話が中心になってしまうのですが、食事などの時間を共にすごすことにより色々な話ができるのがとても重要なことだと思っています。好きな食べ物や好きな音楽の話をしたり、意外な趣味があったりと、彼らのことをより知ると、どうしてこういうワインを造っているのか、ということにつながりを感じられるようになるのです。人柄と造るワインがつながってくるのです。そういったことを理解することはインポーターとして醸造所とそのワインを伝えるためには重要な要素だと思っているのです。説明や想いを伝えるときに言葉の中に自然と説得力が生まれているのではないかと。
せっかくはるばるドイツまで来て造り手と接するのだから、畑のこと、栽培のこと、醸造のことだけでなく彼ら自身を知ることが直接会うことで最も大切なことだと思うようになっています。

また、深くふれていると、親や奥さんが病気になったり、家が火事になったりと、それぞれが苦労していて苦悩もかかえていることも感じてしまいます。おいしいワインを造ってもらってそれを選んで日本に届けてみなさまが喜んで飲む、という循環をしているわけですが、同情などいろいろな感情をいだくことによってうまく循環がしなくてなっていまう可能性があると思っています。例えばこちらの醸造所のワインを多く使おうなどと。でもそうなるとうまくビジネスとしてまわっていかなくなるかもsれないのです(自分がうまくいかないとそれぞれの醸造所にも次回の購入の延期などしわ寄せがきてしまうのです)。
でも自分の仕事は良いワインを選び造り手の想いを届け、日本のみなさんがそのワインを手にとって飲んでくださり幸せな気持ちになってもらうことです。そうなることが造り手が一番喜んでくれることなので、自分がやるべきことをするだけだ、という考えに至りました。

ヴァインベルクとしては、販売しているワインが売れればよいというだけはなく、造り手の想いも一緒に伝えること、伝えられるような醸造所のワインを選ぶことが大事だと思って仕事をしています。ワインがおいしくなければ意味がないわけですが、それだけではない、という部分が、こういうようにわざわざ説明しなくても意味を持っているようなことになっていればいいなあと思っています。

後半は少し抽象的な表現も含まれてしまいました。はっきり言うことによって異なった解釈をされて誤解されてしまう部分もあるかと思ったからです。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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タグ:醸造所訪問
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2016年07月17日

2015年産のドイツワイン

前回は2016年の今のところの様子について書きました。次は2015年産のドイツワインについてです。

2015年はどうだったかというと、猛暑だった2003年と同じように暑い夏で地面が乾いていて水が必要な夏だったそうです。しかし9月ごろから雨が降り、健全なぶどうが多く収穫できた年となりました。昨年、収穫後の11月にドイツに行った時には、どの生産者も、糖度が上がりなおかつ房を選ぶ必要もなくどれもよいぶどうでいい年だったと口にしていました。

そのようなことを聞いた上で、今回たくさんの醸造所の数々の2015年産のワインを飲んだ感想を書きます。まだ若い状況で、樽から直接試飲したものも少なくはなく、おいしいかおいしくないかを判断するべき状況ではないワインも多かったので、味わいの印象についてのみ書きます。
フランケンの試飲会で感じたのは厚みのあるワインが多いなあという印象でした。スラッとしていてなおかつ凝縮感のあるワインは少ない印象でした。試飲会では生産者がそこで売りたいワインを出すので、いわゆるフランケンらしいワインはすでに売れていて、それ以外のワインが多く出ていたこともあってそういう印象を受けたのだと思います。
他の地域でも骨格の太いワインが多く、等級の高いワインのほうがバランスが良いと思えるワインが多かったです。これらは熟成させるとより素晴らしくなると思いました。また、リースリングでない品種のほうが出来がよいワインが多いという生産者も少なくないのかなと感じました。

今回一番2015年産を飲んだのはモーゼルの地域のリースリングです。モーゼルも、凛としたいうよりやや骨格の太いワインになっているという印象でした。どのタイプに似ているかというと私としては2003年の要素があるのかなと思いました。2003年産は酸が少なかったのですが、その年よりも酸の量は多いようです。モーゼルは酸と果実味のバランスが重要なのですが、2015年は収穫時期は夜は温度が下がったため酸もほどよく生成されたそうです。ヴュルテンベルクでも同じような話を聞きました。
ただ、酸はそれなりにあるけれど骨格が太めという印象を持ちました。
醸造所によってぶどうの条件や醸造方法などが異なるので一概には言えませんが、軽く飲むタイプではファインヘルプやカビネット、ボリュームのあるタイプならシュペートレーゼクラス(VDPだとエアステ・ラーゲ)の上級のトロッケンや重たい甘みのシュペートレーゼクラス以上の甘口がよいのかなあと思いました。もちろんそれらのもの以外でも素晴らしいと思ったワインはありましたが、全体でとらえるとそういった印象を受けました。
モーゼルでは赤ワイン用ぶどうにロゼも何種類か飲んだのですが、こおれはどれもいいボリュームでよかったです。それなりのボリュームはあるけれどモーゼルらしい軽さもありました。こういうワインのほうがモーゼルらしいの言うのは少し躊躇しますが2015年産は赤ワインのぶどうのほうがモーゼルらしいと思えるワインを作りやすかったというように感じました。私のいうモーゼルらしさというのを説明するのはなかなか難しいのですが、果実味や味わいという一部ではなく飲んだ時の全体の印象のことを指しています。

冒頭にも書きましたが、瓶詰め数か月とその翌年ではかなり印象が変わってくるワインが多く、ハウスワイン以外の上質、上級な辛口ではその傾向が強く、あまり評価もよくなかった2014年産も今の飲むとおいしいワインが多いです。2015年産も今年判断してしまうともったいないワインが多い印象を受けました。

また、2015年は質、量ともによく生産者にとっても消費者にとっても良い年というような評価も聞いていましたが、生産者によっては2014年のほうが生産量は多く総合的にもよかったというところもありました。
産地の全体でとらえるのも大事ですが、生産者ごとに様子を聞くというのも大事だということをあらためて思いました。
そういった醸造所ごとの話も今後このブログで書いていきたいと考えています。


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ケラーで樽から直接試飲することもありました。ここでは、木樽とステンレスで別々に醸造したワインを50%のブレントにて瓶詰めすることが決まっているものをグラスの中で同じ割合で注いでもらって混ぜて飲むということもしました。


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2015年産だけで他のヴィンテージを飲んでいる醸造所もあります。同じ畑のいくつかのヴィンテージを並べて飲むのは興味深い経験です。


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2016年07月16日

2016年のドイツのぶどうの現状について

ドイツで生産者と話して聞いた今年の今のところの状況を書いていきます。

今年は5月、6月は毎日のように雨が降っているそうでこれは異常なことのそうです。私の訪れたは6月末ですが、ザールでこの時期に木々がこんなに鮮やかになっていることはないと言われていました。それだけ水(栄養素)が多いということです。それはぶどうにとってよいことかというとマイナスの部分が多いのです。会った生産者は口々に雨が多くて困っていると言っていました。
その理由のひとつがカビが繁殖してしまうことです。特にビオの栽培をしている生産者にとっては重大な悩みで、ヴァインベルクの取引している生産者もビオの認定は取得していませんが可能な限り農薬を使わないで栽培している生産者なので、この雨はかなりこまっているようでした。そして私の滞在指定期間も日本の夕立のように、晴れていたのに急に大雨になったという日が何日がありました。さらに32度になった日もあったのですが、この条件が最悪だという説明も畑で聞きました。大雨により地面に水分がたまり、暑くなって表面は乾いても地面の中は湿っていてそれにより熱がこもるので、ぶどうの樹によってはよくない状況だということでした。
もうひとつの理由は、雨が降るということは太陽が出ていないということで日照不足となっています。訪れていた時期は花が咲き始めている時期で、この時期からは太陽の光は重要だから晴れてもらわないと困ると言っていました。
日本でもヨーロッパの洪水のニュースを耳にした方は多いと思いますが、ドイツに関してはワイン産地ではそれほど洪水によるダメージはなかったそうです。フランスやオーストリアの一部では深刻な被害があったそうですが。雹についても、今年はブルゴーニュなどで深刻な被害があり、ドイツでも毎年耳にしますが、僕の取引している生産者からは雹によるダメージは聞きませんでした。


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ぶどうの花


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カビが出てしまった葉と表面は乾いているけれど中は湿っている地面。ザールの畑にて。


次回は2015年産について書きます。


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2016年07月03日

ドイツでの行程

ドイツ出張から無事に戻ってきました。ドイツでの様子や感じたことなどはテーマごとに順番に書いていきます。
イギリスのユーロ離脱で雰囲気どうだった?と多くの方に聞かれていますが、小都市では表面的には大きな変化が見られず、サッカーのユーロ選手権(ドイツではEMと呼ばれています)によって街中がお祭りムードなのが印象的でした。サッカーが文化のひとつになっているのです。

今回はどんな旅程だったのかと、造り手の写っている写真を中心にどんな時間をすごしていたのかというのが垣間見れる写真を載せていきます。

1日目 ヴュルテンベルク Knauss
2日目 ボーデン湖
3日目 ミュンヘン VDPフランケンmeetsオーストリアワイン試飲会
4日目 ファルツ Spindler
5日目 モーゼル SMW、Adam、Bernhard Eifel
6日目 モーゼル Gunther Steinmets、Hofgut Falkenstein
7日目 モーゼル Martin Muellen
8日目 ラインガウ Hans Lang
9日目 モーゼル
10日目 ラインガウ St.Hilledegard、Fendel、Bischoefliches Ruedesheim、Sekthaus Solter 

先が訪れた地方、英字が訪れた醸造所です。この他にも併設のショップで試飲したところなどもありますが、じっくりと話をしたところだけを書きました。
今回はモーゼルに長く滞在しました。自分が一番よく知っていてそして好きな場所ですが、一度原点に戻ってみようということでじっくりとまわることにしました。おかげで新しく見えたことや学んだこともたくさんありました。ラインガウに向かってから9日目にもう一度モーゼルを訪れたのですが、知人の用事ということでヴィースバーデンから車で日帰りで行ってきました。
また、今回は取引先以外の醸造所もいくつか訪れています。過去に訪れたことがあって時間があったので挨拶がてらに伺ったところや条件等により近々に自分で輸入はできないけれど興味を持っている醸造所を訪れました。


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クナウスのアンディ。ヴァインシュタットにある数多くの区画にある所有する畑を1時間以上かけて車でまわりました。


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ベルンハルト・アイフェルの当主のアレキサンドラと旦那さん。試飲した後に行きつけのイタリアンにて。


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ファルケンシュタインのヨハネス。毎回一緒に畑をまわりますが新しい発見があります。


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マルティン・ミュレンのマルティン。試飲の途中からは昼食を一緒に食べながらワインを飲みました。


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ビッショッフリッフェスのペーターとゾルターのベティ。ベティの案内でリューデスハイムの醸造所をまわりました。


次回は風景を中心に載せていこうと考えています。



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posted by ヴァインベルク at 23:18| 醸造所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする