2017年04月30日

モーゼルの知られざる急斜面の畑 マルティン・ミュレン醸造所訪問2017年3月

今回はモーゼル中域トラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに醸造所のあるマルティン・ミュレンMartin Muellenです。
ヴァインベルクを始めてからドイツに来るたびに訪れているのでもう5回目の訪問となりました。
2015年の時にはヒューナーベルクの畑を訪れたのですが、今回はもうひとつの彼のフラッグシップの畑であるKroever Paradiesの畑を訪れたいリクエストを事前にメールで出していました。ということでトラーベン・トラーバッハの駅で待ち合わせをして当主のマルティンMartinと再会し車でパラディースの畑へ向かいました。
パラディースはトラーベンより上流にあり、少し離れたところにあります。村としてはヴォルフWolfよりさらに上流側です。ベルンカステル、ユルツィッヒ方面から車や船で何度か通っていてこの畑だというのはわかっていたのですが、メインの通りは反対岸なので畑に来るのは初めてでした。


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この小さい村の中を抜けて川沿いの小道を少し進むと畑にたどり着きます。この辺は花が咲いていて(おそらくアーモンド)、この時期に通るのが楽しみとマルティンも言っていました。


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パラディースと名の付く畑は反対岸にもあるのですが、急斜面でなかったりシーファーの土壌でなったりしていて、こちら岸の畑を所有しているのはマルティン・ミュレンのみです。南西向きの川沿いの急斜面のシーファー土壌のパラディース(楽園)の畑を所有しているのは彼のみなので、他の生産者のパラディースとは全く異なるワインなのです。同じ畑名でも生産者が持ってる区画でテロワール、質ともに全く異なる、という代表的な例です。
反対岸のパラディースはこの写真では写していません。手前の斜面はシーファー土壌のシュテッフェンベルクSteffenbergとレッターライLetterlayで、蛇行している部分はヴォルフの畑ですがミュレンは所有していません。


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反対岸から見るより高さはありました。上の岩からシーファー(スレート、粘板岩)土壌というのがおわかりいただけるかと思います。
この写真のエリアはほとんどが樹齢100年後のリースリングが植えられているとさらっと言っていました。一番古いのは110年だそうです。ヴルツェルエヒテWurzelechte(フィロキセラの害を逃れた接ぎ木していない樹)なの?と聞いたらそうだと返答が。そういうところも売りにできるのにアピールしていないのも彼らしいと思いました。

この中に数本だけジルヴァーナーが植わっていて(樹齢100年!)、収穫したら彼のお母さんがスープに入れるとか、ここに生えるハーブがおいしいとかいう話を聞きながら畑を見てまわりました。


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下流寄りに移動した部分です。あきらかに石(シーファー)の大きさが異なるのがおわかりいただけるかと思います。
こういう区画や赤色や青色、酸化した石が混ざっている区画があったりと部分ごとに条件が異なるのです。JippiやDeareとワイン名につけていますが、それは彼がつけている区画の名前なのです。話はpには聞いてみましたが、実際に違いの説明を聞いて味わいを思い浮かべるとなるほどとそれぞれの個性を納得することができました。
こういう微妙な違いで、水はけ、温度、保湿状況が異なり、ぶどうの実にも違いが表れます。それをわかって区画ごとに収穫して別々に醸造、発酵をしているのでそれぞれの個性が出るのです。
どれも自然発酵なのですが、同じ遅摘みでも、この区画の違いによりトロッケンまで発酵したり途中で発酵が止まり甘口になったりするのは興味深いことです。
と、パラディースの中でも細かい違いはあるのですが、パラディースの畑のほうが果実味が出る味わいになっていて、ヒューナベルクのほうが複雑みのある味わいになる傾向にあります。


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これは昨年撮ったものです。反対岸からのです。岩のある写真のが右側で、石が細かいのは左のブロックの左端です。この左側にももう少し畑はあります。



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わりとこの辺りは樹齢が若い(といっても30年から50年)区画なのですが、異なる栽培方法を試しています。
伝統を守りつつも、よりよくしようと新しいチャレンジを試みる彼の姿勢がこういうところからも伝わります。


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一通り見てから彼の住居兼ゲストルームへ。
知らない人の方のために書くと、この100年前の畑名と良し悪しのわかるモーゼル川周辺の地図の彼の所有する周辺の部分を彼のワインのラベルにしているのです。
途中で奥さんにも会いました。昨年、大きな病気をして入院していて、退院後も少しも家を出ることができなかったそうなのですが、今年になって散歩もできるようになったと聞いて安心しました。再びお会いできたのが嬉しかったし、奥さんの様子を嬉しそうに話す彼を見ても安心しました。


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いつものようにたくさんの種類を試飲しました。先に書いたようにパラディースの畑でもカビネット、シュペートレーゼ、辛口から甘口まで別々に造っていてたくさんの数があり、他の畑でも同じようにしているので年間膨大な種類をリリースしています。
そして全てをすぐに販売するのではなく、熟成させたほうがよいと思うものは少し置いてから販売を開始する、というのもマルティン・ミュレンの特色で、色々なヴィンテージのワインを試飲することができます。
今回は2015年を中心に選んでくれましたが、2000年代、1990年代のもいくつか試飲させてもらました?97年のトロッケンが素晴らしくて、買って持って帰りたいと言ったら、別のところに保管してあるから無理、また今度、と言われました。彼にとってもとってもおきでお宝なようでした。
通常の輸入は価格の面と数量が少ないのでできないのですが、ワイン会にということで93年のアウスレーゼを購入し持って帰ってワイン会で提供したのですが、甘みは強くないけど奥行きと落ち着きのある味わいで参加者にとても好評でした。
若いワインでもどれも素晴らしくて、それぞれに個性があり、次回のオーダーでどれを輸入することにするかとても悩んでいるところです。どれもおいしい、というのはそれそれで輸入者にとっては悩みの種です。価格や料理との相性を考えながら選びます。
このワインは、数日前にロバート・パーカーが来た時に開けたワインだ、とかテクニカルな話以外にもたくさんのことを話しました。

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彼は毎回、私と同じ量をグラスに注いで一緒に飲みます。それを3時間くらい続けているのでマルティンも私も後半はほろ酔いです。飲み仲間というかんじで会話をしています。写真は、彼も酔っているので車ではなく徒歩で駅に一緒に行ってくれるという時の写真です。販売用とは別に個人用に購入して持って帰るワインを持ってくれています。この表情が物語っているかと思います。僕といることをとても喜んでいるのがよくわかって、それがとてもうれしいです。少年のような純粋さがある彼自身が大好きだし、彼の造るピュアなワインももちろん大好きです。


マルティン・ミュレンのワインはこちらから

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2017年04月28日

試飲会やります

4月に新しくワインが入荷しました。今回はフランケンのビッケルシュトゥンプとラインガウのゾルター、ビショッフリッヒェス・リューデスハイムのワイン。数が少ないものもありますが全部で10種類です。ネットショップへの掲載は5月のはじめを予定しています。
入荷にあわせて年2回ほど試飲会を開催していますが今回も新宿リースリングにて試飲会を行います。

5月13日(土)15時から17時
リースリング(最寄駅新宿)
参加費2,000円 (フィンガーフード付き)

スパークリングワイン2種類、白辛口3種類、ロゼ1種類、赤1種類、甘口1種類を予定しています。
時間の中でお好きな時間(16時30分までで)にお越しください。ただし終盤はなくなってしまうワインがある可能性があることはご了承ください。
基本は立ってのご試飲になりますが、座るスペースもあります。
事前申し込みは不要です。お気軽にご参加ください。

下記のワインを予定していますが、ゼクトは2005年リースリングから2001リースリングに変更となる可能性があります。

facebookのイベントページも作成しています。


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5月20日にはビッテにてシュパーゲルの会を開催します。
詳細は下記のfacebookのイベントページをご覧ください。
お申し込みはメールinfo@weinbergwine.comでも承ります。



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2017年04月23日

変わらない情熱 ファルケンシュタイン醸造所訪問2017年3月

3月でのドイツ訪問記、北海道出張などで時間がなく中断していましたが再開します。
今回はザール(モーゼル)のファルケンシュタインHofgut Falkenstein醸造所です。

プロヴァイン3日目は3時間だけで会場を後に、列車を乗り継ぎモーゼルに向かいました。荷物などもそのままで醸造所に向かうことにしていて、コブレンツからのREで最寄り駅であるKonzに向かい、ヨハネスと再会しました、
いつもは畑を見て回ってから醸造所(兼自宅)に向かっていますが、説明は一通り聞いているしまだ葉も出ていない状態なので今回は醸造所に直行しました。
ファルケンシュタインのワインをアメリカに輸入している手助けをしているラースとアメリカでインポーターをしている人と合流しケラーに向かい、まだ木樽に入っている2016産を試飲しながら会話をしました。
ファルケンシュタインを立ち上げたのはヨハネスJohannesのお父さんエリッヒErichですが、今は営業関係はヨハネスが担当し、エリッヒは畑仕事に専念しているとのことで、今回もヨハネスとの時間をすごしました。。


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アメリカのインポーターは、まだファルケンシュタインのワインは輸入していないので、一通り説明しながら、トロッケンから甘口のアウスレーゼまでのリースリングを試飲していきました。
栽培はほぼビオで、手をかけて丁寧に育てあげ、糖度が高くなるのを待ちなおかつ健全なブドウを選び収穫し、プレスにも気を使い、重力でケラーに果汁をうつし、木樽に入れてからは何もしない、というのを丁寧になおかつ情熱的に彼らの哲学と気持ちが伝わるように説明していました。
木樽は大半は10年以上使用しているもので、どの樽にはどの畑のどのタイプの果汁がよいかのいうのを把握していて選んで使用してます。大きいいのがモーゼル伝統的な大きさの1200リットルで、中には半分の大きさのものもあります。大きさで味わいを変えるというよりは収穫量の少なかった区画のものが小さいに樽に入っています。


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2016年産は、春から夏の雨でカビなどの被害があり生産量は減りましたが、収穫時期の天気は良く、収穫できたものはクオリティの高いぶどうだ、ということは取引をしている醸造所はどこも言っていたのですが、ファルケンシュタインもそのとおりでどれも素晴らしいワインになっていました。新しい畑のワインも、彼らの新しい方向性が見えていて興味深かったです。
ただ、2016年産は暑い夏でボリュームのあるワインになった2015年産よりは収穫する時の糖度は低めで、2015年は辛口も含めて大半はシュペートレーゼの等級でリリースしていたのですが2016年産はカビネットが多くなっています。それでも酸と果実みのバランスが素晴らしいのは変わりありませんでした。個人的にはトロッケンよりもファインヘルプと甘口が特に好みでした。
中にはプロヴァインでたくさん試飲をしてるにもかかわらず、鳥肌が立つほど感動したワインもありました。そういったワインも含めて3、4種類程度が秋ごろに日本に入ってくるので楽しみにしていてください。
より多くの人にファルケンシュタインのワインを飲んでいただきたいということで、少しずつの量でたくさんの種類を輸入するのではなく1種類ごとの量を多くする、という方針にしていたので、しぼりこまなくてはいけないということを考えながら試飲していたのですが、どれも良いワインで悩みました。その上、予約がたくさん入っているので、数日以内に種類と数を教えてほしいと言われていて、帰国前に種類と数量を決めて予約のメールをドイツでヨハネスにしたのでした。


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アメリカのインポーターに対し、情熱的に流暢な英語で語るヨハネスは、ヴァインベルク店主といる時とは別の雰囲気だったので新鮮な感覚でした。
あとでヨハネスと2人になった時にそのことを話したら、アメリカは重要なマーケットだから英語は習得したしビジネスとしてがんばっている、と言っていました。事実、その時点で予約されているワインの大半はアメリカからのオーダーなのです。


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外の写真はほとんど撮っていませんでした。奥に写っているのがワインラベルにもなっているファルケンシュタインの建物ですが、2年前に火事になって一部を改装工事していたのですが、今回訪れた時にはきれいになっていました。
この画像には2匹の猫がいます。

ゲストルームで、お土産を渡してからすでにボトリングされている2種類を飲んで、シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)の樽試飲をしにケラーまで戻ってから、夕食を食べに向かいました。
ザールブリュッケン、アイルとおすすめの店がお休みだったので、トリアーでの夕食となりました。


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私はトリアーには何度も訪れていますが、このレストランは初めてでした。
トリアーはローマ人にいよる遺跡が数多くあり、料理もイタリアンの影響を受けているものを出しているレストランが多くあります。このレストランもいわゆるトリアーの伝統的な料理を提供していて。私はリゾットの上にチキンのローストがのっているものを食べました。ヨハネスはサーモンです。量は多かったですがおいしかったです。
頼んだワインはファルケンシュタインではないのですが、ドイツワインのガイドブック「ゴーミヨ」で2015年産がファルケンシュタインと共にかなり高い評価を受けたモーゼルの造り手のファインヘルプを選んだのですが、ヨハネスの感想が聞けたのは興味深かったです。テロワールが異なるので自分のワインとは全く違う方向性だけどいいワインだと言っていました。

今回は5時間くらい一緒にいて色々な話をすることができました。日本にも来てみたいと言っていたので、日本のことや日本での料理とファルケンシュタインのワインの相性のことなども話しました。
駅で会った時から冗談をいっぱい言っていてたくさん笑ったのですが、ワインの話になると真剣になり彼の情熱を直に感じることができました。
ゴーミヨで、95点をはじめ軒並み高得点がファルケンシュタインのワインについて、ファルケンシュタインは有名になったのですが、彼らは何も変わっていないというのが、会う前からわかってはいましたが実際にそのことが伝わりました。
そしてヨハネスはまだ30歳になっていませんが、しっかりしているなあと。たまに見せるお茶目な部分も含めて素敵な好青年です。


今回は畑は散策していないので、畑の様子やこの醸造所のことを知りたい方は過去の投稿をご覧ください。
2016年6月
2015年11月
http://blog.weinbergwine.com/article/432020116.html


現在販売しているファルケンシュタインのワインは2015年産は4種類ですが、ファインヘルプはかなり数が少なくなっています。ゾンネンベルクのほうはあと数本しかなく、ヘレンベルクもWines of Germanyの今飲むべきドイツワイン15選に選ばれたこともあり、早々に在庫がなくなってしまう可能性が高いです。
2016年産が日本に届くのは夏以降になりますので、興味を持った方は2015年産をご購入ください。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2017年04月10日

プロヴァインProWeinのこと

今回はデュッセルドルフで3日間開催されていたプロヴァインProWeinについて書きます。
会場は業者用の展示会なので基本写真禁止となっていますので(個々の造り手で撮ったものは了承を得ているので大丈夫です)、レポートのためにしっかりと写真は撮っていなくて、雰囲気がわかりそうなのを数枚だけ撮ったもので軽く説明をしたいと思います。

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プロヴァイン(プロワイン)はドイツで行われてはいますが、世界中の生産者が出展しています。今年は60か国から6500社が出展しているそうで桁が大きすぎて想像しづらい数です。日本ではこのイベントはまだあまり知られていませんが、世界のワイン業界の情報を得られるとても重要なイベントとしてヨーロッパ全土や世界中から参加者が訪れています。日曜日から開催しているのは遠くの方でも日曜が仕事の休みの方が来やすいようにです。
業界関係者のみの参加なのですがチェックもちゃんとしているので(ウェヴで登録の際に細かい情報と名刺をスキャンして送らなければいけません)、そういったところからなどからも信頼されていて展示会になっているようです。


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このホールは大半がカリフォルニアで、こういったホールが10以上あります。業界の方にはフーデックスの規模で、それが全てワインで、幕張メッセよりも広い、というとなんとなく想像できるかと思います。ドイツ、イタリア、フランスなどは一国で2ホールを使用しています。ワインだけでなく他のお酒の出展もありそれだけで1ホール、ウイスキーだけでも広いことに驚きました。もちろん日本からも日本酒は出展されています。


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生産者はグループを組んでいて、その中にブースを出しているというような形です。
ドイツの場合、産地ごとのグループが一番規模が多く、それ以外にも若手の生産者のグループなど5から10醸造所でのグループになっているところも多くありました。モーゼルやラインヘッセンは面積も出展している生産者も他より多いという印象でした。VDPでもグループを作っていてその一角でも50くらいの醸造所が参加していたのではと思います。
ゾルターはドイツで高品質なスパークリングワインを作っている生産者でグループとを形成していました。
国を隔てずグループになっているところもありました。ビオの認証の団体のグループ(Ecovin,Demeterなど)もあり、そういうタイプのワインを探している人はそのいくつかグループをまわるだけでも大きな成果は得られるような形になっていました。


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これは終わりの時間にとったので人が少なめです。仕切りの壁の色が違いますが、それによりグループ分けされているのがわかるかと思います。


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取り扱っているラインガウのビショッフリッヒェス・リューデスハイムです。今年からラベルが変わっています。
この写真に写っているものが全て試飲できるのです。
ドイツの生産者はそれぞれがだいたいこのくらいの種類は持ってきていました。最低でも10種類くらいでしょうか。色々なタイプの人を逃さないために多くのヴァリエーションを用意する、というのがドイツの考え方なんだろうなあと感じました。
各地に複数の畑を所有するモーゼルの有名な生産者はリースリングが白辛口から激甘口まで、ピノ・ブランやピノ・ノワールでも数種類ずつあり30種類以上試飲ができるようになっていました。

ひとつひとつのブースは狭いのにそれぞれがこれだけ持っているので片っ端から飲んでいったらきりがありません。
事前に行きたい生産者の目星をつけていたり、自分が試したいタイプを決めておいたりしないと時間が到底足りません。
私は、必ず訪れたいところのリストは作っていて、知人におすすめを聞いていたので時間があるかぎりそういうところをまわっていました。といってもそれでも全然時間は足りず飲みたかったけれど飲めなった生産者がいくつもあります。最終日は3時間だけ滞在したのですが、まだ行ってないところをたくさんまわりたいのを我慢して気にいった生産者と特に気になったワインをもう一度試飲するということをしていました。タイミングによって味覚が変わるし気になっているものはあらためてインプットするべきだと思ったからです。
初めてその生産者のワインを飲んだところでとても気にいったというところがいくつかありましたし(商売としてすべてのところのを扱うようになるわけでありませんが)、知っているけれど醸造所に行くのが大変だったり飲む機会がない生産者のワインも飲むことができてとても良い経験となりました。


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先に書いた通りこういった規模だとある程度予備知識がないとどのブースに寄っていいかわからなくて大変だと思ったのですが、セミナーを各地でやっていたり、グループによってはテーマによるフリー試飲があったりするところもあるので、目的を定めず受け身でのぞむ人たちにはこういうのを利用するべきだと思いました。
画像はモーゼルの各生産者のカビネットを並べた試飲です。甘口がまたブームになってきているというトレンドをふまえてのテーマです。フランケンでは各生産者のヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)だけを10種類集めたコーナーがありました。


文字通り死ぬほど試飲ができるのですが、ドイツワインにとってはこの時期の開催ではは問題もあります。ドイツは収穫が遅めで10月が一般的なので、まだボトリング(瓶詰め)していないワインが大半という時期なのです。ボトリングをしていないくてもサンプルという形でタンクや樽から注いで持ってきたワインで2016年産を試飲するという形です。生産者によってはそういったサンプルだけのところもあります(なぜなら前の2015年産は全て売り切れているから)。ボトリング前だと雰囲気が変わるというのがありますし、ボトリングしてあったとしてもまだ飲むには早すぎるというワインが多い、というのがこの時期の問題です。特に上級クラスのワインは、まだ判断できる状態ではないというものがたくさんありました。
しかし全世界のバイヤーが来ているわけで、こういった場で買い占められてこの先出回らないワインも出てくるので、この場で判断することも重要になってくるのです。
また、前年のワインの在庫があるところは無理に2016年産を出さないで2015年産のみを試飲に出しているところもありました。これにはまだ最新のは若すぎて自分のワインは判断できないから、という考えもあるのだと思います。そういった各々の生産者の哲学や考え方もこういう部分ひとつとっても見えるのは興味深かったです。


また、今回訪れて一番強く感じたのは、ドイツワインの多様性とそういったワインを自由に選択できることがドイツワインの魅力である、ということです。亜硫酸無添加だったりヴァンナチュールと言われるタイプのワインを造る生産者、新しい雰囲気とワインの若手生産者など今までにはないものにチャレンジしているところがあれば、リースリングだけを並べていたり、甘口が中心だったりと、昔からのファンでも喜ぶようなラインナップの生産者もいます、。それらが横並びになっていて自由に選択できるというのが今のドイツワイン業界だと感じました。グループだったり各々の生産者だったりが別々の方向性を向いていても誰も気にしないし(もちろん陰で生産者の悪口を言っている人はいると思いますが)それぞれのベストを尽くすことを応援しているのです。業界関係者も飲み手もその広い選択肢の中から自分たちの好みのものを選択すればよいのです。その幅がとても広いのはドイツワインの今の特徴でありもっと声を大にして言うべきだと思いました。
インポーター、酒販店や飲食店はそれぞれの顧客にあうものを選ばなくてはいけないわけで、私もタイプは偏っていてドイツワインの多様な中のほんの一握りのタイプしか選んでいないのですが、ドイツワインはこうあるべきだ、ということで選んでいるのではなく、自分が紹介したいのはこういうタイプだから大きな選択肢の中からこういうものを選んでいる、というようなことも伝えられていたほうがいいな、ということを思いました。
質が良い、悪い、好き、嫌い、だけではないこういったことを考えることができたのはプロヴァインの大きな収穫でした。

来場者側にいたから酔っぱらいに話しかけられていると思ったら実はその醸造所の当主だったり、他の家族が別の方の対応をしていたのでいい人柄がにじみ出ているおじいちゃん(先代)に対応してもらったのですがドイツ語しかしゃべれなくてそれでも30分くらいずっとそこにいたり、横で長い間ずっと同じように試飲していた人が次に向かった生産者の当主だったり、と色々なことが起こって面白かったです。しかも書いたエピソードのところはそこのワインと醸造所を気に入り、取り扱いをするかもしれない醸造所となったところだったので、縁ってあるのだなと感じたのでした。


プロヴァイン、業界関係者は、ドイツワインの関係の人でなくても機会があったら一度は訪れてみてほしいです。

次回からはワイン産地の景色も交えながらの投稿となります。


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posted by ヴァインベルク at 23:19| ドイツでの様子 | 更新情報をチェックする

2017年04月09日

ドイツに行ってきました

なかなか投稿ができていませんが、3月後半のドイツ出張のことを少しずつ書いていきたいと思います。
まずは生産者の写真とともにざっとどんな旅程だったかを書いていきます。
この時期に訪れた目的はデュッセルドルフで訪れていたワインの見本市プロヴァインProweinを訪れることでした。
ドイツだけでなく全世界の生産者が集まる世界最大とも言える規模の展示会です。
といっても私は2日間と3日目は3時間滞在しましたが、ドイツだけでも飲めなかった造り手がたくさんあるといった状況でした。
プロヴァインのことはまた別に書きたいと思います。

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ラインガウのゾルターSekthaus Solterの営業担当のベティと。やはり最初はスパークリングワインから始めたい、ということで初日の最初にブースを訪れました。2001年などの隠し玉も飲ませてもらいました。別日には日本から来ている方に私が説明をする、なんていうこともしました。

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ファルツのシュピンドラーHeinrich Spindler。リストに書いてあるので15種類くらいありましたが、こちらでもそれ以外のものも飲ませてもらえました。奥さんにお会いしたのは初めてでした。


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プロヴァインの3日目の昼にはデュッセルドルフを発ちモーゼルへ。ザール(モーゼル)のファルケンシュタインHofgut Falkensteinへ。荷物とともにそのまま最寄り駅へ向かい、ヨハネスと合流し醸造所へ。樽試飲の後はトリアーで食事をしました。5時間くらい一緒にいて、ためになる話だけでなく色々な話をして、今回も笑顔の絶えない時間となりました。


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モーゼル、トラーベン・トラーバッハのマルティン・ミュレンMartin Muellen。訪れてみたいと思っていた畑に行きたいとリクエストしていたのですが車で連れていってもらい念願がかないました。畑を訪れてこそわかることはたくさんあるとあらためて思いました。醸造所に戻ってからはいつも通りの大量の数の試飲。今回もマルティンと3時間くらい一緒に飲みながらの濃厚な時間となりました。


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モーゼルのトリッテンハイムのベルンハルト・アイフェルBernhard Eifel。こちらもリクエストをして醸造所から離れている畑に行きたいとリクエストしてそこからスタートし醸造所で試飲し、その後は一緒に昼食もとりました。ここでも今回初めて聞くようなことがいくつもあり、行ってよかったと思えました。
この日はモーゼル3日目でしたが、夕方に列車で知人のいるヴィースバーデンへ向かいました。

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その翌日はヴィースバーデンからの日帰りでフランケンへ。その大きな目的はビッケルシュトゥンプBickel Stumpfを訪れることでした。販売所はヴュルツブルクから南のフリッケンハウゼンにあるのですが、畑が見たいのと樽試飲もしたかったのでケラーと畑のあるテュンガースハイムに向かいました。家族総出で出迎えてくださり、とても良い経験ができました。ここの畑でも行ったからこそわかることがたくさんありました。

最終日はラインガウに少し寄ったのですが、取引先という部分ではこういっところです。
個々については今後もう少し深く書いていきます。


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