2017年05月07日

テュンガースハイムを訪れて ビッケル・シュトゥンプ醸造所訪問2017年3月

今回はフランケンの醸造所ビッケル・シュトゥンプBickel Stumpfです。
2015年の冬に訪れたのはショップとゲストルームのあるフリッケンハウゼンFrickenhausenだったのですが(その時の記事はこちら)、醸造設備はテュンガースハイムTuengersheimにあり、この2つの地は地質が違い(ムッシェルカルクとブントザントシュタイン)、そのことをウリにしている生産者なのでテュンガースハイムにも行ってみたいと思い実現しました。
テュンガースハイムを案内するのは特別な人だけということでしたが受け入れてくださり感謝しています。
当主の娘で営業担当のメラニーはフリッケンハウゼンに住んでいますがこのために来てくれて、テュンガースハイムに住んでいる当主の息子で栽培、醸造担当のマティアスもボトリングで忙しい中対応していただきました。
フリッケンハウゼンはヴュルツブルクの南、テュンガースハイムは北に村があり35キロ離れています。共にマイン川沿いの小さな村です。


IMG_3372.JPG

テュンガースハイムの駅でメラニーと合流し、醸造所へ向かう途中で旧市街を通りました。
これは旧市街の入り口の門です。


IMG_3373.JPG

フリッケンハウゼンのほうが観光地としては華やかさがありますが、より古い建物でこじんまりとしていて趣がありました。
どちらも小さい集落だったのですが、フリッケンハウゼンは川と丘の間の平地は少なくて住居にできる土地が狭いけれど、テュンガースハイムは土地があり、畑がどんどんなくなり旧市街のまわりにどんどん住居が増えているそうです。ヴュルブルクからも通勤が容易な距離で土地代も安いから人気な場所だそうです。


IMG_3381.JPG

醸造所でマティアスと合流して3人でベンツのトラックに乗り畑を案内してもらいました。
テュンガースハイムの中心の畑はヨハニスベルクJohannisbergで、急斜面の部分がたくさんあり、それらの最良な部分にはジルヴァーナーが植えられています。ビッケル・シュトゥンプのジルヴァーナーは樹齢30年から50年くらいのが多いそうです。
モーゼルやラインガウの良い畑にはリースリングが植えられているように、フランケンではジルヴァーナーが植えられています。
古くなり植えかえられている区画がいくつかあったのですが、どこもジルヴァーナーが植えられていると言っていました。
フランケンは品種の多様性も魅力だと思っているのですが、日本人が思っているよりもフランケンの人はジルヴァーナーに思い入れがあるような気がしました。
ビッケル・シュトゥンプは緩やかな丘や平地には赤ワイン用のぶどうも植えています。エアステ・ラーゲのシュペートブルグンダーや4種類の品種のブレンドのロート・ヒューゲルもテュンガースハイムの畑のぶどうから造られています。


IMG_1089.jpg

マティアスと。写真を撮る時にドイツの生産者には「リースリーング」と言われることが多いのですが、フランケンなのでジルヴァーナーとメラニーが言っていて笑っていたのです。
前日までモーゼルにいたので、急斜面がモーゼルっぽいだろと言われたのですが、モーゼルやラインガウよりもヴュルテンベルクに雰囲気が似ていると感じました。ヴュルテンベルクのクナウスが所有するヴァインシュタットも丘がいりくんでいて似ているのです。ヴュルテンベルクとフランケンは形成された地質年代は異なりますが三畳紀に分類されていて同じような地形の成り立ちだからかそう感じたのだと思います。


IMG_3387.JPG

テュンガースハイムの地質はブントザントシュタイン(雑色砂岩で)、地質の色で地面が赤く見えるところもあります。
しかし標高の高いところはこのように白くなっているところもあります。頂上のところにはムッシェルカルク(貝殻石灰質)の岩があり、その砕かれた石が転がっているのです。
ヴュルテンベルクでは同じ畑でも標高によってコイパーの中でも形成年代が異なり地質が異なるように、フランケンでも同じようなことがあり、このテュンガースハイムはムッシェルカルクとブントザントシュタインの境の場所なのです。
地面の下のほうはブントザントシュタインだけれど上の層はムッシェルカルクというところもあり、樹齢が若い樹は特にムッシェルカルクの影響が強いという区画もあると思います。
この畑は何の土壌、と一言で表しても、単一でない場合には区画や樹齢などによっては代表的ではない要素が含まれることもある、というのがよくわかる例となりました。
ビッケルシュトゥンプのジルヴァーナー・ブントザントシュタインのワインはブントザントシュタインの影響がわかりやすく出ているように感じました。


IMG_3378.JPG

醸造所に戻り樽試飲をしました。木樽は1000リットルの古樽です。
樽は外に出していて、シュポンターン(自然発酵)でまだ発酵しているものの活動を促すために冬を越すと少し気温の高い外に置いておくそうです。
2016年産からはテュンガースハイムのリースリングからもGGをリリースするそうです。ジルヴァーナーもフリッケンハウゼンだけでなくテュンガースハイムで上のクラスのもリリースしたいと言っていました。まだ若い樹のがもっと良い質になってきてからということだと思います。


IMG_3401.JPG

室内にはステンレスタンクがたくさんありました。この他にもまだあります。
左のタンクは、トゥウェンティ―シックスなどブレンドでリリースしているワインを、別々のタンクで発酵させていたものを一緒にする時に使用しています。そこに入っていた2016年産の26ロゼも試飲しました。2015年産はシュペートブルグンダーのみでしたが2016年産はブレンドだそうですが、味の違いはあまりわかりませんでした。2016年産のほうが少しだけ甘く感じたというくらいでした。
ジルヴァーナー・ブントザントシュタインのワインは2つのタンクのをブレンドしているとのことだったのですが、別の区画ということだったのですが、残糖感や果実味がかなり異なっていて驚きました。この違いで深みを出しているということでした。
この日の数日後にブレンドしてボトリングすると言っていました。


IMG_1108.jpg

2人のお父さん(当主)もいらしていて対応してくださいました。
こうやって歓迎していただけるのはとてもうれしいし、がんばってビッケルシュトゥンプを売らなくてはという気持ちになります。


IMG_3410.JPG

ボトリングなどの準備で大変な男性2人とは醸造所でお別れして、メラニーとヴュルツブルクに行き昼食を一緒に食べました。
私はこちらの地方の伝統的な野菜と共に食べるボイルしたソーセージを注文しました。ヴァイスブルストとふつうのソーセージの中間くらいという印象を受けました。
メラニーは生の牛肉をたくさんの香辛料を混ぜて食べるタルタルステーキを注文していました。たまに食べたくなるそうです。
メラニーとゆっくり会話するのは初めてだったので色々と話ができたいし彼女の性格もわかってよかったです。他の醸造所の女性とは全く異なるタイプということがわかりました。アイフェルのアレキサンドラ同様、彼女も数年前に出産し育児と仕事の両立をしています。
兄弟の対比も面白かったです。メラニーは愉快でちょっと抜けいているかんじがあり、マティアスはストイックでワイン造りが全ての中心、といったかんじで、この2人の組み合わせがいい方向に向かせている、ということを感じました。


IMG_1112.jpg

連れ来てもらったレストランは観光名所になっている橋のところにあります。立地だけでなく料理もワインも質が良いのでまた来てみたいと思いました。
ここでメラニーとお別れしました。彼女は南のフリッケンハウゼンに戻っていきました。
ビッケルシュトゥンプでどのくらい時間をとるかわからなかったので、この日はヴィースバーデンに戻る時間までは他に予定を入れていなったのですが、4時間くらい時間があったので、久しぶりに世界遺産のレジデンツの中を見学したり、ユリウスシュピタールの居酒屋でゼクトとスープを楽しんだり、ビールを飲んだり、といつもぎちぎちなスケジュールなので久しぶりにゆったりとした時間をドイツですごすことができました。予約していたICEの運行がキャンセルになっているというハプニングはありましたが、事前にネットで気がついたので大きな支障はなくヴィースバーデンに戻ることができました。
1日もいないフランケンでしたが、充実した時間をすごすことができました。


今回紹介したビッケルシュトゥンプからは4種類のワインが入荷してネットショップに掲載しています(newとなっているのが新入荷です)。
http://weinbergwine.com/24.html
どのワインもタイプが異なり魅力的なワインです。
ジルヴァーナーは2014年産はブントザントシュタインのみ輸入しましたが、今回の2015年産は同格のオルツヴァインのムッシェルカルクもブントザントシュタインと共に入荷しています。

5月13日の新宿リースリングで15時から17時まで開催するヴァインベルクの試飲会でもこれらの4種類はお飲みいただけます。
事前申し込みは不要ですのでお気軽にお越しください。詳細は下記をご覧ください。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com





posted by ヴァインベルク at 20:35| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする