2018年05月20日

シュパーゲル(白アスパラ)の会の様子とドイツでシュパーゲルを食べて感じたことなど

ヴァインベルクの会として毎年恒例となっている永田町ビッテでのシュパーゲル(白アスパラの会)、今年は4月の平日、5月の土曜日と2回開催しました。
内容が少し異なったこの2回の会の様子に加えて、ドイツで感じたシュパーゲルのことについても少し書きます。
5月の会は25名の方にご参加いただき、みなさまのシュパーゲル愛を感じられました。
このお店でのシュパーゲルのこだわりや日本のものとは何か違うのかというようなことなどは昨年までのブログの記事をご覧ください。

今年はシュパーゲルの定番とされているジルヴァーナーの品種とフランケン地方にはあまりこだわらずにワインを選びました。
ライトなジルヴァーナーはシュパーゲルをたくさん食べる時に最適なのですが、しっかりとした料理には他のドイツワインと合わせたほうが良さがわかる、ということも考えていましたので。


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前菜は少し固めのゆで時間で。
4月はヴュルテンベルクのクナウスのリースリング、フランケンのビッケルシュトゥンプのロゼを、5月はファルツのシュピンドラーのヴァイスブルグンダーと。
ヴァイスブルグンダーはワインだけでもとても好評でした。

シュパーゲルのゆで汁によるクリームスープには、深みとやわらかさのあるベルンハルト・アイフェルのリースリング・アポテーケ・トロッケンと合わせることが多かったのですが、5月の会は、先のヴァイスブルグンダーと合わせてみましたが、やわらかさと風味がうまく合っていました。


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魚料理、この画像は4月のワカサギを揚げたものをシュパーゲルにのせたものです。
先のクナウスのリースリングと相性が良かったです。
5月は鮎の炭火焼き、ペーストにした肝付きです。毎年この会では選んでいるフランケンのブレンフレックのジルヴァーナー、モーゼルのマルティンミュレンのリースリング・ヒューナーベルク・トロッケンと合わせました。
鮎だけだとジルヴァーナーと、シュパーゲルとだと深みとコクもあるので深みのあるリースリングと、いう印象でした。肝はつけすぎると苦いのでワインとはあまり合わないのですが、少しだとどちらとも面白かったです。個人的には和食とワインの包み込むような合わせ方の感覚のジルヴァーナーのほうがいいなあと思いました。


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メインはどちらの会も、豚肉のシュニッツェル、オランデーズソースのアスパラ添えです。
4月の会で、クナウスのレンベルガーSとこの料理との相性がとても良かったので、全く同じ組み合わせにしました。
シュパーゲルには白ワインを合わせるのが定番ですが、こういった料理だと赤ワインとも合わせられるのです。といっても濃いものだとあまりよくないと思っていまして、このワインのような繊細さの中に濃さのあるワインのほうが良いと思います。
ワインだけでも、ドイツの赤でこういうものが、と驚いていましたし、料理との相性も喜んでくださいました。


ここからはドイツでのことです。


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何回かシュパーゲルの料理を食べましたが、一番典型的なものがこちらです。
シュパーゲル料理、と別にメニューがある場合には、オランデーズソース付きのボイルに加えて何かをあわせる料理がいくつかあります。
サーモン、魚のムニエル、先のようなシュニッツェル、ステーキなどがあります。肉や魚がおまけのように盛り付けられています。
ワイナリーに紹介してもらったバーデンのオッフェンブルクの伝統的な料理を出すお店ではランプステーキを選びました。
シュパーゲルメニューにはジルヴァーナーとヴァイスブルグンダーが推奨として書いてあったので最初はヴァイスブルグンダーと。何の違和感もありませんでした。
次は取引予定の醸造所のグーツヴァインのシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)と。薄めだけどコクもあるので、お肉にも負けず、先のレンベルガー同様、シュパーゲルとの相性もよかったです。


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こちらはヴュルテンベルクのクナウスのお宅にて。スーパーでいいシュパーゲルを店員さんに選んでもらい、アンディが自分で皮を剥きオランデーズソースも作り、ラムも自宅のテラスでバーベキューで焼いてくれました。
新鮮なものの良さを堪能できました。5本くらいまでなら飽きずにずっと食べられます。ただ、時間が経つと、少しえぐみが出てきて、新鮮なものならではの変化と繊細もも感じました。
ワインは濃いめ、重めのグラウブルグンダー(秋以降に入荷する予定です)との相性がとてもよくて驚きました。甘み、深みがあるドイツ(ヨーロッパ)の太いシュパーゲルだからこその相性で、日本の白アスパラだともう少し軽いのでアスパラが負けてしまうと思いました。


ドイツで感じたのは新鮮なものは味わいが違うということです。2、3日までとそれ以降では全然違うと言っていましたが、その感覚がよくわかりました。これは竹の子の鮮度を感じたことがある方はわかりやすいかと思います。
ただ、時間が経つとおいしくない、というわけではなく、日本でやっているヴァインベルクの会にようにおいしく食べることができます。状況に合わせて調理をすればおいしく食べることができるのです。
ただ、ドイツでの感覚が忘れられない(新鮮なものをバクバク食べたい)というような方はドイツにこの時期に行って食べるしか選択肢はないです。

また、シンプルなボイル以外の、揚げたりクリームソースの中に入っていたりという調理法のものは太さや、産地にこだわらなくてもおいしいものが食べられると思いました。そういった料理は、日本産でもヨーロッパ以外のものでも変わりない味わいで楽しめると思いました。

鮮度のことやどういうワインと合わせるか、ということはドイツに行って色々なことを感じることができました。
そして日本でもおいしくシュパーゲル料理を楽しめるということもです。日本の場合は、上質なシュパーゲル料理はより高品質なワインと合わせるほうが良いとも思いました。

春ならではの楽しみのシュパーゲル(白アスパラ)、ぜひみなさんも時期が合えばお楽しみください。


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2018年05月18日

時間と熟成の話 少し補足です

前回、ワインの時間と熟成のことを書いて、いいワインになるためには時間が必要、と書きましたが、もう少し書いたほうがいい、というようなことがあるので少し補足という形で書いていきます。


ドイツワインの白ワインはリースリング、ジルヴァーナー、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)など、さわやかできれいな味筋のタイプが多いので、他の国に比べて木樽に入れている時間やボトリングのタイミングが早い傾向にあります。複雑みをそこまで必要としないからです。そういうこともあり、ドイツは販売開始が、高品質なワインを造っている生産者でも早い傾向にあるのです。
その中でも、深みや複雑みが必要だから、樽に入れている時間を長くする、ボトリングしてもすぐには販売しない、と考える生産者もいるということを前の投稿では書きました。


ドイツでは収穫した翌年の春ごろから販売を開始するのが一般的、と書きましたが、そのことについてももう少し。
シュペートレーゼ以上の等級(辛口も含む)は3月1日以降に販売、と定められています。それでも3月はまだ早すぎると感じます。
そしてVDPの新しい格付けの辛口の最上級グローセス・ゲヴェックス(GG)に関しては、9月からの販売というルールがあります。
いいものには時間が必要、というのをしっかりと表しています。ただ、質のいい上級クラスのワインは9月でも飲むには早すぎます。たいていのワインは翌年から2年は最低でも待たないと、というワインが大半です。


ボトリングや販売時期に関しては、白ワインを前提に書いていました。
赤ワインの場合はもう一度樽で熟成させてから販売するのが基本です。例えば今年で新酒試飲会という場合には、白は2017年産、赤は2016年産が中心となります。タイプによってはグーツヴァインクラスでは2017年産を夏ごろから販売している例もありますが。
先のGGは白よりも1年先の9月に販売開始となります。


新酒試飲会では、最新ヴィンテージではなく、1年前のワインを中心に提供しているところもあります。そういうところからも造り手の考え方、自時間を必要とするワインを造っている造り手、というようなことを推測することができます。
もちろん新しいヴィンテージを出しているところでも、低価格帯はフレッシュなもの、高価格帯は熟成させてから飲んでもらい、と考えているところもあります。例えば上のクラスだけでさらに2年以上経過しているワインを出展している醸造所もあります。


ボトリングされてからの熟成の話も少し。ドイツの甘口は3年から5年くらいは寝かせてから飲んだほうがいい、という話を聞いたことがある方ももいらっしゃいました。深みや広がりが出るのがだいたいそれくらいからのワインが多いからです。辛口はもう少しスパンが早い傾向にあります。なので半年、1年待っただけでもかなり変化し飲み頃になっているということも多々あります。なので、その半年、1年を待つだけで違う、ということを伝えたかったのです。前の投稿や先にも書いていますが、辛口ワイン(白も赤も)でももっと数年、5年、10年寝かせるべきワインもたくさんあるということも忘れてはいけません。
また、甘口ワインに関しても寝かせればよりおいしくなるかというと、そうではない場合もあり。ヴァインベルクでも1、2年しか経っていない甘口ワインも取り扱っていますが、フレッシュだからこそ甘みとのバランスがいい、というワインもあることも書いておきます。
そして、熟成をさせると、予想を超えた、素晴らしい味わいになることもある、ということも付け加えておきます。熟成は、予定調和にはならない、というのも、ワインは自然の産物だからこその魅力、楽しみです。

日本に輸入すると少しだけ時間が進む、と書きましたが、輸入されてすぐのワインは、長期間の移動で揺れたりしているので状態が安定していないないので、現地で飲んだものとは全然異なると感じた経験がある方もいらっしゃると思います。日本についてから3週間から1か月くらいは落ち着かせると、本来の良さが見えてくるワインになると思います。その状態が、現地で同じ時間が経過しているものよりも少し熟成が進んでいる、という話です。
こういうところでも時間が必要なのです。インポーターも商売優先だけではなく、質のために時間をかける必要があります。


時間や熟成の話は、例外があったり、細かい話をしなければいけない系統の話ではあるのですが、need timeというのは質の良いワインにはキーワードになるということは覚えておいていただきたいのです。


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写真がないのも、ということで一枚だけ。
モーゼルのベルンハルト・アイフェルの新しいケラーです。前のところから全てを移動しているのですが、昨年収穫したぶどうがまだ樽に入っていたり、2017年産だけでなく複数のヴィンテージのワインがストックされています。画像のバリック樽にはヴァイス、グラウ、シュペートとブルグンダー系の品種が入っていて熟成させています。



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2018年05月16日

ワインの時間、熟成について need time

今回はワインの時間、熟成の話を少し。
ワインをある程度飲んでいる方は、熟成するとテイストが変わってくる、というのは当然おわかりだと思います。といっても、どのワインでも寝かせれば良くなるというわけではないし、長いほどいい、というわけでもないということを。
今回は10年、20年という話ではなく、もっと短い時間軸での話です。大まかに分けるとボトリングのタイミング、ボトリングしてから1年くらいの違い、数年経ったワインの違い、ヴィンテージによる飲み頃の違い、というような内容です。
どう変化するのか、というのは、ワインによっても異なるので、その説明は今回は省き、飲み頃という言葉でまとめています。熟成ということについては奥が深いので、一度での説明は不可能ですので。

ドイツワイン業界の傾向として、出来上がったものはすぐに販売する、という傾向があります。たとえば、前年に収穫したものは、翌年3月、4月ごろにボトリングし、4月、5月から販売開始、というのが大半です。ドイツでは、フレッシュなものを好む傾向が多いからか、他の国よりも少し販売開始が早いのではと思います。テーブルワインのタイプでは、ボトリングしてすぐに販売しても少し経ってもそんなに変わらないのですが、ヴァインベルクで扱っているタイプの上質なワインでは、ドイツでは販売開始は少し早いなあと感じます。前のヴィンテージが残っていても新しいものから売れていく、というのもドイツならではの現象かと思います。そういう状況なので、3月、4月の試飲会でも出来立て、もしくはまだ樽に入っているワインがバンバン試飲に出ています。
しかしその状況で魅力がわかるワインはそう多くはありません。もう少し経ってからでないと魅力がみえてこないワインがたくさんあります。

こういうような話をヴァインベルクが取り扱って醸造所に行くとよくしています。
時間が経たないと自分のワインもよさがわからないということを。
ステンレスタンク、人工酵母での発酵だと、発酵が終わるのが早くボトリングも早くでき、おいしいと思えるタイミングも早い傾向にあります。しかしゆっくり発酵させ、少し経ってから飲むべきワインを作っている、とだいたいのところは話します。
ただ、そのタイミングも、造り手や産地によって考えが違うのも面白かったです。モーゼルではそう話している造り手でも3月、4月に大半のワインはボトリングが終わっていたり、他のところでは4月終わりに訪れてもまだ大半はボトリングをしていない、と話していたのです。遅めといっても最適なタイミングはそれぞれが異なるのです。

モーゼルのベルンハルト・アイフェルは青いシーファーと赤色のシーファーの畑を持っているのが、赤色のシュバイッヒのワインはボトリングしてから1年以上経ってから飲むべき、と言っていて、ヴァインベルク店主もそう思っています。
ドイツのグーツヴァイン、オルツヴァインクラスの低価格帯のトロッケン(辛口)はなるべくボトリングした年にフレッシュなうちに飲むべき、と日本でのドイツワイン好きの方も言っている方がいます。ただし、全てがそうではない、ということを知っていていただきたいです。

また、すでに日本で販売している2016年産を醸造所で飲むという経験も何種類かしたのですが、現地で飲んだほうがフレッシュな傾向にありました。劣化ではなく、移動で揺れていたりするので熟成が進んでいるようです。
なので時間が少し必要なワインも、日本で販売しているほうが、飲み頃に早く達しているということもある、というのを確信したのも今回のドイツでの収穫でした。


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先に書いたように、ドイツでは最新ヴィンテージがすぐ売れる傾向にあるのですが、数年経ってから飲んでほしいと思っている造り手はたくさんいます。甘口でなくてもGGなどの上のクラスの辛口ワインでも少なくとも3年くらい経たないと魅力がでてこないのでは、というワインがたくさんあります。
アールの造り手は、試飲会では最新ヴィンテージを出すけれど、前のヴィンテージはたくさんストックしているし、想いとしては数年経ってから飲んでほしいと言っていました。
そして後半は2014、2015のヴィンテージを中心に試飲していきました。
その中でも興味深かったのは、2014年のほうが今飲んでほしいと思うものが多かったことです。ヴィンテージの特徴として、2015年のほうがもっと時間が必要という印象だったのです。一つの考え方だけで見るのはよくありませんが、良いヴィンテージと言われるほうが飲みごろになるまで時間がかかる傾向にあるのです。


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モーゼルのマルティン・ミュレンでも同じような考えで、すぐに販売せずにストックしておくワインがたくさんあります。中には1990年代のワインもあります。
そのため前のヴィンテージのワインもたくさんあるので、一年でも畑、味わい、格付けごとにたくさんのワインを作っているので、その時にリリースしているワインの種類は膨大となり、このような量の試飲をすることになります。これでも販売中の全てではなく、当主のマルティンのおすすめだけを試飲しています。


このように、何にしても時間が必要なのです。複数の造り手でneed timeという単語が出てきます。時間が経てさえすればいいワインになるというわけではないのですが、発酵、ボトリング、その後の熟成、と商売ではなく質を追求するために時間を遣う考え方をしている造り手のワインは質が高い傾向にあるのは間違いないと思います。


次の記事でこの投稿に対しての補足を書いていますので、そちらもあわせてお読みいただきたいです。



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2018年05月13日

木樽の使い方の話

ワインをよく飲まれている方は、樽の使い方によって出来上がって販売されているワインのキャラクターが異なってくることは認識されていると思います。樽の風味もワインを構成する中での重要な要素とされています。
ドイツワインには繊細なワインが多く、樽の風味を利かせるために木樽を使用するということは率で言えば多くはありません。それでも木樽w使用している醸造所はたくさんあります。
今回のドイツでは、試飲していて樽に関しての質問をすることが多く、色々な話も聞いたので、樽に関して少し書いてみます。
醸造に関しては専門ではないのと細かく書くとキリがないので、あまり詳しくは書かず概要といったかんじで書かせていただくことをご了承ください。

一般的にドイツでは白ワインで木樽を使用する場合はシュトゥック(1200リットル)、フーダー(1000リットル)といった大樽を使用思します。その倍以上の巨大な樽を使用します。これらは樽の風味をつけるため、というよりは、酸をまろやかにしたり、天然酵母の働きをさせる目的で使用されることが多いです。ステンレスタンクのほうがクリーンだったり、温度管理もできたりするので、ステンレスタンクでの発酵、熟成が大半の醸造所もたくさんあります。
ヴァインベルクが取り扱っている醸造所では全て木樽というところもありますが、リースリングに関してはハウスワインなど大量に生産するものはステンレスタンクで、上のクラスは木樽で熟成、というところが多いです。その比率は醸造所によって異なりますし、上のクラスのワインでも年によってはステンレスタンクで熟成させるというところもあります。
リースリング以外では、同じように低価格帯はステンレスタンク、上のクラスでは木樽、というところが大半を占めています。
ただし、木樽、といってもその範囲がとても広いのです。今回の出張ではその選択肢の多さをより感じることとなりました。

先に書いたような1000リットルを超える大樽はドイツでは多用されているのですが、他の国のワインでは木樽といえばもっと小さい樽が思い浮かぶと思いますし、ドイツでももっと容量の小さい樽は使われています。


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この画像はラインヘッセンのグッツラー醸造所のケラーです。たくさんのバリック樽でワインが熟成されていました。
バリックといえば200リットル台を想像される方が多いと思いますが、ここで使われていたのは350リットルのものです。
そしてトノーと言われている500リットルの樽やハルプシュトゥックと言われる600リットル前後の樽も使われています。
バリックでないものは主に白ワイン用ですが、フランス産のトノー、ドイツ産のハルプシュトゥックは品種や年によって使いわけているそうです。例えば、リースリング、ヴァイスブルンダーは樽の風味はいらずさわやかにしたいのでハルプシュトゥックに、グラブブルグンダーは複雑味がある味わいにしたいのでトノーやバリックに、ということです。
もちろん全て同じ容量の樽に入れるのではなく、大きさが異なるものや新樽で熟成させたものも混ぜて、瓶詰め前に合わせてからボトリング、というやり方も一般的です。
ヴュルテンベルクのクナウスはこの樽の選択の感性が素晴らしく、収穫したぶどうのジュースで出来上がりが想像でき、適した大きさの木樽にワインを入れます。500、700、1000、2000リットルといった異なる大きさの樽にワインを入れます。前は350のバリックも多く使っていたそうですが樽の風味が強すぎるということで、最近では500リットルのをメインに使っているとのことでした。

また、複数のぶどう品種をブレンドしてひとつのワインとする場合には、品種ごとに別々で熟成させる場合も、木樽に入れる前にミックスすることも両方あります。


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先のグッツラーは赤ワインはステンレスタンクで発酵せてからだいたいは4か月後に木樽に移します。
クナウスは、発酵の段階から木樽に入れているものも多いです。


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この画像はアールの醸造所のケラーです(といっても工場地帯のガレージの一角ですが)。たくさんのバリックやトノーにシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)が入り熟成されていますが、ミッテルラインにも畑を持っていて、リースリング、グラウブルグンダー、ソーヴィニヨンブランも木樽に入っています(ステンレスタンクで熟成、発酵しているものもあります)。
この造り手では、わりと若い年数の使用の木樽でリースリングを熟成させているワインも多々あります。試飲すると樽の風味を感じるワインが複数ありました。一般的にはリースリングは樽の風味がないほうが良いとされています。しかしこの造り手は木樽の中で長く熟成させることでより複雑味を出そうとしていま。新樽で熟成させた2011年のリースリングを試飲しましたが、ボトリングしてから年数が経っていても樽の風味は強く感じました。開けて時間が経てば消えていくし、デキャンタなどをすれば問題ないと言っていましたが、ヴァインベルク店主にはこの風味はは少しじゃまに感じました。とはいえ、別のワインで木樽がいい作用をしているリースリング・トロッケンもありました。
ここのように新樽、何回か使った樽、という選択もワインのキャラクターに影響します。ドイツではそのワインの10パーセントから30パーセントくらいを新樽で、というパターンが多いと思います。ドイツではうまみ、出汁のようなタイプのジュースができるので、樽でワインの味を造るというよりは樽は補助的な役割と考えている造り手が大半です。それでも造り手によって樽の風味をについての考え方が異なるので、フランスのタイプのように樽がきいているワインを好むところやもっとダイレクトなぶどうの味わいを好むところなどさまざまです。そしてひとつの造り手でも色々なタイプのワインを造っていたりもします。
ファルツのシュピンドラーでは、新樽だけれども、一年空のまま放置してから使用する、なんていうことも聞きましたし、選択肢はかなりたくさんあるのです。


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この画像はザールのファルケンシュタインのケラーです。ここは全て木樽での発酵、熟成で、大半は1000リットルのフーダーで、赤ワイン用のバリックや少量のみの収穫の時の用の500リットル樽も少しあります。
ここの樽のほとんどは10年以上使用しているもので中には30年以上使用しているものもあるそうです。
樽にも酵母の作用などの癖があり、毎年同じ樽に同じ区画のぶどうを入れるということをしています。
このように樽の使い方も醸造所によってまちまちなのです。

ステンレスタンク、大樽、バリック、樽でも新樽かそうでないか(ミックスの割合も)、軽く質問する際にはこのくらいの情報の会話になるのですが、使い方やどう作用させる目的なのか、など醸造所によって考え方がたくさんあり、できるワインも異なってくるということを今回特に感じました。
ただ、そういった細かいことを知ってワインを選ぶ、のではなく、できたものが好みかどうかでワインを選べばよいということも同時に思いました。好きな造り手の醸造の選択には異論はないので、やり方で選ぶ、のではなくできたワインで判断すればよいのです。もちろんワインの情報として、樽の情報も伝えることもありますが、その情報で選択はされたくはないなあとは思っています。

今回の内容は、何かの結論を出すものではなく、樽の使い方でもドイツには多様性がある、ということを知ってほしいという内容です。
畑の管理だけでなく、醸造でもさまざまな考え方がありドイツワインは生まれています。どうあるべき、というのは産地や品種の個性からではなく造り手から生まれるものだと思っています。もちろん産地や品種の個性を最大限に引き出すことをしているのではあるのですが。
すぐ近くの醸造所でもスタイルが全く違ったりするのもとても面白いです(品質は同程度だけれども醸造の仕方が異なるという意味で)。とはいえ、ドイツワインは、畑があってこそのワインという考え方をしている造り手が大半で、醸造でワインを造るのではなく、最高のタイミングで収穫したぶどうをよりいいワインにするための醸造の選択をしている、と考えていただきたいです。



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2018年05月08日

ドイツに行ってきたのでその画像です 今後のイベントの予定も

4月後半から連休の途中までドイツに出張に行っていました。今回もとても濃く充実した内容となり、今後のためになる時間をすごすことができました。
ブログでもその様子は醸造所やテーマごとにお伝えいきますが、まずはざっと、さまざまなタイプの写真を載せていきます。
今回はモーゼル(ザール含む)、アール、ヴュルテンベルク、ファルツ、ラインガウ、バーデン、ラインヘッセンの産地を訪れました。5時間しかいられなかったところもあったりとハードスケジュールではありましたが。ただ、造り手たちとは時間に追われないようゆったりと時間をすごすようにしていました。取引をしている醸造所の他に、今年から輸入を開始する予定の3か所の醸造所にも訪問しました。その他にもいくつk事業とは別として醸造所を訪れたところがいくつもあり、試飲会にも参加したりと、たくさんのことを経験し自分の糧として吸収することができきました。
デジガメとiPadの両方で写真は撮っていますが、この記事ではデジカメで撮ったものを載せます。今後は混ぜて載せていくことになると思います。


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ザールのファルケンシュタインでは、試飲と畑を見てまわった後は食事をしに行ったのですが、その途中でお気に入りの場所、として連れてきてもらったところです。ちょうど夕暮れできれいでした。


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モーゼル中域のトリッテンハイムのベルンハルト・アイフェル。ケラーを移転するということで引っ越しの最中だったのですが、ここはアポテーケの畑の目の前で、テラスからの景色は最高です。最後に甘口シュペートレーゼを試飲していたのですが、あまりの気持ちの良さに試飲の息を越えて幸せな気持ちで飲んでいたらおかわりを注いでくれました・。


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同じくモーゼルのトラーベン・トラーバッハにあるマルティン・ミュレン。今回は2度目となるヒューナーベルクの畑に連れて行ってもらいました。前回は11月だったのですが、今回は緑が多く、タンポポの綿が舞っていたり、気候もよくて、とても気持ちがよかったです。1時間くらいボーっとしていても飽きないと思います。
この後はいつものようにマルティンと3時間近く試飲をしていました。今回は今までで最多の30種類近くのワインを試飲しました。


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アールではマイショスヘ。急斜面とシーファー土壌ということでテンションが上がりました(他の畑でも高揚はしていますが)。
試飲をして畑を見た後は造り手のお宅で奥さんの手料理での昼食でした。
この造り手のワインは空輸で輸入する予定なので近いうちにご紹介できると思います。


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昨年来日もしたヴュルテンベルクのクナウス。今回も当主のアンディが夕食を作ってくれました。作っている途中からワインを開けてくれて合間に説明を聞いたり、というとてもリラックスした時間でした。前回時期が終わりごろでいいシュパーゲルがなかったのでリベンジということでシュパーゲルを。スーパーでいいものを選んでもらい、彼がオランデーズソースを作り、ベストな状態のものを食べることができて幸せでした。
翌日も一緒に濃い時間をすごしました。


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ファルツ゚はフォルストのシュピンドラー。友人も同行したので説明を一通り聞いておさらいもできました。
試飲タイムでは、交渉もしながらの頭を使いながらの時間でしたがよい結果を得ることができました。
前夜は彼が参加している造り手のグループの食事会があり、一緒に参加させてもらえたのですが、そこに知り合いの日本人が2人いてびっくりしました。その時は日本語でたくさん話をしました。造り手で日本食が好きな人がいて、ラーメンの話で盛り上がったりもしました。


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ラインガウは、ゾルターとビショッフリッヒェスリューデスハイムのあるリューデスハイム。ローゼンエックの畑の中腹まで連れていってもらいました。下からだけではわからなかったこともあり来てよかったです。
今回はリューデスハイムとラインガウにはいつもより長くいて、この地域をより深く知ることができました。


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マインツでのVDPの試飲会にも参加しました。今回は時間がなくて訪問を諦めたフランケンのビッケルシュトゥンプの兄妹の2人にも再開することができました。


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毎日ではありませんがドイツ料理も食べていました。ソーセージ、豚肉、じゃがいもだけがドイツ料理ではありません。
これは、バーデンのオッフェンブルクで訪問する醸造所に紹介してもらった老舗のレストランです。
この時期ならではのシュパーゲルを堪能しました。シュパーゲルと共にメインを選べるメニューもあり、この時はランプステーキにしました。オランデーズソースでいただきます。


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ケラーの見学もしています。昨年空輸で2種類少しだけ入荷したラインヘッセンのグッツラーのケラーは、今まで見たものとは異なっていました。300を超えるバリック樽にワインが貯蔵されていました。


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ケラー、畑見学の後は試飲です。だいたいこのような状況になります。
開いているものもありますが、大半はその時に開栓していただくワインです。会話がはずんで盛り上がっていくと新たに持ってきてポンポン開けてくれることもあるのですが、たまに申し訳なく感じることもあります。ビジネスパートナーであり、加えて一緒に飲みたいという気持ちもあるからだとは思うのですが。グッツラーでも時間の経過しているGGをたくさん出していただきました。彼も飲みたいから、ということだったのですが、ヴィンテージ違いが複数あったりと貴重な経験をすることができました。


ざっと書いてもこのようなボリュームになります。
何回にわけてもとなると思いますが、それぞれの醸造所やテーマごとに掘り下げて書いていくつもりです。

ヴァインベルクのfacebookページ、インスタグラムweinberg.wineでドイツでの様子はすでに何回か投稿していますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。



今後のヴァインベルクの関わるイベントについて簡単に紹介します。
詳細、お申し込みはそれぞれのリンクをご覧ください。
5月15日 リースリングリング試飲会
今年も出展します!ヴァインベルクは8種類のリースリングを提供予定です。
午後の第1部は業界関係者、夜の第2部は一般の部となっています。
http://www.rieslingring.com/tasting2018.html

5月30日 帰国報告食事会@ツークシュピッツェ
FBだとは書けないようなことも含めて色々とお話します。持って帰ってきたワインも2種類お出しします。
この記事を投稿している段階でお席は残り4席となっています。
https://www.facebook.com/events/205485616850188/

6月3日 ドイツワインセミナー@田崎真也ワインサロン
ヴァインベルク店主の宮城が講師としてドイツワインの魅力をお話します。試飲は10種類です。
http://www.tasaki-shinya.com/…/winesal…/tanki/v-germany.html


シュパーゲル、天ぷらの会は満席に近い状態ですのでここでは紹介しません。

よろしくお願いいたします。



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