2019年05月22日

今回のドイツで食べたシュパーゲルなどの料理 

ドイツで食べた料理をざっとのせていきます。
料理については次の記事でも書いていきますのであわせてお読みいただけるとうれしいです。


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4月末から6月にかけてのドイツといえば白アスパラです。ドイツではシュパーゲルSpagelといいます。ありがたがって食べる高級品mというよりは、季節をかんじるためにかかせないもので、この時期に食べて春を感じる、という位置づけです。
定番は画像のようなボイルに生ハムと茹でたじゃがいもを添えたものです。ソースはシュパーゲルの定番のオランデーズソース(卵黄、バター、レモン汁を混ぜたもの)です。ボイルでオランデーズソースにはシュニッツェルやサーモンをのせたりといったヴァリエーションがあるレストランもあります。
ドイツでは一人用の一皿にこのように何本ものっています。いいレストランは太いものだったりしますが、そんなに太くなくても味や鮮度がよいものを食べることができるレストランはたくさんあります。


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マインツでは試飲会のために訪れた日本人で集まっての夕食会があったのですが、色々なシュパーゲルの料理を注文していました。見るだけでなく少し味見もしました。私は、この時は旅の終盤で肉を少し食べ飽きていたころだったのでサーモンのせを頼みました。


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シュペッツェレ(ドイツのパスタ)でもシュパーゲル。クリームソースでチキンも入っています。おいしいけれど、こんなにはいらないです。これがドイツのレストランでの一番の悩みかもしれません。


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フライも食べました。スナック感覚で新しい体験でした。より好みだったのはグリーンのほうでしたが。


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バーデンのオッフェンブルクでフランケンシュタインの人たちとの夕食での前菜で食べた、焼いたアスパラにマウルタッシェン(ドイツ風餃子)をのせたものが、今回のシュパーゲル料理で一番おいしかったです。
ちなみにここではエスカルゴのスープも飲んでいます。


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ドイツ料理といえばという料理名の肉料理も食べています。これは豚肉のシュニッツェルです。ただ、あまりたたいてなくて、薄切りのとんかつに近く、イメージのものとは少し異なると思います。パプリカソースをかけて食べます。
このレストランは、ドイツの典型的な料理名が並んでいるのですが、フランスでも勉強をしているシェフで、あまり体験しないようなドイツ料理を食べることができます。輸入はしませんが好きなワイナリーのワインもグラスで飲むことができて、リューデスハイムで一番好きなレストランとなりました。


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ドイツ料理はソーセージ、肉のかたまり、茶色いものだけではありません。
ヴュルテンベルの名物であるマウルタッシェン、シュトゥットガルトで食べたものがとてもおいしかったです。玉ねぎのソースでシンプルだけどうまみがあっておいしいです。日本ではトマトソースが多いですが。レンベルガーのロゼワインとの相性もよかったです。


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ザールのフランケンシュタインでは軽いランチを。ヨハネスのお母さんが、ソーセージ、チーズ、パプリカなどが入ったパンを作ってくれました。シンプルだけど最高でした。
ドイツの方は毎食温かい料理を食べない方も多いです。でもシンプルだけれど質の高いものを食べているから満足できるのだと思います。


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ホテルの朝食で盛り付けたものです。ホテルではどこでも必ず数種類のパン、冷製ソーセージとハム、チーズが並んでいます。シンプルだけど質が高いものを食べることができる確率は高いです。
私は朝からはあまり食べないのとそれらはお酒と合わせないのであまり食べませんが。
ドイツの朝食では野菜の種類が少ないのは私の中ではマイナスな部分です。ヨーグルトなどで栄養は補給はしているのですが。


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最初の2日間はビールとともにソーセージもいくつか食べました。画像はミュンヘン近郊のアンデックス修道院です。この修道院には肉屋もありそこのヴァイスヴルスト(白ソーセージ)です。
シュトゥットガルトのフリューリングフェスト(オクトーバーフェストの春版)ではカリーヴルストも食べました。


次回はドイツで食事をして感じたことやワインとの相性についてなどを書いていきます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2019年05月19日

ドイツで感じたトレンドや需要についてのこと ドイツの赤ワインについてなど

前回は、醸造所にワインを買いにきたドイツ人の顧客と観光客がどういうワインを選んでいるのか、ということについて書きました。
今回は、傾向や今の現状などドイツで感じたことを書いていきます。

帰りにフランクフルトの空港で免税店をのぞいたら、白ワインはドイツの各地のワインがたくさんあったのですが、赤はほとんどなくて他の国のワインばかりがありました。
とあるところで生産者と地元で人気のイタリアンに行ったのですが、白ワインは地元のリースリング、それも名前の知れている質の高いワインがたくさんあったのですが、赤はイタリアのを揃えていました。イタリアンですし、そのお店は赤が少ない地域ですので、白で地元のリースリングがたくさん置いてあるということがすごいと思ったほうがよいのかもしれませんが。これらで感じたのは、まだまだ一般的にドイツワインは白、赤はわざわざ飲むものではない、という認識なのだろうなあということでした。赤ワインの生産比率の高いアールやヴュルテンベルクではそうではないでしょうが。
高品質で高価格帯のシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)は2000年代から素晴らしいワインがたくさんあるのですが、温暖化の影響と栽培と醸造所の技術力と知識の向上で2010年代後半からは高くない赤ワインでも質の高いものが増えてきています。しかしそういった認識はまだ一般的には広まっていないのだな感じました。黒ブドウの割合も35%あり、生産量が少ないから、というわけでもないのです。評論家やメディアは今のドイツの赤をほめて高評価をしていますが、それは知られていないからこそというのもあると思いました。
もちろん南アフリカやカリフォルニアのような赤ワインはドイツワインでは造れませんが、それ以外ではさまざまなタイプのワインが存在しクオリティも高くなっています。ピノ・ノワール以外のブレンドのワインもファルツなどでたくさんあります。また、幅を広げるという点でレンベルガー(ブラウフレンキッシュ)は重要なポイントとなると思っているのですが、ドイツでも認知されていくのはまだまだ先なのだらうなあと感じました。飲食店や酒販店などの業界関係ではドイツの赤ワインのポテンシャルと良さは理解していると思うのですが、それが消費者に伝わるにはもう少し時間が必要なのかと思いました。例えば、赤ワインが好きな方でずっと他の国のワインを飲んでいた方が、ドイツの赤を手に取りそしてこれからはドイツのを飲んでみよう、となるにはハードルが高いかと思うのです。
日本ではドイツの白ですら辛口の質の高いワインをまだまだあまり知られていない状態ですので、一般的に赤の良さを、という状況ではまだないと思うのですが、ドイツのピノ・ノワールの魅力は業界やワイン好きの方には少しずつ浸透してきているような気がするので、まずその範囲でより伝えていくことが重要だと思います。食事と合わせるという点でもドイツの赤は日本ではすごくよいとヴァインベルク店主は考えていますし。そして日本の方にはレンベルガーも気にいってもらえると思っていますので、ヴァインベルクではクナウスのレンベルガーをプッシュしています。

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醸造所ではこのよう赤ワインをたくさん試飲をしていいワインがたくさんあるからこそ、そういったことを意外として感じたのです。


また、マインツで有名なワインショップにふらっと訪れた時に、グラスワインの辛口で唯一熟成していたワインとしてあったナーエの著名な造り手の2011年のリースリング・トロッケンを注文しようとしたら、フレッシュじゃなく特殊な味わいだけどいいのか?と訊かれました。自分が業界関係とは伝えてはいない段階でしたが、こういう味わいを好まない人が多いからそういうことを伝えるのだと思います。でもワイン関係の人はしっかりと造ってあるリースリングは辛口でも熟成すると魅力があるのは知っていると思うのです。実際、高価格帯ではないこのリースリングも複雑みと深みがありとてもよい味わいでした。ドイツではまだまだフレッシュなほうが良いと考え、熟成したワインの良さを感じられる人は少ないのだなと感じました。醸造所では意図的にすぐに販売しないで熟成したりという試みをするところも増えてきていますが(ヴァインベルクではマルティン・ミュレンでは90年代からそういう考えで一部のワインは長期熟成のためにストックしています)、一般的にまだまだこういった熟成したワインの魅力がわかる方は少ないのだなと感じました。

モーゼルのベルンカステルでは地下のケラーで100種類以上のワインが試飲できるところがあるのですが、英語をしゃべる観光客がたくさん訪れているのですが、会話を聞いていると、フルーティだから好き、甘みがあるから好き、甘くないから好き、といった感想がたくさん聞こえてきました。モーゼルでは酸と甘みのバランスとその中の深みが重要なのですが、好きになるかは甘みがポイントになってしまうのだなと感じました。おそらくドイツの方でも大半はそういったポイントと前に書いたヴィンテージの違いでわかりやすい味わいのほうということで選んでいるのだと思います。そういう方が多いのが現実なので、その中でどう薦めていくかが、販売する側として大切なポイントだとあらためて感じました。

造り手や業界の人と接していると気がつきにくいこういった点を今回感じることができました。
いいものはいい、なのですが、マーケットの状況などを把握することも大切なことだなとあらためて思いました。

次回からはドイツでの食事について書いていきます。



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2019年05月17日

ドイツ人が好きなワインは?

という題名はちょっと大げさで、よりどういったワインがより好きなのか?といった内容です。
日本の方でも濃いワインが好きな方、繊細なワインが好きな方、色々な嗜好があるのと同様、ドイツの方も幅が広いです。そしてワインといってもドイツワインは飲まずに、輸入されている他の国の赤ワインだけを飲んでいる方もいます。また、ドイツの方は、ワイン好きやワイン会などでなければ、食事の間にビール、白ワイン、赤ワインと変えていくことはあまりしない傾向にあります。何人か集まっていても、半分の方は白ワイン、もう半分の方は赤ワイン、というようにずっと別々のものを飲み続けているような光景に何度か出くわしたことがあります。

それはさておき、生産者と話していると、試飲の感想や売れ行きでドイツの方が好むワインを聞くことが多いので、そういった中で感じたことを書きたいと思います。
鋭いワインよりは、丸さややわらかさがあり、その中に重みもあるほうなワインを好む方が多いようです。
前回までに2回2018ヴィンテージについて書きましたが、ドイツの方は2018年産は好みのタイプのようです。簡単に言ってしまうとわかりやすくおいしさを感じやすいワインが多いからです。もちろん中には酸がびちっとあるきりっとしたワインが好きな方もいらっしゃると思いますが、傾向としてはそういった好みの方が多いということです。

また、モーゼルのマルティン・ミュレンでも、試飲で訪れたドイツの方たちに売れるワインはだいたい決まっていると言っていました。それらは果実味とコクが前に出ているワインという傾向を感じました。


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マルティン・ミュレンでは今回もトロッケン だけでこれだけの数を試飲しました。ヴィンテージも等級もさまざまです。
訪れた方がこれだけ試飲をするわけではないですが、これだけあるのに売れる傾向が決まっているというのは興味深いです。それだけそのワインが質が高い、という見方ももできるのですが。

トロッケン(辛口)だけが売れるというわけではないというのも興味深かったです。ラインガウのリューデスハイムのビッショッフリッヒェス・リューデスハイム では毎年グーツヴァインクラスのファインヘルプ(中甘口)がとてもよく売れて売り切れになるそうです。ラインガウは、気軽なタイプのファインヘルプのリリースが少ないからということもあると思いますが、同じ価格帯のトロッケン のリースリングよりも圧倒的に人気があるというのは驚きでした。


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バーデンのフランケンシュタインは花崗岩グラニート、片麻岩グナイスという土壌違いの畑で同じ品種で同じ価格で別々にリリースをしていたりもするのですが、どっちの土壌の方がドイツの顧客は好むの?と訊いたら、即答でグラニートGranitと返ってきました。この造り手のワインは、片麻岩は繊細さの中にうまみがあるキャラクターで、花崗岩はまろやかで重心低めのうまみがあるのですが、グラニートの方がわかりやすいのかと思いました。赤ワインではローヌなどわりと飲み慣れたタイプと似ているから、というのもあると思いますが。
もちろんそういった中でもヴァインベルク店主のように、片麻岩のワインの方が好み、という方もいらっしゃるようですが。そういった方は色々なワインを飲んできている業界の方が多いようです。

こういうことを知ったから何かになる、というわけではないですが、販売の主力のマーケットのことを知るのはとても大切なことだと思いました。
また、そういった市場に合わせたタイプのワインを造っていくところもあるし、自然の環境の中でできていくものを尊重する生産者もある、というのもあらためて考えます。
後者はよく売れる年もあれば、人気があまりない年もあるわけで、それでも自分たちの信念に基づきワイン造りをしています。ワインは醸造でどうにかするものではなく、自然の恵みを表現することが大切なこと、というのは、生産者がよく口にしますしヴァインベルク店主も生産者たちにふれていてそしてワインを飲んでいて感じることです。できたものをどう飲んでいくか、というスタンスでよいと思うのです。
私もこの年の傾向は、などという話はしますが、どのワインでも楽しめる機会がありますし、料理とも合わせてお飲みいただけます。日本に輸入するものは、できるだけそういう機会が多いものというのを選んではいますが、飲む側の味わいの傾向だけでは選んでいないです。
ちなみに、今度輸入しようと考えている片麻岩と雑色砂岩の混ざった土壌のワインは、典型的ではないタイプなのですが、とてもよいピノ・ノワールだと思ったので選びました。日本のみなさんには気にっいっていただけると思います。気軽に飲むタイプではない価格帯ではありますが。

ドイツのマーケットに関してはもう少し書きたいことがあるので次回書きます。



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posted by ヴァインベルク at 17:06| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする

2019年05月09日

ヴィンテージの個性とは?

前回は2018年ヴィンテージのことについてのドイツで感じたことを書きました。その流れでもう少しヴィンテージのことについて書いていきます。この記事の題名はざっくりとしていますが、記事を読んでいただけるとその意味合いはおわかりいただけるかと思います。

前回の記事では、2018年産は陽、2017年産は陰のイメージがあると書きました。ざっくりとその理由を書きますと、ダメージもなく雨もなくすくすくと実が熟したぶどうによる2018年ワインからは明るさが感じられました。2017年は遅霜があり樹につく実は少なく、でも残った実は大きな害はなく順調に育つ、がんばって実ったその実には凝縮感や緊張感があり、収穫量が少ない中でいいワインを造りたいという生産者の想いもこめられて(他の年がそれがないというわけではないですが)生まれたワインは内向的で集中力のあるワインが多くなっています。天候だけでなく複合的な要因でそういった違いを感じられました。

生産者などと話していると2018年産はドイツ人の顧客(バイヤーも個人客も)に評判がとてもよいという話を何度か聞きました。誤解もある言い方をしてしまうと、わかりやすくおいしいからなのです。酸は強く感じず、ドイツワインの最大のポイントである果実味も心地よく、ほどよいボリューム感もある、まとめると飲みやすいし飲みごたえもあり味わいもうまみを感じやすいのです。顧客に喜ばれるということは生産者とは売れるのでとてもよいことです。ただ、ドイツワインの魅力的な部分である、繊細さ、内側の芯の強さ、エレガントさを感じるワイン、というのは前回の記事で書いた通りたくさんのワインができ、その中でそういったワインは多くはなく選ばらないと見つけづらいと感じています。そういった中でも生産者の考えとして、上記なようなワインを目指しているようなところは、栽培方法、収穫のタイミングと実の選別、醸造によってはそういった魅力を感じるワインもあります。
ヴィンテージの特徴に加えて生産者の考え方というのが反映されてるということもふまえるとよりヴィンテージという考え方に関して深く理解をすることできます。

2018年がエレガントなワインが少ないなら真逆としている2017年はそうなのでは、というとそう簡単ではないのが農作物の世界です。
きれいで細みだけれど内側に凝縮感が詰まったワインが多く、はあるのですが、今回のドイツでも多くの2017年産を試飲して感じたのですが、言葉では説明しづらいのですが、白ワイン、特にリースリングでは同じニュアンスを感じることが多く、それは自分にはマイナスに感じてしまっているのです。同じような感じだからいやだということもありますが、そのニュアンスがあるとあまりおいしくは感じなかったのです。
避けているわけではないのですが、自分が好みのワインや輸入しているワインにはそのニュアンスをほとんど感じないワインだと思います。
年によって特徴、ポイントが異なり、買い手としても選び方が異なるのがワインの商売だなと感じています。一年間のリリース数が多く、あまり混ぜないで細分化して販売しているというドイツワインの特徴が、よりそう感じさせているとも思います。


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ヴァインベルクでは毎年同じ銘柄を入れているワインがあるので、ヴィンテージごとの違いを感じることができています。
同じ個性のある中で少しだけニュアンスの違いがある銘柄もありますし、この年は酸味を強く感じたのに、この年は果実味が豊かでボリューム感がありだいぶ印象の違うワイン、というのもあります。
飲食店や酒販店に継続的に販売してもらうには前者のほうがやりやすいのですが、後者はヴィンテージの個性によってワインは変わるというのが表れていて農作物の良さを感じることができます。
その違いというのも今まで書いたように、天候や生育の特徴だけでない図れないで気になっているのも面白いのです。生産者ごと、ワインごとに変化の違いがあるのです。
どのような違いがあるにしても、比較してみると、生産者の個性、ヴィンテージの個性、その地の個性、というのがそれぞれのワインで見えてきて面白いです。飲み比べる時には数値だけでなく、生産者やヴィンテージなどのある程度の情報があるとより比較が興味深いものになると思います。

画像はアールのヨステンウントクラインで今回試飲した時のものです。会話をしている中で色々と開けてくれることになり20種類くらい試飲をしたのですが、ラーヒャーベルクとメンヒベルクの畑名のピノ・ノワールそれぞれ2014、2015、2016のヴィンテージを試飲することができました。軽やかでエレガントだけどコクがあったり、酒質から濃かったり、それぞれ異なった個性と魅力があって興味深かったです。15は18のように暖かい年でボリューム感がある傾向にあるのですが、昨年飲んだ時にはまだ若すぎると感じたのですが1年前の印象とだいぶ変わっていました。2016はボトリングしてすぐで、木樽でも1年以上熟成させていて、それでもまだまだ若い、と試飲して感じたのは驚きでした。ヴィンテージの個性の他に、熟成と飲みごろいう視点がありそのことについては過去に記事にしていますのでそちらもお読みいただけるとうれしいです。
このように、ヴィンテージの個性だけではなく、飲むタイミングと生産者、ワインの質によって飲み頃も変わってくるというのがワインの面白さです。


次回は、今回も少しふれたドイツの人たちのワインの好み、ということについて書いていこうと考えています。



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2019年05月06日

2018ヴィンテージを試飲して感じたこと

今の時期(4、5月)には昨年収穫したぶどうから造られた白ワインのリリースが多くなります。グーツヴァイン(ハウスワイン)のタイプやステンレスタンクで大量生産しているところは1月くらいから販売しているワインもありますし、まだ木樽の中に入っているワインもありますが、リリースはしていなくても、発酵は止まっているのでバレルサンプルとして醸造所や試飲会で飲むことができるので、ある程度の白ワインは飲むことができます。ただ、辛口の最上級クラスの格付けのグローセスゲヴェックス(GG)はVDPでは販売は9月からと定めていたり、収穫糖度が高いぶどうからの重めたのワインにあるものはもっと木樽での熟成が必要だったりということもあるもので、全てを試飲できる、あるいは状態を判断できるというわけではありません。そういったことや飲み頃など、ヴィンテージについては昨年ブログに何回かに分けて書いていますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。
という前置きが少し必要ではありますが、2018年産をたくさん試飲しました。まだ傾向は、と言える時期ではありませんが、感じたことを書いていきたいと思います。

2018年はヨーロッパはとても暑い年だったという印象の国が多いと思いますが、ドイツもあてはまります。
生育は早く、昨年も同じ時期にドイツの同じワイン産地を訪れていますが、明らかに昨年のほうが同じ時期で葉が大きかったです。
そして実も順調に生育したのですが、雨がかなり少なく暑い中で実は熟していきました。収穫は、2017年も早かったのですが、この年も史上最速と言われる速さで、南の地域では、バカンスをとっているはずの8月末から収穫が始まっているところもあります。
収穫量は、近年ずっと少なかったのですが、順調に育ってカビや腐敗につながる要因も少なかったため、満足できる量を収穫することができました。2017年は遅霜で樹は実を満足につけることができなかったので、防衛本能で多く実をつけようとしたことも生産量が増えた要因ではないかと言われています。自分のところの醸造設備の樽やタンクの容量ぎりぎりだったと言っていた生産者も何人かいました。樽試飲のために蓋を開けたら、目一杯に入っていて開けた瞬間に吹き出てくるというのも何回か見ていてそういうところからも量がとれたのだなと感じることができます。
これらは、ドイツのワイン産地全体をまとめたら、ということで、ある程度事前に聞いていた情報と複数の生産者の話をまとめると上記のような感じになります。
ただし、産地、もっと狭い地域での環境の違いで印象が異なっていくのは毎年のように当然のことです。それをふまえた上でも、ワインの印象としては、2015年のようにボリューム感、明るさのあるワインになっているという印象があります。17が陰、18が陽と表現している知人がいますがまさにその通りだと思います。その印象には、収量、水、日照量、成熟度など色々な要因があってのことですが、明らかに違いがあります。
糖度が上がったためどの産地もアルコール度数は同じワインでも0.5%から1%高くなっているワインが大半です。特に南のほうの産地は味わいとしてもボリューム感を感じるワインが多かったです。
ドイツワインは糖度、果実味などとのバランスで酸の存在は重要で、特にエレガントなワインを目指している生産者にとっては酸は最も重要なポイントです。ぶどうが熟し雨も少ないと酸は減ってしまうので、2018年産は特にその点を苦労した多くの生産者は話していました。一番容易な策は、酸が残っている例年よりも早めの収穫、ですが、それ以外にも栽培や醸造での工夫で醸造所それぞれが色々な対応をしています。
モーゼル、ザールの一部の地域では、収穫の時期に雨が降ってくれた、寒かったというのはとても幸運だったと話しているところもありました。

また、たくさん収穫できたということはワインの質にも影響しているような気がしました。辛口から甘口まで、甘口でもカビネットからトロッケンベーレンアウスレーゼまで全てのワインをリリースできたと言っているところもあり、その分ワインごとの質に差が出ていると感じました。収穫量が少ない年は、多くのワインにはわけないで、上のクラスをあきらめてその下のクラスにいいぶどうを混ぜたりして対応することもあるのですが、2018年は多くに分類されていることにより区画や等級の本質のクオリティが見えてしまうので、2018年という環境に合わなかった場合にはあまりいいワインとはならない可能性が高くなり、試飲でも例年でもそう感じるワインが多かったように思います。しかしその反面、狭い条件で適したぶどうとなった場合にはとてもクオリティの高い素晴らしいワインとなっています。かなり色々なワインができている、というのも2018年の特徴かと思います。毎年好きなワインが今年は全然よくないという場合も多いでしょうし、ずば抜けてよい、という可能性も大いにありえるのです。
2017年の量が少なったトラウマにより芽欠きは少な目だったり一本あたりの実の収量をあまり減らさなかったり、という生産者もあったのではと取引先の生産者は話していました。そういったことも質に影響しているようです。
また、量がとれたからこそ、経済的にも余裕があるので、一部は醸造で冒険してみたりとか新たなチャレンジをしたりとかもあり、生産者にとっては余裕があった年、とも言えることができます。

色々と飲んで、生産者との会話などもあり、上記のようなことを感じたのでした。
そして生産者ごとにかなり印象やクオリティの違いが大きい年でもあると感じました。なので先入観から決めつけるのでなく、生産者の話や情報、いくつかのワインを飲んでみることが、それぞれの生産者の2018年を感じられることである、というのが例年より重要であると思いました。ヴァインベルクのワインでは例年よりも多めにそういった情報をお伝えしていきたいと考えています。


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ザールのファルケンシュタインでの木樽からの試飲。大半が酸の存在感のあるファルケンシュタインらしいワイン、でも暑かった年を感じる2018年ならではのワインも多くありました。
醸造所のキャラクターを選ぶのか、2018年だからこそのいいワインを選ぶのか、それは生産者でも考えて選択し、購入するほうもそれぞれの考え方でどう選択していくかを考えていくことになります。


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マインツでのVDP試飲会の様子です。一か月前のプロヴァインProweinでも2018年産がバレルサンプルも含めてたくさん試飲できます。
まだ若く、今飲んでおいしいという状態でないもので判断しなくてはいけないこともたくさんあります。
瓶詰めしたばかりというワインもたくさん試飲に出ていて、しっかり試飲をしているところでは生産者からこれは数日前に瓶詰めしたもの、などと言ってくれるので、それを加味して判断することができます。


ヴィンテージについてはまだ書きたいことがありますので、あと1、2回続きます。


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