2019年05月09日

ヴィンテージの個性とは?

前回は2018年ヴィンテージのことについてのドイツで感じたことを書きました。その流れでもう少しヴィンテージのことについて書いていきます。この記事の題名はざっくりとしていますが、記事を読んでいただけるとその意味合いはおわかりいただけるかと思います。

前回の記事では、2018年産は陽、2017年産は陰のイメージがあると書きました。ざっくりとその理由を書きますと、ダメージもなく雨もなくすくすくと実が熟したぶどうによる2018年ワインからは明るさが感じられました。2017年は遅霜があり樹につく実は少なく、でも残った実は大きな害はなく順調に育つ、がんばって実ったその実には凝縮感や緊張感があり、収穫量が少ない中でいいワインを造りたいという生産者の想いもこめられて(他の年がそれがないというわけではないですが)生まれたワインは内向的で集中力のあるワインが多くなっています。天候だけでなく複合的な要因でそういった違いを感じられました。

生産者などと話していると2018年産はドイツ人の顧客(バイヤーも個人客も)に評判がとてもよいという話を何度か聞きました。誤解もある言い方をしてしまうと、わかりやすくおいしいからなのです。酸は強く感じず、ドイツワインの最大のポイントである果実味も心地よく、ほどよいボリューム感もある、まとめると飲みやすいし飲みごたえもあり味わいもうまみを感じやすいのです。顧客に喜ばれるということは生産者とは売れるのでとてもよいことです。ただ、ドイツワインの魅力的な部分である、繊細さ、内側の芯の強さ、エレガントさを感じるワイン、というのは前回の記事で書いた通りたくさんのワインができ、その中でそういったワインは多くはなく選ばらないと見つけづらいと感じています。そういった中でも生産者の考えとして、上記なようなワインを目指しているようなところは、栽培方法、収穫のタイミングと実の選別、醸造によってはそういった魅力を感じるワインもあります。
ヴィンテージの特徴に加えて生産者の考え方というのが反映されてるということもふまえるとよりヴィンテージという考え方に関して深く理解をすることできます。

2018年がエレガントなワインが少ないなら真逆としている2017年はそうなのでは、というとそう簡単ではないのが農作物の世界です。
きれいで細みだけれど内側に凝縮感が詰まったワインが多く、はあるのですが、今回のドイツでも多くの2017年産を試飲して感じたのですが、言葉では説明しづらいのですが、白ワイン、特にリースリングでは同じニュアンスを感じることが多く、それは自分にはマイナスに感じてしまっているのです。同じような感じだからいやだということもありますが、そのニュアンスがあるとあまりおいしくは感じなかったのです。
避けているわけではないのですが、自分が好みのワインや輸入しているワインにはそのニュアンスをほとんど感じないワインだと思います。
年によって特徴、ポイントが異なり、買い手としても選び方が異なるのがワインの商売だなと感じています。一年間のリリース数が多く、あまり混ぜないで細分化して販売しているというドイツワインの特徴が、よりそう感じさせているとも思います。


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ヴァインベルクでは毎年同じ銘柄を入れているワインがあるので、ヴィンテージごとの違いを感じることができています。
同じ個性のある中で少しだけニュアンスの違いがある銘柄もありますし、この年は酸味を強く感じたのに、この年は果実味が豊かでボリューム感がありだいぶ印象の違うワイン、というのもあります。
飲食店や酒販店に継続的に販売してもらうには前者のほうがやりやすいのですが、後者はヴィンテージの個性によってワインは変わるというのが表れていて農作物の良さを感じることができます。
その違いというのも今まで書いたように、天候や生育の特徴だけでない図れないで気になっているのも面白いのです。生産者ごと、ワインごとに変化の違いがあるのです。
どのような違いがあるにしても、比較してみると、生産者の個性、ヴィンテージの個性、その地の個性、というのがそれぞれのワインで見えてきて面白いです。飲み比べる時には数値だけでなく、生産者やヴィンテージなどのある程度の情報があるとより比較が興味深いものになると思います。

画像はアールのヨステンウントクラインで今回試飲した時のものです。会話をしている中で色々と開けてくれることになり20種類くらい試飲をしたのですが、ラーヒャーベルクとメンヒベルクの畑名のピノ・ノワールそれぞれ2014、2015、2016のヴィンテージを試飲することができました。軽やかでエレガントだけどコクがあったり、酒質から濃かったり、それぞれ異なった個性と魅力があって興味深かったです。15は18のように暖かい年でボリューム感がある傾向にあるのですが、昨年飲んだ時にはまだ若すぎると感じたのですが1年前の印象とだいぶ変わっていました。2016はボトリングしてすぐで、木樽でも1年以上熟成させていて、それでもまだまだ若い、と試飲して感じたのは驚きでした。ヴィンテージの個性の他に、熟成と飲みごろいう視点がありそのことについては過去に記事にしていますのでそちらもお読みいただけるとうれしいです。
このように、ヴィンテージの個性だけではなく、飲むタイミングと生産者、ワインの質によって飲み頃も変わってくるというのがワインの面白さです。


次回は、今回も少しふれたドイツの人たちのワインの好み、ということについて書いていこうと考えています。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



posted by ヴァインベルク at 01:09| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする