2019年05月17日

ドイツ人が好きなワインは?

という題名はちょっと大げさで、よりどういったワインがより好きなのか?といった内容です。
日本の方でも濃いワインが好きな方、繊細なワインが好きな方、色々な嗜好があるのと同様、ドイツの方も幅が広いです。そしてワインといってもドイツワインは飲まずに、輸入されている他の国の赤ワインだけを飲んでいる方もいます。また、ドイツの方は、ワイン好きやワイン会などでなければ、食事の間にビール、白ワイン、赤ワインと変えていくことはあまりしない傾向にあります。何人か集まっていても、半分の方は白ワイン、もう半分の方は赤ワイン、というようにずっと別々のものを飲み続けているような光景に何度か出くわしたことがあります。

それはさておき、生産者と話していると、試飲の感想や売れ行きでドイツの方が好むワインを聞くことが多いので、そういった中で感じたことを書きたいと思います。
鋭いワインよりは、丸さややわらかさがあり、その中に重みもあるほうなワインを好む方が多いようです。
前回までに2回2018ヴィンテージについて書きましたが、ドイツの方は2018年産は好みのタイプのようです。簡単に言ってしまうとわかりやすくおいしさを感じやすいワインが多いからです。もちろん中には酸がびちっとあるきりっとしたワインが好きな方もいらっしゃると思いますが、傾向としてはそういった好みの方が多いということです。

また、モーゼルのマルティン・ミュレンでも、試飲で訪れたドイツの方たちに売れるワインはだいたい決まっていると言っていました。それらは果実味とコクが前に出ているワインという傾向を感じました。


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マルティン・ミュレンでは今回もトロッケン だけでこれだけの数を試飲しました。ヴィンテージも等級もさまざまです。
訪れた方がこれだけ試飲をするわけではないですが、これだけあるのに売れる傾向が決まっているというのは興味深いです。それだけそのワインが質が高い、という見方ももできるのですが。

トロッケン(辛口)だけが売れるというわけではないというのも興味深かったです。ラインガウのリューデスハイムのビッショッフリッヒェス・リューデスハイム では毎年グーツヴァインクラスのファインヘルプ(中甘口)がとてもよく売れて売り切れになるそうです。ラインガウは、気軽なタイプのファインヘルプのリリースが少ないからということもあると思いますが、同じ価格帯のトロッケン のリースリングよりも圧倒的に人気があるというのは驚きでした。


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バーデンのフランケンシュタインは花崗岩グラニート、片麻岩グナイスという土壌違いの畑で同じ品種で同じ価格で別々にリリースをしていたりもするのですが、どっちの土壌の方がドイツの顧客は好むの?と訊いたら、即答でグラニートGranitと返ってきました。この造り手のワインは、片麻岩は繊細さの中にうまみがあるキャラクターで、花崗岩はまろやかで重心低めのうまみがあるのですが、グラニートの方がわかりやすいのかと思いました。赤ワインではローヌなどわりと飲み慣れたタイプと似ているから、というのもあると思いますが。
もちろんそういった中でもヴァインベルク店主のように、片麻岩のワインの方が好み、という方もいらっしゃるようですが。そういった方は色々なワインを飲んできている業界の方が多いようです。

こういうことを知ったから何かになる、というわけではないですが、販売の主力のマーケットのことを知るのはとても大切なことだと思いました。
また、そういった市場に合わせたタイプのワインを造っていくところもあるし、自然の環境の中でできていくものを尊重する生産者もある、というのもあらためて考えます。
後者はよく売れる年もあれば、人気があまりない年もあるわけで、それでも自分たちの信念に基づきワイン造りをしています。ワインは醸造でどうにかするものではなく、自然の恵みを表現することが大切なこと、というのは、生産者がよく口にしますしヴァインベルク店主も生産者たちにふれていてそしてワインを飲んでいて感じることです。できたものをどう飲んでいくか、というスタンスでよいと思うのです。
私もこの年の傾向は、などという話はしますが、どのワインでも楽しめる機会がありますし、料理とも合わせてお飲みいただけます。日本に輸入するものは、できるだけそういう機会が多いものというのを選んではいますが、飲む側の味わいの傾向だけでは選んでいないです。
ちなみに、今度輸入しようと考えている片麻岩と雑色砂岩の混ざった土壌のワインは、典型的ではないタイプなのですが、とてもよいピノ・ノワールだと思ったので選びました。日本のみなさんには気にっいっていただけると思います。気軽に飲むタイプではない価格帯ではありますが。

ドイツのマーケットに関してはもう少し書きたいことがあるので次回書きます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



posted by ヴァインベルク at 17:06| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする