2022年02月28日

洪水被害にあったアールのヨステンウントクラインJosten und Kleinのその後についてと新入荷ワインの紹介

久しぶりの投稿になってしまいました。
昨年の7月にアール地方を襲った洪水についてとヴァインベルクとして考えていることはこちらの記事に書きました。
そして、取引先であるヨステンウントクラインJosten und Kleinのワインが新たに日本に到着し販売を開始しています。あわせてZoomで当主のマークとつないだオンラインイベントも開催しました。
そのイベントで彼が洪水について話したことや新入荷ワインについてそのイベントで話していたことも含めて書いていきます。


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洪水では数メートルの高さまで水が上がり、そして濁流により大きな被害を受けました。
オンラインベントでは、被害に遭った直後に撮った写真とその同じ場所で今年1月に撮った写真も送ってもらいスライドでお見せしました。


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瓦礫は片付き復興は進んでいるように見えます。
ただ、建物の修繕などは暖かくなってくるこれからようやく始まるとのことです。

これらの写真はマークが住んでいるマイショスで、大きな被害を受けた村のひとつですが、ライフラインは長い間復旧しなかったそうです。
しかし、発電機や水のタンクなどの支援があり、家に住める人たちは生活はできていたとのことです。


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彼のケラーは、アール川が谷間をくねくねと流れているところから開けたエリアとなるヴァルポルツハイムにあります(その先にこのエリアの中心地であるアールヴァイラー・ノイエンアールがあります)。
彼の仕事場にも水が流れ込み、とても汚い状態で、出荷前の箱に入っていたワインの山も崩れてしまいひどい状態となってしまいました。
しかし幸運なことにボトルの半分以上は水に浸りませんでした。そして浸かってしまったワインの大半は、チャリティでドイツ全土で購入されました。
木樽に入っていたワインもほぼ無事だったそうです。
この場所を掃除して、彼は現在も使用しています(いくかの醸造所やその他の業種でも移転先を探しているのでこの小さな地域で新しいところを探すのは困難であるため)。

洪水を襲って数か月で収穫というところでしたが、醸造のための設備も掃除をして少し修理して使えたとのことです。ステンレスタンクにも水は入っていましたが、建物内には急流が襲ったわけではないので、掃除するだけで使えたそうです。
そういうことで、一部の平地にあった畑は壊滅してしまったものの2022年の収穫はほぼ通常通り行えたとのことです。

アールは小さいエリアではありますが、ワインの醸造所はいくつかの村に点在します。しかしそのほとんどの醸造所が被害を受けました。
その中には醸造所が破壊され醸造設備m使えなくなってしまい、ワインが流されて資産も失ってしまい絶望的な状況となっているところもあります。そういったところと比べると、被害はあったにしろワインが残っていて設備も無事だったのでラッキーだったと彼は言っていました。まわりの同業者の状況も把握しているので複雑な心境ではあると思いますが。

復興は始まったばかりで、元に戻るまでには何年かかるかわかりません。
我々にできることは、アールのことを気にかけること、そして多くの方にアールのワインを飲んでていただきそして魅力を知っていただくことだと思っています。そして落ち着いた時には美しい景色のアール地方にも訪れていただきたいです。
アールの魅力を知っていただくためにこれからも活動していきます。


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さて、2月にヨステンウントクラインのワインが入荷しましたので、軽く紹介します。
リンクを貼っているネットショップには詳しい解説を書いていますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。
解説にはオンラインイベントで話していたことも含まれています。
スマホでご覧になる場合はPC用に切り替えると解説もご覧になれます。

ロゼ フュメ (辛口) 2020 ヨステン ウント クライン (weinbergwine.com)
ブランドノワールが好評だったのですが、数年は造らなかったということで在庫がなかったので、ロゼを入れることにしました。
フルーティーなピノ・ノワールのロゼもあったのですが、複雑みと濃さのあるロゼ・フュメを選びました。
PIWI品種のカベルネ・コルティスとレゲントのブレンドです。
ラズベリーなどベリー系の果実味と濃さのあるドイツにはあまりないタイプのワインです。
食事との相性も色々と試したくなるワインでもあります。

マイショス ピノ・ノワール (赤・ミディアム) 2015 ヨステン ウント クライン (weinbergwine.com)
今まで扱っていて好評だったワインで、同じヴィンテージで大量に再入荷しました。
マイショスの村名ワインとしてリリースしているピノ・ノワールです。
2015年は生育期間が長くなおかつ健全な状態で熟したぶどうを収穫できた特別な年で、果実味がしっかりとありつつ複雑もある、素晴らしいワインとなっています。
アールの魅力がわかるワインですし、ドイツワイン好き以外の方にも気にいっていただける自信のある素晴らしいワインです。
2017ヴィンテージも少量入荷していますが、こちらは以前からのドイツの赤ワインで感じるようなウスウマ感のあるワインです。

グランツシュトゥック リースリング (辛口・ミッテルライン) 2015 ヨステン ウント クライン (weinbergwine.com)
白ワインの品種はミッテルラインで栽培していて、今回一種類新しく入荷しました。
果実味よりもミネラル感、ハーブ感が前に出ているドイツではあまりないタイプの辛口リースリングです。
コブレンツより北のエリアの川沿いの斜面の畑でシーファー(粘板岩)土壌なのですが、火山の噴火による火山灰が土壌に混ざっていて、他とは異なるキャラクターのワインとなっています。
複雑み、飲みごたえのあるワインを求めている方にも気にいっていただけるかと思います。


ピノ・ノワールは畑名ワインのラーヒャーベルクも再入荷しています。
リースリングの甘口はカビネットとシュペートレーゼの在庫があります。
一覧は下記からご覧ください。
ヨステンウントクライン (weinbergwine.com)


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先のロゼ、2015ヴィンテージのマイショスのピノ・ノワール、以前も輸入していたマイショスのピノ・マドレーヌ2015の上の画像の3本をセットにして応援セットとして販売しています。
アールの魅力を感じていただけるセットとなっています。
☆洪水で汚れたボトル1本含む 返品不可☆ 洪水からの復興応援アール3本セット 送料込み (weinbergwine.com)

そのうちの1本であるピノ・マドレーヌ(フリューブルグンダー)は、洪水で水に浸かってしまい汚れてしまったボトルとなります。
画像のものより汚れているボトルもありますが、こちらのセットはいかなる場合でも返品は不可ということをご了承いただいご注文をお願いします。
中身に異物が入っている可能性はありませんが、保存状態がきっちりしていない期間がありますので状態が変わっている可能性は否定はできません。
ピノ・マドレーヌは単品でも販売しています。


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ヴァインベルクの8周年を記念したトロッケン(辛口)の4本をセットにして販売しています。
ドイツらしいワインであり、やわらいけれどうまみがあって芯のあるワインというのはヴァインベルクが輸入するワインらしさもあります。
上記で紹介しているマイショスのピノ・ノワール2015も入っています。


3月12日には新宿リースリングで試飲会を行います。ご都合がよければいらしてください。
アールのヨステンウントクラインのワインも4種類提供します。
事前申し込み制となっています。詳細は下記イベントページをご覧ください。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com




posted by ヴァインベルク at 18:25| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする