2015年01月28日

新入荷のワインと食事との相性 主に和食と合わせての感想

12月末に新しくワインが届きましたが、ワイン会などでそれらのワインを試す機会が何度かありました。
ヴァインベルクのワインを扱っていただいている飲食店森川(東銀座)での会、金沢の食材を取り寄せてのお宅でのワイン会、椿山荘で行われた東京ドイツワイン協会の新年会、などですがこれらの会に共通することは和食ということです。

ヴァインベルクが輸入するドイツワインは和食との相性が良いという自信があるのでこういった会を進んで開いたりワインを使ったりということをしています。
和食には日本酒、という認識の方は多いと思いますが、日本酒と合わせるよりもドイツワインと合わせたほうがしっくりくる組み合わせを今まで何度も経験しています。
日本酒のアルコール感や米の甘みによる余韻というのがマイナスな効果を与える場合があり、きりっとした味わいややさしい味わいのドイツワインのほうがうまく溶け込んだり、後味も酸味によってさっぱりしているからこそ食べ物の邪魔をしなかったりということがあります。
もちろん日本酒のほうが合う食材もありますが、和食には日本酒というイメージは振り払って、ドイツなどのワインと試していただき新たなに世界を広げると食事の楽しみが増えるのはではないかと思います。
そのための参考としても具体的な例を紹介していきます。なぜ合うのかなどもできるだけ書いていきます。
今回は会ごとのレポートではなく、ワインごとに料理との相性を紹介していきます。
和食というジャンルだけではなく、日本人が作る料理についてというとらえ方をしていただけると応用の幅が広くなるかと思います。


まずは比較的オールマイティに合わせやすいファインヘルプ(中辛口、中甘口)のリースリングです。
ファインヘルプはトロッケン(辛口)にほぼ近い残糖量があるものから、もっと甘みを感じるものもありますが、少しでも甘みがあるいうことで和食と合わせやすくなっています。
砂糖やみりんなど甘みのある調味料、しょうゆや出汁などのうまみは甘みがある(残糖は少なくても果実味、甘みを感じるもの、残糖が少しあるものの両方)の飲みものと合いやすいのです。だからこういったお酒は日本の料理と合わせやすいのです。日本酒が合わせやすいというのもこういった理由があります。

このワインは食事と合わせるにはぎりぎりの甘さを感じます。しかし酸味があるフレッシュ感があるので食事とともに楽しむことができます。
料理もフレッシュなものと合わせやすいのですが、フレンチドレッシングのかかったグリーンサラダと抜群に合いました。ドレッシングの酸味と濃さが合った理由だと思います。


写真 (78).JPG
揚鶏と水炊き「森川」にて


また、石川の食材の会の時にはかぶら寿司がありましたが、いくつかの日本酒よりもこのワインが一番合いました。麹の少しつんとしているけれど甘みのある味わいとこのワインの心地よい甘みがうまくからんで口の中で融合していました。


写真 (82).JPG
右の二つの小皿が麹を使った料理です。


こちらのファインヘルプはそこまで甘みは感じない、ミネラル感が豊富で甘くも辛くも感じない、甘み、酸味、ミネラル感が一体となった味わいです。
ゾンネンベルクと両方提供した会が多く、ひとつの料理でそれぞれのワインを試すというのを色々とやりましたが、よく合うものがまったく異なるという結果になりました。
こちらのワインは醤油や出汁のものと相性が良いと思いました。
揚鶏は抜群でしたし、鶏の出汁の水炊きともよかったです。凝縮感があるから出汁のものと合っているかと思います。水炊きはゾンネンベルクはあまり合わなかったのですが、それは甘みとフレッシュ酸味とによる影響かと考えられます。
蒸し牡蠣や網焼きの魚介ともよく合いました。これは魚介系のうまみと相性がよかったからだと思います。これらの食材でも調味料やソース(西洋料理の)がかかったりすると合うワインは変わってきます。


次はトロッケン(辛口)のリースリングです。
ドイツでもリースリングは和食に合う、というプロモーションの仕方をしているのですが、正直に言って大半のドイツのリースリングの辛口は和食や日本の食卓の料理と合わせづらいと私は考えています。
それは例えば、シーファー土壌だとミネラル感が強く複雑みがあったり、他の産地でも酸味が先行する味わいだったり、というようなリースリングのワインでは食事をよせつけないものも少なくありません。特に上級の格付け、等級のものはワインだけで完結していて、食事と一体になる余地がないワインも多いです。そういったものと和食は洗練された料亭の料理ではないとうまく合わないのではないかと思っています。
また、かたい印象を受ける白ワインは和食とは合わせづらい、とも思っていただいてよいかと思います。和食や家庭の食卓で、グーツワインでリースリングとミュラー・トゥルガウがあったら後者のほうが一通りの料理と相性がよい可能性が高いと思います。
という中でも、ヴァインベルクのモーゼルのリースリングは、トロッケンでも和食と相性が良いものが多いのです。
味わいでいえば、やさしい、やわらかい味わいのものだから料理となじみやすいと言えます。自分がそういう味わいのものが好みなので、数あるラインナップの中から選んだヴァインベルクとして入荷したワインは和食に合いやすいワインが多いと言えます。
技術的な部分で言うと、木樽による熟成でやわらかさがあったり、天然酵母による発酵で親しみのある味わいになったり、という要因が考えられます。

今回輸入した中で一番和食や日本の家庭の食卓の料理と合わせやすい辛口はこのワインだと思います。料理によっては酸味が少しじゃまをして合わないかもしれませんが、たいていの料理とはやわらかくミネラル感の味わいはうまく寄り添ってくれます。
椿山荘であった強すぎない上質な脂の鮪(おそらく中トロくらい)との相性がとてもよかったです。醤油はほんの少しつけたくらいがちょうどよかったです。
他に寄り添うというよりは相性が良いと感じたものは鶏肉のタタキ、餡のかかった煮物などがありました。

同じラインナップの2012年は野菜に合わせやすい味わいだったのですが、2013年産のほうが少し複雑みとかたさがあり、ワイン単体で飲むのはもちろん美味しいのですが、食事と合わせる場合のポイントがなかなかつかみどころがない味わいになっています。
そういうこともあってまだ研究段階でしっかりとアドバイスができる状況ではないのですが、クリーミーだったりとろける食材との相性はとてもよかったです。
あん肝のソテーや茶わん蒸しの白子などが口の中で絡み合ってとけこんで幸せな気持ちにさせてくれました。
あん肝は日本酒よりも一番このワインが合ったのが驚きでした。すっきりしているけれどコクもある酒質ときれいな余韻が、素材の味わいを邪魔しないでなおつ一体となっていました。

グローセス・ケヴェックス(GG)クラスのこの醸造所の最上級の辛口リースリングです。先に書いた通りGGクラスの辛口はワインだけで完成しているので食事とは合わせづらいのですが、このワインはそんなことはありませんでした。とはいえオールマイティに合うとは言いづらいですが。
最高の相性だったのは脂ののった焼いたのどぐろでした。塩味そのままでもしょうゆをつけても美味しくいただけました。口の中に広がるのどぐろのゴージャスな味わいを、アルコール感もあるどっしりとした味わいが受け止めて脂に負けないで存在感を保ち、そして一体となります。酸によって後味はさっぱりするのでしつこくはなくいくらでも食べられるのも良いところでした。
このワインのように熟成することによってかたさが和らいででくればGGクラスでも和食と合わせやすくなります。ただ気品のあるスタイリッシュなものや複雑みがすごくて深い味わいのものはかなり料理を選ぶかと思います。このワインは輝きはありますが親しみやすさもあるので和食や家庭の食卓にチャレンジしやすいと思います。


最後に赤ワインです。
和食には赤のほうが白より合わせるのが難しいのですが、タンニンや樽香よりも果実味のあるドイツの赤は比較的和食などにも合わせやすいと思っています。やわらかさ、というのが重要な要素だと私は考えています。

ドイツの中では濃いめの味わいですが熟成していることで丸みもあり多くの料理と違和感なく楽しむことができました。
火の通った野菜と合わせやすいです。先に書いたグリーンサラダと合ったのは驚きでした。
もちろん肉料理にも合います。まだ試していませんが、うまみも感じる肉じゃがと合わせると面白いような気がしています。

このワインは今のところ肉よりも魚料理に合う確率が高いです。前回輸入した同じ造り手のゾンネンベルクもふうつの赤ワインに合わないような食べ物と合っていた不思議な赤ワインでしたが、このワインも同じような傾向にあります。果実味とザール特有の酸、ほのかな甘みが魚料理に合うポイントかもしれません。ソースというよりは素材そのものでそのポイントが影響を与えているような気がします。
参考にはならない驚きの組み合わせですが、生の何もつけない甘えびと合ったのにはびっくりしました。生臭さは全く感じず甘みなどがうまくとけこんでいました。
新年会ではブリとともに牛肉が出されましたが、疑いなくブリのほうが相性が良いと感じました。


写真 (79).JPG
東京ドイツワイン協会(愛好家の非営利団体)の新年会、椿山荘「錦水」にて


お肉と合わせる時は牛肉や豚肉よりくせがある肉で、ソースは濃いめで甘みのあるものだったら合うのかなと考えています。


このようにドイツワインとこういった料理は色々な楽しみ方をすることができます。
この体験は料理人が作った料理に限ったことではなく、ふつうに手に入る食材で家庭で作る料理でも体験することができます。
そのことがフランス料理とは違うことなので、ドイツワインをご家庭でも気軽にお楽しみいただける説得力のある理由になるのではないかと思っています。


実際に合わせてみると思いがけない相性のよい組み合わせが見つかったりして面白かったです。あった時になぜ合うのかと考えることも楽しみのひとつです。
文献などのセオリーだけを参考にせずチャレンジしてみるのも面白いと思います。ただ、そのためにはなぜ合いそうと思うのかという根拠を自分の中に蓄えておく必要があると思います。今までの経験からどういうポイントでそう思うのかというのを整理しておくと、家庭でもワインを選ぶときなどに役に立つかと思います。
そのチャレンジのために今回の記事も参考にして試していただけるとうれしいです。そして試した後にには、自分でポイントを整理してみると自分の糧になり今後に役立てるようになるかと思います。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com/
オープン1周年記念のリースリング3本セットを2種類販売しています。
同じ期間、2月上旬まで代引き手数料無料キャンペーンもしています。



家庭では難しい料理とドイツワインを愉しむ会を計画しています
ドイツ料理とジビエの会
日時 2月21日(土) 18時開始
場所 ツム アインホルン 最寄駅 六本木一丁目、神谷町
会費 12,000円
ソーセージ以外のドイツ料理をあまり知らない、興味があるという方に参加していいただきたいです。
詳細は下記リンクの記事をご覧ください。



posted by ヴァインベルク at 06:23| Comment(0) | ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする
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