2015年01月31日

甘口のドイツワインとは 自然の恵みで生まれた奇跡

甘いものが話題になる時期ですので甘いワインの紹介をしたいと思います。
その前にドイツの甘口ワインとは何かという話しをしていきます。

日本ではドイツワインは甘いというイメージがありますが、今は生産量の7割近くが辛口系です。
食事に合わせられるワインのほうが需要が多く、ほとんどの醸造所の主力は辛口ワインです。醸造所の中でもモーゼルなど甘いワインを造るのに適しているところでは甘口主体のところはありますが。
甘口のカテゴリーの中での生産量の比率としてはリープフラウミルヒやシュバルツカッツといった日本でもスーパーでも売られているような大量生産品がかなりの割合を占めています。日本人のドイツワインのイメージはこれらのワインの味わいを想像している方が多いかと思います。これらのワインにも良さはありますが、マイナスなイメージをいだく人も少なくありません。
ドイツワインの本来の甘口ワインの魅力は生産量としては比率の少ない家族経営の生産者が造るワインにあります。
冷涼な地で斜面などでできるだけぶどうが熟すような環境で育ったぶどうからは果実味豊かな甘口ワインが造られます。これらの一部のワインこそが世界中で通用するドイツが誇れるワインなのです。ドイツワインを紹介している人たちは基本はこういったワインを紹介しています。このカテゴリーの中にも、醸造所がある地域のみで消費されるような親しみやすい味わいで安価なものから、トップワイナリーが生産する気品ある高貴な甘口ワインまであるということも知っていただきたいことです。

一言で甘口といっても、食事にも合わせられる心地よい甘みのファインヘルプやカビネットから上品な甘さのシュペートレーゼ、アウスレーゼ、はちみつのようなトロッとした甘さのアイスヴァイン(アイスワイン)やトロッケンベーレンアウスレーゼ(貴腐ワイン)ととても幅が広いのもドイツワインの甘口の魅力です。果実味の甘みはトロッケン(辛口)でも感じられますが実際の糖分の甘みがあるのはこういった甘口ワインです。
糖度が高いぶどうのほうが収穫量が少ないため値段は上がっていきます。特に急斜面で栽培されている貴腐ワインやアイスワインは、気象条件により収穫できない場合もありとても貴重とされていてアウスレーゼの倍以上の値段がつけられている醸造所も少なくありません。

収穫時期を遅らせて熟した基本的にはシュペートレーゼに使われるようなぶどうからはトロッケンやファインヘルプ(中辛口、中甘口)も造られていて、これはそのまま食べたら甘いものを発酵することで糖分をアルコールにして辛口や中辛口に仕上げています。その場合、完成したワインには糖分(残糖)は少ないのですが果実味、甘みは残っているのが特徴でボリューム感のあるふくよかなワインとなり、こういったワインは上質なワインとされています。
甘口ワインに関しては、途中で発酵をとめたり、高い糖度になってから収穫されたものは発酵が自然に止まっても残糖が残るから、ということで残糖のある甘口ワインになります。
カビネットやシュペートレーゼなどといった肩書きがついているワイン(Prädikatswein)には捕糖(別のぶどう果汁の添加、ズースレゼルヴ)が許されていないので発酵したぶどうだけの自然の恵みの甘さだけということも知っていただきたいです。はちみつのような甘さが自然に育ったぶどうだけの甘みというのは奇跡だとそういったワインを飲むと思うのです。
また、安価なワインでは辛口でもアルコールにするため補糖をしているケースもありますが、甘口ワイン同様肩書きのついているワインや同クラスのVDPの新しい格付け制度のワインは甘口ワイン同様捕糖が禁じられています。

ドイツの甘口ワインの特徴のひとつとしてアルコール度数が低いということがあります。例外もありますがモーゼルやラインガウなどのリースリング種の甘口ワインのほとんどはアルコール度数が10%以下です。トカイワインやソーテルヌでは13%前後のものが一般的なので、それらとは味わいが異なるということがおわかりいただけるかと思います。アルコールが低いことにより心地よいやさしい味わいになります。
アウスレーゼや貴腐ワインなどのリースリングの極甘口ワインには6%や7%といったワインも多く存在します。
収穫糖度が300g/lを超えるぶどうから造られたワインの中には規定の最低度数の5.5%というものもあります。この規定に達しないために一年以上発酵させてこの度数に到達させた、というワインも聞いたことがあります。

もうひとつのドイツワインの甘口ワインの大きな特徴のひとつが酸です。これは主にリースリングの甘口ワインにあてはまることです。
冬と夏、昼と夜の温暖差が激しい冷涼な地で育ったぶどうからは酸も生成されます。酸味というのをマイナスにとらえる方もいると思いますが、骨格のあるワインになるためには大事な要素です。酸がないとまったりとしたワイン、酸があるほうがきりっとしたワインになります。酸が多く含まれていても酸っぱいと感じない場合もあり、それはミネラル感や甘みなど色々な要素により味覚としては感じないということです。そういう点でもドイツワインの甘みは重要な要素です。甘みと酸味のバランスにより美味しいと思えるワインになるのです。
そしてヴィンテージによって気象条件が違うので、酸味が際立つ年になったり糖度があまり高くならない年になったりというのがヴィンテージの特徴となります。
また、そういう点でバランス良いと思えるワインになるということは、テロワールの条件が整っている畑だけなので、それは自然の恵みであると感謝しなければいけないことなのです。
また、甘口ワインで糖度がワインの中にたくさん含まれていても甘ったるく感じないのは酸があるから、ということもあるのです。
酸と甘み、というのはドイツワインでは重要な要素なのです。モーゼル地域のワインを語る上では特に重要です。


そういった自然の奇跡によって生まれた甘口ワインをヴァインベルクでも扱っています。
ドイツの甘口ワインに私は癒されます。理屈とかは関係なく頭は使わずドイツワインの甘口ワインは飲むことができるのです。
こういったワインを飲んだことがない方にはぜひ飲んでいただきたいです。
また、若いうちは直線的に感じる甘みだったのが、熟成してくるとほんわかとしたふくよかな甘みになり深みも出てくるのが魅力です。熟成ワインには熟成したものにしかない良さがあります。本当に癒されます。10年や20年以上経過したドイツワインの甘口ワインの味わいを言葉で説明するのはなかなか難しいです。百聞は一飲にしかずです(笑)。

先に書いたように甘みと酸味で色々な味わいになるのでさまざまなヴァリエーションがあります。そういったワインを次の記事で紹介していきます。



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posted by ヴァインベルク at 18:00| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする