2015年02月05日

ヴァインベルクのワインはなぜモーゼルが中心なのかということについて

一言でドイツワインと言っても、モーゼルやラインガウといった北の産地とバーデンなどの南の産地では味わいが異なります。
その地に適しているぶどう品種が異なる場合もありますし、同じぶどう品種でも土壌や気候といった条件によって全く異なる味わいになります。
フランスワインといってもボルドーとブルゴーニュでは別物ということを考えればおわかりいただけるかと思います。
ドイツでも南のほうは温暖な気候で、北のほうは冷涼でより厳しい環境でぶどうは育っているのでその違いは味わいに大いに影響を与えています。
気候条件とともに味わいに影響を与えている重要な要素が地質です。
その畑の土壌によって水のはけ方や保湿などの条件が変わりぶどうの実の性質が変わります。また、科学的にはっきりと証明されているわけではありませんが、ミネラル分など土壌の栄養を根が吸収してそれが実の味わいにも影響を与えていると言われています。
そのことによって南と北で離れた地域でも土壌が同じだと同じ系統の味わいを感じられることもあるのです。なので一概に北と南では全く異なる味わいである、とは言うことができません。とはいってもシーファー(スレート粘板岩)土壌は北のほうにしかないので(ごく一部だけファルツなどにも存在しますが)、冷涼な地域のドイツワインの特徴としてシーファー土壌のワインを上げることなどは間違ってはいません。

ドイツワインは13地域に分かれています。それぞれに特徴ということができるポイントがあるのは、気候や土壌によるものです。
それなのに、なぜヴァインベルクでは現在モーゼルとラインガウのワインしか扱っていないのか、ということについて少し書きたいと思います。

まず、大きな理由として、自分がドイツワインに出会ったのはこの地域だったことということがあります。この地域のリースリングワインに惚れ込みました。自分の根底にはこの地のリースリングの味わいがあります。
そしてこの地域のワインや醸造所には精通しているといえるくらい知識と経験を得ました。多くの人が知っているような造り手だけではなく、あまり知られてないけれど素晴らしい造り手もたくさん知るようになりました。輸入して取り扱う場合、その点も大きな武器になるので、モーゼルから取り扱いを始めたということがあります。

趣味としてドイツワインを飲んでいた時もモーゼルやラインガウの地域だけでなく、ファルツやバーデン、フランケンなどのワインも飲んでいますし、リースリング以外の品種も飲んでいます。それらの地域のワインも今後取り扱う予定でいます。
しかし、産地ごとに扱わなくてもドイツワインの多様性は感じていただくことができるとも考えているのです。
それが冒頭で書いたように、味わいは気候と土壌の影響を受けるということで、ひとつの地域でもそれらの要素で多様性を表現することができます。ぶどう品種によってバラエティも広がります。

モーゼルはリースリングの産地と言われていますが、近年は他の品種の栽培も増えてきています。温暖化により栽培がしやすくなったこと、造り手が好奇心を持ってチャレンジをするようになったことが理由に挙げられます。
ヴァインベルクが輸入しているワインでもピノ・ノワール、ドルンフェルダーといった赤ワイン品種や白でもピノ・ブランやピノ・グリがあります。
特に扱っているピノ・グリ(ドイツではグラウブルグンダーと呼ばれています)は、ドイツぽくないボリュームのある味わいでドイツワイン好き以外にも好評です。

このようにモーゼルではあるけれども幅の広い味わいのワインが造られるようになっています。もちろんこれらの数はリースリングに比べれば少数ではありますが、ドイツワインを紹介する場合にこういうったものをラインナップに入れておけば多様性を示すことができるのです。
モーゼルといえばシーファー土壌ですが、品種が違えば味わいが異なり幅が広がりますし、シーファー土壌ではないところもありそういった畑のワインでも幅が広がります。
現在は品切れとなっていますが、ベルンハルトアイフェルのロートリーゲンデンは急斜面の畑ですがシーファー土壌ではなく砂岩が風化した赤底統(ドイツ語でロートリーゲンデン)という土壌でした。厚みとボリュームがあって典型的なモーゼルのリースリングとは少し異なる味わいでした。ロートリーゲンデンではラインヘッセンや南のほうの地域にも存在する土壌なのです。

このようにモーゼルだけでも幅広い味わいを提示できて色々な好みを持つ方に対応することができると思っています。
幅広いといってもモーゼルらしさも味の中に感じられて、それが僕は好きですし、わかる方にとっては興味深いポイントとも思ってもらえてポイントにもなっていると考えています。

シーファー土壌のリースリングでも、モーゼルの中でも気候条件や畑の斜度や向きによって味わいはかなり異なります。現在は名称がモーゼルと一括りにされていますが、モーゼル、ルーヴァー、ザールで味わいが全く異なるということでおわかりいただけるかと思います。狭い地域でも、隣の畑であっても味わいが変わるのがリースリングの魅力です。説明すると長くなるので別の機会に書きますが、シーファー(粘板岩)の色が異なるだけで味わいに差が出るのです。
テロワールに加えて造り手の個性によっても味わいは大きく異なります。丁寧に育てたぶどうとそうでないものの質が異なるのは当然ですが、醸造方法によっても大きく差がでてきます。発酵の仕方や時間(天然酵母と人口酵母の選択も含めて)、熟成がステンレスタンクなのか木樽(1000リットル樽ではなく小さい樽を選ぶという選択肢も含めて)なのかということによって違いが出てきます。
現在ヴァインベルクではモーゼルは3か所の醸造所を取り扱っています(モーゼル2カ所ザール1カ所)。これらの造り手はそれぞれ特徴があり味わいが異なり、それぞれに良さがあります。前に書いたように畑や醸造方法により違いが出てきているのですが、それだけではなく性格や人柄による影響というのも大いにあるということが生産者と接していて確信を持ってきています。しっかりと造っているワインには造り手の心が大きく影響するということです。

このようにモーゼルだけでも多様なアイテムを提示することができています。実際にさまざまな好みの方の気に入るワインが見つかっているので、産地を広げるだけが重要なことではないと感じています。
リースリングは食事に合わせづらい、他の品種のほうがよいという印象の方もいると思いますが、ヴァインベルクで扱っている造り手のワインはやわらかい、またはやさしい味わいになっているので料理、特に和食や日本人の家庭の食卓の料理にも合わせやすいです。

今後はモーゼルにはない味わいの素晴らしいドイツワインも紹介していきたいと考えていて他の地域の造り手のワインも取り扱う予定ですので楽しみにしていただきたいです。


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posted by ヴァインベルク at 18:45| ヴァインベルクについて | 更新情報をチェックする