2016年02月11日

マルティン・ミュレン訪問2015年冬その1ぶどう畑散策編

少し間があいてしまいましたが、11月にドイツに行った時のことの続きです。
モーゼルでまだ書いていなかったのがマルティン・ミュレンMartin Muellen醸造所のことです。

バスでモーゼル川中域から下流に下っていきトラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに到着し、駅前のターミナルで当主のマルティンと合流しました。
私がヒューナーベルクTrarbacher Huenerbergの畑を見たいとリクエストしていて、車で連れて行ってもらい案内してもらうことになっていたのです。
前回訪れた時はKroevにあるパラディースParadiesの畑の場所を教えてもらい(ミュレンの所有する畑だけ反対岸にあります)、船で通って観察したのですが、パラディース同様マルティン・ミュレンにとって重要な畑であるヒューナーベルクにまだ訪れたことがなかったので訪れたかったのです。

トラーベン・トラーバッハは川を挟んでトラーベンとトラバッハとなっていて2つをくっつけてひとつにしています。
ミュレンの醸造所があるのがトラーベンで、ヒューナーベルクはトラーバッハ側にあります。
川沿いではなく、奥に続く道(このサイドにも斜面の畑があります)を車で5分くらい進んだところに畑はありました。


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区画を買い増していき今はヒューナベルクの畑はミュレンの単独所有だそうです。
植えられえているのは全てリースリングです。この画像からは見えない頂上の奥のなだらかなところにもう少し畑があるのですが、この区画は畑名が異なり、植えられているのもシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)です。

ミュレンのラベルにもなっている、税をとるために畑をランク付けしている100年前のモーゼルの地図ではこの畑も赤くなっています。しかしその後は知名度はなく忘れられていた畑となっていたのですが、ミュレンがこの畑のポテンシャルに気づき、この畑から素晴らしいワインを作り出しているのです。
マルティンはヒューナベルクの畑が一番大好きだと言っていました。自分の畑の中での辛口ワインではここが一番好きだそうです。気候も土壌もも斜面の向き(南向きです)も自分が理想とする条件に合っているそうです。
パラディースの畑は川に近い、シーファーが大きい、石の色が赤い、などというようなことで温度や保湿効果がヒューナベルクとはかなりこと異なります。こちらのほうが直線的で豊かな果実味があり、個人的にはパラディースの畑からは完熟したぶどうによる甘口のシュペートレーゼが好みです。


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このような灰色と青色のシーファー(粘板岩)の層ががぶどうの樹の下の1メートル以下に広がっています。
シーファーの質はやわらかくもらいそうで、左側の地面の上にあるように細かくなっているそうです。
急斜面ということも加えて水はけがよい地質ということになります。


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上まで歩いていき色々と説明してもらいましたが、近くに来ると本当に急斜面で登るのは一苦労でした。
朝に霜が降りて濡れていたので、石の階段がないところを歩く時は歩きづらくて大変でした。
このような場所で日々作業をしていると思うと頭が下がります。


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畑に向かって見て右側の部分から特に高品質なワインができるそうです。特に画像のアーチの前後から毎年星付きのシュペートレーゼ・トロッケンを作っているそうです(同じ畑でも質により区画やぶどうの状態によりそれぞれ別に醸造をしていて、同じシュートレーゼでも星をつけることによってランク分けをしています)。いつも決まった区画で分けているのではなく、その年ごとにぶどうの状況を判断して区画を分けているそうです。


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上で紹介したランクの高い高価なワインになるぶどうの区画には、樹齢80年から90年でフィロキセラの害を逃れた接ぎ木をしていない自根の樹もまだ多く残っています。

下の区画には樹齢がまだ10年から30年の若い樹も植えられているのですが、意図的に若い樹のぶどうと樹齢50年以上のぶどうを混ぜて醸造してリリースしているワインもあります。A&JというものでAlt古いとJung若いを意味しています。


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倒れていた樹を戻して添え木に結びつけていました。
ミュレンでは枝を横に延ばさずまっすぐ縦に伸ばしていました。


毎回思いますが畑に来てわかることがたくさんあります。
そして造り手の説明を受けると今まで飲んだこの畑のワインについても理解度が深まります。だからこういう味わいなんだ、などと納得することがあるのです。
そして、この畑にいること自体がうれしそうで常にニコニコしていて、そんな彼からいろいろと詳しく説明を受けているこの時間はとても貴重だし素晴らしくそして幸せな時間だと思えました。
私自身もヒューナーベルクの畑のワインへの思い入れが強くなった畑への訪問となりました。


今後もヒューナベルクの畑のワインは積極的に入れる予定です。
現在は数本だけ2009年のシュペートレーゼ・トロッケン*の在庫があります。このワインはミュレンのトロッケンの中で一番高い価格のワインになっています。ミュレンが理想とする最上の質に値するワインということです。VDP加盟醸造所のグローセス・ゲヴェックスにも引けをとらない素晴らしい質のワインです。
ヴァインベルクでは毎回このシリーズのワインを輸入していて、2012、2009として入荷して、次回の輸入では別のヴィンテージのものを仕入れる予定でいてすでに確保してもらっています。これ以外にももう少し安価なヒューナーベルクのワインも仕入れる予定でいます。


次回はミュレンの醸造所での試飲のことなどについて書いていきます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 18:12| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする