2017年03月03日

クナウス来日での総括 真摯にワイン造りに取り組む彼から感じたことなど

クナウスの当主アンディが来日し5日間一緒にしました。その中で彼のことや彼が造るワインのことをより知ることができ、その中で感じたこともたくさんありました。そういったことを少し書きたいと思います。

まず、彼のワイン造りのスタイルですが、オーガニックの栽培ということはキーワードになります。彼がオートストリアで勉強と研修をした2000年代後半からオーガニック栽培に転向し始めます。そして来年にはEUのビオ認証も取得予定だそうです。ビオロジックによる栽培をしています。
ビオのグループの認証はとらないの?と質問したらそれは自分にとっては意味がないことだ、という答えが返ってきました。ブランドは必要はなく、ビオ栽培であるということがわかればいい、という姿勢が伝わってきました。

クナウスでは亜硫酸無添加のトロリンガーなども造っていて、いわゆる自然派ワイン、ヴァン・ナチュールの手法にもチャレンジしています。昨年クナウスを訪れた時には、この傾向が今後強くなっていくのでは、と感じ、今の彼のワインが好きなので、今後変わっていくとなるととヴァインベルク店主はちょっと不安になっていました。
今回の来日で色々と話を聞くと、亜硫酸無添加などのワインは、生産量の10%程度で、自分はそういうワインも好きだがこれ以上その割合を増やすことはない、とのことでした。醸造所全体としてその方向を向くのではなく、一部分としてやっていること、そして今後もチャレンジは続けていくとのことでした。
亜硫酸無添加のワインは、トロリンガーが一番リスクが少なく、アメリカで人気があったりデンマークのレストラン、ノーマでもこのトロリンガー Without allはオンリストされていて、軌道に乗っています。
レンベルガーも2015年産からは、トロリンガーよりも生産量は少ないけれど販売を開始したそうです。リースリングは、今までもチャレンジしているけれどなかなかうまくいかずに難しいとのことです。2016年産はクヴェウリのような容器で熟成させているそうです。

アンディと話していて感じたのは、ブランド力を高めるなどマーケティングを考えてのワイン造りをしているのではなく、彼の造りたいものを純粋に追い求めて造っているということでした。彼との会話からはそのことを強く感じました。
品種や質ごとに樽の大きさを変えて発酵、醸造をしていたり、新樽も一部使っていたりするのは、純粋においしいワインを作りたいために考えてのことだということがよくわかりました。また、彼は勘が鋭くセンスがよいので、これらのやり方がいい方向に向かっているということも感じました。
彼はワインが大好きで、ワイン造りに全てを捧げているといっても過言ではないと思いました。
アンディは冗談をたくさん言うし気さくな人柄なのですが、ワインの会話になるとスイッチが入り雰囲気が全く異なり、そして自分のワインについて熱く語ります。

アンディが一番好きな品種はレンベルガー(オーストリアではブラウフレンキッシュと呼ばれる品種)です。クナウスでは他のヴュルテンベルクの醸造所同様に赤ワインの比率が高いのですが、その赤ワインの中でも栽培面積のの3分の2程度がレンベルガーだということは驚きました。でもたしかに、軽やかだけど濃さもあるG、より凝縮感のある、濃厚だけれどなめらかさもあるR、と全くキャラクターの異なるワインを造ることができなおかつどれも素晴らしい品質なので、重要な品種ということはよくわかります。シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)とは異なる魅力があり、年々注目度も上がっている品種で、これからもっと話題になってくる品種だと思っています。
ヴァインベルクで扱っているレンベルガーGは、同価格帯のピノ・ノワールよりもクオリティが高く、様々な用途でお飲みできるタイプで、実際かなり売れていて手ごたえを感じています。

一方、ヴュルテンベルクではトロリンガーも多く飲まれていて栽培比率はレンベルガーと同じくらいなのですが、こちらはクナウスでは赤ワインの10%程度だそうです。とはいえ、タンブラーでがぶ飲みするようなワインになる少し残糖あるタイプのトロリンガーが多い中、トロッケン(辛口)仕立てのトロリンガーは他にあまりなくそしてクオリティがとても高いです。以前からヴァインベルクのお客さんではこのトロリンガーSの人気は高かったのですが、今回の来日で色々なタイプの日本食と合わせましたが、このワインと日本との相性の良さが証明される結果となりました。全体としての生産量は少ないですがヴァインベルクとしては毎年一定量を確保して輸入したいと考えています。

彼と、どっちのワインがより好みか、などというやり取りをしていたのですが、少しずつ好みがヴァインベルク店主と異なることがわかりました。とはいえ、それはどちらかといえば、という話で、どちらもクオリティが高いのには変わりなく、少しずつ好みが異なるからこそ、幅広いタイプをヴァインベルクとして輸入して販売できている、ということを考えました。全く同じ好みだと傾向が似てきて狭くなり、たくさんの人に気に入ってもらえるのは難しいのかも、と思ったのです。
ワインに対する考え方やとらえ方の方向は一緒で、その中で好みが少し違う、ということはヴァリエーションをもたせるためにも良いことだと思っています。
ヴァインベルクが取引している造り手(定期的に取引しているのは7か所)はそれぞれ好みや考え方が少しずつ違うので、そのことがヴァインベルクの商品の幅を持たせている、ということもこのことで考えたのでした。


今回の来日はヴァインベルク自身にとってもとても勉強になり良い経験となりました。
ワイン会の参加者からの質問では今まで聞いたことがない話も聞けましたし、彼の姿勢や哲学という部分もよい感じることができました。
ずっと一緒にいると彼自身の人柄がわかってくるのですが、けしてとてもいい人とは言えない部分があったりと、そういうところも見えたのはよかったなあと思いました。
タイプが似ているというのはお互いが感じていて、今後の交流もうまくいくのではと思いました。

彼は日本をとても好きになってくれたので、またみなさんとお会いする機会があると思うので楽しみにしていてください。

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クナウスのワインの魅力がわかる6本をお得な価格でセットにしました。
2014と2015年のリースリングG、GとS、格の異なるレンベルガー、Sと亜硫酸無添加のトロリンガー、それぞれ2種類で比較できる内容としました。このセットのみの解説も添付します。

クナウス6本セット ヴァインベルク3周年記念 14,500円



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ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com

posted by ヴァインベルク at 17:15| 醸造所紹介 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする