2018年05月16日

ワインの時間、熟成について need time

今回はワインの時間、熟成の話を少し。
ワインをある程度飲んでいる方は、熟成するとテイストが変わってくる、というのは当然おわかりだと思います。といっても、どのワインでも寝かせれば良くなるというわけではないし、長いほどいい、というわけでもないということを。
今回は10年、20年という話ではなく、もっと短い時間軸での話です。大まかに分けるとボトリングのタイミング、ボトリングしてから1年くらいの違い、数年経ったワインの違い、ヴィンテージによる飲み頃の違い、というような内容です。
どう変化するのか、というのは、ワインによっても異なるので、その説明は今回は省き、飲み頃という言葉でまとめています。熟成ということについては奥が深いので、一度での説明は不可能ですので。

ドイツワイン業界の傾向として、出来上がったものはすぐに販売する、という傾向があります。たとえば、前年に収穫したものは、翌年3月、4月ごろにボトリングし、4月、5月から販売開始、というのが大半です。ドイツでは、フレッシュなものを好む傾向が多いからか、他の国よりも少し販売開始が早いのではと思います。テーブルワインのタイプでは、ボトリングしてすぐに販売しても少し経ってもそんなに変わらないのですが、ヴァインベルクで扱っているタイプの上質なワインでは、ドイツでは販売開始は少し早いなあと感じます。前のヴィンテージが残っていても新しいものから売れていく、というのもドイツならではの現象かと思います。そういう状況なので、3月、4月の試飲会でも出来立て、もしくはまだ樽に入っているワインがバンバン試飲に出ています。
しかしその状況で魅力がわかるワインはそう多くはありません。もう少し経ってからでないと魅力がみえてこないワインがたくさんあります。

こういうような話をヴァインベルクが取り扱って醸造所に行くとよくしています。
時間が経たないと自分のワインもよさがわからないということを。
ステンレスタンク、人工酵母での発酵だと、発酵が終わるのが早くボトリングも早くでき、おいしいと思えるタイミングも早い傾向にあります。しかしゆっくり発酵させ、少し経ってから飲むべきワインを作っている、とだいたいのところは話します。
ただ、そのタイミングも、造り手や産地によって考えが違うのも面白かったです。モーゼルではそう話している造り手でも3月、4月に大半のワインはボトリングが終わっていたり、他のところでは4月終わりに訪れてもまだ大半はボトリングをしていない、と話していたのです。遅めといっても最適なタイミングはそれぞれが異なるのです。

モーゼルのベルンハルト・アイフェルは青いシーファーと赤色のシーファーの畑を持っているのが、赤色のシュバイッヒのワインはボトリングしてから1年以上経ってから飲むべき、と言っていて、ヴァインベルク店主もそう思っています。
ドイツのグーツヴァイン、オルツヴァインクラスの低価格帯のトロッケン(辛口)はなるべくボトリングした年にフレッシュなうちに飲むべき、と日本でのドイツワイン好きの方も言っている方がいます。ただし、全てがそうではない、ということを知っていていただきたいです。

また、すでに日本で販売している2016年産を醸造所で飲むという経験も何種類かしたのですが、現地で飲んだほうがフレッシュな傾向にありました。劣化ではなく、移動で揺れていたりするので熟成が進んでいるようです。
なので時間が少し必要なワインも、日本で販売しているほうが、飲み頃に早く達しているということもある、というのを確信したのも今回のドイツでの収穫でした。


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先に書いたように、ドイツでは最新ヴィンテージがすぐ売れる傾向にあるのですが、数年経ってから飲んでほしいと思っている造り手はたくさんいます。甘口でなくてもGGなどの上のクラスの辛口ワインでも少なくとも3年くらい経たないと魅力がでてこないのでは、というワインがたくさんあります。
アールの造り手は、試飲会では最新ヴィンテージを出すけれど、前のヴィンテージはたくさんストックしているし、想いとしては数年経ってから飲んでほしいと言っていました。
そして後半は2014、2015のヴィンテージを中心に試飲していきました。
その中でも興味深かったのは、2014年のほうが今飲んでほしいと思うものが多かったことです。ヴィンテージの特徴として、2015年のほうがもっと時間が必要という印象だったのです。一つの考え方だけで見るのはよくありませんが、良いヴィンテージと言われるほうが飲みごろになるまで時間がかかる傾向にあるのです。


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モーゼルのマルティン・ミュレンでも同じような考えで、すぐに販売せずにストックしておくワインがたくさんあります。中には1990年代のワインもあります。
そのため前のヴィンテージのワインもたくさんあるので、一年でも畑、味わい、格付けごとにたくさんのワインを作っているので、その時にリリースしているワインの種類は膨大となり、このような量の試飲をすることになります。これでも販売中の全てではなく、当主のマルティンのおすすめだけを試飲しています。


このように、何にしても時間が必要なのです。複数の造り手でneed timeという単語が出てきます。時間が経てさえすればいいワインになるというわけではないのですが、発酵、ボトリング、その後の熟成、と商売ではなく質を追求するために時間を遣う考え方をしている造り手のワインは質が高い傾向にあるのは間違いないと思います。


次の記事でこの投稿に対しての補足を書いていますので、そちらもあわせてお読みいただきたいです。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



posted by ヴァインベルク at 20:47| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする