2018年05月18日

時間と熟成の話 少し補足です

前回、ワインの時間と熟成のことを書いて、いいワインになるためには時間が必要、と書きましたが、もう少し書いたほうがいい、というようなことがあるので少し補足という形で書いていきます。


ドイツワインの白ワインはリースリング、ジルヴァーナー、ヴァイスブルグンダー(ピノ・ブラン)など、さわやかできれいな味筋のタイプが多いので、他の国に比べて木樽に入れている時間やボトリングのタイミングが早い傾向にあります。複雑みをそこまで必要としないからです。そういうこともあり、ドイツは販売開始が、高品質なワインを造っている生産者でも早い傾向にあるのです。
その中でも、深みや複雑みが必要だから、樽に入れている時間を長くする、ボトリングしてもすぐには販売しない、と考える生産者もいるということを前の投稿では書きました。


ドイツでは収穫した翌年の春ごろから販売を開始するのが一般的、と書きましたが、そのことについてももう少し。
シュペートレーゼ以上の等級(辛口も含む)は3月1日以降に販売、と定められています。それでも3月はまだ早すぎると感じます。
そしてVDPの新しい格付けの辛口の最上級グローセス・ゲヴェックス(GG)に関しては、9月からの販売というルールがあります。
いいものには時間が必要、というのをしっかりと表しています。ただ、質のいい上級クラスのワインは9月でも飲むには早すぎます。たいていのワインは翌年から2年は最低でも待たないと、というワインが大半です。


ボトリングや販売時期に関しては、白ワインを前提に書いていました。
赤ワインの場合はもう一度樽で熟成させてから販売するのが基本です。例えば今年で新酒試飲会という場合には、白は2017年産、赤は2016年産が中心となります。タイプによってはグーツヴァインクラスでは2017年産を夏ごろから販売している例もありますが。
先のGGは白よりも1年先の9月に販売開始となります。


新酒試飲会では、最新ヴィンテージではなく、1年前のワインを中心に提供しているところもあります。そういうところからも造り手の考え方、自時間を必要とするワインを造っている造り手、というようなことを推測することができます。
もちろん新しいヴィンテージを出しているところでも、低価格帯はフレッシュなもの、高価格帯は熟成させてから飲んでもらい、と考えているところもあります。例えば上のクラスだけでさらに2年以上経過しているワインを出展している醸造所もあります。


ボトリングされてからの熟成の話も少し。ドイツの甘口は3年から5年くらいは寝かせてから飲んだほうがいい、という話を聞いたことがある方ももいらっしゃいました。深みや広がりが出るのがだいたいそれくらいからのワインが多いからです。辛口はもう少しスパンが早い傾向にあります。なので半年、1年待っただけでもかなり変化し飲み頃になっているということも多々あります。なので、その半年、1年を待つだけで違う、ということを伝えたかったのです。前の投稿や先にも書いていますが、辛口ワイン(白も赤も)でももっと数年、5年、10年寝かせるべきワインもたくさんあるということも忘れてはいけません。
また、甘口ワインに関しても寝かせればよりおいしくなるかというと、そうではない場合もあり。ヴァインベルクでも1、2年しか経っていない甘口ワインも取り扱っていますが、フレッシュだからこそ甘みとのバランスがいい、というワインもあることも書いておきます。
そして、熟成をさせると、予想を超えた、素晴らしい味わいになることもある、ということも付け加えておきます。熟成は、予定調和にはならない、というのも、ワインは自然の産物だからこその魅力、楽しみです。

日本に輸入すると少しだけ時間が進む、と書きましたが、輸入されてすぐのワインは、長期間の移動で揺れたりしているので状態が安定していないないので、現地で飲んだものとは全然異なると感じた経験がある方もいらっしゃると思います。日本についてから3週間から1か月くらいは落ち着かせると、本来の良さが見えてくるワインになると思います。その状態が、現地で同じ時間が経過しているものよりも少し熟成が進んでいる、という話です。
こういうところでも時間が必要なのです。インポーターも商売優先だけではなく、質のために時間をかける必要があります。


時間や熟成の話は、例外があったり、細かい話をしなければいけない系統の話ではあるのですが、need timeというのは質の良いワインにはキーワードになるということは覚えておいていただきたいのです。


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写真がないのも、ということで一枚だけ。
モーゼルのベルンハルト・アイフェルの新しいケラーです。前のところから全てを移動しているのですが、昨年収穫したぶどうがまだ樽に入っていたり、2017年産だけでなく複数のヴィンテージのワインがストックされています。画像のバリック樽にはヴァイス、グラウ、シュペートとブルグンダー系の品種が入っていて熟成させています。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 21:31| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする