2018年06月10日

田崎真也ワインサロンでのドイツワインセミナーの様子とまとめ

先日、愛宕山の田崎真也ワインサロンにてドイツワインのセミナーの講師をしました。
以前このスクールの講師の方と知り合う機会があり、ヴァインベルクのワインとヴァインベルク店主のドイツワインへの熱意を気に入ってくださりオファーをいただきました。
通常の講座とは別の6回のオムニバスセミナーとしてそれぞれの回でひとつの国をフィーチャーしたセミナー、という形でそのドイツの回を任せれました。
打ち合わせに伺った時に3人の講師の方と話をして、通常の講座では話しきれないことがたくあるからこういったセミナーを企画した、自由に話してもらってよい、ということをお聞きしたので、自分の好きなように内容を組み立ててやらせてもらいました。

2時間という限られた中でドイツワインの魅力を語る、というのは非常に大変なことなので、できるだけポイントをおさえようと考えました。祖幅広いワインを飲んでもらって良さを知ってもらうこと、そしてそれらのワインがなぜよいのか、どう違うのか、という方向で内容を考えました。

主に話したのは、
ドイツワインの特徴 中小規模の生産者が多い、白と赤の比率、辛口系が増加していることとその理由(ぶどうが容易に熟すことができようになったことと需要によって)
ドイツワインの品種 リースリングとピノ・ノワールが核になっていること、それぞれの地域での重要な品種がある、交配品種は栽培面積が減ってきて国際品種が増えてきていること
土壌の影響 ワインにおける土壌の影響、産地が異なっても同じ土壌だとキャラクターが似ていることなどによる土壌の重要性
格付けの話 プレディカーツヴァイン(カビネットやシュペートレーゼなどの等級)から辛口の場合はブルゴーニュのような格付けに変わっていること、それらが混在している状態
酸と甘みの関係 トロッケンやファインヘルプの説明、残糖だけでなく収穫した時の糖度も味わいの感覚に影響、同じ残糖でも酸や複雑みによっては甘く感じるかは変わる
ビオ、ヴァンナチュール 大半の良質なワインを造る生産者は減農薬(ほぼビオ、大半がビオロジック)、認証をとる、とらないの理由、どういうタイプの造り手、ワインがあるかの説明、それらに見える思想と商売、

ドイツワインのことを知っている方は、これだけのことを話すのに90分では足らないことはお分かりいただけると思います。
それぞれのことの細かい説明(品種の特徴やそれぞれの地質の説明など)は省いて、こういうことがドイツワインで重要、こういった要素があって違いによって変わってくる、ということをまずは知っていただければという内容にしました。
産地の話は、それだけでかなり時間をとってしまうので今回は省きました。土壌の話の中で、産地ごとの気候などの条件も大事、同じリースリングでも産地でキャラクターが異なるのは土壌が異なるから(モーゼルのシーファーを例に)、というようなことで産地のことにもふれていく形にしました。
こういうやり方をやっていると、テイスティングも含めてですが、産地ごとで紹介していくより、テーマがありながら色々なワインを紹介していくほうが、知識でも感覚でもドイツワインのことをよりわかっていってもらえるのでは、と考えるようになっています。

色々な話をするのでうまく伝わらない可能性もあるし、話す中でも話し忘れることがある可能性もあると思ったので、伝えいことはレジュメにしっかりと書く形にしました。細かく書いてあることもセミナーを聞いて読み返すとわかりやすい解説になっている、というような内容を目指しました。その枚数はデータなどなしで(データも読み解くだけで時間がかかるので)、文だけでぎっちり6枚となりました。

スクールに通われた方などは、ブラインドテイスティングでペトロール香を感じたらリースリング、と認識している方が多く、でもドイツの大半の若いリースリングからはペトロール香は感じないのですが、ドイツのリースリングの若い健全なワインの大半いはペトロール香はない、とレジュメに書きました。その理由はセミナーの中で話したかったのですが、そこまで話す時間がなかったのは残念でした。
ペトロール香は暑くて水がない時などにぶどうが生成する物質で、ドイツでは今のワインにはほとんど出ないのです。ただ、モーゼルのシーファー土壌では出やすかったり、わずかにあるものが熟成すると前に出てくる、ということはあります。


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定員はこの一番大きい部屋でのちょうどいい人数ということで40名ということになったのですが、20人から30人集まればいいかなと考えています。しかしおかげさまで40人の方にご参加いただけました。うれしい限りです。
ヴァインベルクとしても告知はしていたのですが、結果的には面識のある方は10名程度でした。とういうことはその他の方々の大半は、ヴァインベルクのことは知らないけれどドイツワインに興味がある、という方々なので、そういった方たちにドイツワインの魅力を話すセミナーができるということはとてもうれしいことで、より気合いが入りました。


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ブログでは、参加者の顔が写っていない写真だけ載せます。
参加者は、6、7割が女性でした。

プロジェクターではパワーポイントでデータや文を載せるのではなく、画像だけを映すようにしました。
醸造所や造り手と一緒に畑を訪れた時の画像で、それらを使って先の内容の話の説明をしたり、試飲されているワインの説明をしたりしました。
アンケートでは、生産者の話が聞けて良かった、という声もいくつかありましたので、難しい話だけでなく、生産者とのエピソードをはさんだりするやり方は正解だったと思いました。


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ワインは10種類です。ワインスクールのセミナーとしては種類が多いです。全てヴァインベルク輸入のドイツワインです。
色々なタイプがあることをお知ってほしい、飲んでみてほしい、ということで、相談の上承認を受けて10種類となりました。
ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングは格付け違いの2種類、ファインヘルプ2種類、甘口シュペートレーゼ、赤が4種類です。

テーマをどうする、という時に、わかりやすほうがいいということで、より深くほしいということでのリースリング、かなり質がよくあんっていることもあり紹介したかた赤ワイン、にしました。
そのため、白ワインは紹介したいワインが色々とある中で、リースリングを5種類にして、その中での多様性を感じてもらうようにしました。ソーヴィニヨンブランは、ドイツでも増えている品種で、珍しいわけではなくいいワインが作られているということを知っていただくためにクナウスのソーヴィニヨンブランを選びました。
赤は幅広さとヴァンナチュールの話をしたかったので、ビオロジックのトロリンガー、同じ造り手のトロリンガーで亜硫酸無添加、リューデスハイムのピノ・ノワール(ラインガウ)、4種類ブレンドのフランケンの赤(終売となりました)を用意しました。


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一人ずつがこのような状態になりました。
ふと思ったら、410脚のワインを用意が必要なので、申し訳ないなあという気持ちになりましたが、参加された方々が喜んでいたのでよかったです。
どれもおいしい、と試飲の時間をとった時に複数の方から聞こえてきてうれしかったです。

試飲で感じたのは、これだけあると、この中の比較として、安価なものは埋もれがちになるなあと思いました。毛並みの違うソーヴィニヨンブランや甘口、亜硫酸無添加のワインは、感じやすかったとは思うのですが、今回のではファルツのリースリングのグーツヴァインが埋もれてしまったなあと思いました。それだけ飲めば、同価格のリースリング辛口の中では質が高いことがわかるのですが、そういった話があまりできなかったのを悔やんでいます。ファルツの典型的なリースリングといって出されるもう少し安価なワインは、酸があまりなくゆるいものが多いので、今回のようなワインが典型的なタイプ、というようなことも話したかったです。

グランクリュ、グローセスゲヴェックスのタイプのイエズイーテンガルテンは、若いながらもその魅力とポテンシャルを感じていただけたようです。
ファインヘルプは2種で、ファインヘルプの中でも違いがある、ということを感じていただく意図だったのですが、成功したようです。
ミュレンのヒューナベルクは少し甘く感じましたが、好評だったようです。アイフェルの自根のヴルツェルエヒテはこの日は少しご機嫌斜めなようでしたが、それでもポテンシャルは感じていただけたようです。
甘口シュペートレーゼはザールの酸があるタイプのファルケンシュタインにしましたが、甘口と酸、という感覚も感じていただけました。

赤ワインは、先にワインリストを配らずに4種類を提供してテイスティングしてもらいました。品種や価格といった情報なしに感じていただきたかったからです。
そして、ひとつだけ選ぶならどのワインか(食べ物と合わせたいというのありで)、価格ということでなくても一番質がよいと思うか、という2つの質問をして、それぞれのワインのどれかに手をあげてもらいました。
最初の質問は、トロリンガー2種がちらほら、ブレンドのロートヒューゲルは誰もあげず、ピノ・ノワールが大半、となり、2つめは、けっこうばらけていて、ピノ・ノワールに手を挙げていた方もブレンドのほうでけっこう手をあげていたのが印象的でした。
価格はリューデスハイムのほうが数百円高いのですが、ブレンドのほうがクオリティが劣る、というわけではないので、この結果はとても興味深かったです。2つめの質問はざっくりすぎてそれぞれの方での判断に差はあるとは思いますが。
好みという点では慣れ親しんでいるブルゴーニュタイプの赤でも、クオリティいという点ではボルドータイプのような濃い赤だと通常接することないようなタイプだと判断ができる、いいものだと感じるのかなあとも思いました。

赤は、慣れ親しんでいる系統のタイプのほうがいいのかなとも感じ、次にやると時はピノ・ノワール、レンベルガーで少しずつの違いを感じてもらうのがいいかなと思いました。今回はビオ、ヴァンナチュールの話もしたかったし、軽いけどしっかりしている赤、ということでトロリンガーを入れたのですが。


話して理解、というよりはワインを飲んでもらってそこから感じることの補足を説明、という方向をイメージしていたのですが、うまくいったのかなと手ごたえはあります。ドイツワインの多様性も感じていただけと思います。

アンケートでは話しなれていないなどの感想を書かれている方がいらっしゃいましたが、講座を専門にしているわけではないので、ふだんの講師の方たちと比較されてしまうともうしょうがないです。聞きやすく、ということは努力していますしこれからも向上させていたいとは考えていますが。
でもまあその分、熱意とワインでカバーできていて、アンケートでもドイツワイン愛や情熱が伝わったと書かれている方がたくさんいらっしゃいました。

2時間の講座でしたが、時間が短いと感じた方が多かったようです。色々と話したからなのですが、これでも考えてしぼりましたし、概要だけでも伝えるととらえ方の感覚が変わることは話しておきたかったので、配分はしょうがないかなと思いました。
土壌や格付けの話をもっと聞きたいということをアンケートに書かれている方も多かったですが。
これを機に、少しテーマをしぼってのじっくりと話せる機会があったらそういう時にご参加いただければと思います。

おおむね評価は悪くなかったようなので安心しました。ドイツワインのイメージをふくましてより理解するということに協力できたのはとてもうれしいことです。
こういった機会をくださったことに感謝しています。自分自身も成長できたかと思います。

教本や勉強する、という方向で入っていくととっつきにくいドイツワインですが、こうやって魅力を伝えていける機会がもっと増えるといいなあとあらためて思いました。
ドイツワイン、素晴らしいのです。

最近のブログの記事では、教本などにはあまり書いていないようなドイツワインの畑、醸造に関ししてのことを書いていますのでそれらもお読みいただけるとうれしいです。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com




posted by ヴァインベルク at 12:31| ワインのためになる知識 | 更新情報をチェックする