2019年01月14日

ヴァインベルクについての疑問、質問に答えます どういうワインを選んでいるのか?その3オーガニック、ビオ、自然派についてどう考えているのか?

今回も前回の続きの内容です。
輸入の際に、ワイン、生産者の醸造方法などは気にしているのか、ということについて書いていきます。

まずはビオについてのことを書きます。
ここ数年、ビオ、オーガニック、自然派ワインというワードはよく聞かれると思います。
それらがどういったものなのかということについて説明してだけでとても長くなってしまうのでここでは細かくは説明しません。
こういった造りをしている生産者、ワインは、そういうった部分を強調してアピールされていることが多いかと思います。わかりやすい違いになっているからです。

ヴァインベルクとしての考えは、農薬を使わないオーガニックの栽培により、その土地の個性がしっかりと表れているワインになるので農薬を使わないワインであることはとても重要な要素だと考えています。
ただ、ビオの認証があるかどうかは重要ではないと考えいてるのがヴァインベルクです。ビオの認証にはEUのもの、各団体のものがあり、規定もそれぞれ数値や醸造方法まで規定があったりとその範囲もさまざまですが、いづれにしろ規定をクリアする必要があります。ドイツワインの場合には、急斜面での畑作業などにより農薬を使わない作業というのはとても困難で、そんな環境の中で良いワインを造るためにできだけ農薬を使わないようようにして栽培している生産者がたくさんいます。ドイツワインガイドブックなどに載っている家族経営の生産者は大半はそういった造りをしています。ヴァインベルクが扱っている生産者もそうです。

その中で、モーゼルの急斜面の畑などでは、病害などが発生した時の対応はとても大変です。そういった際には農薬を使う場合もあり、リスクをさけることを考えています。そのがめビオの認証をとらない、という選択肢をとっていたります。減農薬とされるカテゴリーに入りますが、通常の使う量を減らしているというよりは緊急の時だけ使うというイメージです。ビオの認証をとっていたりビオを謳っている生産者の中には使用を許されているボルドー液を大量に散布しているところもあったりしますし、ビオであることは表面的には重要かもしれませんが、内側がちゃんとしていることが重要だとヴァインベルク店主は考えています。
実際にぶどう畑を訪れて草が生えている畑を見ていますので、その考え方には納得できます。そしてそれらのワインがビオの認証があるかどうかは関係ないことも感じられます。なのでビオの認証があるかどうかはヴァインベルクでは重要ではありません。丁寧に気持ちをこめて栽培をしていることが一番大切だと考えています。ヴァインベルクが取引している造り手も同じ考え方です。

ビオにはビオロジック、ビオディナミがありそれらは醸造の過程も影響し、それらは味わいにも反映されることがあります。
特にビオディナミの場合には、わりとそれとわかる特徴がでやすいです。ヴァインベルク店主はきれいでスーッと入ってワインが好みで、そういったワインには少し抵抗があり、そういったワインを造る醸造所は選んでいません。でもそれはビオロジックだから選んでいない、ということではなく試飲の段階でヴァインベルクのワインではないかなと感じるからです。亜硫酸を全く使わない、もしくは極力使わないで醸造している自然派の造り手のワインも同様なのでヴァインベルクでは選んでいません。
ただ、ヴュルテンベルクのクナウスは亜硫酸無添加のワインにも挑戦していて、試飲した時に、このワインはヴァインベルクで販売できるヴァインベルクらしいワインと考えたので輸入することに決めました(トロリンガーPURE)。なので亜硫酸を使っていないからだめ、ということでもないのです。でも亜硫酸を使わないことによって、ぶどう品種、土地の個性があまり出ていないワインになる傾向があるのでヴァインベルクでは好まないのです。
とはいえ、ヴァインベルクの取引している生産者は大量に亜硫酸を使っているわけではなく、最低限の使用に留めています。それでも少量でも使用することで、細菌などを抑えることができてテロワールを表現したワインとなるのです。ヴァインベルクでは亜硫酸の量は気にせず(多いと味わいにも影響しそういったワインは選ばないので論外です)、前回書いたようなやわらかい、やさしい、きれいでなおかつ内側に強さ、凝縮感のあるワインを選んでいます。

少しまとめると、ヴァインベルクはビオの認証をとっているから選ぶ、ということはせず、選んだ醸造所が認証をとっている、ビオ、自然派ワインでは既定の重要な要素となる亜硫酸の量も気にしていない、ワインとしていいと思ったものが亜硫酸が少ないこともあるしリースリングだと少し多めの場合もある、といったかんじです。

自然派、ナチュラルワインを強調して売られているワインよりも、ヴァインベルクのワインで、ピュアでスーっと入ってきて、これこそがナチュラルなワインだと思うことが最近あります。ヴァインベルクのワインで一番そう思ったのは、クナウスのレンベルガーの2017ヴィンテージですが、他のワインもきれいでピュアで、自然なワインだと思うのです。自然派ワインの定義などは別として、土地の個性がしっかり出ているこういったドイツのワインはヴァインベルク店主は自然なワインだと思っています。いい土地がありその土地の個性を最大限に生かせるような栽培、醸造を生産者がしている、これが最も素晴らしいことだと思っています。


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バーデンのフランケンシュタインの畑。ビオ認証は考えていませんが、基本はビオの栽培の減農薬です。


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ヴュルテンベルクのクナウスの畑。ビオロジックの栽培をしていて、今年か来年EUの認証を取得できる予定。それ以上の団体の認証の取得は考えていないそうです。
収穫されたぶどうの一部(15%くらい)は亜硫酸を使わない方法で造られています。


ビオのことだけで長くなってしまいましたので今回はこれで終わりにします。


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posted by ヴァインベルク at 21:43| ヴァインベルクについて | 更新情報をチェックする