2021年07月31日

アールでの洪水、取引先のヨステンウントクラインJosten und Kleinの状況とヴァインベルクとしての支援等について

アール地方の洪水による被害、時間が経つにつれ大変さを痛感しています。
ヴァインベルクではアールではヨステン ウント クラインWeingut Josten und Kleinのワインを輸入していますので、彼らのことを中心に現在の状況をお伝えし、ヴァインベルクとして考えていることなどについて書いていきます。

アールが大変と知ってすぐにヨステンウントクライン当主のマークにメッセンジャーでメッセージを送ったのですが、状況のわかる返事が来るまで3日かかったことからも事の重大さを実感しました。そして、彼の住んでいるマイショスMayschossがかなりやられているということを知って心配していました。
送ってもらった画像で見るマイショスの村は本当にひどいものですが、僕も訪れたことのあるマイショスにある彼の自宅は壊れていないとメッセージがありました。とはいえ間違いなく浸水はしていて、マイショスの被害は相当なものだったので現在も生活するのに苦労している状況です。

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ワインの醸造、熟成、保管をしているケラーは、アール川のマイショスより下流、アールヴァイラーAhrweilerの手前のヴァルポルツハイムWalporzheimにあります。
マイショスは孤立した状態となっていて、ヴァルボルツハイムまで通じる川沿いの道が通れるようになるまで一週間かかったので、彼はなかなかケラーの様子を見に行くことができませんでした。
洪水の数日後に彼の知り合いから、大変な状況という一報が入っていて、その後ここに投稿したような画像が彼のところに送られてきました。
ひどい状況ですが、全壊は免れていてワインが残っているようでホッとしているようでした。ワインは彼の財産であり生み出した子どもですので。

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その後、自分で確認しに行けての状況としては、多くのボトルが水に遣っていたが、割れたボトルはそんなにないとのことです。彼のところはステンレスタンクでの熟成よりも、木樽(主に300リットル程度のバリック)で熟成しているものが大半ですが、おそらくそれらの中身も無事だろうとのことです。
とはいえ、大変な被害ですので、元の状況になるためには相当な時間、労力、費用がかかります。そして、まだボトリングしていないワインが無事にボトリングされること、今年のぶどうを無事にワインにできることを心から願っています。
現在はケラーにて、パレットから崩れているワイン、水にぬれた箱から新しい箱に移しながら片付けをしながら、クリーンな作業、保管スペースを探している、とのことです。

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ここからはヴァインベルクとしての支援などについてです。

アールに対して僕らが何ができるかということで、一番最初に思い浮かぶのは募金かと思います。まわりのドイツワイン仲間も動き出しています。ワインオブジャーマニーなどドイツワイン関係の団体が、募金の窓口を紹介しています。
ヴァインベルクとして、どうするかを考えたのですが、アール全体にというよりは彼の醸造所ヨステンウントクラインを支援していく方向にしました。とはいえ小さいインポーターで取引先、顧客が多いわけではありませんので、募金を送金するという形の支援はしません。
現在輸入しているワインを購入していただくこと、そして輸入のローテーションをくずし出荷の準備ができ次第ヨステンウントクラインのワインをより多くヴァインベルクでオーダーし輸入する、という形で支援、応援したいと考えています。

ワインを飲んでもらうことが彼にとって喜びとなることがわかっていますし、資金も入ってることにもなるので助けにもなります。
アールとヨステンウントクラインのワインの魅力を知ってもらえることも、彼にとってもヴァインベルクとしてとても重要なことですので、この機会により多くの方にワインを飲んでもらえたらという想いです。長期的なことも考えると、アールと彼のワインのファンが増えることはとても大きなことというのもあります。

販売に関してですが、個人の方用には、ヴァインベルクのネットショップにて、村名ワインのピノ・ノワールとピノ・マドレーヌ(フリューブルグンダー)の2本による応援セットを企画しました。

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セットでなくそれぞれのワインを選んでご注文していただくのも大歓迎です。畑名ワインのラーヒャーベルクのピノ・ノワールも、エレガントでとても良いワインですので飲んでいただきたいです。現在販売している白ワインはミッテルラインの畑からですが、彼を助けることには変わりありません。甘口のリースリングもありますので、赤はちょっとという方もこちらを購入していただけるとうれしいです。
ヨステンウントクラインのワイン一覧です。セットもこの中にあります。スマホで閲覧される方はPC用に画面を変えていただくと各ワインの詳細説明もご覧いただけます。

彼のワインを購入された方には、通常の購入されたワインの解説の他に、「アールとは?」という解説を同封します。
セットのご注文でも同時に他のワインの購入が可能です。他の醸造所のワインと同時購入で、彼のワインが少なくても何も思いません。一本でもヨステンウントクラインのワインを購入していただけたらうれしく思います。

酒販店、飲食店のお取引では、マイショスのピノ・ノワール(上代税抜き4,500円)を一度に6本以上ご注文で、卸価格から5%引きます。わずかな額ですが、それでも少しでも敷居を低くして、より多くの方に飲んでいただきたいという想いです。
飲食店の多くは現在はお酒は提供できない状況かと思いますので、8月末まで適用、と考えています。条件、取り置き希望などに関しては、個別にご連絡ください。
メールアドレスinfo@weinbergwine.com

アールのワインは、この災害が起こる前から、もっと知ってもらいたいと思っていて、プロモーションに力を入れようと思っていたところでした。ワインの魅力ということだけでなく、小さいエリア、北の産地、赤ワインの割合という知識のみでアールを認識していて実際に飲んでイメージをしている方は多くないと感じていたことも、プロモーションしていきたいと思っていた理由の要因の中にあります。
バーデンやファルツなどのドイツの南の方の赤ワインとは異なる魅力があります。うすウマという系統で(主にピノ・ノワール、ドイツではシュペートブルグンダーと呼ばれている、が中心)、繊細さの中にも強さがあるワインです。
薄い、軽いというだけというのはひと昔前の話で、温暖化と技術の上達、赤ワインに対する経験の蓄積により、高品質な赤ワインがアールにもたくさんあります。
日本での販売価格が4,000円から10,000円程度のワインが本当に素晴らしく、そういったワインをもっと多くの方に飲んでもらいたいと思っていました。実際に飲まれたドイツワイン好き以外の方にも好評だったので手ごたえを感じていました。
支援、応援にもなりますし、この機会にアールを知った方にもアールのワインを飲んでいただきたいです。
下記の画像はマイショスの村です。穏やかでとても居心地の良いところだったのですが、一変してしまったと思うととても悲しいです。

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アール自体を応援していきたいので、ヨステンウントクラインのワインだけでなく、アールのワインの魅力を伝えていきたいと考えています。機会があればインポーターの垣根を超えた活動もしていきたいと思っております。
こちらにもアールや彼のワインのことを書いていきます。

アールの復興を願い、そしてより多くの方にアールのワインを知っていただけたら、という想いです。

ヴァインベルク代表
宮城



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


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