この春新しく輸入した醸造所のワインが入荷しました。フランケンのビッケル・シュトゥンプBickel Stumpfです。
2015年の冬にドイツに行く時に、今後輸入したい候補として挙げていてコンタクトをとって醸造所を訪問することとなりました。そして輸入することとなり今に至るわけです。
醸造所やワインの紹介はその2のところでするつもりですが、その前に醸造所のあるフリッケンハウゼンに2日間滞在した中の1日目の出来事を書きたいと思います。
話を伺って試飲をするという約束をしたの週末にはToscana meets Frankenというイベントを醸造所が企画しているのをVDPのサイトのイベントページで知っていました。当初はヴュルツブルクのイベントに参加するつもりで、フリッケンハウゼンでは日帰りの滞在を考えていたのですが、こちらのほうが面白そうという直感が働き、夕方にこの街に着きイベントに参加し宿泊して翌朝再び醸造所を訪れてあらためて話を聞きながら試飲をしました。
このイベントは、トスカーナ(イタリア)料理をフランケン(ビッケル・シュトゥンプの)ワインで楽しむという食事会です。地元の人を中心としたこの醸造所の顧客の方が参加されていました。この日は金曜でしたが、翌日も同じ内容で行われるとのことでした。

19時に醸造所の前に行くと参加者が集まっていました。テーブルがありそこで受付をしウエルカムドリンクを飲んで待つという形のようでした。セッコ(発泡ワイン)かグリューヴァイン(ホットワイン)を選べましたが、寒い中での屋外でしたのでホットワインを選びました。白でしたが、醸造所でホットワインを飲むのが初めてでしたが、クリアーでピュアな味わいでとてもおいしかったです。
しばらくすると、この醸造所を立ち上げた先代(今の当主のお父さん)が挨拶をし、それから中に入りました。写真の一番左に写っている方です。黒でびしっときめていてかっこよかったです。

会場はワイナリーの建物の地下にあるケラーです。500年前からあるそうです。
参加者は50人弱で、料理の提供など、裏では大忙しだったようです。一族総出(2家族)に加えて料理担当の方もいましたが、相当大変だったのがすぐにわかりました。翌日はさらに人数が多くて1階のスペースも使用したとのことでした。

メニューです。左が食事、右がワインです。ワインはウエルカムドリンクを除くと5種類でした。

前菜です。これだけでも量が多く種類も豊かで満足できたのですが、この後にパスタ(アラビアータ)、お肉、デザートとありかなり満腹になりました。ドイツでフルコースを食べるのは久しぶりで、あらためてドイツすごい、と思ったのでした。
最初のワインはTwentysix Weissです。トロッケンではなく残糖が少しあるのですが、こういったイベントで気軽に飲むにはとてもよいワインです。そして飽きずにずっと飲んでいられます。
2本目も同じシリーズの赤でしたが、こちらはパスタに合うワインいうふれこみです。でもアラビアータがとても辛くて、ワインと合わせるという次元ではなかったのが少し残念でした。その感想を翌朝伝えたら、料理担当の方に話をしていたので、翌日の会では調整があったかもしれません。

メインの豚肉です。付け合わせだけでもけっこうな量です・。肉がかためだったので完食するのに少し苦労しましたが、白(ジルヴァーナー)、赤(シュペートブルグンダー)の2種類のワインを飲み比べながら楽しめました。
この時出た2009年のシュペートブルグンダーを輸入することにしたのですが、飲み始めて30分ごろに一段と美味しくなりびっくりしたというのが決め手でした。いわゆるウスウマ系ですが、内に秘めている華やかさもありました。試飲だけだったらこのワインを選らばなかったかもしれないので運命だと感じています。

デザートの後にリースリングのアイスヴァインが提供されました。

若すぎるとは感じず、おいしく飲むことができました。他の産地と同様温暖化によりアイスヴァインを造るのが難しくなってきていて、この2012年に久しぶりに造ることができたという貴重なワインです。この後13、14もだめだたようですが、15は収穫できたという報告が各産地であるのでここも成功したかもしれません(この時はまだでしたが)。
さらっと書いていきましたが、19時に集合し、ここを出たのは日が変わった1時前でした。もっと遅くまでいた方もたくさんいらっしゃいました。料理の提供に時間がかかるからということもあると思いますが、誰も長いとは感じずこの時間を楽しまれていました。まさにスローフードです。

一緒の席になった方たちとも打ち解けて楽しい食事の時間となりました。
ギターを弾いたりituneで音を流しながら歌う方がいたのですが、それに合わせて大合唱したり、ご夫妻でダンスをしたり、と日本では見ることができない光景が広がっていました。ヨーロッパの文化を体感できた会でした。ヨーロッパの方はこういう会などで育児を終えた後の余生を楽しむ方が多いとのことでした。食事とワイン、だけではなくその会自体が楽しいことであり目的そのものであるということを感じることができました。
その楽しむ食事の中に自然とワインがとけこんでいることも素晴らしいです。というかそれが当たり前なわけですが。
こういった一般消費者向けのワイン会に参加するのはドイツでは初めてだったのですが、とてもよい経験をすることができました。長丁場だしハードではありましたが、ワインの存在意義のひとつに触れることができたかなあと思っています。
次回はこの醸造所について紹介していきます。