2021年02月14日

ヴュルテンベルクのクナウス当主とのZoomイベントの感想と補足

先日のヴュルテンベルクのクナウスの当主アンディとのZoom、参加されたみなさまありがとうございました!

Facebookの個人ページに補足などを2回に分けて投稿したのですが、一部カットし少し修正もしたものをこちらのブログにも記録します。
参加されなかった方でもこれを読むと、クナウスのワインを飲んでみたい!と思っていただけると期待しています。
最後に次回28日のzoomの内容も書いています。

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終わった後にアンディから、いい人だったしとっても楽しかった!というメッセージが来て、僕自身もうれしかったしホッとしています。
反省点もありましたが、アンディと参加されたみなさまにとっていい時間だと思ってもらえたことが何よりです。

質問コーナーによって、本編で伝えてきれていなかったことの補完になっているのもいいなあと思いました。 レンベルガーとトロリンガーに対する彼の想いを感じていただけたかなと思います。
トロリンガーを飲みながらやっていましたが、いいワインだなあとあらためて思いました。品種の特性、特徴がどうとかというのはどうでもよく、このワインの魅力を感じていただきたい、というワインです。

彼ら造り手は伝えたいことがいっぱいあるので本当にいっぱいしゃべるので、1時間という枠だと厳しいですね。かといって長すぎると聞き手も話し手も集中力がなくなってしまって、やったことだけに意味があるようになってしまうので、1時間では終わらないけれど、質問コーナーも含めて最大90分まで、というのがよいような気がしました。

前日雪が降ったそうで、外の景色を見せてくれたりもしました。マイナス15度までいったそうです。

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トロリンガーとレンベルガーについてはだいぶ伝わったかと思います。
トロリンガーは、典型的なタイプと彼のワインの両方を飲んでいないと、彼のワインがどう違うのかというのは伝わりづらいと思います。とはいえ、彼のトロリンガーは、ワインだけでも食事に合わせるとしてもとても魅力的で、他の品種にはないタイプでもあります。
レンベルガー(ブラウフレンキッシュ)については、僕からももう少し話したかったのですが、軽やかでなおかつ果実味豊かなタイプから、新樽で熟成させても負けないどっしりとしたタイプまでとても幅広い味わいで、なおかつどれも高品質なワインにすることができる品種です。日本ではまだは幅広いタイプが入っていないので、日本でしか飲まれていない方は、レンベルガーはこういうタイプと決めつけてしまっているかもしれませんが、色々なタイプがありそれぞれに魅力があるということをもっと知っていただけるようになればなあと思っています。
ヴュルテンベルクを代表するこれら2品種とシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)以外にもたくさんの赤ワイン用のぶどう品種が栽培され、単一でもブレンドとしても活躍しています。クナウスは作っていませんが、シュヴァツリースリング(ピノ・ムニエ)が素敵な造り手もあったりします。
ただの品種の勉強のためではなく、ヴュルテンベルクの幅広い魅力を知ってもらえるためにもっと色々なタイプが日本で飲めるようになればいいなあと思っています。ヴュルテンベルクがマニアックなんて言っている人は古すぎます。ドイツでのヴュルテンベルクのワインの立ち位置など現状を知らなすぎます。地産地消のワインというイメージも過去の話です。赤の地域という紹介もされますが、おいしい白ワインもいっぱいあります。

ビオの話は本当はもう少し丁寧にやりたかったのですが、あの時間内では無理なのでさらっとやりました。 有機栽培にしてこそ、テロワールも感じられる魅力的なぶどうの実がなる、というヴュルテンベルク、ドイツに限ったことではなく、当然の認識ですが、大量消費、そして農協(組合)が主流だったヴュルテンベルクでもビオの生産者が増えているという話があります。とはいえ2010年以降に増え始めていてまだまだファルツやラインヘッセンに比べれば少ないと思います。新しく始めるところは、モーゼルのように石の超急斜面ではないので当たり前のように最初から有機栽培でやるでしょうが。

クナウスのワインは認証取得済みのビオロジックでの栽培ですが、いわゆるビオっぽい(本来の意味合いでなく日本で使われている言い回しとして)風味や味わいはなく、きれいでピュアです。なので料理とも素直に合わせて楽しみやすいです。これは彼のワインの大きな特徴、魅力だと思っています。

ンベルガーはふだん何に合わせる?という質問で肉(主にダークミート)と彼は答えていましたが、それはその地域が肉中心の食事ということもあってのことであって、野菜や魚、和食にもとても合わせやすいのが彼のワインです。トロリンガーもとても幅広く合わせられます。白だと広範囲なのは珍しくありませんが、赤で万能なドイツワイン、というのはそうは多くなく、これも特出すべきことだと思います。

彼が造る亜硫酸無添加のワイン(全体の10%)は、思想も含めてのヴァンナチュール(自然派ワイン)ではなく、手法と味わいのカテゴリーとしてヴァンナチュールの部類になる、ということもあの中で理解していただけたかと思います。なので、自然派ワインしか飲まない人にはグッとこないかもしれませんが、頭でっかちな(言い方悪くてすみません)こだわりがない人にはとても好意的に受け入れられるワインなのです。ただ流行りにのって造ってみたというにではなく、彼のセンスと技術でクオリティの高いワインですので。


心から、クナウスのワインの良さを多くの人に知ってほしいなあと思っています。 格付け、評価の高い造り手とはまた異なる魅力、良さがある造り手です。販売のためにヴィンテージ違いも含めてたくさんの種類を輸入して、食事との相性も含めてじっくりと飲んでいるからこそそう思えるようになったのと思っていて、趣味のみだったら出会っていない、もしくは飲んでいても強い興味を持つには至っていない、というのが想像できます。

やはり飲んでみないと伝わらないことも多いので、クナウスのワイン(特に赤)をぜひ飲んでいただきたいです。 http://weinbergwine.com/22.html

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次回の2月28日日曜20時からのzoomは、この会でふれたことをもう少し深掘りしようかと考えています。 一度やりましたが、赤ワインについてやります。今回はぶどう品種のことを中心に話します。
加えてヴィンテージについての話もします。これは白も含めての内容です。ただ単にそれぞれのヴィンテージの特性、特徴の話というのではなく、ヴィンテージとは何か、なぜ重要視されるのか、みたいな話をします(ドイツワイン屋なのでドイツワインを軸に話していきます)。
セットは作りませんが、ぜひヴァインベルクの赤ワインを飲みながらご視聴していただきたいです。クナウスの赤でなくてもかまいませんのでご注文お待ちしております!


ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2019年03月31日

ファルケンシュタインHofgut Falkensteinのヨハネス来日その3彼の発言とその感想のまとめ

ファルケンシュタインのヨハネスの来日の様子、前回の記事ではワイン会の様子などを書きました。それらの会や二人で話していたことについて、みなさんにも知ってもらいたいという内容をまとめます。


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このように彼はワイン会などで熱く語っていました。色々なことを話してはいましたが、核となるポイントはそんなに多くはないのです。
また、お会いした方々から、ヴァインベルク当主と話す時は熱い口調ではない、ワインの話をあまりしていないと何人かの方に言われましたが、もうすでに彼のワインのへの気持ちは伝わっていいますし彼もそれをわかっているので、冗談を交えながら色々な話をしていました。とはいえ、二人の時には、けっこう真面目な深い話もしていました。


ファルケンシュタインという醸造所で最も大切にしていることは、自然に対して敬意を払い、そして尊重する、とうことだというのはワイン会に参加されたり彼と話をした方は感じたと思います。
自分たちは自然の営みによって活かされているということを忘れてはいけない、というのがファルケンシュタインを設立したヨハネスのお父さんの根本にある考えで、それはヨハネスにも受け継がれています。
そして、活かしてもらっているのだから、遅霜や雹、雨、日照不足によるカビや病気が発生しても、自然を恨むのではなく、その中でどうしていけばいいか考えるだけだ、というように話しています。
温暖化は天候の変化というマイナス影響だけでなく、ぶどうは熟すようになって毎年クオリティの高いワインが作れるようになったプラスの面もあるのですが、暑すぎてこれから彼らの求めているスタイルのワインが造れていけなくなる可能性もあります。そうなっていってもテクニカルな部分でどうするというのではなく、環境の変化を受け入れて自然の最良の状態を表現できるようなワインにしていきたい、と彼は語っていました。
また、醸造の技術によってではなく自然が表現されたワインにしたい、というのも先の考えによるものです。そのため畑の個性やヴィンテージのによる違いがワインに表れています。どのワインも、軽やかでローアルコールでなおかつ酸による骨格のあるきれいでピュアなワインではあるのですが、ちゃんとそれぞれに個性が表れているのが、そういった考えによるものだということを感じ取れます。けして醸造によって自分たちの思う方向に向けるということをはしていない、というのも今回どの会でも話していました。彼らのワインは収穫して果汁となったワインは1000リットルのフーダーの木樽に入ったら、自然酵母によって発酵され、発酵が止まりワインが出来上がるまでは人の手は加わっていないのです。
また、リースリングは自根も含む大半が樹齢50年以上の樹のぶどうで造られているので、テロワールも含めて恵まれているので、人が介入しなくても、しっかり栽培し(オーガニック栽培です)、良いタイミングで収穫し、いい実を選別して選んでさえすれば、良いワインとなるのです。と単純そうだし簡単に見えることですが、実は難しいことを当たり前に彼らは実践しているのです。
自然派ワインといったタイプとは異なる手法や味わいのワインですが、ファルケンシュタインのワインは自然なワインなのです。それはファルケンシュタインだけでなくヴァインベルクが輸入するどの醸造所のワインにも当てはまることではありますが。

自然を表現したワインにしたい、いわゆるテロワールが表現されているワイン、という考えのもと彼らのワインは造られていますが、息子のヨハネスが醸造所の中心になってきたこの数年からは、よりテロワールということを意識するようになっています。ファルケンシュタインのワインの大半はリースリングですが、リースリングは同じ畑名で同じ等級のワインが複数の木樽で出来上がっても、それらをミックスしてリリースするのではなく、それぞれ別のワインとしてリリースているのですが、ヨハネスはより細分化したエリアごとに分けてそれぞれ別のワインとしてリリースするようになっています。テロワールの少しの違いでもワインとして大きく異なることもあり、分ければそれぞれの個性が見えるので、そういったワインにしていきたいという考えです。混ぜたほうがプロモーションはしやすいのですが、量は多くなく取引先はほぼ決まっているので、好みのワインをそれぞれが選んでもらえればよいと考えているのです。自分たちの理想というだけでなく、販売先にもこのほうが良質なワインを提供できるということもあるのです。
100年前の地図では、今の畑名から最も細かく分かれていてそれぞれに畑名があるのがわかるのですが、その当時ですでに、それぞれのエリアに個性があるということがわかっていたのです。その部分をヨハネスもぶどうを栽培しワインを造っていく中で感じたからこそ、このやり方にこだわるようになりました。

また、すぐそばにはシャルツホーフベルクという世界的に有名な畑があります。有名になったのは長年良質なワインを著名な造り手が造ってきたからで、今はブランドとして確立している側面があります。
ファルケンシュタインの所有する畑は、著名な醸造所がほとんど所有していないためあまり知られていない畑です。しかし、オイヒャリウスベルクはシャルツホーフベルクの地質とほとんど変わらないそうです。今はブランド力はないけれどいい畑からいいワインを造っていくことが自分たちの氏名で、いづれは所有する畑も知れ渡ってほしい、と語っていました。といっても彼らはブランド力に頼らず今と同じワイン造りをしていくであろうことは容易に想像できます。
そして、もうすでに彼らのワインは、評論家やガイドブックで評価されています。彼らがいいワインを造ることによって畑の価値が上がっているのです。前回の記事でも書いた通り100年前には良質な畑とされていた畑も、20世紀にはテロワールを表現する造り手の良質なワインが造られていなかったので忘れられていた畑となっていたのを、ファルケンシュタインが復活させたのです。

自然を尊重してワインを造っているのですが、けして自然にまかしきりなわけではないのも彼らと話しているとわかります。自然を表現するためにできることはしているのです。果汁を絞ってから樽に入れる時にはストレスをかけないようにしたり、スクリューキャップではなくコルクににしてるのも根拠があったりと、より良いワインにするためにできるだけの努力をしています。そしてやり方は年々、変化、進化させより方向を目指しいているのです。彼らのワインはクラシカルなワインと表現されてますが、けして古い手法のままなだけ、ではないのです。
コルクは2015年産まではブショネが多かったのですが、メーカーを選んだり人の手で選別された少し割高なコルクを使用するなど、といったことから変化、進化ということを感じ取れるのです。

もうひとつ今回感じたのは、ヨハネスは熱く語りますが、それは情熱で勢いで話しているだけではない、ということです。それらの話にっは根拠や裏付けがあり、しっかり調べたり実証した上で話をしているのです。研究熱心で勉強家ということが今回よくわかりました。彼らのワインに関わることだけでなく、ザールやモーゼルのワインの歴史やまわりの醸造所のこともよく知っているのです。このことには少しびっくりしました。


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そういった彼らの想いや考え方をみなさまに伝えることはインポーターとして大事な役割だと感じています。彼らと接するほど、彼らの想いをしっかりと届けなくてはという気持ちになります。おいしいワインを選ぶだけではなく、そのことも重要だと考えています。
なので、今回多くの方にファルケンシュタインはどういった造り手なのか、というのを感じてもらえたことをとてもうれしく思っています。しして参加できなかった方のためにこうして文字として残しているのです。

上の写真からは二人の信頼関係も感じていただけるかと思います。ワインの話はたくさんしますが、それだけでないし冗談も言い合っています。この5年で、お互いを信頼し分かり合っている関係を築いていけたと思います。そして今回の滞在で長い時間一緒にいたので、よりお互いのことをわかることができました。このことは今度の関係の中でとても重要だと思いました。
彼らはいいワインを造り、それを私が日本で売る、それだけのことですが、信頼があることによる違いはあると思います。そして今後もみなさまに素晴らしいワインをお届けしていきます。



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2019年03月11日

醸造所訪問 ラインヘッセンのグッツラーGutzler その2リープフラウミルヒのオリジナルの畑見学と醸造所での試飲の感想

前回に引き続き、新入荷のラインヘッセンのグッツラーの醸造所を訪れたことを書きます。

前回は畑をまわった時のことと畑の話を書いていきました。
醸造所での試飲の話の前に、醸造所を離れた後に寄った畑のことから書いていきます。


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醸造所を離れた後に向かったのはヴォルムスWormsです。
なぜ、ここを訪れたかというと、グッツラーも所有しているリープフラエンシュティフト・キルヒェンシュトゥックLiebfrauenstift Kirchestückの畑を訪れるためです。
この畑はリープフラウミルヒLiebfraumilchのオリジナルの畑です。リープフラウミルヒと名付けられていたここの畑のワインの評判がよく、リープフラウミルヒの名前だけが自由に使われるようになり、まわりの畑でそれほど質のよくないワインでもリープフラウミルヒとして売り出され、イメージが悪くなってしまいました。
このオリジナルの畑はヴォルムスの街中にあります。まわりは住宅ばかりで他の畑は郊外にあります。
前にある高い建物が聖母教会です(この街の有名な大聖堂とは異なります)。この塔の影が届くところまでがリープフラエンシュティフト(聖母修道院の)キルヒェンシュトゥック(教会の区画)の畑とされていたそうです。
現在は塀に囲まれていて大部分はファルケンベルク社が所有して、その中の0.2ヘクタールをグッツラーも所有しているのです。


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この畑の後方、もう半分の部分です。
2000年代からこのオリジナルの畑を見直そうという動きがあり、ファルケンベルクもこの畑のぶどうはマドンナとは別のワインとしてリリースするようになりました(現在は独立して別会社が所有しています)。
土壌がよいというだけでなく、現在は栽培はビオ(オーガニック農法)に転向していて畑自体の改善も行われています。
ヴァインベルクで輸入しているこちらの畑から造られているリースリングのグローセス・ゲヴェックス(GG)のワインはこちらです。


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試飲の話に移りますが、この醸造所を訪れる数日目にはマインツのでのVDP試飲会で当主にはお会いしていて試飲もしていました。
奥さんと一緒の写真ですが、醸造所を訪れた時にもいらっしゃいましたが、このご夫婦の関係性がとてもよいのです。奥さんのほうが主導権をにぎっているようなかんじなのですが、やさしい旦那さんといいバランスでいい空気感のお二人です。

ということで、新しいヴィンテージは一通り飲んでいたので、醸造所では試飲していないものを中心に飲みたいと伝えていて、試飲していたいものでは輸入する可能性のある気になっているものだけもう一度試飲をさせてもらいました。
まだ試飲していないものでは前年のヴィンテージだけかと思っていたのですが、自根のアルテレーベンのジルヴァーナー、リースリングとシュペートブルグンダーのグローセス・ゲヴェックス(辛口の最上級の格付け、GG)が在庫のあるヴィンテージがいくつかあるそうで、複数のヴィンテージのを試飲することができました。

ジルヴァーナーは、最近のヴィンテージは木樽で発酵、熟成で、以前はステンレスタンクでの発酵、熟成で、年の熟成感だけでない違いも感じることができて興味深かったです。
2017年はかなり樽の風味があり、これはこれでいいかなとも思ったのですが、数量が少ないということもあり、結果的にはぶどうの魅力をより感じられる2016年産を輸入することにしました(こちらです)。

リースリングのGGは、モアシュタインとキルヒェンシュトゥックは全くキャラクターが異なるのでどちらも入れたいと考えていて、それぞれの気に入ったヴィンテージのものを入れることにしました。
モアシュタインは、他の著名な醸造所のGGもありますし、グローセスゲヴェックスらしい高貴さのあるものを入れたいと考えていて、試飲した中で一番若かったのですが、自分のイメージに近かったので2016年のを輸入することにしました。熟成しての良さよりもヴィンテージによるぶどうの質で若い2016年を選ぶことにしました(こちらです)。
キルヒェンシュトゥックは、おととしに2014年のを空輸で少量入れていてその時にも感じていましたが、やわらかい味わいで、GGというイメージにとらわれないほうがよく、このリープフラウミルヒのオリジナルの畑の特徴が出ているワインを選んだほうが良いと考えました。飲んだ中では一番時間の経過していた2012年産が、まろやかさや深みがあったので好みだったので、このワインを輸入することにしました(実際には一本持ち帰って日本であらためて飲んで輸入する決断をしました)。

赤のシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)はモアシュタインとブルンネンホイスヒェンの畑のGGがリリースされているのですが、どういう方向のを入れたいと意志はなく試飲していきました。色々なタイプがありとても興味深かったのですが、どれか一種類となると濃さと深みがあるほうが良いかなあと思い、現行で販売できるワインとしてなかなか見つけることができないタイプの2010年のブルンネンホイスヒェンを選ぶことにしました。樽、ヴィンテージ、ドイツワインだから、という前置きが必要ない、このワイン自体の良さを感じてほしいなあと思えるワインでした。量は多くはないけど在庫はあるとのことで、少量ですがこのワインを輸入することができました。
モアシュタインの赤も魅力があるので次回は輸入できたらと考えています。


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というわけで、気がつけばGGだらけでこような試飲のラインナップになっていました。
ラベルが異なるのは、赤の入っているラベルはラベルが変わる前のヴィンテージ(おそらく2013年産以前)です。
こんなに開けてくれて申し訳ない、と言ったら、自分(当主のミカエル)も試してみたかったから、という答えが。ただ、途中で顔を出した奥さんは、開けすぎだ、というオーラを出していました・。
熟成してこそ魅力のあるワインにという意図でワインを造っているので、意図的に一定数は売り切れない残しているそうで、ヴァインベルクとしてもそういうワインを輸入することができてよかったです。一概には言えませんが、バリック樽を使用していて樽の影響が強めのワインは熟成させたほうが良さが出てるので、彼の考え方には共感できます。

GGは特にヴィンテージでの味わいの差が大きかったのですが、栽培の段階を重要視しているので、気候などの影響によるぶどうの違いがワインにも表れているためです。バリックということが特徴のひとつになっていますが、色々なヴィンテージを飲んだからこそ、彼がぶどう自体の、自然ということを大事にしているのがよくわかりました。

また、そのような差の大きいワインで試飲した中での彼の好みを訊いたら、2013年産など果実味が前に出ていないワインを挙げていたのは興味深かったです。
そしてその質問で、どのヴィンテージも自分の好みの方向に仕上げようとするのでなく、あくまで収穫したぶどうの良さを活かす造り方をしているということも感じ取れました。

バリック樽が特徴の醸造所ではありますが、バリックを使っていないリースリングのグーツヴァインgutwein、ジルヴァーナー、バリックの影響を感じないリースリングのGGと、果実味のある白ワインを魅力的だと感じて、結果的にはそういったワインのほうが多く輸入しています。バリックの使い方だけが特徴の生産者ではないのです。
とはいえブルグンダー系の白やシュペートブルグンダー以外などバリック樽を生かしたワインも数多くあるのですが今回は選べなかったので、次回の輸入の際にはそういったワインも紹介できればと考えています。
輸入したグーツヴァインのシュペートブルグンダーはバリック樽は使用していますが、果実味とのバランスが素晴らしくそういった当主のセンスも輸入してるワインから感じ取っていただけるかと思います。

低い声で静かに話すミカエルの人柄がヴァインベルク当主は大好きで、ワインへの考え方も今回の訪問でよりわかってもっと好きになりました。人柄がワインに表れているのもこの醸造所とそのワインが大好きな理由でもあります。


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最後に、本文とは関係ありませんが、訪れた時にお出迎えしてくれた猫の写真を。

輸入した各ワインのネットショップの商品紹介のページへのリンクは本文中にはってありますが、下記からもグッツラーのワインのページをご覧いただけます。



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2019年03月03日

醸造所訪問 ラインヘッセンのグッツラーGutzler その1ケラーと畑見学

新入荷となるラインヘッセンのグッツラーGutzlerの醸造所を訪れた時のことを書きます。
訪れたのは2018年の5月で、1年近く前のことになってしまうのですが、ワインが日本に届いて販売するタイミングのほうが良いと考えていてここまで書いていませんでした。

醸造所はグントハイムGundheimという小さな村にあり、所有している畑もその周辺に点在しています。ラインヘッセンの真ん中から少し南寄りのエリアです。
醸造所には、マインツからニアシュタインなどのライン川沿いを通る南下する路線でオストホーフェンで降りて、バスで15分ほどでグントハイムニ向かいました。

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グントハイムは、特に何があるというわけではない住宅地の小さい集落なのですが、落ち着いていて好きな街並みです。バイエルンやヴュルテンブルクなどの木組みの家とはまた異なる良さがあります。
こういう小さい村にもパン屋さんがあり、そこで造っていて、朝食がてらに食べたパンもおいしかったです。


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グッツラーの醸造所兼住居の入り口です。
VDP(ドイツ優良生産組合)にも加盟しているのでその印もあります。

1年前のプロヴァインやこの数日前のマインツでのVDP試飲会でも会っているので、簡単に挨拶をかわして、お土産を渡してから、ケラーを見せてもらいました。


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ステレンレスタンクなどのある醸造設備を一通り見せてもらってから木樽の並ぶ部屋へ。
バリック樽が並んでいてびっくりしました。この時で300あると言っていた気がします(もしかしたら500かもしれません)。ドイツの家族経営の小中規模の醸造所でこれだけたくさんバリック樽(300リットル前後の大きさの木樽)があるところはそう多くはなく、僕は初めての体験でした。
ワインはそれなりに試飲などで飲んで知っていたのですが、醸造所の知識は事前にあまり入れていなかったのですが、この醸造所は大半をバリック樽にて熟成させています。バリックフォーラムというグループにも所属しています。
白ワインの試飲が多かったですし、赤もそこまで樽が強いという印象はなかったので少し意外でした。
もちろん、新樽ばかりでなく、ワインの格や品種によって、樽は使い分けています。画像の奥に少し大きい樽が見えているのですが、これはトノーと呼ばれている600リットルくらいの樽も白ワインに使用しています。伝統的な1200リットルのシュトゥックとその半分のハルプシュトゥックというドイツでは一般的に使われている木樽は使っていないそうです。また、グーツヴァインのリースリングなどはステンレスタンクで熟成されています。
この部屋は数年前に建てたということなのですが、砂利を敷いてあったりと空気を通すようになっていて、熟成に適した環境の部屋になっているそうです。
柱のマークは、VDPの辛口の最上級の格付けのワインとなるグローセス・ゲヴェックスGrosses Gewächsにつけることができるマークです。

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現当主のミカエル・グッツラーMichael Gutzlerです。先代のお父さんから引き継いでいます。
生産本数は年間11万で、ラインヘッセンでは少ない方、と言っていましたが、ドイツ全体で言ったら家族経営の中では中規模の量と言えます。ラインヘッセンは急斜面でないところが大半なので作業がしやすいので各生産の栽培面積は多くなっているようです。


この後、ドイツに旅行に来ているドイツワイン好き2人と合流し、ミカエルの車で畑をまわりました。


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まず訪れたのはドルン・デュルクハイムDorn-Dürkheimにある畑です。ここの目玉はなんと樹齢80年以上のジルヴァーナーです。フィロキセラの害を逃れた自根です。
先々代のミカエルの祖父から大切に受け継いでいるエリアです。先々代はジルヴァーナーはこの土地に向いていると考え、その後も栽培しやすい後輩品種が生まれてもこのジルヴァーナーは植え替えずに守られています。
プロヴァインでこのジルヴァーナーを飲み気にいったのもこの醸造所を選んだ理由の大きなひとつです。

ただ、寿命で実がつかなくなってしまう樹に加え、2017年の遅霜でかなりの本数がやられてしまい、自根の樹はだいぶ減ってしまったそうです。2017年はトノー2樽分しこの畑のジルヴァーナーは生産できなかったそうです。
だめになってしまった樹のところには画像のように新しい樹が植えられていました。


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ミカエルは説明の合間には、それぞれの畑でぶどうの樹の生育を気にしていました。この時期は葉っぱが出始めているところでした。樹齢が古いからかここのジルヴァーナーは生育が遅めでした。


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移動してヴェストホーフェンWesthofenへ。この村名は、ケラー、ヴィットマンといった著名なワイナリーのグローセスゲヴェックスGG(ブルゴーニュのグランクリュに相当)のワインで聞いたことがある方も多いのではないかと思います。有名なのはモアシュタインMorsteinキルヒシュピールKirchspielの畑かと思います。画像はモアシュタインのグッツラーの所有する区画です。
ラインヘッセンの大半はレス(黄土)ローム(粘性の高い、粘土を含む土壌)なのですが、ヴェストホーフェンのエリアのグローセスゲヴェックスのワインにすることができるVDPによってグローセラーゲGrosse Lageに認定されている畑はカルクシュタインKalksteinが含まれている土壌のです。これらの区画だけ土壌が異なり、そして偉大なワインを造ることができる土壌なのです。
先の2つの畑の他に、ブルンネンホイスヒェンBrunnenhäuschenアウラーデAulerdeの畑もGGにすることができる畑です。
これらは隣接しているのですが、それぞれに土壌の個性が異なるようです。といっても大きく異なるわけではなく、基本はトンメルゲル(粘土質の泥灰土)に石灰岩Kalksteinが混ざっている土壌です。その中で、レスロームが多かったり、地下に水が流れていたり(モアシュタイン)、酸化鉄で赤くなっている石灰岩も含んでいたり(ブルンネンホイスヒェン)と少しずつ異なるようで、それはワインのキャラクターの違いにも表れているようです。
まだヴァインベルク店主はまだそこまでその違いは把握していないので土壌の説明はここまでにとどめておきます。

グッツラーもヴェストホーフェンには多く所有していて、モアシュタインはリースリングとシュペートブルグンダー、ブルンネンホイスヒェンからはシュペートブルグンダーのGGをリリースしています。隣の区画がヴィットマンだったりもします。


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グッツラーが新しく畑を開墾した時に地下から掘った石灰岩だそうです。このように地面にはたくさんの石灰岩が混ざっています。


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ブルンネンホイスヒェンにあった井戸です。これが泉の小屋という畑名の由来につながっているのかもしれません。


車で各畑を移動していると、あまり整えていなくてかなりワイルドに生えていて明らかに自然派系の生産者だろうと思われる区画があったり、急斜面のモーゼルよりも栽培の仕方の幅がかなり広かったのは興味深かったです。
いい畑ですが、そこからできるぶどうは、造りての考え方によって大きくベクトルが変わり、生まれるワインも幅ができます。これがワインの面白いところです。
グッツラーはEUのビオの認定は取得していて、雑草は低めに刈っていました。


もう一か所グッツラーが所有する畑を見たのですが、そのことと試飲での感想は次に書きます。


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2018年12月09日

新入荷のバーデンのフランケンシュタインの醸造所を訪問した時のこと

バーデンのフランケンシュタインのFreiherr von und zu Franckensteinのワインが入荷し販売を開始していますので、5月にこの醸造所を訪れた時のことを書きます。

この醸造所をやりたいと思ったのは、前回のブログでも少し書いたように昨年のプロヴァイン試飲会でのことでした。
知り合いがこの醸造所のことを言っていたので、VDPのエリアの中にあったこの生産者のブースにも訪れました。
そうしたら、自分の好みでしたし、後でも書きますが土壌違いでのワインをリリースしていること、そして生産者の家族がとてもいい方たちだったので気が合いそうと思い、ここと取引をしたいと思いました。当主のお父さんとは30分近く、僕のつたないドイツ語でやりとりをして、これは想い出として印象に残っています。ちなみに隣のバーデンの有名生産者のブースでは通訳付きで日本からのグループが試飲していました。
そして今年ドイツを訪れた時に醸造所を訪れて、正式に輸入することを決めたのでした。


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醸造所はオッフェンブルクOffenburgにあります。
ライン川に近く、数キロ離れたキールからは橋を渡るとフランスのストラスブールにすぐに行けることができます。
駅を降りてまずは昼食でおすすめしてもらったレストランヘ。オッフェンブルクの中心地まで来ました。
木組みの家もありました。後で畑に向かう途中にも観光地ででなくもふうつに木組みの家はありました。そのあたりの雰囲気はヴュルテンベルクのクナウスの醸造所があるヴァインシュタットWeinstadtに似ていると感じました。


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紹介してもらった伝統的レストランではシュパーゲル料理。シュパーゲルに付け合わせを合わせるような感覚で魚や肉と書いてあり、ビーフステーキにしてみました。盛り付けもおまけみたいなかんじになっています。
肉質もよく、新鮮なシュパーゲルもおいしく、オランデーズソースも他にはない味で、大満足でした。
フランケンシュタインのワインはグラスで飲めないか訊いたらシュペートブルグンダーがあるということでいただきました。
薄め、軽めですがコクがありこの料理にもありました(地元用のグーツヴァインなので輸出はしていないものです)。


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レストランに車で迎えに来てもらい、郊外の畑に向かいました。
案内してくれたのは今年からこの醸造所で働いているレオンさんです。
ゼクトを持ってきてくれて、畑で一緒に飲みながら話を聞きました。

この醸造所は、フランケン男爵という名の醸造所で、13世紀から続いているとされています。その男爵の家系が所有していて、ワイナリーは2008年年からはフーシュレ家が任されています。1926年からVDP(高品質ドイツワイン生産者連盟)に加盟しています。
物語のフランケンシュタインは全く関係がありません。

この醸造所は数キロ離れた畑は、花崗岩、片麻岩と土壌が異なっていって、それがこの醸造所の大きな特徴と言えます。
花崗岩はバーデンでも点在していますが、片麻岩で地質が混ざっていないのはバーデンではこのエリアだけということでした。ドイツの他の産地でも片麻岩の土壌は少ししかないと思います(オーストリアにはたくさんあります)。

最初に訪れたのは、先の画像のZell-Weierbachにある畑です。こちらは花崗岩土壌(グラニートGranit)です。
標高は高めで、遠くにはアルザスのシュトラスブールも見ることができました。


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畑には十字架もありました。
けっこうな急斜面のところもありましたが、トラクターなどが間に入って作業をするとのことでした。
岩がごつごつしているシーファー土壌のモーゼルでは考えられいことです。ただ、昨年もトラクターの転倒事故が起きたりとかなり危険みたいです。それでも全て手作業にするよりは効率がよいので機械は入れるのだそうです。収穫は選定が必要なので手摘みです。


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10分くら車で移動して片麻岩土壌(グナイスGneiss)のBerhauptenにある畑へ。
シュヴァルツヴァルト(黒い森)はすぐそばにあるそうです。
画像からもわかるように農薬はほとんど使わないほぼビオの栽培です。


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こちらは畑は縦にはそれほど長くはありませんでした。
シュペートブルグンダーやリースリングはどちらの畑にもありましたが、ミュラートゥルガウやムスカテラーといった品種はこちらのみに植えられているそうです。
この先にはモミの木が栽培されていてびっくりしました。


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そして醸造所へ向かいました。
数年前にオッフェンブルクの街に近い今の場所に引っ越したそうです。
写真は撮っていませんが、入ったところには広めの販売場があります。


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その奥はケラーです。
今回輸入したワインはステンレスタンクでの醸造ですが、GG(グローセス・ゲヴェックス)などはバリックでの熟成で、ワインが入っているたくさんの木樽がありました。


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2階は試飲スペースです。こちらで試飲しながら質問をしたりもしました。
あらためて、土壌違いのワインを試飲するととても興味深かったです。
その中で、販売するとしたらどれが魅力的か、と考えながら試飲しました。
GGクラスでも素晴らしいワインがいくつかあったのですが、今回は日本の方へのお披露目ということで、わかりやすいタイプとしてオルツヴァイン(村名ワイン)で4種類輸入することを日本に帰ってから決めました。
せっかく土壌違いでそれぞのワインがあるので、シュペートブルグンダーはグナイスグラニート、それぞれの土壌で同じ価格のオルツヴァインを輸入することにしました。
ムスカテラーは悩んだのですが、日本でどういう食事と合わせるのか興味がある、と言っていたので購入することを決めました。
和食全般に合わせる、というのは難しい気がしていますが、日本の食卓で使いやすいワインだと思いました。


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試飲の途中で当主のシュテファンさんが来たので、パーティなどもできる広い庭で写真を撮りました。
2018年は生育が早く、訪れた5月は、前年のワインのボトリングまでの作業と栽培の作業が重なってとても大変で、僕との時間をとることができなかったと言っていました。


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数日前のマインツでのVDP試飲会では3人で写真を撮りました。
輸入した2017年のグラウブルグンダー(ピノ・グリ)は、この時も、あらためて醸造所で飲んだ時も好印象だったので輸入することにしました。


ヴァインベルクが扱うとしてもとてもよい醸造所だということがわかりました。
真面目で実直でやさしいワイン、とても好きです。
これからは、日本のみなさまの反応や食事と合わせた時のことなどをお知らせしていきたいと思っています。

ワイン名にリンクははりましたが、下記からもネットショップのファルケンシュタインのワインをご覧いただけます。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 21:27| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする