2017年03月03日

クナウス来日での総括 真摯にワイン造りに取り組む彼から感じたことなど

クナウスの当主アンディが来日し5日間一緒にしました。その中で彼のことや彼が造るワインのことをより知ることができ、その中で感じたこともたくさんありました。そういったことを少し書きたいと思います。

まず、彼のワイン造りのスタイルですが、オーガニックの栽培ということはキーワードになります。彼がオートストリアで勉強と研修をした2000年代後半からオーガニック栽培に転向し始めます。そして来年にはEUのビオ認証も取得予定だそうです。ビオロジックによる栽培をしています。
ビオのグループの認証はとらないの?と質問したらそれは自分にとっては意味がないことだ、という答えが返ってきました。ブランドは必要はなく、ビオ栽培であるということがわかればいい、という姿勢が伝わってきました。

クナウスでは亜硫酸無添加のトロリンガーなども造っていて、いわゆる自然派ワイン、ヴァン・ナチュールの手法にもチャレンジしています。昨年クナウスを訪れた時には、この傾向が今後強くなっていくのでは、と感じ、今の彼のワインが好きなので、今後変わっていくとなるととヴァインベルク店主はちょっと不安になっていました。
今回の来日で色々と話を聞くと、亜硫酸無添加などのワインは、生産量の10%程度で、自分はそういうワインも好きだがこれ以上その割合を増やすことはない、とのことでした。醸造所全体としてその方向を向くのではなく、一部分としてやっていること、そして今後もチャレンジは続けていくとのことでした。
亜硫酸無添加のワインは、トロリンガーが一番リスクが少なく、アメリカで人気があったりデンマークのレストラン、ノーマでもこのトロリンガー Without allはオンリストされていて、軌道に乗っています。
レンベルガーも2015年産からは、トロリンガーよりも生産量は少ないけれど販売を開始したそうです。リースリングは、今までもチャレンジしているけれどなかなかうまくいかずに難しいとのことです。2016年産はクヴェウリのような容器で熟成させているそうです。

アンディと話していて感じたのは、ブランド力を高めるなどマーケティングを考えてのワイン造りをしているのではなく、彼の造りたいものを純粋に追い求めて造っているということでした。彼との会話からはそのことを強く感じました。
品種や質ごとに樽の大きさを変えて発酵、醸造をしていたり、新樽も一部使っていたりするのは、純粋においしいワインを作りたいために考えてのことだということがよくわかりました。また、彼は勘が鋭くセンスがよいので、これらのやり方がいい方向に向かっているということも感じました。
彼はワインが大好きで、ワイン造りに全てを捧げているといっても過言ではないと思いました。
アンディは冗談をたくさん言うし気さくな人柄なのですが、ワインの会話になるとスイッチが入り雰囲気が全く異なり、そして自分のワインについて熱く語ります。

アンディが一番好きな品種はレンベルガー(オーストリアではブラウフレンキッシュと呼ばれる品種)です。クナウスでは他のヴュルテンベルクの醸造所同様に赤ワインの比率が高いのですが、その赤ワインの中でも栽培面積のの3分の2程度がレンベルガーだということは驚きました。でもたしかに、軽やかだけど濃さもあるG、より凝縮感のある、濃厚だけれどなめらかさもあるR、と全くキャラクターの異なるワインを造ることができなおかつどれも素晴らしい品質なので、重要な品種ということはよくわかります。シュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)とは異なる魅力があり、年々注目度も上がっている品種で、これからもっと話題になってくる品種だと思っています。
ヴァインベルクで扱っているレンベルガーGは、同価格帯のピノ・ノワールよりもクオリティが高く、様々な用途でお飲みできるタイプで、実際かなり売れていて手ごたえを感じています。

一方、ヴュルテンベルクではトロリンガーも多く飲まれていて栽培比率はレンベルガーと同じくらいなのですが、こちらはクナウスでは赤ワインの10%程度だそうです。とはいえ、タンブラーでがぶ飲みするようなワインになる少し残糖あるタイプのトロリンガーが多い中、トロッケン(辛口)仕立てのトロリンガーは他にあまりなくそしてクオリティがとても高いです。以前からヴァインベルクのお客さんではこのトロリンガーSの人気は高かったのですが、今回の来日で色々なタイプの日本食と合わせましたが、このワインと日本との相性の良さが証明される結果となりました。全体としての生産量は少ないですがヴァインベルクとしては毎年一定量を確保して輸入したいと考えています。

彼と、どっちのワインがより好みか、などというやり取りをしていたのですが、少しずつ好みがヴァインベルク店主と異なることがわかりました。とはいえ、それはどちらかといえば、という話で、どちらもクオリティが高いのには変わりなく、少しずつ好みが異なるからこそ、幅広いタイプをヴァインベルクとして輸入して販売できている、ということを考えました。全く同じ好みだと傾向が似てきて狭くなり、たくさんの人に気に入ってもらえるのは難しいのかも、と思ったのです。
ワインに対する考え方やとらえ方の方向は一緒で、その中で好みが少し違う、ということはヴァリエーションをもたせるためにも良いことだと思っています。
ヴァインベルクが取引している造り手(定期的に取引しているのは7か所)はそれぞれ好みや考え方が少しずつ違うので、そのことがヴァインベルクの商品の幅を持たせている、ということもこのことで考えたのでした。


今回の来日はヴァインベルク自身にとってもとても勉強になり良い経験となりました。
ワイン会の参加者からの質問では今まで聞いたことがない話も聞けましたし、彼の姿勢や哲学という部分もよい感じることができました。
ずっと一緒にいると彼自身の人柄がわかってくるのですが、けしてとてもいい人とは言えない部分があったりと、そういうところも見えたのはよかったなあと思いました。
タイプが似ているというのはお互いが感じていて、今後の交流もうまくいくのではと思いました。

彼は日本をとても好きになってくれたので、またみなさんとお会いする機会があると思うので楽しみにしていてください。

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クナウスのワインの魅力がわかる6本をお得な価格でセットにしました。
2014と2015年のリースリングG、GとS、格の異なるレンベルガー、Sと亜硫酸無添加のトロリンガー、それぞれ2種類で比較できる内容としました。このセットのみの解説も添付します。

クナウス6本セット ヴァインベルク3周年記念 14,500円



クナウスのワインの単品でのご購入はこちらから


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2017年01月28日

モーゼルのA.J.アダム入荷しました 醸造所紹介とワイン会の感想

そちらヴァインベルクではモーゼルの醸造所A.JAdamのワインも入荷しました。
アダムのワインはラシーヌが日本に数年前から輸入していますが、よい造り手なので気になっていたので2016年の6月に醸造所を訪れました。その時に試飲して気に入った3種類をヴァインベルクの独占商品として輸入してもらうことになったのです。
訪れた時のことを書きながらアダムの紹介をし、数日前に行われたアダムのみでのワイン会のことも書きます。

モーゼル川沿いのトリッテンハイム、ピースポートの間にあるノイマーゲンから内側に入ったところにある小さな集落がドーロンDhronで、その村の中にアダムの醸造所兼自宅があります。


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モーゼルでたくさん見かける家族経営の小さな醸造所ですが、品質の高さを評価されている造り手です。実直な造りと畑のポテンシャルにより、安らぎも得られる昔ながらのモーゼルを感じる素晴らしいワインに仕上がっています。100年前のモーゼルワインを目指していると言っていてそれを体現しています。自然酵母による発酵です。栽培品種は100%リースリングです。


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ヴァインベルク店主と同い年の当主アンドレアスは、穏やかそうに見えて話すと熱い心を持っているのがわかり、その人柄がワインにも表れていることがわかりました。
この醸造所の大きな特徴が、ドーロンとピースポートに畑の区画を持っていて、それぞれの村の畑から同じ格付けのワインをリリースしているということです。村名ワインのトロッケンならドーロナー、ピースポーター、GGクラスのトロッケンならホーフベルク、ゴールトトレプヒェンというように。2つの村の畑はテロワールが異なり、ワインのキャラクターにも差が出ています。


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この道の先はモーゼル川につながり、その川沿いにピースポートの畑はあります。最初の画像、この画像の辺りの縦長の集落に沿っている南西向きの急斜面の畑がドーロナー・ホーフベルクDhroner Hofbergです。

辛口から甘口までそれぞれのクラスをピースポートとドーロンのワインを比較しながら試飲していきました。
ヴァインベルクとしては、奥行きがあり落ち着きのある味わいがあり、古き良きモーゼルを感じられるドーロンの村の畑をプッシュしたいと思いました。その中でもファインヘルプ(中甘口)と甘口の素晴らしさに感動しました。
ラシーヌではトロッケンを中心に輸入していて甘口系は少ないということもあり、2015年産のファインヘルプと甘口2種類をヴァインベルクの独占商品として仕入れてもらうことにしました。

ホーフベルクのオリジナルの区画の名をワイン名にしたゼンガライ・ファインヘルプはアダムのワインの魅力が詰まっていて、100年前、そして今のドイツワインを知ることもできます。

ヘースチェンのカビネットは自根の樹のぶどうも混ざっていて、軽い飲み口だけれど力強さも感じます。色々なシチュエーションで楽しめる軽やかな甘口です。

ホーフベルクのアウスレーゼは樹齢60年以上のぶどうによる、甘みと濃さのバランスが素晴らしい完璧な甘口ワインです。今飲んでもおいしく飲めます。ゴーミヨではこの2015年は95点を獲得しています。

それぞれのワインのもう少し細かい説明はリンクを貼ったそれぞれのページに掲載しています。


そして先日、アダムのワインを日ごろから提供している銀座のローゼンタールにてアダムのワインのみでのワイン会を開催しました。


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画像は10本ありますが、1本同じワインが混ざっていて9種類の提供でした。

①トロッケン 2014  

②ピースポーター (ファインヘルプ) 2012

③ヘースチェン カビネット  2015

④ゼンガーライ(ホーフベルク) ファインヘルプ 2015

⑤ドローナー トロッケン 2012

⑥ホーフベルク トロッケン 2012

⑦ホーフベルク カビネット 2014

⑧ホーフベルク カビネット 2012

⑨ホーフベルク アウスレーゼ 2015


料理に合わせてなのでワインの順番は、セオリー通りではありません。

このブログではワインの感想のみ書いていきます。


こうやって飲んでいくとドーロンの畑のワインは、辛口(トロッケン)であってもやわらかいと思いました。ソリッドというよりは丸みを帯びたといえます。酸があまり立っていないのです。シーファーに珪岩が混ざっている土壌ということだけでなく、渓谷にある畑の立地の気候などでそういうタイプのワインになっていると思います。

そしてトロッケンよりも少し残糖があるほうがこの畑と造り手の魅力が発揮できているのではと思いました。

アダムの場合は、少しの年の差だと熟成による変化はあまりなく、ヴィンテージの個性、特徴がより表れている、ということがよくわかりました。

20人弱の参加者の中で一番人気だったのはゼンガライ・ファインヘルプ2015でした。アダムがが気合いを入れているワインでもあるのでこの結果はうれしいです。



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サーブのお手伝いをしていましたが、ラベルが微妙な違いのみなので、おかわりで注ぐ場合に探すのがかなり大変でした。
辛口の枠としてリリースしているけれど、自然酵母での発酵なのでトロッケンの残糖数値まで糖度が下がらなくてトロッケンと表記できないものが混ざっているなど、消費者にはあまりやさしくないです。
でもそういった部分からもワイン造りが全てという姿勢が見えたりして、アダムが好きだという話になりました。

アダムのワインはドイツワイン、特にモーゼルワイン好きが求めている味わいです。しかし、そういった人たちでだけでなくこの魅力を知ってほしいと思いました。気難しいワインではなく親しみやすいワインなのです。

少し前の記事ですが、友人がアダムを訪問した際のことを醸造所の詳しい説明とともに紹介しているので、この造り手に興味のある方はそちらもお読みください。




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posted by ヴァインベルク at 15:31| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2017年01月07日

ヴュルテンベルクのクナウスを訪れた時のこと 来日についても

2月にヴュルテンベルクにある醸造所クナウスの当主アンドレアス(アンディと呼ばれています)が来日し
ます。
2016年の6月にドイツに行った時にヴュルテンベルクとクナウスの醸造所を訪れた時のことはまだブログに書いていなかったので記事にしたいと思います。この記事でよりクナウスに興味を持っていただけたらうれしいです。

フランクフルトの空港に到着しての最初の目的地がクナウスの醸造所だったのでヴュルテンベルクの首都シュトゥットガルトへドイツ鉄道(DB)の特急ICで向いました。飛行機は定刻通りに到着し列車に無事に乗りこむことができたのですが、まさかの道中で列車故障のためストップし途中の駅でローカル線に乗り変えるというハプニングがあり、クナウスの醸造所の最寄り駅での彼との待ち合わせに一時間遅れとなりました。

車で来て駅で待っていたアンディと再会し彼の所有する畑を見てまわりました。
クナウスの醸造所と畑は、有名な醸造所がたくさんあるレムス渓谷Remstahlの地域にあり、大部分はヴァインシュットWeinstadの中に畑を所有しています。Weinstad(そのままワインの街)は3つの村をまとめた名称です。
このヴァインシュタットの中に点々とある彼の所有するしている区画の畑を見て回ったのですが2時間近く経っていてびっくりしました。その間に畑の話だけでなく色々な話をすることができました。
クナウスの醸造所や畑については2015年に訪問した時の記事で詳しく説明していますのでそちらもお読みいただけるとうれしいです。


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ちょうどこの時に花が咲き始めていたのですが、雨が多くかったので、花が咲くこれからは晴れるよう願っていると話していあました。ビオによる栽培なのでベト病の影響を心配していたのです。
その後も雨は多かったのですが、9月、10月が好天気だったので持ち直し、良い収穫を迎えることができた、というのがドイツの標準的な2016年です。
この日も嵐のような雨が降ったかと思えば晴れたりと不思議な天気の中、畑をまわりました。


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前回訪れて畑をまわった時の記事でも書いていますが、画像のようにこの周辺の畑は曲線の続く丘となっているので、日当たりなどにより場所によって気候条件が大きく異なっています。標高により土壌の地質も3種類にわかれているため、その場所に適したぶどうを植えています。同じ品種でも同じ畑でも区画によって異なる格のワインに使用していたりもしています。この地域に関しては畑名での分類と格付けがナンセンスだということがおわかりいただけるかと思います。そのためクナウスでは畑での分類ではなく、G、S、Rという独自の格付けをし、異なる畑名の区画のぶどうも使用しながら良質なワインに仕上げています。


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話をしていて興味深かった話のひとつが斜面の向きの話です。モーゼルやラインガウの地域では南や南西向きの斜面の畑が良い畑の条件のひとつとされています。冷涼な気候の中で熟したぶどうを収穫するためには日の当たる時間の長い南向きの斜面のほうが適しているからです。しかし、クナウスの一番価格の高いRにするワインも含めてリースリングは北向きの斜面の区画に植えられているそうです。南向きがよいという概念があってびっくりしたのですが、南向きだと熟しすぎるので向いていないということを聞いて納得しました。ヴュルテンベルクはモーゼルやラインガウよりも暖かい気候なので、日が当たりすぎてしまうのでリースリングらしい繊細なワインを造ることができないので北向きの斜面のぶどうからワインを造っているのです。
南向きの斜面には赤ワイン用の品種が植えられているそうです。レンベルガーが一番多く。トロリンガーやメルローなどもあるそうです。


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畑まわりを終えて自宅兼醸造所に向かう前に、夕食の食材を買うために地元の大きなスーパーに寄りました。
食材の豊富さにも驚きましたが、一番びっくりしたのはワインの品揃えです。
ドイツの他の地域のスーパーやデパートのワイン売り場は色々なところで見ていて、種類が多いところはいくつもあったのですが、地元のワインをここまで多くそろえているのは他の地域にはありませんでした。
ヴュルテンベルクのトップの醸造所から地元の小さな醸造所まで本当に多くの造り手のワインがありました。ハウスワインから高めのワインまで一つの醸造所でもたくさんの種類が置いてあることにも驚きました。画像の棚は全てヴュルテンベルクのワインです。もう2棚くらいヴュルテンベルクのワインがあったような気がします。もちろんクナウスのワインも何種類も置いてありました(画像の左から3つめの棚です)。
ヴュルテンベルクはドイツのワインの生産地域の中で最も地元での消費量が多いと言われていますが、こういったことからもそのことがよくわかりました。地元で飲まれているからあまり出回っていないというのがわかる気がしました。気軽に飲める味わのハウスワインを大量に飲んでいるというイメージだったのですが、高品質なワインも同様に買われているということがわかったのも発見でした。
そういうことからヴュルテンベルクの中の消費で生計を立てられる醸造所が大半だと思うのですが。他の地域や他の国への輸出も意識した造り手が増えている、というのがここ数年の傾向かと思います。クナウスも、ドイツの各地のレストランでオンリストされていたりアメリカや北欧に輸出していたりヴュルテンベルク以外でも認められるワインを造っているのです。


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クナウスの自宅に着き、アンディは夕食を準備してくれました。ふだんは奥さんが料理をしているそうですが。僕が訪れる時はアンディが作っています。おそらく週末はアンディが作ることが多いのではないかと思いました。
私は自宅のとなりに作られているゲストルームに泊まりました。
飲んだり、料理をつまみながら出来上がるのを待っていました。画像にあるロゼは一月中旬に量は多くありませんが入荷します。


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もうすぐ時期が終わりだったシュパーゲルもぎりぎり食べることができました。メイン料理は豚肉を焼いたものです。
奥さんと双子の娘さんも一緒の楽しい夕食でした。


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併設している醸造所にはきれいで大きなスペースがあり、畑をまわり泊まった夜はそこで結婚式が行われていたそうです。こういうところでもクナウスのワインはたくさん飲まれているようです。
この夜は醸造所には行かないほうがということだったのでケラーでの樽試飲は翌朝に行いました。朝8時からの試飲で少しつらかったのですが、しっかりと役目は果たしました。
ケラーの中に上の自宅に上がる階段があり昨夜の宴の跡の風船を娘に持っていくところを撮ってみました。


という濃厚な時間をすごしたのですが、今度はアンディが私のところを訪れることとなりました。2月中旬に5日間日本に滞在します。いくつかイベントを計画していて前回の記事でも軽く紹介しました。
東京での2つのワイン会はfacebookのイベントページも作成しました。
facebookのアカウントをお持ちでない方は、ページはご覧いただけると思いますが参加申し込みができないので、これらのイベントに申し込みをご希望の方はメールかネットショップの問い合わせフォームからお申込みをお願いします。

クナウスと楽しむ冬和食の会 新橋ローゼンタール 2/16 19時開始
https://www.facebook.com/events/103152580191680/

クナウスを囲んでのワイン会 新宿リースリング 2/18 13時開始
https://www.facebook.com/events/263237260762877/

よろしくお願いします!



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posted by ヴァインベルク at 09:03| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2016年12月14日

ファルツのシュピンドラーの醸造所とワインの紹介

10月、11月と船便でたくさんワインが入荷しましたが、その中で初めて入荷した醸造所がシュピンドラーHeinrich Spindlerです。
今年の6月にこの醸造所を訪問した時のことはブログで書きましたが、今回は2015年の11月に最初にシュピンドラーを訪ねた時のことと、入荷したワインの紹介を書いていきます。

2015年の秋にドイツを訪れる前に、ファルツでどこか取引したいと考えていて、一度試飲会で見かけたこともあ所有する畑や価格帯ふが魅力的だと思いこの醸造所を訪問したいと思いアポイントをとり、快く向かいれてくださいました。
駅としては一番醸造所から近い、ダイデスハイムDeidesheimの駅で待ち合わせをして当主のマルクス・シュピンドラーと落ち合って車で畑を見て回りました。
メールの段階で、フォルストの畑には興味があるので醸造所に行く前に畑を見たいとリクエストしていたので、説明を聞きながらじっくりとまわっていただけました。


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収穫後なので茶色い景色ですが、それでもこういった壮大な景色は癒されます。
ファルツは良質な畑でも平地なことが多く、広く見渡せます。


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シュピンドラーの所有する区画です。シュピンドラーはEUの基準を満たしたビオ栽培をしています。地面の草や花からもそのことはおわかりいただけるかと思います。


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フォルストのまわりの畑は砂岩の土壌が多いのですが、フォルストは石灰や玄武岩のエリアがありワインにもそれぞれの個性が表れているのが面白いのです。
VDPの醸造所からはGGも造られている一級畑ウンゲホイヤーUngeheurは、その中でもいくつかの土壌にわかれていて、シュピンドラーの上級なワインを造っている区画のエリアは石灰の岩礁の地質という説明がありました。


樹齢35年のぶどうから造られた2015産のGGクラスのリースリング・トロッケンはボリューム感と深みが素晴らしく、なおかつ砂岩やシーファーとは異なる味わいのワインになっています。
ウンゲホイヤー・リースリング・トロッケン

この畑からのアウスレーゼも力強さのある甘さでなおかつ落ち着ける懐のある甘口で素晴らしいです。
1ケース12本のみの入荷です。
アウスレーゼ・ウンゲホイヤー・リースリング


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キルヒェンシュトゥックやイェズスガルテンなどの著名な畑もまわり説明を受けた後に醸造所に向かい、まずは地下のケラーへ。
この醸造所はステンレスタンクか2000リットルを超える大樽の木樽での醸造、発酵です。上のクラスのリースリングや赤ワインは木樽を使用しています。


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2015年産のぶどうを収穫して1か月ちょっと経っているという時期に訪れたので、樽試飲ができました。辛口は発酵が終わっている段階でした。
一通り飲ませてもらいましたが、その中でよいと思った、キルヒェンシュトゥックのリースリング・トロッケン、ソーヴィニヨンブラン、ウンゲホイヤーのアウスレーゼが今年の夏に訪れた時にも良いと思い入荷することとなりました。

その中でもキルヒェンシュトゥックは特に素晴らしかったのです。
6月の時にぜひ購入したいと言ったら数がもう少ないと言われたのですが、頼み込んで24本わけてもらいました。
日本に輸入してからも何人かの方に飲んでもらっていますがとても評判がよいです。今飲んでもおいしいですし熟成もできるポテンシャㇽのあるワインです。
キルヒェンシュトゥック リースリング トロッケン


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その後は瓶詰めされている2014年産のワインを中心に試飲しました。いいなあと思ったものがいくつかあったのですが、このシーズンに輸入することができなかったので、6月に訪れた時の2015年産中心の、在庫があり試飲したワインから入荷するワインは選んでいます。

2014年産も2015年産も安定してよいと思ったのが、2種類あるグーツワインのリースリングのうちのひとつ、フィロソフィーです。ファルツらしさとこの醸造所の良い部分であるやさし、やわらかさが表れているワインなので気に入りました。
入荷してからすでに複数の飲食店で気に入られていて提供していただいています。
フィロソフィー・リースリング・トロッケン


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併設してレストランがあるのでそちらで昼食を。この時は羊を焼いたものにごまをまぶしたものでした。
伝統料理が中心で、すごくこっているわけではないのですが、とても上質な料理を食べることができおすすめのレストランです。


入荷しているワインの中でまだ紹介していないのがソーヴィニヨンブランです。試飲して直感でおいしいと思ったのですが、輸入してから飲んでもやはり素晴らしいと思い、多くの方に絶賛されています。
クリーンなのと熟す中間の気を使って収穫し、工程の中で酸化しないように気をつけながら造られたこのワインは、産地やテロワールということを考えなくてもおいしいと思えるソーヴィニヨンブランになっています。
ソーヴィニヨンブラン・トロッケン


新しい醸造所と取引を決める時に、またその醸造所のワインを扱っていて、しみじみいいところと出会ったなと思っているのですが、このシュピンドラーもそういう醸造所のひとつとなりました。
ヴァインベルクの提案するファルツのワインをぜひお楽しみください。

シュピンドラーのワイン一覧



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2016年10月02日

モーゼルのギュンター・シュタインメッツ醸造所を訪れて

ドイツでのこと、もう少し続きます。
今回はモーゼルのブラウネベルクにある醸造所ギュンター・シュタインメッツです。
モーゼルはすでに複数の取引先があって増やすのは難しいと思っているのですが、モーゼルをもっと知りたいということで興味のある醸造所を訪れることにしてその中で決めた醸造所がシュタインメッツです。訪れるまでここのワインは飲んだことがなかったのですが、知り合いの評判や著名な畑を含めて複数の畑からワインを造っているので他の醸造所との比較としても面白いと思ったのです。ビジネスとして取り扱うことはできないかもしれないけれどあなたのワインに興味がある、とメールしたら、数時間後に香港に出張していた当主からfacebookで歓迎するというメッセージが届きました。奥さんが当主に私からメールがあったことを伝えてすぐに連絡してくれたようでした。


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宿泊していたトリッテンハイムのベルンハルト・アイフェルからモーゼル沿いを通るバスでブラウネベルクBraunebergに向かいました。
写真は下流のほうを向いていて、ここから細長くブラウネベルクの村の集落があります。この通り沿いにシュタインメッツの醸造所兼自宅もあります。
奥に見える畑がブラウネベルガー・ユッファーとユッファー・ゾンネンウーアで、川の反対岸に遮るものがないところにある南向きの急斜面の畑です。ユッファーJuferは乙女、ゾンネンウーアーSonnenuhrは日時計の意味です。この数キロ先にベルンカステルがあります。


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醸造所の外に人がいてその人が当主のシュテファン・シュタインメッツでした。少し自分のことを話してから早速試飲が始まりました。が、この日は輸送のトラブルがあったらしく何度も電話をしていて忙しいようでその合間にこちらの対応をというかんじだったので少し時間がかかりました。小さい醸造所では少人数で全て自分たちでやっているのでこういうことはよくあることです。
写真の地図の赤くなっているところがシュタインメッツも所有している畑です。近所のブラウネベルクのユッファーをはじめ、ピースポートPesportのゴールトレプヒェンやケステンKesten、ヴィントリッヒWintrich、ミュールハイムMuelheim、フェルデンVeldenz、ドーロンDohronの畑を所有しています。ハウスワイン以外はブレンドせず畑ごとでワインをリリースしています。余談ですが、ケステンの畑にはパウリンスベルクとパウリンスホーフベルクの2つがあることをこの時に初めて知りました。

2014年産も2015年産もあるけどどうすると訊かれ、同じヴィンテージがそろっているのは2015ということと新しいヴィンテージの特性も知りたかったので2015年産のリースリングを中心に試飲することになりました。6月の時点でまだ瓶詰めされていないワインが複数あり、地下のケラーのタンクからその度に注いで持ってきてもらいました。
天然酵母による発酵で、それぞれの畑に合わせて木樽、ステンレスタンクを選択するそうで、畑の特性が表現できてなおかつおいしいワインを提供するという姿勢が見える造り手です。中には澱引きしないシュルリーの製法で造っているワインもあるのですが、それは奇をてらっているわけではなくその畑の果汁に一番合った製法だから選択しているのです。
個人的には名の知れた畑のものよりはマイナーな畑名の方が好みのワインが多かったです。その理由を後で分析してみました。
そのひとつが好みだった畑のぶどうの樹齢が長いということでした。樹齢が長ければおいしくなると一概に言えるわけではないのですが、おそらく著名な畑の方は最良なパートのエリアではないと思うので、そういうことも含めて比較するとそちらの方がよいと思ったのだと思います。
もうひとつは、土壌がブラウシーファー(青色粘板岩)だけの土壌ではなくシーファーの中に珪岩Quarzitを多く含んでいる土壌の方が好みだということがわかりました。川沿いではなく少し奥まったヴィットリッヒ、フェルデンツの畑は特に珪岩の多い土壌だそうです。土壌がワインに与える影響というのは科学的にはっきりとは証明はされていませんが、土壌の異なるワインを飲めばキャラクターに違いがあることはあきらかで、モーゼルの微妙な土壌の違いも味わいに違いが出ています。
この醸造所以外でも、今回のドイツではモーゼルの醸造所でも珪岩の話題がたまに出ていて、実際に試飲していての感覚でも珪岩を含んでいるシーファー土壌の方が辛口リーズリングに向いているのではと思うようになってきています。より複雑味が味わいに出て、柑橘系というよりメロンのようなニュアンスがあるので酸味がうまくまとまる傾向にあると思います。


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画像が畑の土壌の石で、上が珪岩を含むヴィットリッヒの畑で、下が川沿いの典型的なモーゼル中域のシーファーの地層です。
こうやって用意しているということは土壌、畑によってキャラクターが異なるということをしっかり把握している、ということでテロワールを重視した造り手ということがこのことでもわかります。
また、ブラウネベルク・ユッファーの畑でシーファーではなく砂岩の区画があるらしく、その区画のリースリング・トロッケンも試飲しましたが、たしかに今まで飲んできたユッファーのリースリングとはキャラクターが異なるのは興味深かったです。


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この造り手はリースリングだけでなく赤ワインも素晴らしいと言っている人もいるのですが、今回は時間がなくハウスワインクラスのピノ・ノワールしか試飲することができなかったのでシュタインメッツの赤ワインのポテンシャルはあまりわかりませんでした。
リースリングの甘口系は数種類試飲しましたが、今までこの地域の甘くワインは数えられないくらい飲んでいて、素晴らしかったワインと比較すると、わざわざ選ぶまでもないかなと思いました。
しかしシュタインメッツのリースリング・トロッケン(辛口系)は、他にはない味わいで、なおかつ今のモーゼルで最もおすすめできる辛口リースリングの造り手の一つと言えることができます。昔からの典型的なモーゼルという味わい、ではないと思うのですが、間違いなく今のモーゼルのおいしい辛口リースリングなのです。


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ちょうど2015年産のワインの瓶詰めをしていました。こうやって間近でワインの瓶詰めを見るのは初めてでした。

醸造所では試飲して気にいったワインの他にユルツィッヒのヘアマンのヴュルツガルテンの畑のぶどうをシュタインメッツで醸造した他よりも高価格なリースリング・トロッケンも購入しました。日本ですでにこのワインは飲んだのですが、おいしいのだけれどなんとなく違和感を感じました。その土地の天然酵母だとやはり近くの畑のほうが自然に感じるのかなあという考察をしました。
また、トリアーのシュタインメッツのワインに力を入れているワインショップでフェルデンツの2006年のファインヘルプを購入して日本で飲みましたが、熟成してからに味わいを経験することもできてよかったです。若いうちに飲んでもおいしい、熟成しても楽しめるワインを造っている造り手ということを感じることができました。

この醸造所を訪れることによってモーゼルのワインの経験値がかなり上がりました。今回のドイツでのモーゼル訪問は原点回帰としていたのですが、新しい発見がいっぱいでした。

今回シュテファンの写真を撮ることができませんでした。ワインや畑のもっとくわしい情報も含めてシュタインメッツのホームページを見てくださればと思います。英語版もあります。
シュテファンはワインが大好きでなおかつ研究熱心で、自分のところのワインだけでなく他の醸造所のワインもたくさん飲んでいるようで毎日のようにfacebookで飲んだワインを投稿しています。ゲストルームの写真にも写っていますが、この時にも飲みかけの他の造り手のワインがたくさんありました。

9月のワイン会でシュタインメッツのワインを提供したらとても好評だったので少量ですが空輸でシュタインメッツのワインを輸入することとなりました。10月中旬に到着予定です。販売できるワインは後日お知らせします。

10月23日の東中野リエーブルでの食事会でもシュタインメッツのワインは2、3種類提供予定です。ヴァインベルクのワイン会に参加されたことがない方でも気軽にご参加ください。リエーブルはフランス料理をベースにした独走的な料理を提供していて、ヴァインベルクのドイツワインともとても相性が良いです。



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