2016年08月06日

リューデスハイムの醸造所訪問

ドイツ出張最終日、ヒルデガルト修道院を後にし、次の醸造所の約束まで少し時間があったので、ゾルターのベティさんは車で少し遠まわしてゾルターが所有するぶどう畑の区画を案内してくれました。


IMG_0645.jpg

前回のヒルデガルトの記事で修道院からの景色の写真を載せましたが、これはリューデスハイムの市街とは反対側、ライン川の上流ガイゼンハイム方面を撮ったものです。


IMG_0646.jpg

別の写真だとゆるやかな斜面だというのがわかると思います。
修道院の近くはクロスターベルクという畑名で、ガイゼンハイム方面(写真の左奥)がマグダレネンクロイツMagdalenenkreuz
です。どちらも村名はリューデスハイムです。


IMG_0667.jpg

そしてゾルターの所有する畑を何か所かまわりました。たしかここはピノ・ノワールです。この周辺はリースリング以外も多く植えられているそうです。ただ斜面の部分は大半がリースリングのようでした。
ゾルターもヴァインベルクで輸入している他の醸造所と同様できるだけ農薬を使わずに栽培しています。ただし面積が大きいので病気などが発生した時に被害が広がるのを防ぐためなど必要な時だけ最低限は使用しているそうです。


IMG_0672.jpg

そして次に訪れたのはフェンデルFendelです。ここは入り口から入った半地下がこのようになっていてここで試飲をします。


IMG_0673.jpg

輸入して好評なシュロスベルクの甘口シュペートレーゼも含めて辛口から甘口まで一通りのリースリングを試飲しました。
前回訪れた時も感じたのですが、共通した風味を感じたのでそれは何によるものかと質問したら酵母による影響が多いとのことでした。


IMG_9930.JPG

続いて訪れたのはビショッフリッヒェス・リューデスハイムBischoefliches Ruedesheimです。
教会と醸造所があるその敷地内でテントを設置して軽くフェスティバルなような催しがあってみなさんビールを飲んでいました。


IMG_0679.jpg

前回は見なかったのでケラーを見せてもらえないかとお願いして快く見せていただきました。
大半のリースリングはステンレスタンクでの発酵、醸造ですが、一部の高価格帯の畑名のみ1200リットルのシュトゥックと呼ばれる木樽にて発酵、熟成させています。


IMG_0677.jpg

奥にはいわゆるバリックと呼ばれる小さい木樽が並んでいて、ピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)の赤ワインのほとんどはこの小さい木樽で熟成されています。
湧水が出ていて、ろうそくなどがあるのが教会の施設っぽいです。そしてこの奥は教会となっています。ヒルデガルトが12世紀に建てた時の部分が残っていてそれらを見たかったのですが、この日は公開していないということで見学することができませんでした。

試飲では、現在輸入していて販売しているリースリング・トロッケンのラウダーテは毎年異なる畑からブレンドしている(どれも著名な畑です)、この醸造所の甘口の良さがわかったりと、新たな収穫も多くありました。


IMG_0686.jpg

この後はベティさんお気に入りの店でピザを食べて(飲み物はビールです)からゼクトハウスゾルターsekthaus Solterに向かいました。
フェンデル、ビショウリッッフェス、ゾルター、市街は徒歩で行ける距離にあります。でもゾルターから先に向かう観光客の方はあまりいないので、ヒルデガルトやこれらの醸造所の存在を知らない方が大半かと思います。

ゾルターでは飲んだことがないものを中心に試飲しました。価格が高いので輸入することは難しいけれど素晴らしいというものもありました。
内側は何度も載せているので今回は撮りませんでした。


IMG_0687.jpg

デカンターの品評会には毎年数点出品していて高い評価を受けています。スタンダートなリースリングは昨年はブロンズでしたが今年はシルバーを獲得したそうです。同じロットで、日本でヴァインベルクが販売しているものも同様のものです。
ゾルターでは、国際的に受け入れられるシャンパンに近い味筋のものとドイツらしい果実味のあるゼクトと2つのタイプがあるのですが、品評会では前者のほうが高い点数をつけられているようですが、個人的には後者のタイプのほうが好みで、そういったタイプのものを選んで輸入しています。どちらもゾルターの個性はあるのですが少し味筋が異なります。


もとから滞在時間は少ない予定だったのですが、列車30分以上遅れたため、ヒルデガルトも含めて5時間で4軒プラス食事という、ただ試飲するだけでは終わらせたくなくしっかりと造り手と話をしたい自分ととしては強行日程となりましたが、充実した濃い時間となりました。
リューデスハイムの2015年産のリースリングは個人的に好みだと思いました。他の産地同様、骨格が太めのワインになる傾向ですが、リューデスハイムではそれがよい方向に向いていると感じました。

次回ゾルターのゼクトを輸入する際には、1,2種類となりますが再びフェンデルとビッショッフッリヒェスのワインも輸入する予定です。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


続きを読む
posted by ヴァインベルク at 21:09| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2016年07月03日

ドイツでの行程

ドイツ出張から無事に戻ってきました。ドイツでの様子や感じたことなどはテーマごとに順番に書いていきます。
イギリスのユーロ離脱で雰囲気どうだった?と多くの方に聞かれていますが、小都市では表面的には大きな変化が見られず、サッカーのユーロ選手権(ドイツではEMと呼ばれています)によって街中がお祭りムードなのが印象的でした。サッカーが文化のひとつになっているのです。

今回はどんな旅程だったのかと、造り手の写っている写真を中心にどんな時間をすごしていたのかというのが垣間見れる写真を載せていきます。

1日目 ヴュルテンベルク Knauss
2日目 ボーデン湖
3日目 ミュンヘン VDPフランケンmeetsオーストリアワイン試飲会
4日目 ファルツ Spindler
5日目 モーゼル SMW、Adam、Bernhard Eifel
6日目 モーゼル Gunther Steinmets、Hofgut Falkenstein
7日目 モーゼル Martin Muellen
8日目 ラインガウ Hans Lang
9日目 モーゼル
10日目 ラインガウ St.Hilledegard、Fendel、Bischoefliches Ruedesheim、Sekthaus Solter 

先が訪れた地方、英字が訪れた醸造所です。この他にも併設のショップで試飲したところなどもありますが、じっくりと話をしたところだけを書きました。
今回はモーゼルに長く滞在しました。自分が一番よく知っていてそして好きな場所ですが、一度原点に戻ってみようということでじっくりとまわることにしました。おかげで新しく見えたことや学んだこともたくさんありました。ラインガウに向かってから9日目にもう一度モーゼルを訪れたのですが、知人の用事ということでヴィースバーデンから車で日帰りで行ってきました。
また、今回は取引先以外の醸造所もいくつか訪れています。過去に訪れたことがあって時間があったので挨拶がてらに伺ったところや条件等により近々に自分で輸入はできないけれど興味を持っている醸造所を訪れました。


IMG_0221.jpg

クナウスのアンディ。ヴァインシュタットにある数多くの区画にある所有する畑を1時間以上かけて車でまわりました。


IMG_0517.jpg

ベルンハルト・アイフェルの当主のアレキサンドラと旦那さん。試飲した後に行きつけのイタリアンにて。


IMG_0575.jpg

ファルケンシュタインのヨハネス。毎回一緒に畑をまわりますが新しい発見があります。


IMG_9789.JPG

マルティン・ミュレンのマルティン。試飲の途中からは昼食を一緒に食べながらワインを飲みました。


IMG_0679.jpg

ビッショッフリッフェスのペーターとゾルターのベティ。ベティの案内でリューデスハイムの醸造所をまわりました。


次回は風景を中心に載せていこうと考えています。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



posted by ヴァインベルク at 23:18| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2016年05月21日

リューデスハイムの醸造所と新入荷ワインの紹介

ラインガウのワインが入荷しましたので、昨年の11月にリューデスハイムのこれらの醸造所を訪れた時のことを書きながら入荷したワインの紹介も書きたいと思います。ホームページでは載せられなった写真も載せています。

リューデスハイムに着いてまずはゼクト(スパークリングワイン)専門の醸造所ゾルターSekthaus Solterです。車で迎えに来てもらいましたが列車が遅れたので少し待ってもらって申し訳なかったです。


IMG_7055.jpg

ゾルターでのことは一度記事で書いています(記事の後半です)。この時に気にいったのが、入荷したキュヴェ・アンリです。フランス系品種4種類のブレンドで、2012年のぶどうが中心ですが2004年のピノ・ノワール(ブラン・ド・ノワール仕立て)や1999年シャルドネのワインもブレンドして瓶詰めしてシャンパン製法で造られています。輸入してすでに多くの方に飲んでもらっていますが、自分が思っていたよりも好評です。
定番となったリースリングとロゼのゼクトも再入荷しています。

その後にゾルターのベティさんと一緒にリューデスハイムの醸造所を2軒回りました。
まずはベティさんに紹介してもらったビショッフリッヒェス・リューデスハイムBischoefliches Weingut Ruedesheimです。


IMG_7067.jpg

教会関係により運営されている醸造所です。時間がなかったので中を見ることができませんでしたが、写真の部分が教会で、この古い箇所は、一度破壊された建物がヒルデガルト・フォン・ビンゲンに再建された建物です(現存しているのは教会部分の一部です)。その教会の横に醸造所が併設されていて地下にケラーもあります。
画像の男性はケラーマイスター(醸造所責任者)のペーター・ペラーボさんです。


IMG_7064.jpg


IMG_7065.jpg

白の辛口系を中心に試飲をしました(画像は最後に撮ったので半分が赤ですが)。リューデスハイムのベルクの著名な畑所有しているのですが、畑名が記載されている一番上のクラスのリースリング・トロッケンよりも価格が少しだけ低い複数の畑のぶどうが使われているワインのほうが印象に残りました。
その中で輸入するのを決めたのがラウダーテ・トロッケンです。固すぎずやさしさを感じる味わいで自分の一番の好みだったからです。この醸造所では畑名がついていないワインには、ラテン語のキリスト教に由来する名前がつけられていてます。このラウダーテは歓びという意味です。

赤ワインはリューデスハイムとアスマンズハウゼンのもの、2種のヴィンテージ4種類を試飲しました。この醸造所は赤に
も力を入れているということがわかったのですが、ペーターはリューデスハイムの近くの赤ワインの産地アスマンズハウゼンにある醸造所クローネの醸造にも携わっているということを聞いて納得しました。
どのピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)も肩肘張らないやさしい味わいで好みでしたが、アスマンズハウゼンのほうが凝縮感とシーファー土壌に由来するふわっと広がる輪郭があり良いと思いました。そのうち2011年のほうが全てが一体となったよいバランスだったのでこのピノ・ノワール・アスマンズハウゼン2011を輸入しました。安くはない価格ですが、ドイツらしくなおかつ上質な赤ワインを飲みたいという方には自信を持って薦めることができます。


もう一軒は、ドイツワインの評価本ゴーミヨなどを見てリューデスハイムでいいところないかなと思っていて気になった醸造所フェンデルFriedrich Fendelです。


IMG_7073.jpg

ぶれていてすみませんが、内部がわかるのがこの画像しかありませんでした。岩をくりぬいたケラーの中に試飲をするゲストルームがあります。
ここではリースリングの辛口から甘口までを飲みましたが、個人的にはこの醸造所は甘みのあるワインのほうが好みでした。といってもこの醸造所はリューデスハイムのベルク・シュロスベルクやベルク・ロットランドという著名な畑の区画を所持していて、どのワインもテロワールの個性もわかる甘いだけではない複雑みのある味わいでした。
その中で、シュロスベルクのシュペートレーゼが格段素晴らしいと思ったので、このワインを輸入しました。価格、味わいともに素晴らしい一本です。ラインガウ、特に下流のリューデスハイム近辺の甘口ワインが好きな方にはぜひ飲んでいただきたいです。観光でライン川下りでリューデスハイムに寄ってつぐみ横丁などでワインを飲んだことがある方もいらっしゃると思いますが、現地で飲むよりもおいしい甘口であると言ってしまってもよいと思っています。


IMG_7077.jpg

この白い壁のところはフェンデルの敷地で、大きい庭で、夏には期間限定で居酒屋がオープンしています。
訪れた2軒はゾルターから歩いてすぐのところにあります。リューデスハイムの中心からは離れていて、観光客は全くいなくてとても静かです、まさに裏リューデスハイムです。リューデスハイムは日本人も旅行でたくさんの方が訪れる土地ですが、こちらの方面に来たことがある人はほとんどいないと思います。ワイン好きの方でもブロイヤーまでかと思います。

リューデスハイムは何度も訪れているのですがまだまだ知らないところがあるなあと思ったのでした。

輸入したワインはネットショップの商品紹介のリンクをワイン名に貼っていますが、こちらから一覧にとべます。ゾルターはこちらです。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 15:42| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2016年03月19日

ビッケル・シュトゥンプ醸造所訪問その2 醸造所紹介

前回ブログに書いた前日のパーティーからホテルに戻ったのが1時すぎだったのですが、ワイナリーの人たちはその後片づけをしてから寝るということで2時以降になるだろうから、9時の約束を10時にしてほしいと言われ、状況はわかっていたのでその時間に醸造所に向かいました。

フリッケンハウゼンFrickenhausenは、フランケンワインの産地で最も大きい街であるヴュルツブルグからマイン川沿いを南に降りて(上流ですが)向きが変わったところにあります。この画像だと真ん中の一番下です。色が塗られているのがブドウ畑ですが、川沿いの向きに畑があるので南向きの斜面というがわかるかと思います。


IMG_6907.jpg

この街の目抜き通りです。川に平行していて、この道のまわりに横に細長く街が形成されています。とても小さな街です。


IMG_6910.jpg

街の中心の広場にある教会の横を川から遠ざかる方向に斜面を登って行ったところにワイナリーがあります。


IMG_6912.jpg

醸造所の入り口です。ここで前日集まって飲んでいたのでした。この日も夜イベントがあるのでそのままになっていました。


IMG_6929.jpg

ワイナリーのスタッフです。奥にいるのが先代、真ん中の女性がその娘でメラニーさんです。営業を担っています。写真には写っていませんがお兄さんがマティアスで(前回の投稿でアイスワインを注いでいた人)、彼が現在醸造所を担当していてこの2人が現在醸造所の中心です。マティアスもメラニーも結婚しているので二家族での経営ということになります。

10時に着くと、観光客のような団体がすでに座っていてメラニーもいて対応していたのですが、シャワーを浴びた後らしく髪をタオルで巻いていて、セットしてくるから15分くらい待っていてと言われました。家族経営の醸造所所らしい一面でした。

その間に畑のほうに行くことにしました。醸造所を出て川と平行に街の中心から離れていくとすぐに住宅がなくなり畑が広がっていきます。画像は斜面の畑の中腹で、この道路の上と下にブドウ畑があります。
Kapellenbergという畑で、街に近くこの道から下の斜面の一画はグローセス・ゲヴェックス(GG)に認定されているMoenchshofという畑名になっています。由来は聞いていませんが、どちらも教会に関係した名前になっています。
この日の朝に初雪が降ったので薄く白くなっています。


醸造所に戻り試飲会開始です。前日にも少しずつ話は聞いていたのでイントロダクションは少なめで試飲を始めました。

この醸造所の一番の特徴は、離れた2つの土地に畑を所有しているということです。
先代のCarmen Bickelの家系はヴュルツブルクから北にある川沿いの町テュンゲルスハイムThuengersheimでワイナリーをしていて、Reimund Stumpの家系はフリッケンハウゼンでワイナリーをしていました。
この2人が出会い結婚し、新たにBickel-Stumpfという名前でワイナリーを設立し、家族が所有していた畑を引き継いだのです。
離れている土地にあるというだけでなく、この2つの土地の土壌構成が異なるということが現在のマケーティングの中でとても重要な要素で売りにできるポイントなのです。

フランケンの土壌は三畳紀(トリアス)と呼ばれる時代の土壌で、その中でも大きく3つに分類されていて土地により異なっています。ざっくりいうと北がブントザントシュタイン(雑食砂岩)Buntsandstein、ビュルツブルクのあたりも含めた真ん中が日本でも飲まれているフランケンワインのほとんどを占めているムッシェルカルク(貝殻石灰)Mushelkalk、さらに南西の地域にコイパー(泥土岩)Keuperという土壌です。
この3つの土壌の畑のワインを飲み比べてみると、同じフランケンといえど味わいの特徴が異なるのがわかります。

北にあるテュンゲルスハイムがブントザントシュタイン、南に位置するフリッケンハウゼンがムッシェルカルクの土壌ということでそのポイントを最大に生かすような商品構成にしています。


IMG_6921.jpg

その中で一番わかりやすいのが、それぞれの土壌の畑のぶどうで通られたジルヴァーナーのワインです。商品名がその土壌になっています。
画像がそれぞれの土壌を形成している石です。左の赤みを帯びているのがブントザントシュタインで少し厚みのある味わい、右ムッシェルカルクは貝を中心とした生物による蓄積物の多い土壌でフワッとした印象を受けます。

ジルヴァーナーやリースリングはどちらの土壌にも植えられていますが、他のブドウ品種はそれぞれに適した土壌の畑に植えられています。赤ワインの品種はブントザントシュタインのテュルンゲルスハイムの畑のみに植えられているそうです。
フリッケンハウゼンには一区画に多様な品種が植えられているところです。収穫したものを分けないで醸造するいわゆるゲミュターザッツGemischter Satzで、オートストリアのウイーン近郊にあるワイン酒場ホイリゲではこの手法で造られたワインが飲まれています。
フランケンでもひと昔前はゲミシュターザッツが多かったそうですが、時代の流れが単一品種の志向になっていたので植え替えられていって今でもゲミシュターザッツによって造っているフランケンの生産者はほんの一握りになっています。ゲミシュターザッツはフランケンの伝統でもあるとい言えるのですがそのことを認識しているのはほとんどいないという状況なのです。この醸造所では2007年から再びゲミシュターザッツのワインの生産を始めたそうで、ここのは名前の聞いたことないような品種も含めて10種類のぶどう品種がブレンドされています。ただ、量が作れないことと貴重だということで価格は安くはないので値段相応の味わいか言われると少し返答に困ってしまいます。


IMG_6926.jpg

というような話をしながら試飲を進めていきました。
キャップシールが赤いものがありますが、これらは全て赤ワインというわけではなく、VDPの呼称のエアステラーゲEraste Lage(以前の等級でいうシュペートレーゼに相当)以上のワインは金色のキャップシールで、それ以外には醸造所のロゴにも使われている赤色をキャプシールにしているということです。
また、現在はフランケン特有の丸みを帯びた瓶ボックスボイテルは使用していなくて、全てが細長い瓶に入ってリリースされています。輸送中に割れやすかったこと(平積みするため)、業者が取り扱いしづらいこと(スペースをとるので)をふまえてメリットよりデメリットが大きいということで全廃という決断をしたそうです。ブルゴーニュ品種やGGクラスはボックスボイテルは使わないという生産者はかなり多くなりましたが、完全に使っていないというフランケンの生産者はまだ少ないと思います。
画像で一つだけボックスボイテルがあるのは2010年のジルヴァーナーのGGだからです。


若者でも飲みやすいような軽めのワインになるようにブレンドで造っているシリーズTwenty Sixなど、今の大多数が常識だとは覆わず、自分ができることでいいと思ったことはまわりにとらわれず信念を持ってやるという姿勢の作り手です。他と違うこともするので革新的とも見えますが、本人たちにとっては自分たちにとっては最良の選択をしているにすぎないことなのです。

先にふれたゲミシュターザッツやどブラウフレンキッシュ、ドミナ、カベルネ系をブレンドしたものなど今回輸入した以外にも興味深いワインがいくつかありましたが、今回は醸造所の傾向がわかりやすくなおかつ素直においしいと思えるワインを価格も考慮しながら選びました。そうやって悩みながら選んだのがトゥウェンティイシックスの白、ブントザントシュタインのジルヴァーナー、2009年のシュペートブルグンダーの3種類です。

個人的にはこの造り手のワインはムッシェルカルクの土壌のワインよりブントザントシュタイン土壌のワインが好みだと感じました。しかしこの造り手で一番最初に飲んだのはムッシェルカルク土壌のジルヴァーナーのGGでとても気に入ったので、1ヴィンテージだけ一通り飲んだだけでブントザントシュタインのほうがよいと決めつけるのはしないほうがよいと思いました。

土壌などのうんちくがなくてもおいしいと思えるワインを入荷したので多くの方に飲んでいただきたいです。

ネットショップでの商品掲載は3月21日の週に順次更新していきます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com



posted by ヴァインベルク at 07:20 | TrackBack(0) | 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする

2016年02月11日

マルティン・ミュレン訪問2015年冬その1ぶどう畑散策編

少し間があいてしまいましたが、11月にドイツに行った時のことの続きです。
モーゼルでまだ書いていなかったのがマルティン・ミュレンMartin Muellen醸造所のことです。

バスでモーゼル川中域から下流に下っていきトラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに到着し、駅前のターミナルで当主のマルティンと合流しました。
私がヒューナーベルクTrarbacher Huenerbergの畑を見たいとリクエストしていて、車で連れて行ってもらい案内してもらうことになっていたのです。
前回訪れた時はKroevにあるパラディースParadiesの畑の場所を教えてもらい(ミュレンの所有する畑だけ反対岸にあります)、船で通って観察したのですが、パラディース同様マルティン・ミュレンにとって重要な畑であるヒューナーベルクにまだ訪れたことがなかったので訪れたかったのです。

トラーベン・トラーバッハは川を挟んでトラーベンとトラバッハとなっていて2つをくっつけてひとつにしています。
ミュレンの醸造所があるのがトラーベンで、ヒューナーベルクはトラーバッハ側にあります。
川沿いではなく、奥に続く道(このサイドにも斜面の畑があります)を車で5分くらい進んだところに畑はありました。


IMG_6354.jpg


区画を買い増していき今はヒューナベルクの畑はミュレンの単独所有だそうです。
植えられえているのは全てリースリングです。この画像からは見えない頂上の奥のなだらかなところにもう少し畑があるのですが、この区画は畑名が異なり、植えられているのもシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)です。

ミュレンのラベルにもなっている、税をとるために畑をランク付けしている100年前のモーゼルの地図ではこの畑も赤くなっています。しかしその後は知名度はなく忘れられていた畑となっていたのですが、ミュレンがこの畑のポテンシャルに気づき、この畑から素晴らしいワインを作り出しているのです。
マルティンはヒューナベルクの畑が一番大好きだと言っていました。自分の畑の中での辛口ワインではここが一番好きだそうです。気候も土壌もも斜面の向き(南向きです)も自分が理想とする条件に合っているそうです。
パラディースの畑は川に近い、シーファーが大きい、石の色が赤い、などというようなことで温度や保湿効果がヒューナベルクとはかなりこと異なります。こちらのほうが直線的で豊かな果実味があり、個人的にはパラディースの畑からは完熟したぶどうによる甘口のシュペートレーゼが好みです。


IMG_6347.jpg

このような灰色と青色のシーファー(粘板岩)の層ががぶどうの樹の下の1メートル以下に広がっています。
シーファーの質はやわらかくもらいそうで、左側の地面の上にあるように細かくなっているそうです。
急斜面ということも加えて水はけがよい地質ということになります。


IMG_6328.jpg

上まで歩いていき色々と説明してもらいましたが、近くに来ると本当に急斜面で登るのは一苦労でした。
朝に霜が降りて濡れていたので、石の階段がないところを歩く時は歩きづらくて大変でした。
このような場所で日々作業をしていると思うと頭が下がります。


IMG_6322.jpg

畑に向かって見て右側の部分から特に高品質なワインができるそうです。特に画像のアーチの前後から毎年星付きのシュペートレーゼ・トロッケンを作っているそうです(同じ畑でも質により区画やぶどうの状態によりそれぞれ別に醸造をしていて、同じシュートレーゼでも星をつけることによってランク分けをしています)。いつも決まった区画で分けているのではなく、その年ごとにぶどうの状況を判断して区画を分けているそうです。


IMG_6341.jpg

上で紹介したランクの高い高価なワインになるぶどうの区画には、樹齢80年から90年でフィロキセラの害を逃れた接ぎ木をしていない自根の樹もまだ多く残っています。

下の区画には樹齢がまだ10年から30年の若い樹も植えられているのですが、意図的に若い樹のぶどうと樹齢50年以上のぶどうを混ぜて醸造してリリースしているワインもあります。A&JというものでAlt古いとJung若いを意味しています。


IMG_6334.jpg

倒れていた樹を戻して添え木に結びつけていました。
ミュレンでは枝を横に延ばさずまっすぐ縦に伸ばしていました。


毎回思いますが畑に来てわかることがたくさんあります。
そして造り手の説明を受けると今まで飲んだこの畑のワインについても理解度が深まります。だからこういう味わいなんだ、などと納得することがあるのです。
そして、この畑にいること自体がうれしそうで常にニコニコしていて、そんな彼からいろいろと詳しく説明を受けているこの時間はとても貴重だし素晴らしくそして幸せな時間だと思えました。
私自身もヒューナーベルクの畑のワインへの思い入れが強くなった畑への訪問となりました。


今後もヒューナベルクの畑のワインは積極的に入れる予定です。
現在は数本だけ2009年のシュペートレーゼ・トロッケン*の在庫があります。このワインはミュレンのトロッケンの中で一番高い価格のワインになっています。ミュレンが理想とする最上の質に値するワインということです。VDP加盟醸造所のグローセス・ゲヴェックスにも引けをとらない素晴らしい質のワインです。
ヴァインベルクでは毎回このシリーズのワインを輸入していて、2012、2009として入荷して、次回の輸入では別のヴィンテージのものを仕入れる予定でいてすでに確保してもらっています。これ以外にももう少し安価なヒューナーベルクのワインも仕入れる予定でいます。


次回はミュレンの醸造所での試飲のことなどについて書いていきます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
http://weinbergwine.com


posted by ヴァインベルク at 18:12| 醸造所紹介 | 更新情報をチェックする