2016年07月03日

ドイツでの行程

ドイツ出張から無事に戻ってきました。ドイツでの様子や感じたことなどはテーマごとに順番に書いていきます。
イギリスのユーロ離脱で雰囲気どうだった?と多くの方に聞かれていますが、小都市では表面的には大きな変化が見られず、サッカーのユーロ選手権(ドイツではEMと呼ばれています)によって街中がお祭りムードなのが印象的でした。サッカーが文化のひとつになっているのです。

今回はどんな旅程だったのかと、造り手の写っている写真を中心にどんな時間をすごしていたのかというのが垣間見れる写真を載せていきます。

1日目 ヴュルテンベルク Knauss
2日目 ボーデン湖
3日目 ミュンヘン VDPフランケンmeetsオーストリアワイン試飲会
4日目 ファルツ Spindler
5日目 モーゼル SMW、Adam、Bernhard Eifel
6日目 モーゼル Gunther Steinmets、Hofgut Falkenstein
7日目 モーゼル Martin Muellen
8日目 ラインガウ Hans Lang
9日目 モーゼル
10日目 ラインガウ St.Hilledegard、Fendel、Bischoefliches Ruedesheim、Sekthaus Solter 

先が訪れた地方、英字が訪れた醸造所です。この他にも併設のショップで試飲したところなどもありますが、じっくりと話をしたところだけを書きました。
今回はモーゼルに長く滞在しました。自分が一番よく知っていてそして好きな場所ですが、一度原点に戻ってみようということでじっくりとまわることにしました。おかげで新しく見えたことや学んだこともたくさんありました。ラインガウに向かってから9日目にもう一度モーゼルを訪れたのですが、知人の用事ということでヴィースバーデンから車で日帰りで行ってきました。
また、今回は取引先以外の醸造所もいくつか訪れています。過去に訪れたことがあって時間があったので挨拶がてらに伺ったところや条件等により近々に自分で輸入はできないけれど興味を持っている醸造所を訪れました。


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クナウスのアンディ。ヴァインシュタットにある数多くの区画にある所有する畑を1時間以上かけて車でまわりました。


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ベルンハルト・アイフェルの当主のアレキサンドラと旦那さん。試飲した後に行きつけのイタリアンにて。


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ファルケンシュタインのヨハネス。毎回一緒に畑をまわりますが新しい発見があります。


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マルティン・ミュレンのマルティン。試飲の途中からは昼食を一緒に食べながらワインを飲みました。


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ビッショッフリッフェスのペーターとゾルターのベティ。ベティの案内でリューデスハイムの醸造所をまわりました。


次回は風景を中心に載せていこうと考えています。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2016年05月21日

リューデスハイムの醸造所と新入荷ワインの紹介

ラインガウのワインが入荷しましたので、昨年の11月にリューデスハイムのこれらの醸造所を訪れた時のことを書きながら入荷したワインの紹介も書きたいと思います。ホームページでは載せられなった写真も載せています。

リューデスハイムに着いてまずはゼクト(スパークリングワイン)専門の醸造所ゾルターSekthaus Solterです。車で迎えに来てもらいましたが列車が遅れたので少し待ってもらって申し訳なかったです。


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ゾルターでのことは一度記事で書いています(記事の後半です)。この時に気にいったのが、入荷したキュヴェ・アンリです。フランス系品種4種類のブレンドで、2012年のぶどうが中心ですが2004年のピノ・ノワール(ブラン・ド・ノワール仕立て)や1999年シャルドネのワインもブレンドして瓶詰めしてシャンパン製法で造られています。輸入してすでに多くの方に飲んでもらっていますが、自分が思っていたよりも好評です。
定番となったリースリングとロゼのゼクトも再入荷しています。

その後にゾルターのベティさんと一緒にリューデスハイムの醸造所を2軒回りました。
まずはベティさんに紹介してもらったビショッフリッヒェス・リューデスハイムBischoefliches Weingut Ruedesheimです。


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教会関係により運営されている醸造所です。時間がなかったので中を見ることができませんでしたが、写真の部分が教会で、この古い箇所は、一度破壊された建物がヒルデガルト・フォン・ビンゲンに再建された建物です(現存しているのは教会部分の一部です)。その教会の横に醸造所が併設されていて地下にケラーもあります。
画像の男性はケラーマイスター(醸造所責任者)のペーター・ペラーボさんです。


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白の辛口系を中心に試飲をしました(画像は最後に撮ったので半分が赤ですが)。リューデスハイムのベルクの著名な畑所有しているのですが、畑名が記載されている一番上のクラスのリースリング・トロッケンよりも価格が少しだけ低い複数の畑のぶどうが使われているワインのほうが印象に残りました。
その中で輸入するのを決めたのがラウダーテ・トロッケンです。固すぎずやさしさを感じる味わいで自分の一番の好みだったからです。この醸造所では畑名がついていないワインには、ラテン語のキリスト教に由来する名前がつけられていてます。このラウダーテは歓びという意味です。

赤ワインはリューデスハイムとアスマンズハウゼンのもの、2種のヴィンテージ4種類を試飲しました。この醸造所は赤に
も力を入れているということがわかったのですが、ペーターはリューデスハイムの近くの赤ワインの産地アスマンズハウゼンにある醸造所クローネの醸造にも携わっているということを聞いて納得しました。
どのピノ・ノワール(シュペートブルグンダー)も肩肘張らないやさしい味わいで好みでしたが、アスマンズハウゼンのほうが凝縮感とシーファー土壌に由来するふわっと広がる輪郭があり良いと思いました。そのうち2011年のほうが全てが一体となったよいバランスだったのでこのピノ・ノワール・アスマンズハウゼン2011を輸入しました。安くはない価格ですが、ドイツらしくなおかつ上質な赤ワインを飲みたいという方には自信を持って薦めることができます。


もう一軒は、ドイツワインの評価本ゴーミヨなどを見てリューデスハイムでいいところないかなと思っていて気になった醸造所フェンデルFriedrich Fendelです。


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ぶれていてすみませんが、内部がわかるのがこの画像しかありませんでした。岩をくりぬいたケラーの中に試飲をするゲストルームがあります。
ここではリースリングの辛口から甘口までを飲みましたが、個人的にはこの醸造所は甘みのあるワインのほうが好みでした。といってもこの醸造所はリューデスハイムのベルク・シュロスベルクやベルク・ロットランドという著名な畑の区画を所持していて、どのワインもテロワールの個性もわかる甘いだけではない複雑みのある味わいでした。
その中で、シュロスベルクのシュペートレーゼが格段素晴らしいと思ったので、このワインを輸入しました。価格、味わいともに素晴らしい一本です。ラインガウ、特に下流のリューデスハイム近辺の甘口ワインが好きな方にはぜひ飲んでいただきたいです。観光でライン川下りでリューデスハイムに寄ってつぐみ横丁などでワインを飲んだことがある方もいらっしゃると思いますが、現地で飲むよりもおいしい甘口であると言ってしまってもよいと思っています。


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この白い壁のところはフェンデルの敷地で、大きい庭で、夏には期間限定で居酒屋がオープンしています。
訪れた2軒はゾルターから歩いてすぐのところにあります。リューデスハイムの中心からは離れていて、観光客は全くいなくてとても静かです、まさに裏リューデスハイムです。リューデスハイムは日本人も旅行でたくさんの方が訪れる土地ですが、こちらの方面に来たことがある人はほとんどいないと思います。ワイン好きの方でもブロイヤーまでかと思います。

リューデスハイムは何度も訪れているのですがまだまだ知らないところがあるなあと思ったのでした。

輸入したワインはネットショップの商品紹介のリンクをワイン名に貼っていますが、こちらから一覧にとべます。ゾルターはこちらです。



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2016年03月19日

ビッケル・シュトゥンプ醸造所訪問その2 醸造所紹介

前回ブログに書いた前日のパーティーからホテルに戻ったのが1時すぎだったのですが、ワイナリーの人たちはその後片づけをしてから寝るということで2時以降になるだろうから、9時の約束を10時にしてほしいと言われ、状況はわかっていたのでその時間に醸造所に向かいました。

フリッケンハウゼンFrickenhausenは、フランケンワインの産地で最も大きい街であるヴュルツブルグからマイン川沿いを南に降りて(上流ですが)向きが変わったところにあります。この画像だと真ん中の一番下です。色が塗られているのがブドウ畑ですが、川沿いの向きに畑があるので南向きの斜面というがわかるかと思います。


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この街の目抜き通りです。川に平行していて、この道のまわりに横に細長く街が形成されています。とても小さな街です。


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街の中心の広場にある教会の横を川から遠ざかる方向に斜面を登って行ったところにワイナリーがあります。


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醸造所の入り口です。ここで前日集まって飲んでいたのでした。この日も夜イベントがあるのでそのままになっていました。


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ワイナリーのスタッフです。奥にいるのが先代、真ん中の女性がその娘でメラニーさんです。営業を担っています。写真には写っていませんがお兄さんがマティアスで(前回の投稿でアイスワインを注いでいた人)、彼が現在醸造所を担当していてこの2人が現在醸造所の中心です。マティアスもメラニーも結婚しているので二家族での経営ということになります。

10時に着くと、観光客のような団体がすでに座っていてメラニーもいて対応していたのですが、シャワーを浴びた後らしく髪をタオルで巻いていて、セットしてくるから15分くらい待っていてと言われました。家族経営の醸造所所らしい一面でした。

その間に畑のほうに行くことにしました。醸造所を出て川と平行に街の中心から離れていくとすぐに住宅がなくなり畑が広がっていきます。画像は斜面の畑の中腹で、この道路の上と下にブドウ畑があります。
Kapellenbergという畑で、街に近くこの道から下の斜面の一画はグローセス・ゲヴェックス(GG)に認定されているMoenchshofという畑名になっています。由来は聞いていませんが、どちらも教会に関係した名前になっています。
この日の朝に初雪が降ったので薄く白くなっています。


醸造所に戻り試飲会開始です。前日にも少しずつ話は聞いていたのでイントロダクションは少なめで試飲を始めました。

この醸造所の一番の特徴は、離れた2つの土地に畑を所有しているということです。
先代のCarmen Bickelの家系はヴュルツブルクから北にある川沿いの町テュンゲルスハイムThuengersheimでワイナリーをしていて、Reimund Stumpの家系はフリッケンハウゼンでワイナリーをしていました。
この2人が出会い結婚し、新たにBickel-Stumpfという名前でワイナリーを設立し、家族が所有していた畑を引き継いだのです。
離れている土地にあるというだけでなく、この2つの土地の土壌構成が異なるということが現在のマケーティングの中でとても重要な要素で売りにできるポイントなのです。

フランケンの土壌は三畳紀(トリアス)と呼ばれる時代の土壌で、その中でも大きく3つに分類されていて土地により異なっています。ざっくりいうと北がブントザントシュタイン(雑食砂岩)Buntsandstein、ビュルツブルクのあたりも含めた真ん中が日本でも飲まれているフランケンワインのほとんどを占めているムッシェルカルク(貝殻石灰)Mushelkalk、さらに南西の地域にコイパー(泥土岩)Keuperという土壌です。
この3つの土壌の畑のワインを飲み比べてみると、同じフランケンといえど味わいの特徴が異なるのがわかります。

北にあるテュンゲルスハイムがブントザントシュタイン、南に位置するフリッケンハウゼンがムッシェルカルクの土壌ということでそのポイントを最大に生かすような商品構成にしています。


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その中で一番わかりやすいのが、それぞれの土壌の畑のぶどうで通られたジルヴァーナーのワインです。商品名がその土壌になっています。
画像がそれぞれの土壌を形成している石です。左の赤みを帯びているのがブントザントシュタインで少し厚みのある味わい、右ムッシェルカルクは貝を中心とした生物による蓄積物の多い土壌でフワッとした印象を受けます。

ジルヴァーナーやリースリングはどちらの土壌にも植えられていますが、他のブドウ品種はそれぞれに適した土壌の畑に植えられています。赤ワインの品種はブントザントシュタインのテュルンゲルスハイムの畑のみに植えられているそうです。
フリッケンハウゼンには一区画に多様な品種が植えられているところです。収穫したものを分けないで醸造するいわゆるゲミュターザッツGemischter Satzで、オートストリアのウイーン近郊にあるワイン酒場ホイリゲではこの手法で造られたワインが飲まれています。
フランケンでもひと昔前はゲミシュターザッツが多かったそうですが、時代の流れが単一品種の志向になっていたので植え替えられていって今でもゲミシュターザッツによって造っているフランケンの生産者はほんの一握りになっています。ゲミシュターザッツはフランケンの伝統でもあるとい言えるのですがそのことを認識しているのはほとんどいないという状況なのです。この醸造所では2007年から再びゲミシュターザッツのワインの生産を始めたそうで、ここのは名前の聞いたことないような品種も含めて10種類のぶどう品種がブレンドされています。ただ、量が作れないことと貴重だということで価格は安くはないので値段相応の味わいか言われると少し返答に困ってしまいます。


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というような話をしながら試飲を進めていきました。
キャップシールが赤いものがありますが、これらは全て赤ワインというわけではなく、VDPの呼称のエアステラーゲEraste Lage(以前の等級でいうシュペートレーゼに相当)以上のワインは金色のキャップシールで、それ以外には醸造所のロゴにも使われている赤色をキャプシールにしているということです。
また、現在はフランケン特有の丸みを帯びた瓶ボックスボイテルは使用していなくて、全てが細長い瓶に入ってリリースされています。輸送中に割れやすかったこと(平積みするため)、業者が取り扱いしづらいこと(スペースをとるので)をふまえてメリットよりデメリットが大きいということで全廃という決断をしたそうです。ブルゴーニュ品種やGGクラスはボックスボイテルは使わないという生産者はかなり多くなりましたが、完全に使っていないというフランケンの生産者はまだ少ないと思います。
画像で一つだけボックスボイテルがあるのは2010年のジルヴァーナーのGGだからです。


若者でも飲みやすいような軽めのワインになるようにブレンドで造っているシリーズTwenty Sixなど、今の大多数が常識だとは覆わず、自分ができることでいいと思ったことはまわりにとらわれず信念を持ってやるという姿勢の作り手です。他と違うこともするので革新的とも見えますが、本人たちにとっては自分たちにとっては最良の選択をしているにすぎないことなのです。

先にふれたゲミシュターザッツやどブラウフレンキッシュ、ドミナ、カベルネ系をブレンドしたものなど今回輸入した以外にも興味深いワインがいくつかありましたが、今回は醸造所の傾向がわかりやすくなおかつ素直においしいと思えるワインを価格も考慮しながら選びました。そうやって悩みながら選んだのがトゥウェンティイシックスの白、ブントザントシュタインのジルヴァーナー、2009年のシュペートブルグンダーの3種類です。

個人的にはこの造り手のワインはムッシェルカルクの土壌のワインよりブントザントシュタイン土壌のワインが好みだと感じました。しかしこの造り手で一番最初に飲んだのはムッシェルカルク土壌のジルヴァーナーのGGでとても気に入ったので、1ヴィンテージだけ一通り飲んだだけでブントザントシュタインのほうがよいと決めつけるのはしないほうがよいと思いました。

土壌などのうんちくがなくてもおいしいと思えるワインを入荷したので多くの方に飲んでいただきたいです。

ネットショップでの商品掲載は3月21日の週に順次更新していきます。



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2016年02月11日

マルティン・ミュレン訪問2015年冬その1ぶどう畑散策編

少し間があいてしまいましたが、11月にドイツに行った時のことの続きです。
モーゼルでまだ書いていなかったのがマルティン・ミュレンMartin Muellen醸造所のことです。

バスでモーゼル川中域から下流に下っていきトラーベン・トラーバッハTraben-Trarbachに到着し、駅前のターミナルで当主のマルティンと合流しました。
私がヒューナーベルクTrarbacher Huenerbergの畑を見たいとリクエストしていて、車で連れて行ってもらい案内してもらうことになっていたのです。
前回訪れた時はKroevにあるパラディースParadiesの畑の場所を教えてもらい(ミュレンの所有する畑だけ反対岸にあります)、船で通って観察したのですが、パラディース同様マルティン・ミュレンにとって重要な畑であるヒューナーベルクにまだ訪れたことがなかったので訪れたかったのです。

トラーベン・トラーバッハは川を挟んでトラーベンとトラバッハとなっていて2つをくっつけてひとつにしています。
ミュレンの醸造所があるのがトラーベンで、ヒューナーベルクはトラーバッハ側にあります。
川沿いではなく、奥に続く道(このサイドにも斜面の畑があります)を車で5分くらい進んだところに畑はありました。


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区画を買い増していき今はヒューナベルクの畑はミュレンの単独所有だそうです。
植えられえているのは全てリースリングです。この画像からは見えない頂上の奥のなだらかなところにもう少し畑があるのですが、この区画は畑名が異なり、植えられているのもシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)です。

ミュレンのラベルにもなっている、税をとるために畑をランク付けしている100年前のモーゼルの地図ではこの畑も赤くなっています。しかしその後は知名度はなく忘れられていた畑となっていたのですが、ミュレンがこの畑のポテンシャルに気づき、この畑から素晴らしいワインを作り出しているのです。
マルティンはヒューナベルクの畑が一番大好きだと言っていました。自分の畑の中での辛口ワインではここが一番好きだそうです。気候も土壌もも斜面の向き(南向きです)も自分が理想とする条件に合っているそうです。
パラディースの畑は川に近い、シーファーが大きい、石の色が赤い、などというようなことで温度や保湿効果がヒューナベルクとはかなりこと異なります。こちらのほうが直線的で豊かな果実味があり、個人的にはパラディースの畑からは完熟したぶどうによる甘口のシュペートレーゼが好みです。


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このような灰色と青色のシーファー(粘板岩)の層ががぶどうの樹の下の1メートル以下に広がっています。
シーファーの質はやわらかくもらいそうで、左側の地面の上にあるように細かくなっているそうです。
急斜面ということも加えて水はけがよい地質ということになります。


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上まで歩いていき色々と説明してもらいましたが、近くに来ると本当に急斜面で登るのは一苦労でした。
朝に霜が降りて濡れていたので、石の階段がないところを歩く時は歩きづらくて大変でした。
このような場所で日々作業をしていると思うと頭が下がります。


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畑に向かって見て右側の部分から特に高品質なワインができるそうです。特に画像のアーチの前後から毎年星付きのシュペートレーゼ・トロッケンを作っているそうです(同じ畑でも質により区画やぶどうの状態によりそれぞれ別に醸造をしていて、同じシュートレーゼでも星をつけることによってランク分けをしています)。いつも決まった区画で分けているのではなく、その年ごとにぶどうの状況を判断して区画を分けているそうです。


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上で紹介したランクの高い高価なワインになるぶどうの区画には、樹齢80年から90年でフィロキセラの害を逃れた接ぎ木をしていない自根の樹もまだ多く残っています。

下の区画には樹齢がまだ10年から30年の若い樹も植えられているのですが、意図的に若い樹のぶどうと樹齢50年以上のぶどうを混ぜて醸造してリリースしているワインもあります。A&JというものでAlt古いとJung若いを意味しています。


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倒れていた樹を戻して添え木に結びつけていました。
ミュレンでは枝を横に延ばさずまっすぐ縦に伸ばしていました。


毎回思いますが畑に来てわかることがたくさんあります。
そして造り手の説明を受けると今まで飲んだこの畑のワインについても理解度が深まります。だからこういう味わいなんだ、などと納得することがあるのです。
そして、この畑にいること自体がうれしそうで常にニコニコしていて、そんな彼からいろいろと詳しく説明を受けているこの時間はとても貴重だし素晴らしくそして幸せな時間だと思えました。
私自身もヒューナーベルクの畑のワインへの思い入れが強くなった畑への訪問となりました。


今後もヒューナベルクの畑のワインは積極的に入れる予定です。
現在は数本だけ2009年のシュペートレーゼ・トロッケン*の在庫があります。このワインはミュレンのトロッケンの中で一番高い価格のワインになっています。ミュレンが理想とする最上の質に値するワインということです。VDP加盟醸造所のグローセス・ゲヴェックスにも引けをとらない素晴らしい質のワインです。
ヴァインベルクでは毎回このシリーズのワインを輸入していて、2012、2009として入荷して、次回の輸入では別のヴィンテージのものを仕入れる予定でいてすでに確保してもらっています。これ以外にももう少し安価なヒューナーベルクのワインも仕入れる予定でいます。


次回はミュレンの醸造所での試飲のことなどについて書いていきます。



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2016年01月15日

ヴュルテンベルクのクナウス醸造所訪問2015年

モーゼルでもう一軒訪れているのですが先にヴュルテンベルクのことを書きます。

クナウスKnaussは2014年に訪れた時に気に入り、2015年から輸入を開始しました。
醸造所の紹介はネットショップに載せていますのでそちらもご覧いただけるとうれしいです。
前回の訪問は醸造所での試飲とケラーの見学でしたが、今回は試飲に加えて、ゲストハウスに泊めてさせてもらい、車で畑を案内してもらいました。

モーゼルから鉄道で、コブレンツでIC(特急)に乗り換えてシュトットガルトまで向かい、そこからSバーンでクナウスの醸造所のある最寄り駅まで向かいました。クナウスの当主であるアンディが迎えに来てくれて車で醸造所兼住居まで連れていってもらいました。
住居は醸造所と同じ建物なのですが、丘をまわっていった高いところに住居の入り口があります。その隣にも扉があってワンルームのゲストルーム(トイレ、シャワー付き)があってここに泊めさせていただきました。


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アンディと奥さんと双子のお子さんと一緒に夕食を食べました。
仔牛を焼いたものとマッシュポテトでした。ソースはクナウスのレンベルガーのワインを使ったそうです。
食事をとりながら6種類の赤ワインを試飲も兼ねながら飲みました。レンベルガー(ブラウフレンキッシュ)だけでなくシュペートブルグンダー(ピノ・ノワール)も相性抜群でした。
リラックスできるスペースであり時間もあったので色々と話すこともできました。日本のドイツワイン事情、飲み手がとういうものを求めているのか(一般的、ヴァインベルクの顧客、両方の観点から)、なども話すことができてよかったです。
ビオについての考え方などもお互いの意見を言ったりしました。クナウスは亜硫酸無添加のワインも作っているのですが、それはアメリカでは大人気とのことですが、僕とアンディの奥さんはあまり好みではない、と言ったら苦笑していました。


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翌朝は、車で畑をまわるということになっていましたが、まずは行きつけのパン屋さんでパンとコーヒーで朝食をとりました。
ドイツはあまり知られていませんが、パン屋さんがそこらじゅうにありパンのレベルも高いです。僕はドイツの菓子パンが大好きなのですが、ナッツのペーストが入っているパンとカプチーノ、シンプルだけど満たされる朝食でした。
そのパン屋さんのある街はシュトルンフェルバッハStruempfelbachで、ロマンティック街道と同じような木組みの建物が並んでいます。ヴュルテンベルクの地域にもこういった建物が残っている街がいくつかあって、日本人にはあまり知られていませんが観光地として訪れている人も多いとのことでした。


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当主のアンディです。お父さんも醸造所を持っていましたが、彼に引き継いでから高品質なスタイルのワインを目指すようになったそうです。オーストリアで数年学んだ以外は独学とのことですが、ドイツだけでなくアメリカなどでもクナウスのワインは評価されています。


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クナウスの所有する畑はこういった斜面がほとんどです。いくつかの場所を案内してもらいましたがどこもこういったかんじです。
くねくねと道路をまわりながらかなり標高の高いところまでブドウ畑は続いています。クナウスは3つの異なる村名の畑を持っていますが、一つ一つの畑名のエリアの面積はけっこう広いです。
そして車で通っているとよくわかるのですが、畑の斜度はまちまちだし、向きもまちまちです。ということは広範囲で同じぶどうを育てていても、それぞれの実の特性が変わってくるのです。
クナウスの所有する畑の場合、赤ワインだとトロリンガーは実がよく熟すように斜面に植えられていて、シュペートブルグンダーはうねっていて保湿性の高いエリアのゆるやかな斜面に植えられていたりしました。


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区画の特性の違いで重要な要素のひとつが土壌です。
サイクリングなどで観光客なども通ることもあってかこういう看板が用意されていて、これがとてもわかりやすいです。
この周辺は標高によって地質が異なるのです。
この地域はフランケンと同じ三畳紀の地層です。三畳紀は名前のとおり年代によって三層にわかれているのですが、ヴュルテンベルクはコイパーの地層です。
コイパーといってもその年代がとても長くいくつもの異なる要素によって層が構成されているのです。
コイパーの年代は他の2つよりも1000万年以上長い2400万年続いたそうです。
図のように異なる要素の地層が積み重なっています。なので標高によってその地層が異なるということを表しています。
ザントシュタインSandstein(砂岩)でも地層によってきめ細かさが異なったり、メルゲルMergel(マール、泥灰岩)には石灰質が含まれたいたりということで、水はけや保湿、実の構成要素が異なったりということありぶどうの味わいが変わってくるのです。
クナウスだけでなく、この地域では赤ワインは石灰質の土壌に植えられていることが多く、地質を意識してブドウが植えられていることがわかります。

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岩肌が見えているところがあったので撮りました。ここは標高が高くキーゼルザントシュタインKieselsandsteinのエリアです。
ぶどうが植えられているところも1メートル下にはこういった岩の地層が広がっています。


斜面の向きや斜度、上と下で地質が異なるなど、いつくもの要素により小さい区画ごとに特性が異なるのです。それらのことがあって、同じ畑名であっても区画ごとにテロワールにあったぶどう品種が植えられているのがレムスタールの地域の特徴だと思っています。


クナウスは3つの村の畑から30以上の区画を所有しているとのことでした。同じ品種でも先に書いたように区画によって特性が違うので別々に醸造をしています。それぞれをタンク、樽で発酵、熟成させた後に、瓶詰前にブレンドしています。それぞれを試飲しながら、グーツ(ハウス)ワインにブレンドするのか、ランクが上のワインにするのか、などを考えています。ブレンドもワインの個性を出すための重要な仕事でセンスが必要です。クナウスはグーツワインでもおいしのはこういったことも要因にあるのです。
また、他の地域でも複数のタンク、樽をブレンドして瓶詰めすることはありますが、レムシュタールの場合、畑ごとに分けるというのは、先に書いたように区画によってキャラクターが違うのでその分け方はナンセンスで、畑名は気にせずにそれぞれの個性を活かしたブレンドのほうが、この地域にはあっているのです。なのでクナウスは一番上のワイン以外は畑名の記載はなく、G、S、Rという独自のランクで価格に差をつけています。同じ村の畑や単一畑に固執するよりも良質なワインにすることができるからです。
クナウスがなぜ従来のドイツの表記をしていないのか、ということが畑をまわって理解することができたのです。


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畑をまわっているとエリアごとに樹の仕立て方が異なるのが面白かったです。それはすなわち所有者が異なるのでやり方が違うということです。
かなり多くの生産者が畑を所有していて、地産地消のもの、農協にぶどうを売るためのもの、醸造まで一括して管理して高品質なワインを目指す生産者、というのがこの畑の中に入り混じっている、というのがちょっと見るだけでもわかります。
クナウスはビオの造りをしていて極力農薬を使っていないのでこのエリアは雑草が生えています。地面を見るだけでも生産者ごとに異なるのです。

前日の夜にこのシーズン初めての雪が降ったので少し白くなっていて葉も実もない光景の見栄えをよくしてくれていました。


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醸造所に戻り、ケラーで少し話をしてから白ワインの試飲をしました。
ケラーでは、R(レゼルヴ)のワインには300リットルのバリックも使っていたけれど昨年からは500リットル以上の木樽のみを使うことにしていました。樽の風味を重要視しているところもある中での彼の決断は興味深いですし、テロワールを重視し果実味もあるワインを自分(ヴァインベルク店主)は好むのでこの傾向に賛同しています。
2014年産は2013年産と異なる部分も多く色々と感じるものがありました。輸入する量が限られてしまうので、たくさんの種類を選ぶことができないので選ぶのが大変でしたが、日本の方に紹介したいと思うワインを選びすでにオーダーしています。3月には販売を開始できると思うので楽しみにしてください。


アンディは日本に来たいと言っていて2016年のシーズンの冬にも実現するかもしれません。
最初、変わり者と言ってかれを紹介されたのですが、まったくそうは思わなくてすぐに意気投合しました。ワインだけでなく実直にワイン造りに向かい合っている彼の人柄も知っていただければと思っています。



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