2017年02月26日

クナウス来日、ワイン会の様子

何回かにわけてクナウスの来日の様子を書いていきますが、まずはワイン会の様子です。

集まる方も料理も異なる会を6回行い約80人の方に参加していただきました。
和食や彼(当主のアンディ)の住んでいる地域の郷土料理(シュヴァーベン料理)など色々なタイプの料理で会をして、アンディ自身にも興味深いと思ってもらえるように会をセッティングしました。
一つの会では7種類前後のクナウスのワインを提供しました。輸入している全種類ではなく、その中からその時の参加者や料理の内容に応じてリストを決めました。
販売用とは別に事前に1ケース別にワインを送ってもらっていて、彼のところの高価格帯のRのワインなどもワイン会では提供しました。


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会の始まりには、醸造所の説明などをしてもらいました。
画像のローゼンタールでの会は、英語の堪能な方に通訳を頼みましたが、他の会ではヴァインベルクの店主が通訳をすることもありました。やっていて思ったのは、忠実に訳すことよりも、いかにそのワインや醸造に関する内容をわかりやすく伝えるかということが大事だということでした。ざっくりした訳をすることはありましたが、彼が何を伝えたいかということを理解することとワインの説明としては丁寧に、ということを心がけていました。


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会の途中では、座りながら新しいワインが出てきたらそのワインの説明をしてもらいました。
木樽の大きさや新樽の比率というのはクナウスのワインにとっては重要なことなので、そのことやぶどうの樹齢などのデータをそれぞれのワインで話していましたが、そのぶどう品種が彼の醸造所でどういう位置づけにあるのか、ヴィンテージのことなども話してもらい、全体を通して聞いていくと彼のワインや醸造所のことを知れる内容になっていました。

食事もしっかりと食べてもらい彼自身にも楽しんでもらえました。特に気に入った料理はおかわりをしているのが印象的でした。


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店主の知り合いのドイツワイン好きの仲間や業界の方による会もしたのですが、この会は寿司職人の方にケータリングに来てもらっての会でした。アンディは魚が好きということと、リラックスした雰囲気の会もやりたいと思っていたのでこの会をセッティングしました。
ネタごとにマッチングするということは事前では考えず、食べながら合わせるワインを考えて楽しんでもらうというスタイルをとりました。そのネタに対してアンディがどういうワインを選ぶのか、というのがどういうアプローチでそのワインを選んだのかが見えて興味深かったです。また、トロリンガーSの繊細だけどそれないの濃さのある赤が合わせやすいネタが多かったのも興味深かったです。
どの会が一番印象的だったかと聞いたらこの寿司の会と答えていました。寿司が彼のお気に入りだったこと、英語とドイツ語でのワインの会話がとても楽しかったようです。

また、この会だけでなく、日本人の作る料理や和食とクナウスのワインの相性がよいことはアンディにも感じてもらえました。
出汁やうまみということを彼にも説明したのですが、日本食、和食のそういった部分と彼のピュアでやさしいけれど芯のあるワインが相性が良い理由であることを理解してもらえました。


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試飲会でも参加者の反応が聞けて興味深かったです。
レンベルガーGがとても万能で多くの方に受け入れてもらえることを再認識しました。
リースリングGは2015と2014があったのですが(2014は飲食店用に少しだけ輸入したもので、試飲会では途中までの提供となりました)、2015年は雨が少なく暑くてボリュームのある年だったので例年に比べてボリュームのあるワインになっていて、どちらが好きかというのが試飲会、ワイン会の参加者で半々に分かれていたのが興味深かったです。
トロリンガーのと亜硫酸無添加のWithout allも両方提供した会ではアンケートをとったのですが、すべての会を通すとほぼ半々くらいに分かれていました。こちらのほうは特に今までどういったワインを飲んでいたか、ふだんはどういうワインを好んで飲んでいるか、によって好みがわかれているのがわかりました。Sのほうは亜硫酸が入っているとはいえ、残留数値が25rととても少なく、それでも味わいの差が明白で、それによって好みがわかれていました。
上記のリースリングとトロリンガーは、どちらがより好きかはアンディとヴァインベルクの店主でも意見が分かれています。
とはいえどちらも魅力的なワインであり、どちらのワインにもファンがたくさんいるということで、造る側(クナウス)も販売する側(ヴァインベルク)も自信を持って提供することができるというのが再認識できました。

ドイツワインは白、それに甘い、というイメージを持つ方が日本でもまだ多い中で、辛口のみで赤ワインの比率が多いクナウスのワインが受け入れられていることはヴァインベルク店主にとってもうれしかったです。赤ワインもみなさんに評判がよかったのも印象的でした。

今後の投稿でもクナウスのワインに対して今回の来日を通してあらためて感じたことなども書いていきます。




クナウスのワインのご購入はこちらから。


ドイツワインショップ ヴァインベルク
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2017年02月25日

クナウスが来日しました

ヴュルテンベルクにある醸造所クナウスの当主アンドレアス・クナウスが来日し、実質5日間の旅程を終えて無事にドイツに戻りました。
さまざまなタイプのワイン会を計6回開き約80人の方が参加していただき、試飲会でも20人の方にご参加いただきました。
最後には少し疲れた表情も見せていましたが、参加者が彼のワインを飲んで喜んでいるのをとてもうれしく思っていました。
さまざまなタイプの料理と合わせたので、彼にとっても良い経験になったようでし、会話も楽しかったと言っていました。
ただプロモーションをするため、というだけでなく、彼に日本のことを知ってもらおうと、イベントを組んだり、取引先のところに連れて行って話をしてもらったり、名所などの観光地にも連れて行きましたし、たくさんの日本の食べ物を食べてもらいました。アンディは初めてのアジアでしたが日本を好きになってくれました。

これから何回かにわけて来日の様子や店主が感じたことなどを書いていきます。

クナウスのワインはヴァインベルクで何種類も輸入しています。それぞれのワインについてはショップページをぜひご覧ください。聞いた話などにより、解説は少し変更をしています。


今回はワイン会などでの彼の写真をざっと載せていきます

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ローゼンタールにて。


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虎ノ門のカーヴ・ド・リラックスにて。ロゼを置いてもらっています。


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築地場外の酒美土場。亜硫酸無添加のトロリンガーも置いてもらっています。


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新宿リースリングにて。


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京都の昼の会は長屋を借りて。


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京都夜の会は野村松花堂でした。


会の様子についてもまた書きます。



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posted by ヴァインベルク at 20:07| ワイン会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年02月05日

茜坂での出汁をテーマにした和食とドイツワインの会の様子

赤坂にある和食とワインおお店、茜坂にてヴァインベルクのワインによるワイン会が開かれたのでその様子と感想を書きます。
茜坂はあじる亭、セレブール系列で2016年にセレーブールの一つ下の下の階にオープンしたお店です。開店の時からヴァインベルクのワインも取り扱ってもらっていて、ペアリングの話をしに行ったりと何度も顔を出したりしていて、ヴァインベルクのワインでワイン会をとずっと話していたのですが、お互いのタイミングがあってついに実現することができました。

茜坂は、ワインに寄せた和食ではなく、板前の作る純和食にワインを合わせるスタイルです。ここの板前の小嶋さんの料理はワインということがなくても大好きです。特に出汁の取り方、味わいが好みに合うと思っています。
そこで、ドイツワインは出汁という話を私はドイツワインの説明でよくしているし、出汁をテーマにしたワイン会をと提案しました。このことはについては後でも書きます。


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会の募集をかけたら12人の定員がすぐ埋まりびっくりしました。ヴァインベルクのワイン会に来てくださったり面識のある方が2組だけということにも驚きました。参加された方になぜ参加しようと思ったのか聞いてみたところ、ドイツワインをもっと飲んでみたいと思ったから、ドイツワインは和食に合うと思っているのでいい機会だと思ったから、出汁とワインということに興味を持っているから、ということを複数の方が言っていて、引きの強いテーマだということがわかりました。


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ワインは7種類選びました。


@ トリッテンハイマー トロッケン 2015 ベルンハルト・アイフェル 辛口

 Riesling  Trittenheimer Sommelier Selection  trocken  11.5%

A アルテンベルク トロッケン 2015 ファルケンシュタイン 辛口

 Riesling  Krettnacher Altenberg  Spätlese trocken 11.5%

B ゾンネンベルク ファインヘルプ 2015 ファルケンシュタイン 中甘口

 Riesling  Niedermenniger Sonnenberg  Spätlese feinherb 9%

C ウンゲホイヤー トロッケン 2015 シュピンドラー 辛口

 Riesling  Forster Ungeheuer trocken 14%

D トロリンガー Without all 2015 クナウス 赤・ライトボディ

 Trolinger Without all trocken  10.5%

E シュペートブルグンダー ヨハニスベルク 2009 ビッケル・シュトゥンプ  赤・ミディアム

 Spätlburgunder Tüngersheimer Johannisberg  Erste Lage  trocken 13%

F キュヴェ アンリ ブリュット ゼクト N.V ゾルター  泡・辛口 Cuvee Henri  12% 


前半はタイプの異なるリースリングを4種類お出しし、ワイン自体の違いや料理との相性の比較をしていただくという意図で、後半は赤と泡で、ドイツの多様性を知っていただけるという内容にしました。
ワイン先行で考えたわけではなく、ワイン選びの中に意図がありつつ料理の構成と相談しながらワインと料理は決めていきました。
ひとつの料理とワインを対で考えるのではなく、グラスを並べて、前後でお出ししたワインともその料理と相性を楽しんでもらえるように、というのがこの会のポイントでもあると考えていました。

事前に試作して綿密に合わせるということはせずに、ワインを飲んでもらってある程度のイメージをつかんでもらい、こちらも料理の内容を聞き、どういうふうになるのかある程度想像する、という程度にとどめておくことにより、思いがけない良さがあったりするのでそういう楽しみもあるワイン会にしたいと思ったのです。こちらで提示するだけではないことにより、想定したワインだけでなく他のワインでもいいなあと思ってもらえたりということも和食の会では大事なことだと考えています。このことについても後半でまた書きます。



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献立とワインリストです。
テーブルにあるおちょこは、ここに出汁を入れてもらいそれを飲んでもらってから会を始めようという提案によるものです。
かつおだしの純粋な出汁を飲んでもらうことによって、今回のテーマがよりわかりやすくなると考えたのです。


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@のワインを飲んでもらった時に、菜の花というのが浮かんできて、ここに貝を合わせるとよいのではということで決まった料理です。菜の花の苦みとワインの余韻が心地よかったです。


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Aのきりっとししてなおかつ果実味のあるワインはたけのこにといういことでこのお椀になりました。


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黒むつの西京焼です。このメニューは1月のレギュラーメニューになっていたもので12月にBのワインを持っていところ西京焼に合うということで出してもらったら素晴らしく、このペアリングは通常のコースの中でも採用されていました。
レストランのマリアージュという方向性の合わせ方でぴったりとはまっていたのです。食感もあるし西京焼の味の部分とほのかな甘みがとけこんでいたりとパーフェクトでした。
この感覚も体験してもらいということで構成に入れました。


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この会の中でもリースリングと天ぷらを合わせたことがあるという会話もありましたが、揚げ物はぜひということで組み込まれた献立です。
Cのボリューム感があるけれどきりっとしているGGクラス(ドイツ辛口の最上級)の辛口は海老にも胡麻豆腐にもぴったりでした。石灰質の土壌からのワインということもポイントだと思いました。


ここまでの白ワイン4種類は全てリースリングにしました。
@とAは同じモーゼル(といっても片方はザールですが)の辛口でもグーツワインと収穫糖度の高いぶどうからのものとの違い、AとBは同じ造り手で残糖が異なるもの、Cは産地の違い(土壌やアルコール度数など)、とドイツのリースリングといっても多種多様であり、料理との合わせ方も異なると、いうことを体感してほしいという意図を持って選びました。
和食にはリースリングは酸味があるので合わないという方もいらっしゃるのですが、ヴァインベルクの選ぶリースリングはとても和食と相性がよいので、他の品種は選らず今回は白ワインはリースリングだけにしました。

料理との相性は関係なしにこの4種類の中でどれが好きかと感想を聞いたらAが半数を超えていました。
ワイン好きの方が多く、そういった方々のこの結果は新鮮でした。みなさんワイン自体のクオリティを感じていただけているということとドイツワインでもその方向性は同じということを認識することができました。Cはなじみのある味わいという声もありましたが、それでもAを選んでいて、ドイツワインならではの魅力が発揮されているワインを選んでくれていることをうれしく思いました。
Bもいいけれどずっと飲むのであればAがいいというのも参考になる意見です。ドイツ好きの方はBのほうがずっと飲めるという方のほうが多いと思うので。

食事のことも考えると、@は食事に万能だし、Bは和食の甘みやうまみと合いワインをそれほど飲まない方でも飲みやすい心地よい甘みがあったり、とそれぞれの良さがあるワインということをわかってくださりみなさんどれも気にいってくださいました。


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こういったものとはペアリングというよりは、こういうったものとも合わせられるということを感じていただければなという意図がありました。
Dの亜硫酸無添加のトロリンガー、Eのピノ・ノワールもお出しして楽しんでもらいました。
数の子とドイツの白の相性が良いこと(といっても質が良く添加物がないものだからこそですが)、いわしの田作とCやDの相性、黒豆との新鮮な合わせ方、などみなさん発見や驚きがあったりしながら楽しまれていました。
時期はすぎてしまいましたが、おせち料理とドイツワインというのはぜひ試していただきたいのです。特にDとおせちの料理というのは興味深いと思っています。


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鴨の治部煮は、片栗をまぶした鴨肉が肉質の良さや食感すべてが素晴らしくとても好みでした。今まで食べた鴨の中で一番おいしいと思いました。
鴨肉だけならブルゴーニュのピノ・ノワールのほうがよいというのはうなずける意見で、葱や出汁があるからこそ慈悲深いこのフランケンのピノ・ノワールと同じトーンでほっとできる合わせ方になっているのだと思いました。
白ワインでも楽しめました。リースリングだからこそというのがあると思います。


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最後もすっぽんの雑炊と豪華でした。
通常営業ではシャンパンを合わせていると聞き、当初は甘めのリースリングをと考えていたのですが、提供しているシャンパンを飲ませてもらったらゾルターのFのキュヴェアンリとタイプが似ているので面白いなあと思いこのスパークリンングワインにすることにしました。
99年産など熟成したワインもブレンドされていて奥行きと深みのあるこのゼクトは深みのある味わいのこの雑炊と同調していました。
ゼクトでしめるのもいいという声もいただきました。酸を強く感じるタイプではなくこういうタイプだからこそ、なのですがそういう提案もできてよかったです。


これらの料理とワインを通して、出汁といっても味付けや調理法によって合うワインや合わせ方のアプローチが異なるということ、料理のポイントに合わせてワインが合うという西洋料理の感覚の合わせ方だけでなく、食事に寄り添う、つつみこむような合わせ方もドイツワインはできる、ということを感じていただけました。
寄り添う合わせ方というのは、ドイツワインにも出汁のようなニュアンスがあるから、と考えていて、最初にやさしくてほっとする味わいの出汁を飲んでもらったことにより、今回のドイツワインでそのことは感じていただけたかなと思っています。うまみ、出汁というのはドイツワインと料理ということにおいて重要なキーワードなのです。
日本酒のような合わせ方であること、でもお米による余韻とは異なり酸味があるからこその相性がある、という点も体感していただけました。

和食にワインを合わせる場合の感覚という点でもこの会をやる上での意図は成功したと考えています。
懐の深さがあるのが和食だと思っていて、色々なアプローチの仕方ができるのが和食とワインを合わせる時の魅力だと思っています。だからこそ冒頭で書いたように厳密なペアリングでないほうが面白いと思っていて、そういうやり方で、というお願いをお店のほうにしたのです。特にドイツワインではそうやるからこその楽しみが発揮できえると考えていて、今回の会でもみなさまそれぞれの楽しみ方をされていました。提案した相性と異なる楽しみ方でもいいと思っていてそれがドイツワインと和食を合わせる醍醐味だと思っています。
また、同じ食材や調理法によっても料理人によって味わいなどはかなり異なるのが和食で、ワインを合わせることによってそのことはよくわかります。だからこそ、ピンポイントな相性の提案ではなく、感覚を感じてもらうことが、和食(家庭の食卓の料理も含んて)とドイツワインを各々で楽しむ時に役立つと思っているのでこういった合わせ方のやり方をしているのです。そしてそうやって食事をされていても違和感なく楽しめる組み合わせが多いのがドイツワインなのです。
相性ということだけでなく、楽しみ方のアプローチも含めて、ドイツワインと和食を合わせるのは素晴らしい、というのをわかっていただけたのではないかと思います。

今回の会をやって、新たな発見ができるかなあと思っていたのですが、驚くような発見や驚きはなく、今まで考えていたこと、感じたことの再認識となったのですが、そのこと自体がわかったのが今回の収穫でした。
上記で書いたようなことをポイントにして薦めていくことをすればよい、というのを自信を持ってやっていけることができるようになりました。


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板前の小嶋さんです。何度か話をして理想の料理を提供してくださり感謝しています。私が小嶋さんの料理が好きで、小嶋さんがヴァインベルクのワインを好きだと思ってくれているからこそ相性が良いというのもあると思います。
アイデアやセッティングもしてくださった三沢さんにも感謝です。参加者みなさまが喜んでいただけた会にすることができました。

ワイン会としてのクオリティも、ドイツワインと和食ということを示す上でも、素晴らしい会となりました。



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posted by ヴァインベルク at 07:52| ワイン会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年10月25日

リエーブルでの秋の食事会の様子

先日行われた東中野リエーブルでのヴァインベルクの会の様子をざっと書きます。
2週間くらい前までの状況だと集まるのは6、7人になりそうなだからまったりとやろうかなと思っていたのですが、近くなってから申し込みが多くありスペースいっぱいの13人での会となりました。参加された方は、ドイツワインをふだんから飲まれている方というのは少数派で、ワイン好きの方もそうでない方もドイツワインをあまり知らない、でも今までおいしいのを飲んだことがあるからもっと知りたい、という方が大半でした。和気あいあいとした会となりましたが、途中で解説もしたりしたので、おいしいだけでなく、比較して飲めたし知識も得られたのでとてもよかったという声をいただけました。終わってからそういうことを言ってくださり満足そうな顔をされているのを見ると会をやってよかったと思えます。


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@ キュヴェ アンリ ブリュット ゼクト N.V ゾルター  泡・辛口 Cuvee Henri 

A フェルデンツァー アルトレーベン 2015 ギュンサー・シュタインメッツ 辛口

B オーリッヒスベルク 2015 ギュンサー・シュタインメッツ 辛口   

C グラウヴァイセ 2014 クナウス 辛口 Grauweisse Reben S  

D トロリンガーS 2014 クナウス 赤・中辛口 Trollinger S 

E ピノ・ノワール アスマンズハウゼン 2011 ビショッフリッヒェス・リューデスハイム 赤・辛口  

F シュロスベルク シュペートレーゼ 2014 フェンデル 甘口 


ワインは7種類です。人数が多く一杯が少なめなので、AとDは2本用意しました。


乾杯のゼクトは、今回も好評で、同価格のシャンパンよりもおすすめできる、ということに自信を持つことができています。ゾルターはスタンダートの単一品種にフレッシュなタイプもよいのですが、キュヴェは上品さと深みのある味わいでブレンドのセンスも素晴らしいということを感じさせる造り手です。



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前菜は、ニンジンのラペ、クスクス、赤ピーマンのムース、鴨とインカのめざめのサラダ、鶏の生春巻きオマールソース添えです。

AとBと一緒に食べましたが、どの組み合わせでもおいしく食べれました。シュタインメッツはリースリングでもやわらかめなのでこういった料理にぶつからないです。



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イタリア産のグリーンピースのショートパスタです。ヴァイスヴルストも入っています。

Cのグラウヴァイセは樽の風味も少しあるのでこの料理とどうかなーと少し不安ではあったのですが、まろやかさがなじむようなかんじでナチュラルに合っているという印象でした。



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えぞ鹿のロースト、サラダ風です。

わさびをつけるとDのトロリンガーと、塩味だけだとEのシュペートブルグンダーと相性がよかったです。Eは深みのある濃さがあり、肉の脂があることによって口の中で風味が融合し贅沢な気持ちにさせてくれました。



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塩だけの味付けのリゾットにラパン(うさぎ)の肉入りの薬膳カレーです。ワイン飲まなくてもこれだけで完成はされているのですが、トロリンガーだとスーっと違和感なく寄り添います。



オーナーシェフの植木さんはフレンチ出身ですが、フレンチの手法を使いながらも独創的な料理を作るので毎回食べるのが楽しみです。今回も素晴らしい料理ばかりでした。あまり綿密な打ち合わせはしなかったのですが、お互いのことがある程度わkっているので、それでも大丈夫と思っていたし結果的にも素晴らしい内容となりました。

素材の良さを引き出す料理だからドイツワイン、特に私が選ぶヴァインベルクのワインと相性が良いのでは、というのを参加者の方と話していました。ふだんからドイツワインもグラスワインで提供しているので、ぜひ訪れていただきたいです。お一人でもふらっと立ち寄れるお店です。



ヴァインベルクの会は勉強会ではないので(セミナー的なこともたまにはやりたいと思っていますが)、知識がなくても楽しめる会です。そして会の中で知識も得ることできます。ドイツワインをあまりよく知らないという方にも参加していただきたいです。毎回料理などで角度を変えながらドイツワインの魅力を伝えようと思っていますので、機会があればご参加いただきたいです。

ブログでお知らせすることもありますが、facebookでのお知らせが一番早く、メルマガでもお知らせをしています。



今回提供したAとBのシュタインメッツは空輸で少量だけ入荷しました。当分はネットショップには掲載しないので、次回のこのブログの記事にてリストとご案内をします。




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posted by ヴァインベルク at 21:08| ワイン会報告 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

ヒルデガルトゆかりの料理とワインの集いの様子と感想です

日本にあるドイツ料理のレストランとしては最も有名で最初に名前の出てくる六本木一丁目のツム・アインホルンで会を開催しました。こちらでは一年半前に一度食事会をやらせてもらっていますが、今回はその時とはテーマが違い趣の異なる会となりました。
ツム・アインホルンの野田シェフはヒルデガルト・フォン・ビンゲンHildegard von Bingen(11世紀の修道女でさまざまな分野に影響を残した女性)のハーブを使った料理に興味を持っていて「ドイツ修道院のハーブ料理」という本も刊行しています。ヴァインベルクで輸入することとなったリューデスハイムのビショッフリッヒェス・リューデスハイムがヒルデガルトの建てた教会に醸造所を併設しているということもあり、ヒルデガルトのことを勉強しました。その中でツム・アインホルンでヒルデガルトをテーマにした会をできないかと打診したところ快く引き受けてくださったので、6月にドイツに行った時にヒルデガルトで造っているワインも入手しそれらとヴァインベルクで輸入しているリューデスハイムの醸造所のワインとヒルデガルトに関連する料理での食事会をすることとなりました。ヒルデガルトの修道院を訪れた時の様子はこちらをごらんください。


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まずはヒルデガルトについて野田シェフからの解説がありました。修道士たちの食生活をただす、健康を気遣うためにハーブ料理のレシピを多く開発したことなどをお話しいただきました。その当時はじゃがいもやトマトはなかったということも言われてみればそうだなと思いました。じゃがいもはアメリカ大陸からやってきたものなので。ドイツ料理なのにじゃがいもがない料理なのです。


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タルトにはトマトが入っていたり川魚ではなくメバルだったりと当時の料理の完全再現ということではなく、ハーブなどによる味付けなどヒルデガルトのレシピとはどういった系統のものかという雰囲気がわかりつつ、現代においしく食べられる料理、といったメニューです。事前にどういったワインを提供するかということを話して、野田シェフに料理の構成を考えていただきました。お話を聞きながらのゼクト以外のワインと料理を一種類ずつ合わせていく形となりました。


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料理が出たときなどに野田シェフからハーブや食材の解説をしていただきました。
僕も調理されていない根セロリは初めて見ました。


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こういったハーブの香りをかいだりなめたりしました。紅茶で使われているようなものや胃腸薬おような苦味のあるベルトラムなど面白い体験でした。


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提供したワインです。
Aヒルデガルト リースリング トロッケン
Bヒルデガルト リースリング シュペートレーゼ ファインヘルプ Sanctus
Eヒルデガルト リースリング シュペートレーゼ Scivias

当初は6種類の予定だったのですが予備として用意していたもう一種類のシュペートレーゼも提供しました。
ヒルデガルト以外のワインはヴァインベルクで販売しているので各ワインの紹介のページへリンクを貼ってあります。
ヒルデガルトのワインは全て2015年産です。他のヴィンテージも試飲したのですが、気にいったものが結果的に2015年産となりました。2番のラベルのものとヒルデガルトのシンボルをラベルにしているものの2種類の系統があり、後者はシュペートレーゼクラスのぶどうを使用していてワイン名にはヒルデガルトにまつわる単語が使われています。Eのワイン名になっているSciviasはヒルデガルトが執筆した有名な指導書で日本訳では「道を知れ」とされています。



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根セロリのサラダ。生クリームのとハーブのみの味付けです。こういった味わいには、きりっとしたAのような酸味がありフレッシュなリースリングの辛口がぴったりあいました。リースリングの酸の重要性はこういった料理でもよくわかります。Aのワインは、わざわざ日本で購入するほど、というわけではないのですが、現地で飲んだらとてもおいしく感じるドイツの風土、食べ物にあった(あまり料理を選ばないので)お手本のようなフレッシュなリースリング・トロッケンです。トロッケンではサマーワインというシリーズもあったのですがこちらのほうがコクがあって好みだったのでこちらを入手しました。


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野菜のタルト。ハーブの風味がとけこんでいます。野田シェフの腕も感じる料理として完成している素晴らしいものでした。
Bのファインヘルプは先のトロッケンがアルコール度数が11.5%だったのに対し12%で、収穫したときの糖度が高いので辛口よりもアルコールに変えていっても度数が高くボリュームがあるものになっているというのが参加者にも興味深かったと思います。甘いとは感じないけれど心地よいボリュームの残糖で野菜の料理との相性がとてもよいワインだと思いました。


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ヒルデガルトはいくつかの区画にブドウ畑を所有していますが、Bのワインは修道院の真下の斜面のエリア、リューデスハイマー・クロスターベルクKlosterbergの畑です。ここは砂岩に石英が混ざっている土壌だそうです。リューデスハイムはレスやシーファー、石英、といった要素が畑ごとに微妙に異なっています。畑のことを調べていたらこの隣にはクロスターライKlosterlayという畑もありこちらはシーファーとレスの土壌だそうです。なんで似たような名前をつけるの、とは思いますが畑名が異なるのには構成要素が違うというちゃんとした理由があるのです。昔は科学的な分析ではなく感覚でその違いがわかっていたのだからすごいです。


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メバルです。クリームソースでこちらも塩、コショウの味付けはありません。ヒルデガルトでも重要な食材であるスペルト小麦があります。スペルト小麦はヘルシー健康というだけでなく食感やこくといった部分で食材としてもいいものだということがわかる料理でした。
こういったうすめだけどコクがあり洗練された料理とまったりめだけど深みと奥に力強さもあるCのワインは最高の組み合わせでした。


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仔羊とレンズ豆の煮込みです。内側に力のある料理と、一見薄く感じるけれど力がありなおかつエレガントなDの赤ワインの組み合わせはとてもよいです。提供された時は少し温度が低かったのですが、時間がたつにつれこのワインの良さが出てきてほっとしました。一瞬でなくてゆったりと味わっていただきたいピノ・ノワールです。6000円というと高く感じるかもしれないけれど他の国の同価格のピノ・ノワールと比べたらとてもよいワイン、という感想をいただけました。


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デザートはかぼちゃのタルトです。砂糖の甘みが強くなくてもかぼちゃのうまみでホットできます。ツム・アインホルンといえばやはり一角獣の砂糖のデコレーションです。
甘口のシュペートレーゼはEのほうが甘みを感じ、Fはより複雑みがありシュロスベルクという畑の良さがわかるものでした。どちらがよいかは好みであり、どちらもおいしい甘口ワインだということは間違いありません。

ヒルデガルトで販売しているハーブティで落ち着きこの会は終了となりました。

豪勢と感じない味付けや食材でも幸せで特別な食事になるということを感じられる会になりました。一見物足りなく感じる料理でも、繊細なドイツワインと合わせると相乗効果でお互いの良さが引き立っていくのがよくわかりました。ヘルシーと(心の)贅沢という相反しなさそうにみえるものの共存ということを強く感じることができました。新しい体験をすることができた料理を提供してくださった野田シェフに心から感謝しています。
多くの方の想像するドイツ料理とは異なるものですが、こういった料理によりドイツの文化の幅を知ってもらえる機会になればと思います。ワインと料理が好きな方も、フランス料理などとは異なる合わせ方なので、ぜひヒルデガルトの料理とドイツワイン、というのを体験していただきたい、と思いました。


次回のヴァインベルクの会は9月22日新宿リースリングにてゼクト(スパークリングワイン)でランチの会です。さまざまなタイプのゼクト6種類をお楽しみいただけます。



ドイツワインショップ ヴァインベルク
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